団塊の世代の部屋28

 

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2001111日木曜日  第774話  座布団

  単身赴任を終えて坂出に帰ってから、出勤前にNHKの朝の連続ドラマを見る習慣になってしまいました。衛星放送だと7時半から始まるので丁度見ることができるのです。4月からの「ちゅらさん」も全部見てしまいました。
 悪気の無いドラマで結構朝から笑わせられて、是は是で元気付けになりました。深刻なニュースやドラマを朝から見ているよりよっぽど精神的に良いかもしれません。そして、今は、10月からの「ほんまもん」です。完全に主婦感覚に陥っています。 

今朝の場面で、禅寺に精進料理の修業に入った主人公がお客様の座布団を並べる場面で、先輩に「座布団の前後ろが違う!そんなことも知らないのか?縫い目が無いのが前だ。」と注意されていました。

 「へ〜ぇ!座布団に前後ろがあるのか?」と慌ててチェックしてみました。

 確かに三方に縫い目があり一方だけ無いところがありました。

 「いや〜!参った参った!」全く知りませんでした。

 別に知ってどうなることでもないかもしれませんが、知ってる人は黙って見ていて「そんなことも知らないのか」と密かに思っているかもしれませんね。
 今日は座布団やさんにとっても良い宣伝になったのじゃないでしょうか。こうして見るとやっぱりテレビの影響力はバカになりません。

 早速、インターネットでも検索してみました。

  座布団の田辺織物というHPの座布団とはにちゃんと書いてありました。

 何でもあるもんですね。それにしても、知らないことを知るって何となく楽しいですね。エクセルの新しい技を知ったときの喜びと同じです。

朝から妙に楽しい日でした!

2001112日金曜日  第775話  人事

   会社経営にとって一番大事なものは何でしょうか。トッテンさんは

 No.353 日本人を幸せにする企業経営とは(前編)

 「社会における企業の役割は、国民の幸福につながる製品やサービス、雇用を提供することである。利益、売上、マーケット・シェアの追求は企業の目標として妥当ではない。企業は国民の幸福につながる製品やサービス、雇用を提供し続けるために必要な研究開発費や設備投資に必要な分のみの利益を求めるべきであり、それ以上の利益が得られるのであれば、製品やサービスの品質向上や値下げ、仕事の質や報酬の改善に向けるべきである。企業は必要経費を満たし、かつ企業の存続に必要な投資を賄う分だけの収益を求めるべきである。」と書いています。

 ジャック・ウエルチ前GM会長はトッテンさんとは正反対の拡大主義者でしょう。飽くなき拡大主義の実践者であり、利益、売上、マーケットシェアの追求の権化ともいえると思います。そして、又、それに成功した数少ない経営者でしょう。

 そんな、ジャック・ウエルチさんの日本経済新聞コラム「私の履歴書」が10月31日で最終回となりました。最後に印象深い言葉がありました。

 「会長としての二十年間、仕事の七十五%近くは人事だった。」

 私の気持ちとしては、今はどちらかといえば、トッテンさんの考えの方をとりたいのですが、この人事が75%というのはもろ手を挙げて賛成です。この言葉こそ、私が企業にとって一番大事な事ではないかと日頃から思っていたことです。

 第22話第31話第53話422第485話、などで日本の会社が如何に人事をないがしろにしているかを取り上げました。
 業種や規模の違いがあっても、社員が気持ちよく自分の力を発揮することができるのは人事に負うところが大と言えます。
 人間なんと言っても自分からやる気になる時が1番力を発揮する時じゃないでしょうか。人事はそうした社員の力を引き出すためにも1番大切なはずです。人を活かすも殺すも人事次第と言って間違いは無いと思います。
 ところがそこに力を入れていない企業の何と多いことでしょう。そのくせそういう会社の経営陣に限ってわが社には人材がいない等とほざくのです。そういってる本人が一番使いものにならなかったりして・・・。

 活力の無い会社というのは、その一番大事な人事が出鱈目であることが原因の一つであることは確かでしょう。
 経営者が超ワンマンで、裸の王様だったり、組織が官僚化して、好き嫌いだけの人事がはびこっているとか、その形はいろいろであっても、人事がいいかげんということは同じだと思います。
  ウエルチさんほどの人が仕事の75%を人事に使ったと言うことを日本の企業の経営者に考えてもらいたいものです。それだけ気を使ったから大きく成功したとも言えるでしょう。

やっぱり、人事が1番!

2001113日土曜日  第776話  イチロー選手

 日本シリーズはあっという間に終わって、今は大リーグのワールドシリーズをやっています。どうやらヤンキースが優勝しそうです。と言っても、そんなに野球が好きなわけでもなく、イチロー選手が出ていないので全く見る気なし。
 日本のプロ野球は、相変わらず読売の渡辺オーナーが牛耳って、来年、巨人の本拠地での10試合のテレビ中継をNHKがやると発表。8、9回の尻切れトンボはファンに失礼だとか何とかもっともらしい理由をつけていますが、なんだか胡散臭そうに思えてなりません。
 野球なんかどうでもよくて、本当に見たいものが延期されるのが嫌いな人も沢山いることがわからないのだろう。

 さて、そのイチロー選手が国民栄誉賞を辞退したことは、大抵の人が賛成しているようです。政治家の他人の人気を利用しようとする薄汚い根性が余りにも見え透いているからでしょう。

 何時もここで取り上げている豊田泰光さんも11月1日の日本経済新聞コラム「チェンジアップ」でイチローの判断はクリーンヒットだった。メジャー行きに日本的なるものへの否定が根底にあったとすれば、彼は国民栄誉賞の打診に苦笑いさえ浮かべたのではないだろうかと言っています。流石、豊田さん辛口です。

 しかし、何と言っても、沢山の意見の中で、やっぱり玉木さんの意見が切り口が違って面白かった。

 イチローに国民栄誉賞を授与しようとした小泉内閣は、イチローに謝罪せよ!

 ・・・略

 「福田官房長官とか、安部官房副長官が口にしたそうです」
「それは、おかしいよ。だって、内定の段階で拒否したら、発表すべきではないでしょう。でないと、イチローを非国民だと思う人が現れかねない。国民栄誉賞なんて賞は、ノーベル賞やアカデミー賞や文化勲章のように、毎年定期的に与えるものじゃないですからね。相手が受けると返事をしてから公表するのがスジで、拒否などという「公式結果」は、存在しないはずですよ。そうでないと、批判が怖くて、誰も拒否できなくなる……」・・・以下略

 

 成る程、是はちょっと考えませんでした。高橋さんもこれがあるので断れなかったのかもしれません。断るとなるとあのシカゴマラソンでも文句をつけた陸連から横槍が入ったでしょうね。

 しかし、あの、外務官僚と組んで真紀子いじめをやっている、いやらしい含み笑いの福田官房長官の顔が浮かびます。本当に大事なことを放っておいて何をやっているんだか・・・。

 小泉内閣もこんなことやってるようじゃ期待は持てないかも。

人のふんどしで相撲を取ってる暇は無いだろうに!

2001114日日曜日  第777話  真紀子降ろし

 昨日も最後にチョット触れましたが、外務官僚と福田官房長官の意を受けたかのような、このところのマスコミの真紀子バッシングは度を越していますね。
 確かに、一連の真紀子さんの言動は常軌を逸しているようですが、それもマスコミによって知らされていることなのでどの程度まで信じるに足るかの問題はあるのではないでしょうか。
 相手は、これまた常軌を逸した泥棒集団とも言える外務官僚なのですから、どちらの情報が正しいのか誰にもわからないと言ってもいいのじゃないかと思います。
 どうやら、マスコミは泥棒官僚の方についたようです。
第603話第616話第625話第626話第628話第690話第691話と何度も取り上げたように、もともとその傾向があったので、外務省からのリークを元に遠慮がちに真紀子バッシングをやっていましたが、ここに来て急に声を大にし始めました。
 このところの、小泉改革への族議員の抵抗に歩を合わせたかのようです。抵抗勢力と外務官僚が手を組んでいよいよ小泉内閣への攻撃が始まったのかもしれません。
 小泉さんが、真紀子さんと外務省の争いを「どっちもどっち」と言いましたが、国民に取ったらそっくりそのまま小泉さんに返したい言葉です。「あんた、そんなこと言ってる場合じゃないでしょうが」と言いたい。

 そのマスコミの真紀子バッシングの代表的なものがありました。3日の読売新聞は、「鋭角斜角」という「コラム」のような書き方の記事で、「外相ますます逆風」と題して、『指輪をなくして、「あんたが盗んだんじゃないの」と秘書官らに言った』と書いていました。

 まさか、こんな記事を新聞で見ることになるとは想像もしませんでした。見た瞬間「何だ、これは!」と思ったのが正直な気持ちです。こんな週刊誌のゴシップのような記事を朝刊で見ようとは・・・。

 完全にマスコミは泥棒の味方になったようです。この調子で、構造改革もマスコミと守旧派・官僚によって潰されることになるのではないでしょうか。

やっぱり、この国はもう駄目のようです!

2001115日月曜日  第778話  ベネチア

  11月3日文化の日は明治天皇の誕生日だったんですね。昭和天皇の4月29日が緑の日。今の天皇の12月23日は何の日になるのかな。なんて事を言ってると顰蹙を買いそうです。
 何でもいいが休日が増えるのは歓迎。しかし、土曜日と重なると一日損した気分です。これも月曜日か金曜日に振り替えにならないかなと思ってしまいます。我ながら、仕事嫌いにあきれます。

 さて、その文化の日はTVの特別番組が楽しみです。何時も、安田生命が提供するルネッサンスを取り上げた番組があるので見入ってしまいます。今年も「ルネッサンス時空の旅人聖なる都アッシジ物語」と題してありました。しかし、安田生命さん大赤字を出しているのに大丈夫なのかななんて要らない心配をしてしまいます。

 今年は、もう一つ「ビートたけし・塩野七生のイタリア三つの都の物語」という特別番組がありました。
 ルネッサンス時代のローマ・フィレンツェ・ベネチアを背景に日本の政治・経済・文化について語るという番組でした。
 特に、ベネチア(小父さんにはベニスの方がしっくりしますが・・・)の空から撮った映像がベネチアの
水の都といわれる所以が一目でわかり興味深いものがありました。鳥瞰図って日頃の目線でしか見ていないものが新鮮に見られるので本当にいいですね。オレンジ色で統一されたベネチアの美しさが良く分かりました。(参照:旅イタリア水の都 ベネチア親子でイタリア)
 ああいう教会を中心とした圧倒的な建物やそれに施された彫刻や絵画を見せられると、文化の積み重ねというか社会資本の日本との差を感じさせられずにいられません。「あ〜!かなわないなぁ」と思い知らされます。
 外国旅行をしたこともない小父さんとしては映像の有難さを感じる一日でした。

 その中でも印象に残ったのは、ベネチアの共和国政でした。その制度は1200年の長きにわたって続いたのだそうです。そのシステムが興味深いものでした。日本の参議院に当たる元老院は貴族による世襲制であるが報酬はなし。官僚は1円の賄賂でも処刑と今の日本の政・官・財の人達に聞かせたい。

ベネチア研究の価値あり!

2001116日火曜日  第779話  ワークシェアリング

  第350話以来何度も取り上げてきたワークシェアリング、失業率が5%を超えてから話題に上って来ています。連合も春闘の目標を賃上げよりワークシェアリングに舵を切ったようです。何処まで本気かは分かりませんが。

 「1人あたりの労働時間を減らして仕事を分かち合うことで雇用を守る「ワークシェアリング」について、連合の笹森清会長は1日開かれた春闘の中央討論集会で、「所定内労働時間が減った分の給料が下がるのは、ある程度はやむを得ない」と話し、導入へ柔軟姿勢で臨む意向を示した。単純な賃下げではなく、時間給を維持したうえで労働時間の対価としてなら、給料が減ることを初めて容認した発言だ。」(asahi.comより)

 高い物価の為に世界一の所得と言われてもその恩恵を感じられなかった日本で、この賃下げが新たな社会の枠組みとしての出発になれば良いのにと思います。

 今盛んに危機のように言われているデフレスパイラルですが、何度も言うように今まで世界水準に比べて高い物価や地価がやっと世界水準並みになろうとしていると思えば、ワークシェアリングによる賃下げも歓迎すべきことだと思えるのではないでしょうか。

 日本人には、アメリカのような賃金格差は似合わない。サラリーマンならトップと新入社員の差が10倍位(殆ど根拠はありませんが、感覚で・・・)で良いのじゃないでしょうか。
 同じサラリーマンで業種や地位でとてつもなく所得が違うというのはどうにも納得がいかない。実力主義といえどもアメリカのように天文学的な差がつくというのはどこかおかしいと思うのは私だけでしょうか。
 本当の実力差がそれだけあるのならそれも仕方ないですが、それほど人間の力に差があるとも思えませんし。同年代なら多くても2倍位の給料を貰えば有難いと思えるのですが、欲がなさ過ぎるのかな。
 それよりも、皆で仕事を分けて楽に仕事をするほうが人生楽しいよう気がしますがどうでしょう。

それ以上儲けたい人は、個人で事業を起こすとか、プロスポーツ選手や、芸能人で儲けてもらえば良いのじゃないでしょうか。
 そこでできた大きな所得差は、トッテンさんが言われるように累進所得税で調整すれば良い。
 いずれにしても、物価が下がり、社会資本が充実していれば、もっと可処分所得が増えて皆が今以上の生活ができるはずです。基本は足るを知るでしょう。

人間上を見たらきりがない!

2001117日水曜日  第780話  政治家の現実

 5日の「テレビタックル」で、ハマコーさんが「大臣なんて字さえ読めれば小学生だって出来るんだ。」朝から晩まで官僚が質問に対する答え方を教えてくれるし、台本を書いてくれるのだからそれが読めればいいのだそうです。
 そんなところだとはうすうす分かっていましたが、あれほど露骨に言われると余りにも情けなくなりますね。
 つまりは、政治家は完全に官僚におんぶにだっこというわけです。そんな政治家が官僚の不正を追求できるわけがないことは明らかです。官僚より勉強して、彼らを引きずりまわすような政治家がいないことが日本の悲劇といえるでしょう。

 その裏がわかれば、田中真紀子さんがあそこまで醜態を晒すのは、官僚が自分達の悪行三昧の立場を守る為に全く協力してない上にリークで足を引っ張っているということがハッキリします。真紀子さんの人格どうのこうのといっても人のことを言えるだけの政治家がどれだけいることか。そんなにまともな人がいるとも思えませんが・・・。
 それにしても、真紀子さんがもう少し勉強してまともだったら、鬼に金棒だったのでしょうが・・・。しかし、何にもしない大臣よりは余程ましです。

 桝添要一氏が「これで田中真紀子を降ろすようなことがあると、官僚による大臣降ろしというとんでもない前例を作ることになってしまう。断じて許すべからず」と言っていましたが、その通りだと思います。

 珍しくマスコミがそんな今の田中問題を取り上げていました。asahi.com 田中外相問題の不思議です。

やっとまともなことを書いたという感じですね。

 もう一人、衆議院議員を辞めた久野総一郎さんという二世議員が出演していました。本当は政治家になりたくなかったが、竹下元総理に勧められ地盤を継いで当選。しかし、議員は当選した後も票と金の為に振り回され、政治なんか出来ない。それがイヤになって辞めたそうです。この人が人間としてはまともな神経の持ち主だろうと思います。

桝添要一氏が、又、『冠婚葬祭に代議士が来なかったら「流石だ!あの人に票を入れよう」というくらいになって欲しい』と言っていましたが、これもその通りでしょう。
 政治がどうのこうのより、どうやって次の選挙に通るかの方に全精力を注がなければならないという現実が政治家を駄目にしているということである。

是が日本の政治の現実なのです。政治家のレベルは選挙民のレベルを見事にあらわしている。政治家に仕事をする事を望むのなら、選挙民が先にレベルを上げる必要がある。

 第378話で取り上げた石橋湛山さんのように「私は皆さんのご機嫌を伺うことはしない」という人が求められているのです。しかしそれは、選挙民次第でもあるのです。

そんな日本は何時来るのでしょう!

2001118日木曜日  第781話  ペイオフ

 第135136137139167話等で散々、取り上げたペイオフをまたまた延期しようという声が、守旧派から上がってきています。
 あの愚作が決定されたのは、丁度二年前の年末、小渕政権の時です。亀井静香氏が先頭に立って叫んでいました。今回は亀井、麻生両氏が騒いでいるようです。
 あの時の、あの延期によって金融機関の構造改革が遅れ、あの時以上に不良債権を上積みしてしまっているはずです。それを又延期しようとしているのですから全く国民をなめきっていますね。
 ここまでコケにされても相変わらず何にも言わない日本人って、政治家や官僚から見たら是ほど組みしやすいものはないということでしょう。何処までこの国を駄目にしたら気が済むのでしょうか、呆れてものが言えません。

 どんなに探しても1千万円の預金がない我が家にとってはペイオフがあろうとなかろうと関係ないのでそれ程熱くなる必要も無いのですが、大嫌いな銀行が生き延びることは許せません。こういうのをごまめの歯軋りと言うんでしょうね。

 それにしても、このところの守旧派の道路公団など特殊法人の民営化に対する反対や、真紀子降ろしとこのペイオフ延期の動きを見ていると、小泉改革も風前の灯というところでしょう。
 流石に、族議員はしたたかです。小泉さんの元気が段々なくなってきているのに付けこんで来ている感じです。付けこまれて元気がなくなっているのかもしれませんが・・・。

 前回のペイオフ延期反対の急先鋒だった竹中平蔵大臣にあの頃の勢いを取り戻して欲しいものです。

それとももう諦めたのかな!

2001119日金曜日  第782話  植民地教育

 第757話で取り上げたビル・トッテンさん考えこそが現代の日本の問題点を見事に現していると思います。
 このところの、守旧派や官僚の跋扈を見るたびにその感を強くする毎日です。前回上手く探せなかったので、もう一度トッテンさんの基本的な考えを現すものを探しましたのでここに取り上げておきたいと思います。少し長いですが抜粋させてもらいました。

 No.24 博打のつけを国民に支払わせるな!より抜粋。

 失業急増の真の原因は、戦後日本の繁栄を築き上げた松下幸之助や本田宗一郎、土光敏夫らが引退し、新世代の経営者が日本経済を動かすようになったことにある。松下、本田、土光らは戦前の教育を受け、日本の伝統的な価値観に基づいて事業を興し、日本の繁栄を築き上げた。社会の目的、また政府の役割は最大多数の国民に最大の幸せを提供することであると信じていた。企業の役割は国民が必要とする製品やサービスを提供するとともに、国民にそれが購入できるだけの収入をもたらす職を提供することであると考えていた。さらに、原材料と同じくらい利益も必要としてはいたが、利益追求が企業の最終目標などとは決して考えていなかった。事実、顧客や社員を犠牲にした米国経営者の盲目的な利益追求主義を見ては、それを辛辣に批判していたのである。

 これら偉大なリーダー達に代わり企業のトップになったのが、マッカーサー元帥が導入した、"米国植民地、日本"に相応しい教育体制の下で教育を受けた人々である。この教育制度で最高を極めた人間が企業の実権を握るに従い、経営者達は日本の伝統的な価値観や慣行を捨て、米国流の考え方を導入し始めた。1980年代初めまでに忠実な植民地の住民は、主人である米国人を模倣し、利益追求主義に熱中し出したのである。英語の"humanresources"を日本語の"人材"と訳し、木材や石材と同様に、利益拡大に必要な資材の1つと考え始めた。さらには、博打行為を偽るために"財テク"という新しい表現まで発明したのである。

 大好きな本田宗一郎さんがトッテンさんに認められてうれしいですが、やはり、戦前の人は今の日本人とは一味違うと言うことです。そしてそれは教育というものが大きな影響力を持っているという事です。
 今の日本の姿はアメリカの教育がもたらしたものというのは、まさにその戦後の教育を受けた団塊の世代の私としては耳が痛い。

やっぱり団塊の世代は嫌われているのかな!

20011110日土曜日  第783話  道徳教育

 小学校高学年になった時に始めて倫理の授業を受けた覚えがあります。物心ついた時から民主主義が当たり前として育った団塊の世代の私が始めて受けた道徳の授業だったのじゃないでしょうか。当時、既に道徳のないことが問題になり、戦後始めて行われたと思います。
 確か、校長先生が直々に授業をしてくれた覚えがあります。既に道徳教育を出来る先生がいなかったのかもしれません。その校長先生は、校内を歩きながら、何時もゴミを拾っていることで話題になったものでした。生徒に実践を見せていたのかもしれません。
 しかし、そんなことが話題になるくらいですから、やはり道徳というものが廃れ始めていたのかもしれません。
 その後、本格的に取り入れられることもなく今に至っているのかもしれません。

 最初に戦後教育を受けたのは我々から10年くらい上の人からなのだと思います。そうした戦後教育を受けた人たちが経営に携わるようになってから日本がおかしくなったというのがビル・トッテンさんの考えです。No.12 日本は変わったで詳しく述べられています。

 言われてみればそうなのでしょうが、それでも我々の子供の頃はまだ祖父の世代が元気でしたから、生活の中で道徳ということはうるさく言われた覚えがあります。戸の開け閉めから、履物の並べ方までよく注意されたものです。子供の頃は、その小言がうるさいと思ったものですが、今になって思えばそんな些細なことが自然に身についているのはそのお陰だと感謝しています。

 しかし、就職してからは確かにアメリカの物質文明にどっぷりと浸かってしまって、金が全てのの考えに毒されてしまったことは間違いなさそうです。何たって、車という物質文明の象徴のようなものに夢中になったものです。どこか浮ついた地に足がついていないという感じでしょうか。

 私の子供の頃には、所謂、明治の男という一本筋の通ったおじいさんが沢山いたように思います。そんな偏屈とも言えるような人達が煙たがられるようになった時にアメリカの思惑通りの我々世代が社会の中心になっていたということでしょう。

 今から、トッテンさんの言われるような、昔の教育を始めても我々がこうなった50年という月日がかかるのでしょうね。

全ては、教育から始まる!

20011111日日曜日  第784話  在庫は砦

 今、私の勤めている会社では在庫の削減に取り組んでいます。業績が悪くなると何処の会社も始めるお定まりのコースでしょう。
 確かに、無駄な在庫は利益を圧迫することが大事であることは間違いありませんが、果たして何をもって適正な在庫とするかは難しいのではないでしょうか。ましてや、在庫を絞ることによりお客さんに迷惑をかけるとしたら本末転倒もはなはだしい。

 理想の在庫の代表的なものはトヨタのかんばん方式だと言われています。確かに、自社の都合だけで見ると必要とするだけのものをジャストタイムで納品させるというのは理想的かもしれません。しかし、その為に下請けは頻繁な配送一つとっても余分なコスト増を被っているということではないでしょうか。
 そのうえ、余分な車を動かすことによる大気汚染や、渋滞などでも社会に迷惑をかけることにもなっているのです。つまりは、他社の犠牲によって成り立っているということであり、それが許されるのは単なる力関係ということではないでしょうか。

 もう一つ、ジャストインタイムの弱点は、先日のアメリカの同時テロで露呈されました。つまり、予期せぬ事故のため流通がストップした時に、部品が入らないために製造ラインがストップしてしまうということが起きたのです。
 これと同じ事が、関西大震災でも起きました。トヨタ等自動車会社のラインが止まった事を覚えている人も多いと思います。トヨタなどは、震災で止まった下請け企業のラインを復興する為に応援の人を派遣していたものです。それと同じ事が今回のテロで起こったのです。
 その時に、ジャストインタイムの見直しも必要という記事もありましたが、その後どうなったのでしょう。
 まぁ、滅多にないことなので、そのままになっているのかもしれません。何らかの手は打っているのでしょうが、マスコミもそこまでは書かないようです。

 さて、10日の「ザ・スクープ」でそんな在庫に関して面白い考え方がありました。ダイソーという100円ショップで大躍進の会社の矢野社長の仕入れ方法は大量仕入れにあります。
 その仕入れ量が半端じゃないのです。他社が一万ロットで仕入れるものを100万ロットで仕入れるというものです。
 その分安く仕入れることが出来るのですが、その在庫量はジャストインタイムとは正反対と言えるものです。他にも、たいして売れそうもないものでも、「商いは飽きない」といって店の賑わいの為にと言って仕入れるのです。これも、売れ筋商品を絞り、一日に何度も配送するコンビニのジャストインタイムの仕入れとは正反対のやり方でしょう。

 そして、アナウンサーの「こんなに沢山仕入れて大丈夫なのですか?」の質問に答えた社長の「うちは、仕入れたときに支払いをするから大丈夫、売れるか売れないかは関係ないんだ!他社が真似できない在庫は砦だ。」との言葉に驚きました。
 つまり、現金で仕入れているから支払いの為の資金繰りの為に在庫を削減するなどと言う姑息な手段は必要ないということのようです。資金の余裕は要るでしょうが、面白い考え方ですね。

 9月中間決算で過去最高の経常利益5266億円を上げたトヨタやセブンイレブンなどに代表される下請けにしわ寄せを強いる強者の驕りの現在の産業界のやり方と全く正反対のこのやり方は妙に説得力があって面白いのじゃないでしょうか。

 トッテンさんじゃないですが、一部の大企業の儲けの為に大部分の国民の所得が減っていることを考えると、社長室も持たず本社ビルを建てることもしないでお客さんに安くて良いものを提供する為に頑張っている矢野社長のような経営者を応援したくなります。
 大きなビルの役員室でふんぞり返っている大企業・銀行・特殊法人などの偉いさんに見習って欲しいものです。

どっちのやり方が良いのか!

20011112日月曜日  第785話  選手生命

 スポーツの基本は足腰にあるというのは、曲がりなりにも学生の頃にスポーツをやったり、社会人になってゴルフをやったときに身にしみています。同じように努力しても足腰の強い者が最後には上手くなるのは、少しでもスポーツに取り組んだ人なら誰でも実感しているのではないでしょうか。
 ある程度は練習でカバーできるのでしょうが、所詮は本人の身体能力がものを言うように思います。圧倒的な身体能力の差は努力でそう簡単に埋められるとは思えません。それが所謂、素質と言うものじゃないでしょうか。
 それだけに、同じような圧倒的な身体能力を持った人たちの集まったプロの世界では足腰が重要視されるのでしょう。特に、日本のプロ野球では走るということが何よりも大事なこととされているのは分からないではない。足腰の差が実力の差として現れやすいのだからそう思うのはあたりまえだと思います。
 野茂選手が走れ、走れの鈴木監督と意見が合わなかったのが彼がメジャーに飛び出したきっかけの一つと言うこともよく言われていることです。
第691話で取り上げたイチロー選手と土井監督を思い出します。

 しかし、今、ジョギングが必ずしも体に良いとは限らないと言うことが分かってきたり、練習中の水分補給が当然とされるようになった時代に、ただ闇雲に走ることが正しいとは言えなくなってきた。
 よく、プロ野球の助っ人と言われる外人選手が日本とアメリカの練習量の違いを口にする。日本は、何でも精神論が先に立ち、合理性のない長いだけの練習をする。それが、却って選手生命を短くしているのではないかと言われ始めている。 

 それを強烈に印象付けたのが今年の大リーグでのランディ・ジョンソンやロジャー・クレメンスという40歳近い投手の活躍じゃないでしょうか。30歳を過ぎればベテランと言われ、35歳ともなると引退しか話題にならない日本とは偉い違いです。

 マーティ・キーナート氏が日本野球の不思議な呪文──「走り込みが足りない」「キャッチャーのリード」として、そんな現状を取り上げていました。

 何時までも、精神論ばかりじゃなくて、合理的、科学的手法を取り入れる時期がきているということでしょう。
 野茂選手やイチロー選手と監督との話のように、自分の成功体験だけを信じて新しい方式を取り入れることが出来ない指導者や組織というものがどんなに次の世代の人の邪魔をしているかを考える必要があるでしょう。
 本当に選手にとって何が良いのかを考えることこそ指導者が第一にしなければならないことでしょう。

政治の世界にも言えることでしょう!

20011113日火曜日  第786話  税金

  夢のような話と笑われるでしょうが、税金の無駄遣いはどこまで抑えられるものでしょうか。この部屋でも第479話で取り上げましたが、松下幸之助さんが唱えていたように、年度末に余った予算を繰越することで、その何割かを褒賞のような形で節約した部署に還元するようにすれば、競って節約に励むようになるのじゃないでしょうか。

 その同じ第479話で取り上げた北川三重県知事が11日のサンデープロジェクトで、何年か前から実施していると言っていました。どの程度のことをやられているのかは分かりませんでしたが、そういった発想が取り入れられていると言う話を聞くとこの国にも少しは期待が持てるのかなと思ってしまいます。

 今、構造改革での道路公団など特殊法人の民営化で激しい抵抗が言われていますが、基本的なことが抜けているように感じるのは私だけでしょうか。

 つまり、本当に大事なのは税金の公平な徴収と無駄のない使い方です。これさえはっきりしていたら、国民はかなりのところまで辛抱するはずです。それをきちんと論議しないで、特殊法人の民営化を論議しても本当に良くなるかどうか誰にも判断できないのじゃないでしょうか。
 例えば、今の公共事業や官僚の所得や天下りをきちんと見直すだけでもかなりの節約が出来るはずです。
 どんなに、構造改革を行っても、政・官・財の癒着は無くならないように思えます。人間というものは、不正を行うものだという前提に物事を考えるのは寂しいことですが、有史以来官僚による不正が無くならないということを考えるとやはりきちんとした処罰が必要なことは確かでしょう。
 
ビル・トッテンさんが言われる相続税を重くしたり、累進課税であっても、きちんとした無駄のない税金の使い方をされるのであれば抵抗も少ないのじゃないでしょうか。

 それだけに、今の田中真紀子さんと外務官僚の騒動を見ているとどちらが悪いと言うより、税金を食い物にしているものが何を言ってんだという思いが強いのはどうしようもないのじゃないでしょうか。

やっぱり、教育しかないのか!

20011114日水曜日  第787話  クリスマスツリー

 同時テロを乗り越えて、今年もニューヨークロックフェラーセンターのクリスマスツリーが用意されたというニュースを見ました。それで、あのもみの木が毎年アメリカ中から捜されてくることを始めて知りました。

 今年も、樹齢80年以上のものがヘリコプターでの探索で見つけられたそうです。その庭に生えていたもみの木を提供した人が、「何十万の人を元気付けられて嬉しい」というようなことを言っていましたが、「嬉しさもあるのだろうが、本当は寂しいのじゃないかなぁ!」とつい思い、「毎年、あんな大きな木を切るなんて何て勿体無い。折角あそこまでに育った木だってかわいそうだろう。」と貧乏性の私はなんだか素直に喜べませんでした。
 正直言って私は、本物の木があのセンターに植えてあるのだと思っていましたので、チョット衝撃でした。こんなことを考えるのは私くらいなのかもしれませんね。

 そんなことを考える人はいないのかなと思って又、Googleで調べてみました。CHRISTMAS TREE atROCKEFELLER CENTERによると、1997年の木も今年のと同じように庭に生えていたものを切ってきたそうです。その裏には、家族のいろいろな複雑な思いもあったようです。それにしても何年もかかって探しているんですね。

 同じHPから1998年のツリーXMAS TREE @ ROCKEFELLER CENTER

 1999年のツリー (最近掲示板に来ていただいているふくやま城次さんの森羅万象から勝手にリンクさせてもらいました。ごめんなさい!)

 クリスマスツリーによると1932年が最初のようです。それから何本の木がツリーを飾ったのでしょう。いずれも樹齢100年近い大きなものです。

 毎年、あんな大きな木を探すことも大変でしょうし、やっぱり木がかわいそうです。毎年のその費用たるや大変なものでしょう。
 それだけの費用をかけるのなら、せめて移植したらどうでしょう。今の技術とそれだけの費用があれば十分出来ると思うのですが・・・。しかし、生きた木にあれだけの飾りをつけるのも考え物かもしれませんね。

こんな考えは貧乏くさいのかな!

20011115日木曜日  第788話  番組時間変更

 朝の7時半、出勤前に、さて「ほんまもん」でも見るかとチャンネルを回す(おっと!回すわけないか!)と、「ほんまもんは、7時45分からおおくりします」とテロップが出て勝手に放送時間を変えています。大きな事件が起こるといつもこれです。

 「何だ、又か!勝手に時間を変えるなよ。ニュースはニュースの時間にやれよ。」と思わず毒づいてしまいます。
 ニュースも大事ですが、こちらも朝のリズムというものがある。何だかはぐらかされたような気になるのも確かです。かといって、大事件にドラマをそのままやってると、逆に「こんなときに何やってんだ!」と言うのですから勝手なものですね。それでも、基本的には「勝手に時間を変更するな。」と言う思いのほうが強い。

 これで、第776話で触れた、ドームでの巨人の試合を来年からNHKが放送すると言う話を思い出してしまいました。その理由として、渡辺オーナーが途中で放送を辞めるのはファンに失礼だからなんて言っていました。NHKと読売が組むのは胡散臭さがありますが、野球好きは嬉しいかもしれませんね。
 しかし、野球が好きでもない人は逆に、延期されて自分の見たい番組が勝手に遅らされる方を嫌うのじゃないでしょうか。私も、ナイターシーズンは見たい番組が無くなったりで結構腹立たしく思っている方です。
 面白くも無い試合ををだらだらとやられたんじゃたまりません。チャンと放送時間で終わるようなスピーディな試合をするのが先決じゃないでしょうか。

 それが証拠に、江川さんが投げている頃は私も必死で見ていたものです。ナイター放送が始まったらもう中盤、もっと凄い時は7、8回まで進んでいたことがあったような記憶があります。
 会社から帰るのが遅くなると見られなくなることがあったくらいで、江川さんが投げる日には急いで帰ったものです。それでも、最後しか見れないときもありました。あのテンポが何故今のゲームで出来ないのでしょう。あれだったら、十分最後まで放送できますし、ヒーローインタビューもたっぷり出来ます。
 そうすれば、あのだらだらした試合で逃げたファンも帰ってくるかもしれません。長けりゃ良いもんてものでもないはずです。
 何たって、私なんか2時間のドラマを見る根気もなくなっているのにそれ以上に長い野球なんか見る体力はありません。

こんな些細なことにもマスコミの驕りを感じてしまいます!

20011116日金曜日  第789話  武士道

 第783話ビル・トッテンさんの戦後教育が今の日本の元凶であるという考えを取り上げましたが、その考えを同じくすると思える書き込みをリンク頂いている萬晩報掲示板(No.276)で見つけました。第105話第134で取り上げた「武士道」にも通じるものだと思います。

・・・略

武士道が最も重視する事は、「卑怯・卑劣・卑屈な人間にならない。」という事です。言い換えれば、「自分の能力が劣っている事・自分の失敗・自分の罪を、素直に認める事のできる人間になれ。」という事です。・・・以下略

いいですね〜!卑怯という言葉にハッとさせられました。そうありたいとの気概はもっているつもりですが、胸に手を当てて考えてるまでもなく、必ずしも「卑怯」を排除してきたと言い切れる自信はありません。やはり、自分を甘やかすところがあったのは否定できません。どうしても楽な方に自分を誤魔化してしまうのは凡人の凡人たる所以かでしょう。

誰だって自分がかわいい。出来れば楽な道を選びたい。だからこそ、自分の失敗や弱点を素直に認めることは非常な勇気を必要とするものです。
 実際是ができる人は殆どいないのじゃないでしょうか。トッテンさんの言われた、松下幸之助、本田宗一郎、土光敏夫さんなどがそんな人だったのでしょう。この投稿者はイチロー、野茂、佐々木選手等一流と呼ばれる人がそうだと言っていますが賛成ですね。自分に打克った人だけが到達できるのだと思います。

ところが、今、日本のリーダーであるべき政治家や官僚そして経営者の中にどれだけそんな人がいるでしょう。それだけの覚悟のある立派な人がいるとは思えません。
 自分の利益だけを考える「卑怯者」の代表みたいな人たちばかりと言えば言い過ぎでしょうか。しかし、今の日本の実情を見るとそうとしか思えない。
 「卑怯」を恥じる人達が、この国を動かしていたのなら、こんなことにはならなかったでしょう。

やはり、教育の怖さでしょうか!

20011117日土曜日  第790話  マスコミ

 余り日本のプロ野球に興味の無い私ですが、15日の横浜ベイスターズの親会社、マルハからニッポン放送への事実上の球団譲渡発表は「あれ!チョットおかしいのと違うかな。」と感じました。
 只でさえ、読売新聞の巨人、朝日新聞、毎日新聞の高校野球と野球を食い物にしているマスコミがまたしてもでしゃばってきたのです。
 この4月には、同じフジ・サンケイグループのフジテレビがヤクルト球団の持ち株比率を増やしているそうです。どんな思惑があるのか知れませんが何だか余り良い事が起こりそうには思えません。
 巨人の渡辺オーナーの提唱しているというプロ野球10チーム制をにらんでヤクルトとベイスターズの合併もありえると言う噂もあるそうです。
 今年のセリーグの最後の優勝争いのときに、中日の星の監督が突然引退したのも、中日新聞が巨人を優勝させたくない為にヤクルトとの試合に勝たないようにとの思惑があったとの記事を玉木さんが
BASEBALLJunkyに書いていました。
 あの時の中日のやる気のなさそうなエラーばかりの試合を見て何だかおかしいなぁと感じた人も沢山いたのじゃないでしょうか。

 一体マスコミは、どうなっているのでしょう。日本の国を考えることもせず儲かれば良いだけの考え出しか動いていないことが露骨に顕われているようです。
 日本の国も、スポーツの世界も皆自分達の儲けの為にはどうなってもいいとしか考えていないのでしょう。こんなマスコミが跋扈するこの国は本当に悲劇としか言いようがありません。

 おまけにオナーやコミッショナーは他の日本の協会と同じく年寄りばかりで本当に自分の属する組織のことを真剣に考えているとは思えない。西武ライオンズが再来年のキャンプを春野から宮崎に突然変更すると発表したそうですが、それは、西武の堤オーナーが宮崎の西部が経営するリゾートを視察していた時にそこをキャンプ地にしろという鶴の一声だったそうです。
 こんな年寄りのワンマンオーナーばかりの野球界が発展するとは到底思えません。

野球の政界も政治の世界も同じです!

20011118日日曜日  第791話  マスコミ

 昨日、巨人の渡辺オーナーの陰謀かと書いたら、今日(17日)の読売新聞にその渡辺オーナーがフジ・サンケイグループが二つのチームのの株式を所有することは野球協約に違反すると異議をコミッショナー事務局へ申し立てたと載っていました。
 ニッポン放送がベイスターズの筆頭株主になることは大歓迎だが、フジ・サンケイグループはヤクルトの株を売却しなければならないと言ってるそうです。これは至極真っ当な意見だと思います。しかし、渡辺オーナーの言葉だけに何だか裏がありそうに思ってしまうのは勘繰りすぎでしょうか。

 一方、17日の産経新聞のコラム「産経抄」は 

 ・・・略

 こうして各球団はより厳しい経営姿勢が問われる時代がきたが、スワローズとベイスターズが同じ連合企業グループの経営になることを心配する人がいる。“不透明”とか“試合の公正さ”とかいうことが気になるらしい。そんなご心配は無用、というより実際は逆さまだろう。
 試合をするのは経営権の所有者ではなく、監督や選手である。むきだしの闘争本能を持つ男たちだ。優勝争いに兄も弟もない。世にいう「兄弟
(けいてい)かき()にせめぐ」、むしろかえって激しく競い合うことになるはずだから。

 面白いですね、利害が絡むと一つのことが全く違った表現になる典型的な例でしょう。どちらの言い分が正しいのか水掛け論になりかねません。

 構造改革を巡る小泉さんと守旧派の戦い真っ最中の日本の現状とそっくりですね。今や、構造改革か景気回復か、特殊法人民営化か現状維持か、銀行解体か公的資金導入か等、利害だけの論争ばかりです。
 その論争の中には、本当に日本の将来をどうするかを本当に考える事がどこかに置き去られているように感じてしまいます。
 どちらにしても、自分達に痛みが降りかかることの無い人たちが、本当に痛みを感じる人たちを放ったらかしにしたまま不毛な争いをしているように思えてしまうのは単なる弱者の僻みでしょうか。

 いずれにしても、マスコミも日本の国がどうなるかの正念場とも言える時期に野球がどうのこうのと争っていないで、日本の国がどうすればいいのかもっと真剣に考えるべき時だと思うのですが。やることが違ってやしませんか。

野球なんかやってる余裕の無い国になるかも!

20011119日日曜日  第792話  奇跡

 久し振りにゴルフを見ました。タイガー・ウッズが出ているので見ておこうと思ったものです。世界選手権といって二人で一チームの国別対抗戦です。最終日は一つの球を二人が交互に打つという方式です。
 3年連続の優勝を狙う優勝候補最右翼のアメリカチームはもう一つ調子が出ず、14番ホールを終わって、残り4ホールで5打差を付けられて四位につけていました。普通に考えればトップに追いつくことは不可能という状況です。
 ところがここからが凄かった。15,16,17ホールをバーディと底力を見せつけたが、首位に並ぶ為にはここでイーグルが必要な18番パー5で二打目にグリーンを外して、これで終わったと誰もが思ったはずです。
 しかし、「もしかしたら奇跡があるかな?いやまさかそんなことは無いだろう」と思った奇跡をタイガー・ウッズがやってのけたのです。
 砲台グリーンに向かって打ち上げた球は、のり面でツーバウンドしてグリーンに、そこからフックしてスルスルとカップに向かって、とうとうカップイン。鳥肌が立ちそうでした。イーグルでとうとう首位に並んでしまったのです。
 何ということでしょう、是ほど期待されて、それを本当に実現してしまうのですから、これぞスーパースターのスーパースターたる所以でしょうか・・・。
 鍛えられた人間というのはあんなことが起こせるんですね。同じ人間とは思えません。一人の人間がこれほどの感動を与えられるスポーツの素晴らしさを見せ付けられました。
 
第569話で取り上げたマスターズでのグランドスラム達成以来少し元気が無かったように見えたのですが、やはりいざという時にはやってくれますね。

 これで追いついて、4チームによるサドンデスでは流石にもう一度の奇跡は起きませんでしたが、あのチップインイーグルを見せてもらっただけで見た甲斐がありました。
 優勝は南アフリカチームでした。

やっぱり、スポーツは良いですね!

20011120日火曜日  第793話  プロの技

  毎日の更新に四苦八苦する毎日が続いています。もともと、文章を書くことが苦手で、できる限りそういう事をしないで済むようにと思ってきた私ですので、今更ながら、とんでもないことを始めてしまったと後悔することも度々です。
 それなら止めれば良いってもんですが、やはり一度始めたものを止めるのも何だか情けないものがあります。それに、もしかしたら文章を書くことにも慣れるかもしれないなんてスケベ心もあります。
 それで、得意の「マァいいか!止めるのはいつでもできる、とりあえず行けるとこまで行ってみよう。」でここまでや続けてきました。しかし、何時までたっても、訳のわからないことを書いているのが現実です。こんな読みにくいものを読んでくれる方がいると思うと申し訳ない気持ちもあるのですがそこは考えないことにしています。

 19日、日本経済新聞の「コラム」ワーキングウーマンへに福沢恵子さんという方が「わたしにもできそう」の題で私の気持ちを見透かしたようなことを書いていました。

 今時、若い女性で「エッセイストになりたい」という人が多く、それは、他人のエッセイを見て文を書くことが簡単に思ってのことだそうです。それに対して、

 ・・・略

 「日常生活をテーマにした文章」というものは、文章の中でも特に「くせもの」である。一見だれにでも書けそうだが、実際に書いてみると、せいぜい自分で読み返す日記か家族や友人に宛てた手紙程度にしかならないことが多い。それを見ず知らずの第三者に読んでもらえるレベルに持っていくためには、さまざまな「プロの技」が必要だ。しかも、この「技」は熟練度が高いほど、その存在を感じさせない。・・・以下略

 そうか、やっぱりプロは努力しているんだ。才能だけで書いていると思っていましたがそんなもんじゃないんですね。何事も簡単そうに見える裏には技術の裏打ちがあるということです。そしてそれは、本当にそれをとことんやった人でないと分からない。昨日のタイガー・ウッズの奇跡のショットにもいえるでしょう。見ていると誰にでも出来そうに見えてしまうがやってみればとんでもないことが分かる。尤も本当に分かるまでもいかないのが殆どでしょうが。

 取り合えずキーボードを打てば文章はできるので、なまじパソコンを覚えた素人が深く考えずに始めてしまったことが間違いなんですね。まさかプロになろうなんて考えは全く無いだけに努力をする訳でもなく、何時までたっても進歩の無い文章を書き続けてしまい、「さぞかし迷惑をかけているんだろうなぁ!」と反省してます。

 それでも、習うより慣れろの言葉もあるから何にも書いてないよりは少しは進歩しても良いもんだがという甘い期待もあるんですが・・・。

 しかしながら、素人が、こうやって曲がりなりにも自分の好きなことを書いて発信できるのですから考えれば恐ろしい時代ですね。

インターネット恐るべしです!

20011121日水曜日  第794話  自然鑑賞型観光

   私は、構造改革大賛成、道路公団民営化当然大賛成なのですが、そんな私も第441話第719話でも言いましたように、御多分に漏れず地元意識丸出しで瀬戸大橋通行料だけは下げて欲しいと思っています。

 是が総論賛成、各論反対の典型的な感情だろうと思います。こんな有権者ばかりがいるから政治家も票の為には地元民に媚を売るため利益誘導することになる。そして、その上に業者と組んで金儲け。
 所詮は、民意の低さが族議員の跋扈を許しているのは間違いないでしょう。

 そうは言いながら、何とか、瀬戸大橋を利用して莫大な赤字を少しでも少なくする方法は無いものでしょうか。

 何時ものサイト巡りでまたしても萬晩報掲示板(No.300)にテーマパーク型観光と自然鑑賞型観光と言う面白い考え方がありました。
 前者は、ディズニーランドやUSJがその代表です。今年は、両方とも見込み以上の観客動員数で業績も上方修正して有卦にいっているようです。しかし、
第545話でも取り上げたようにテーマパークの弱点は毎年の設備投資でしょう。何の投資もしなければあっという間に客足が遠のくのは、曲がりなりにも儲かっているのがこの二つのテーマパークだけだということでも実証されています。それは、自転車操業といってもいい程だと思います。投下資金の割には余り面白味のある商売ではないと思うのは私だけでしょうか。

 それよりは、折角造った瀬戸大橋を他の2本の橋と瀬戸内海全部を世界の観光地として大々的に売り出すことの方が面白そうです。構造物には違いありませんが、世界的建築物に引けは取らないはずです。
 例えば、関空から日本の地中海と言われる瀬戸内海クルージングで3橋を下から見て巡り、その後は橋を歩くそして、瀬戸内の海の幸を楽しむなど相乗効果で考えていけば世界から観光客を集めることも不可能じゃないと思います。

 第298話での提案くらいでは焼け石に水でしょうが、兎に角何からでも利用する心がけが必要なのではないでしょうか。小さなアイデアを根気強く積み重ねていくことがやがては大きな成果に繋がるのではないでしょうか。

やらなきゃ始まらない!

20011122日木曜日  第795話  頭取

 イチロー選手とうとうやりましたね。もしかしたらと思いながらも、まさかそんなことはないだろうと半ば諦めていたMVP。本当にめでたいですね。
 是で、一段とあのばかな国民栄誉賞を辞退したことが値打ちを増すような気がします。それにしてもアメリカの懐の深さを再確認しました。まず日本じゃ考えられないところでしょう。

 日本でいればトッププロとして何の心配も無かった地位を投げ打って、敢えて挑戦したその勇気と決断が一年目で早くも大きく実を結んだと言えるでしょう。
全く、沈みきった日本中のに感動と勇気を与えてくれました。

 それに比べてと言いたいような記事が、21日の日本経済新聞のコラム「機小機」に「そして頭取がいなくなった」としてありました。

 それによると、巨額の不良資産と有価証券評価損に恐れをなして頭取の成り手が無いのだそうです、

 ・・・略

 これまで銀行経営を役員として担ってきたり、行政の立場から金融の効率化に努力してきた人たちが、経営困難に陥った銀行の頭取に推されても、リスクに挑戦することなく、傷つくことを恐れ、唯々事故防衛に終始してしまうほど、この国のエリートのモラールは低下してしまったのかもしれない。・・・以下略  (恵海)

 護送船団で何の経営努力も要らない右肩上がりの成長ときには足の引っ張り合いをしてでも成ったであろう頭取に、本当の力が必要になったときには成り手がいないのですから、その根性たるや目も当てられないというところでしょう。
 一人、銀行の頭取ばかりでなく、政治家を筆頭に日本を食い物にしてきたエリートたちが、いざというときに逃げていくというのですから日本の国が駄目になるのも当たり前でしょう。こんなときこそ、今まで吸ってきた甘い汁を反省して、心を入れ替えて頑張るのなら、今までの悪行三昧も大目に見ようと言うものですが、全く逆なんですからどうしようもないですね。所詮その程度の人間しか日本には残っていないのかも。

イチロー選手の爪の垢を煎じて飲ましますか!

20011123日金曜日  第796話  狂牛病

 第677話で取り上げたユダヤ商法の藤田 田さんのマクドナルドが苦戦しているそうです。さすがの藤田さんも狂牛病には悩まされているのではないでしょうか。
 7月26日の上場という絶頂から
第728話で取り上げた日本で始めての狂牛病が発見されるまでわずか一月チョッと。天国から地獄とはこんなことを言うのかもしれません。
 大々的にオーストラリアの肉を使っているとの
CMを打っても客足は元には戻っていないようです。
 そこに、追い討ちをかけるような21日の2頭目の発表。これが一体どんな影響を与えることになるのか誰にもわからないところでしょう。

 マクドナルドと吉野家というデフレで苦しむ日本の中での数少ない勝ち組といわれる企業にこんな逆風が突然襲い掛かると誰が想像したでしょう。
 しかし、狂牛病を心配していた人もいたようです。あのエイズの川田竜平氏の
母親えつこさんが国会で質問したが問題にもされなかったようです。

 そんな警鐘を鳴らす人もいたのに何の手も打たなかった農林水産省や厚生労働省。それ以上に1頭目の発見後の官僚独特の対応悪さが必要以上に問題を大きくしたことは間違いなさそうです。O−157の時のカイワレ生産者のようにそのお国の手際の悪さで倒産に追い込まれる業者は一体どれ位になることでしょう。

 まさか、マクドナルドや吉野家が倒産に追い込まれるところまでは行かないでしょうが、どこまで影響を受けるか見て行きたいと思います。
 しかしながら、今度の同時テロによる世界の航空会社の危機伊や大成火災海上保険の更生特例法の適用など、これほど経営にとって先の見えない時代はないのかもしれません。

 しかし、同時テロといい狂牛病といい、金のためなら何でもありで進んできた先進国が溜めてきたオリのようなものが吹き出てきたように思えるのは私だけではないと思います。

一体、これから何がおきるのか!

20011124日土曜日  第797話  哲学

 追い抜きされると「今畜生!生意気な!!」と抜き返したりして、まだ車を運転するのが楽しかった若かりし頃に何かの本で、抜かれたら、その車に心の中で手を合わせて「南無阿弥陀仏」と言ってやりなさいというのを読んだことがあります。
 要するに、「そんなに飛ばしてると事故を起こして死んじゃうよ」と考えることで、心に余裕を持ちなさいというようなことだったと思います。
 所謂、「人間万事塞翁が馬」の考えでしょう。それを読んでから、時々「南無阿弥陀仏」とやってみたものです。それからは、むきになって抜き返すようなことが馬鹿らしくなったことを覚えています。

 今日、久しぶりにそんなことを思い出させるような言葉に出会いました。23日の読売新聞のコラム「編集手帳」です。

・・・略

「その時はその時でまた哲学という善いものがある。哲学は、この世で出世した輩は皆馬鹿だということを教えてくれる学問である」(随筆集「茶話」)・・・以下略 

 詩人の薄田泣薫という人の随筆にあった言葉で、立身出世のおまじないをして、それが利かなかったときの言葉だそうです。

 面白いですね、哲学をこんな風に考えたことはありませんでした。戦後の右肩上がりの成長がなくなってさあこれからというときにポストが無くなったり、一昨日昨日と取り上げたように、いざ経営陣に名を連ねても何が起きるかわからないわからない時代にはぴったりの言葉じゃないでしょうか。

 儲けの為に、人件費の安い国へ次から次へと生産拠点を移していったり、飼料を海外から輸入してまで牛を飼うというようなどこか歪を持った効率だけの時代に翻弄されてきたといってもいいでしょう。
 そろそろ、金が全ての考えを捨てて、人間の本当の幸せとは何かを考える時かもしれません。

そんな気がします!

20011125日日曜日  第798話  もみじ

 柄にもなく今頃の季節になるともみじが気になります。学生時代に三千院で夕暮れ時に見た何とも言えないその美しさが忘れられないということもあります。いつの日か、あの感動をもう一度味わってみたいという気持ちがどこかに残っているのです。
 そんなこともあって、単身赴任で大阪にいる間ということで京都の高尾なども行ってみましたがどこかしっくりしませんでした。
 次は、確か2年前、どこか良い所はないかと調べていると東福寺が有名であることを知りました。ところがあの年は天候が異常でもみじの季節がいつもより遅れていたためにちょうどいい日がわかりませんでした。
 それでも、明日行くと決めた前の日に
NHKが東福寺のもみじを中継で紹介したのです。いやな予感がしましたが、あくる日JRで京都駅から奈良線に乗って一つ目の東福寺で降りました。
 案の定、駅からずっと人並みが続いています。まさかと思ったのですが、それは東福寺へ向かう人の波でした。その人数たるや半端じゃなかった。東福寺まで、ずっとその人並みが続き中に入っても、もみじより人の数のほうが多いといっても良いくらいでした。とてもじゃないですが、もみじを楽しむような雰囲気はありませんでした。やはり、昨日のテレビ放送が影響したのじゃないでしょうか。こんなところにもマスコミの影響の大きさを感じさせられて不気味なものがあります。マア、おかげさまで道には迷いませんでしたが。
 人並みだけでなく、もみじもほぼ終わっていて、本来の美しさに接することはできませんでした。
 もう一度、いい時に行って見たい気はありますが、あの人並みを思うとその気も失せるというものです。しかし、もしかしたら、あの時は
NHK中継のせいで異常だったのかなという考えもズットありました。

 ところが、今日(22日)の産経新聞の読者の投稿欄に、バスの運転手の方が、今の時期の東福寺へ行くのが一番嫌だと書いていました。
 あの近くには駐車場が殆ど無く、駐車に困るのだそうです。そして、大抵は駐車待ちのためバスを移動することになるようです。つまり、お客さんを待つ2〜3時間の間エンジンをかけっぱなしという事もあるという。そして、
京都議定書の本家本元の京都がアイドルストップどころかエンジンかけっぱなしで周辺の人たちにも迷惑をかけるようなこんな事で良いのかというような趣旨だったと思います。

 京都議定書にまでは思いが至りませんでしたが、どうやら、あの人出は何時ものようですね。 それにしても、こんなところにも、日本人の、他人と同じ嗜好で、皆と同じときにしか休めない、そして、少ない休みに一度に移動することで、どこの行楽地も一杯という、哀れさが感じられてしまいます。

付和雷同の日本人の面目躍如です!

20011126日月曜日  第799話  観光

 第794話で自然鑑賞型観光に触れ、昨日は東福寺のもみじを取り上げ、なんだか観光づいているようです。
 今日(25日)のサンデープロジェクトも偶然に観光を取り上げていました。あの9月の同時テロ以後、外国旅行をキャンセルして国内旅行に振り替える人が増えているというものです。
 最近は、国内では、
USJとディズニー位で後のテーマパークや旧来の熱海などの有名観光地はどこも閑古鳥が鳴いている状態だったのが、ハウステンボスなども海外の結婚式を取りやめて申し込んでくる人が増えているそうです。
 こういうのを見ると、本当に日本人の他人と同じことをしていれば安心という性格がよく出ています。
 狂牛病でも皆が一度に牛肉を食べなくなるなど、兎に角、マスコミが騒ぐと皆が一斉に同じ方向に走り出す。自分の考えなどどこにも無いといった感じである。為政者にとってこれほど扱いやすい国民は無いのではないでしょうか。こんなことだから、マスコミや政治家・官僚に舐められてしまうのでしょう。

 そして、この戻ってきた観光客は、ほとぼりが冷めれば又海外に逃げていくはずです。これまで、国内旅行が減少してきたのは、運賃や宿泊費が高い、サービスが悪いなどで、却って海外のほうが安くつくことがあるのも大きな原因のようです。その上、どこに行っても同じような料理にみやげ物とその地域の特徴が無い。
 どうせ同じ金を出すのなら海外へ行ってみようかという気持ちも分かります。日本でより海外での方が円の価値があるというのもおかしなものです。

 海外からの観光客が増えないというのもそんな所に理由がある。日本人が行かないところへ日本人以上にお金にシビアーと言われる海外の人が魅力を感じるとも思えません。ここはやはり、第794話で取り上げたように、日本中が海外のお客さんを引き付けるような根本的な対策を考えていく必要があるはずです。観光立国を目指すのも一つの方法なのですから。日本だって、結構良い観光資源はあると思います。

 一番根本は、やはりお金かもしれません。払ったお金より価値があると思えば自然に人は集まるのじゃないでしょうか。そのためには、やはり観光地だけというより日本全体で取り組む必要があります。
 飛行機や新幹線の運賃も当然大きな原因になります。こう見てくると、全ては、バブルな日本の物価が影響していることは確かです。

 所詮は、抜本的な構造改革をやることしか方法はなさそうです。しかしながら、その構造改革は、7法人廃止・民営化で大きく進展なんて言ってますが、どうも胡散臭そうです。こんないい加減なことをやっていては先の望みはありません。もっと本気で取り組まなきゃ、元の木阿弥です。

やっぱり改革は無理かも!

20011127日火曜日  第800話  丹羽社長

 給料返上と電車通勤で名を馳せた伊藤忠の丹羽宇一郎社長が24日の「サンデープロジェクト」に出演していました。1998年に社長に就任してから約4000億円の特別損失処理を断行。子会社300をつぶして700とし、OBには退陣を願い、ウミを出し切ったそうです。
 そして、今やリストラによる人員削減の嵐の中で、伊藤忠だけは既にリストラは終わっている。リーダーの差が、組織を決めるという典型的な例と言えるでしょう。

 堀紘一(ボストン コンサルティング グループ社長)氏が、「丹羽社長は、にこやかな顔つきや電車通勤をするなど、見かけは大会社の社長のようには見えない。しかし、外見は大会社の社長然としているが中身はサラリーマンの社長とは中身が違う。株主や、OBに遠慮することなく自分の考えを押し通す。」と言ったのに対して、丹羽社長曰く「社長を辞めたときに生活を落とすのじゃなく、そのまま同じ生活ができるようにしているのです」の言葉が凄かったですね。
 仕事もしないくせに、送り迎えの車はもとより地位に溺れる並みの経営者や、いつまでも地位にしがみついている金融業界等の労害取締役や天下りで税金を食い物にしている官僚とはえらい違いです。
 こんな社長じゃ社員もついて行かざるを得ないでしょうね。この人もいい意味の変人と言えるでしょう。

 その変人が、同じ変人の小泉さんの構造改革への取り組みに対して、「二兎を追うものは一兎も得ず構造改革と景気対策は両立しない。」と言い切っていました。

 これは、自分が本当に苦労をして構造改革をやり遂げた人だから言える言葉じゃないでしょうか。

 結局、何時も日本の国は辛抱が足らない。構造改革に取り組むと景気対策がどうのこうのと騒ぎ出す。逆に景気対策をすると構造改革と叫ぶ。そして、それを煽るのが第584話でも指摘したようにマスコミと言えるでしょう。最後まで見届けることをせずに何時も足を引っ張ることばかりである。

 それに惑わされず自分の正しいと思った道を突き進むリーダーシップが求められているのだと思います。

小泉さんにそれができるか!

20011128日水曜日  第801話  パークアンドライド

  27日のNHKテレビ「クローズアップ現代」で観光地のパークアンドライドの成功例として、合掌造りで有名な白川郷を紹介していました。乗用車を郊外の駐車場に止めてもらいそこからバスで郷の中心へという方法である。今までの乗用車での混雑が緩和され、渋滞による騒音や廃棄ガス空も開放される。しかし、それは一日の観光客が2,000名程度であることも成功の要因のようです。
 一方、37万人の観光客が訪れる鎌倉では同じ試みが上手くいっていない。せっかく作った駐車場の利用は一日20台程。まだまだ、パークアンドライドの良さが浸透していないことや少しでも楽をしたいという考えもあるようです。日本人の悪いところで強制されないとできないという悪い面や自分さえよければの考えが出ているのでしょう。

 しかしながら、これはこれからの都市が目指すべき方式だと思います。

 第798話で取り上げた東福寺でバスの運転手さんが駐車に苦労されているのもこのパークアンドライド方式が解決になりそうな気がします。
 
第437話でも取り上げたように京都は昔は市電という便利なものがあったのですが、モータリーゼーションの波に追いやられてしまいました。時代の波に飲み込まれてしまって、却って不便になったと思うのは私だけでしょうか。

 もう一度あの市電ののんびりとした情緒に浸る余裕を取り戻しても良いのじゃないでしょうか。そうすれば、京都の観光地としての魅力も再び輝くような気がします。これも、第794話第799話の自然鑑賞型観光の一つといえると思います。
 世界中の観光客が新幹線で京都駅で降り、後はのんびりと電車と歩きで京都観光を楽しむ。それから大阪、瀬戸内海クルージングなどを組み合わせて一ヶ月位のんびりしてもらう。それは世界中に日本を知ってもらいファンになってもらうことにもなります。日本にはそれだけの魅力は十分あると思います。

そんな時が来るといいですね!

20011129日木曜日  第802話  コストダウン

 このところの特殊法人改革の動きを見ているとどうもおかしな方向に向かっているような気がしてきました。つまりは、表面的な形だけで終わりそうに思えるのです。

 道路公団の民営化なども本来の目的は何だったんだろうと思えます。と言うのも、要するに、国の借金を減らさ無ければ日本の国の先行きが心配なのがその理由であるはずだと思うのですが、何時の間にか民営化すれば全てが解決するような雰囲気になってしまっているように思えるのです。民営化が目的じゃなくてコストダウンが目的のはずです。

  確か、コスト意識のない官僚に任せていると予算を増やすことしか考えていないので、民営化することによりコスト意識を持たすと言うのがその目的だったはずです。ところが、本来の目的であるそのコストダウンがどこかに置き忘れられて、民営化だけが目的になってしまっているように思えるのは私だけでしょうか。民営化されても、官僚の天下りや族議員をそのまま放置していたのでは何の解決にもならない。

 例えば、今の時点であってもコスト意識を持つ事は別に不可能とは思えませ。必要以上のコストをかけた建設費を見直すことは今でも出来るはずです。
 というのも、今の建設費には族議員の取り分や、ゼネコンの談合などによる上乗せが含まれていることは間違いないのですから、それを削減することだけでも大幅なコストダウンが可能なはすです。、その上で、
第786話でも取り上げたように税金の使い方を考えて、人員削減等本来の意味でのコストダウンを計れば今の公共工事のコストは何分の一かになりそうな気がします。同じ予算で、何倍もの設備ができることになるはずです。
 本来なら、今、凍結でもめている高速道路も全線開通していたっておかしくなかったはずだろうに・・・。

 取り組むべきはここであって、たとえ民営化されても、天下りや族議員の跋扈が無くならなければ大幅なコストダウンは見込めないように思います。それじゃ〜何の為に大騒ぎして民営化を計ったのか全く意味がなくなってきます。要するに、形は変わっても利権に群がる者を排除しない限りは何の解決にもならないということです。

 ここは、やはり、そういったやったもの勝ちのシステムを変えることこそが必要なのかもしれません。と言っても有史依頼無くならない問題なだけに簡単には解決しそうも無いですが・・・。かといって、それをやらない限り、民営化しても根本的な解決にならないように思います。

結局、性悪説になってしまいますが!

20011130日金曜日  第803話  税金

 昨日は、税金の無駄遣いに疑問を感じ、今日は、その課税方法に腹が立つ。尤も、第708話でも取り上げたトッテンさんの考えや同じくトッテンさんのNo.484 累進課税に関する読者からのコメントと私の回答などをを読むようになって、初めてそんな考え方があるのかと気がついたものですが・・・。
 そんなトッテンさんの考えと全く正反対の従来から喧伝されている金持ちの為の税制を推奨する典型的な記事が28日の日本経済新聞のコラム『「浮沈の岐路」経済政策を問う』にありました。

 ・・・略

 税制は国際競争が激化するなかで中手をこまぬいていられない。例えば、法人税は実行税率が40%強とようやく米国並に下がったが、ドイツが大幅な税制改革を断行。米国が再び思い切った税制改革に取り組む気配もある。課税ペースの見直しも含め不断の改革を進めなければビジネスインフラが劣化してしまう。

生産性を追及

 所得税も個人の活力を引き出すため累進化税率構造を緩和する一方、負担のゆがみ解消に向け納税額がゼロで済む課税最低額の引き下げが大きな課題である。・・・・以下略 (編集委員 山崎宏)

 今まででしたら、こうした考え方に、「そうだ!そうだ。」とエールを送っていたところですが、トッテンさんの説を知ってからは正直分からなくなりました。
 法人税率の引き下げが企業の国際競争力を強くするのは確かにそうでしょうが、果たしてそれが本当に国民のためになるかというと、自動車産業が発展したために貿易の自由化をアメリカに強制されることになったことに象徴されるように、ほかの産業にとっては大打撃になったりする。
 極端な話ですが、今年の9月期決算でのトヨタと本田の突出した利益を見ると、結局この2社の利益のために自由化があったようなものと捉えることもできそうです。
 つまりは、国際競争力の為に税率を下げても、結局はほんの少数の勝ち組の企業が恩恵をこうむるだけで、大半の企業がそれを生かせるとは限らない。

 トッテンさんの言われるように、こうした税制は、企業や金持ちには恩恵が大きいでしょうが、庶民にとっては何のメリットもありません。重税感が高まり、先行きに希望が持てなくなって今以上に財布の紐を締めることになると思います。
 そしてそれは、政府の思惑とは反対にデフレを促進することになるでしょう。

 日本経済新聞などマスコミがそんなことが分かっていないとは思えない。とすると、その裏には何か彼らにとって得するものがあると考えるのが自然かもしれません。

今の日本ではマスコミは間違いなく勝ち組みですから!

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