団塊の世代の部屋4

 

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/1999111日月曜日  第78話  スピーチ

 今日から11月何とか10月もそれなりに更新できました。早くもネタ切れに苦しんでますが、行けるところまで行くつもりです。その後はそれから考えます。

 相変わらず気持ちの良い石井氏のコラムより

経済人の言葉ウオッチ 1999.10.30・週刊東洋経済

映像&出版プロデュサー

 榊原英資氏を悩ませた言語習慣

 「私は、ビジネスなら分るんですが、哲学はどうも苦手です・・・・・・」と外国人記者に答えた財界人がいたという。
役員会で、株主総会で、あるいは海外の取引先の前で、キッチリと自分の経営哲学を語れる経営者がどれだけいるだろう?モノはあふれ、合併や統合で図体はデカくなる一方だが、経済人に一貫して乏しいのが「言葉」だ。
 交渉におけるユーモアやウイット、また、部下の祝の席でのしゃれたスピーチ、それもビジネスマンの大事な資質だろう。本欄で、私はいずれ「経済人のスピーチ・ランキング」や大賞を独断と偏見で発表したい。
 言葉はただ、表現するだけはなく、きちんと「管理」することも大事だ。元大蔵省財務官・榊原英資氏が役人時代の思い出を語っている。(『日本経済新聞』
1010日)
「日本のディーラーと話て、これオフレコだよ、と言っても半日以内に内容が漏れてしまう。ところが米国のディーラーだと絶対に漏れない」
 この違いは、彼我の管理能力の違いを感じさせる。言葉は実に、カネの管理以上に大切だ。氏は続けてこう言っている。
 「役所もそうだが、日本の企業では重要な人と会うと、すぐ社内にメモを回す。たとえ当事者は漏らさなくても、情報はすぐ広がってしまう」
 この場合、情報以上に大事なのは、メモが回ってくる、というメンバーシップの確認だ。仲間であることの一体感こそ大事なのだ。
こうして見てくると、トップも中間も、哲学に欠け、言葉への熟達は遠く、みんなひどく寂しがり屋である。そういう集団が会社を作り、不祥事には記者会見が下手で、情報公開の質は、欧米に歯が立たない。
 「日本式経営」が一時のはぶりのよさを失いつつある。しかし、重要かつ洗い直すべきは「日本式言語習慣」ではないだろうか? 

 毎週、石井信平さんのコラムを楽しみに待つこのごろである。何時もながら辛口でなるほどナーという視線で読ませてくれる。哲学を持たない相変わらずの仲良し軍団。誰も責任を取らない無責任軍団。しかし「言葉」とは厳しいですね。経営者さん頑張ってください。経営に携わる人はやはりそれだけの資質が必要ということでしょう。大変でしょうがそれが経営者の責任でもあるはずです。それだけの自覚を持ってください。「経済人のスピーチ・ランキング」や大賞を楽しみにしましょう。

 ところで週刊東洋経済って結構面白い記事が多い。私はこの団塊の世代の部屋を書くようになって、何とか自分の納得できる物をと探しているが、週刊東洋経済にその手の記事が非常に多いので何故だろうと思っていたら、佐高信さんが「日本に異議あり」のなかで書いているのを見つけました。

企業批判を封じる゛社内報"゛社内誌"の自主規制

 ゛社内報"に批判的な記事は載らない、もしくは載せないということかもしれないが、゛社内誌"ともいうべき『日経ビジネス』にほぼ一年間にわたって六回ほどコラムを書いた経験からいうと、たとえば『エコノミスト』や『週刊東洋経済』と比べて、そのうるささは異常である。
 署名コラムなのに、あそこの表現はきついからやわらかくしてくれとか、ほとんど毎回言ってくる。『エコノミスト』などでは、同じ調子で書いているのにノーチェックなので、『日経ビジネス』の゛干渉
"には正直腹が立った。……以下略

 やっぱり会社によってその方針に大きな違いがあるのですね。雑誌も心して選ばなければ成りませんね。『日経ビジネス』にそんな裏があったとは分かりませんでした。毎週、隅々まで読んでましたがそんな変な雑誌とはきがつきませんでした。まだまだ修行がたりませんね。また佐高さんに教わりました。
 今も言ったように、『日経ビジネス』を何年か取っていましたが、転勤になって大阪へ来てから止めてしまいました。
 丁度その頃、配達が郵便から、黒猫ヤマトに変わったときでしたが、黒猫ヤマトが下請けを使ったためか配達が遅れがちになったのです。そのため、帰省中に読めなくなって止めてしまいました。
 そのときから、『日経ビジネス』と黒猫ヤマトになんとなく不信感を持ってしまいました。まあ、今回の事とは関係無いですが思い出してしまいました。止めて良かったのかな?

1999112日火曜日  第79話  リーダーシップ

 経営者や管理職の大きな役割にリーダーシップがあるのは当然であるが、その当然が無い者が多いところに企業の閉塞感があるのではないでしょうか。リーダーシップを発揮するためには、従業員に夢を持たせることも一つであると思います。将来に対するビジョンが無ければ従業員はついてきません。

 たまたま佐高さんの嫌いな日本経済新聞1999年(平成11年)10月4日(月曜日)の「20世紀 日本の経済人」で城山三郎氏と大阪大学教授の宮本又郎氏の対談があり、リーダーシップについて面白いところがあった。一部取り上げてみる。

 ― リーダーシップに一番もとめられる要素は何だろうか。

 宮本 …略
 わが社はこうだ、というコアになる理念があると、それに準じて、その場その場で自分の行動を判断できる。コアの理念を確立するのが、リーダー経営者の大きな役割で、その役割は昔よりも大きくなっている。

 コアの理念とは夢に通じるものではないでしょうか?夢を実現するための柱となるものそれが理念である。だからそこがハッキリしていないと従業員は何を目標に頑張れば良いのかがわからなくなる。ただ単に、儲ける為だけの目標では行き詰まってしまうのではないでしょうか。そこには将来の夢が。必要である。

 ここでも「言葉」の重要性が語られている。要するに自分というものを持たない「言葉」は、部下に何の感動も与えられない。即ち、石井信平氏の言う「キッチリと自分の経営哲学を語れる経営者」が必要とされているのである。今のこの総無責任時代にこそ、そういうリーダーが国にも企業にも必要なのであるが、現れそうもない。山城さんの言う石田禮助、渋沢栄一、本田宗一郎は今何処にいるのか?

1999113日水曜日  第80話  女性

 最近の日本女性の世界での活躍は素晴らしい物があります。特に女子マラソンやプロゴルフを見ているとつくづくそう思います。男子のふがいなさがあるだけに、尚更、目立ちます。

 第75話でも触れましたが、そんな女性を活かすことが出きる企業が21世紀を制するのではないでしょうか。最近の気力の無い若い男性を見ていると、女性のほうがよっぽどやる気があって、イキイキしています。生活の心配が無いこともあるのでしょうが、海外旅行、ゴルフや習い事、美術館巡りにグルメ。男が、なんとなく生活につかれているのに比べて段違いに元気です。それだけ自分を高めることに投資をしているのです。
 
SOHOといえば女性の専売みたいな様相を見せています。どうしてあの能力を活かそうとしないのでしょうか?
 女性の能力を活かす本を出版した人へのインタビューがありました。私が書いたことを代弁してくれていると思います。

 

日刊工業新聞1999年11月1日月曜日著者登場 藤井則彦氏女性のヤル気が出る会社 日本文芸社刊 女性パワーを現場で見て― 最近、女性の元気の良さが目立ちます。

 「現在の女性は仕事や家庭などいずれの面を見ても、生き生きとしており、目の色も違う。中には初めての場所でも人見知りせず、堂々と訪問する女性だっている。とくに仕事の面での勢いが目覚しいが、その元気の源泉は自分たちの発想が十分通用すると分かったからだと思う。 …以下略 (京都・梶田 良一)

 本はまだ読んでませんが、こういうものが出るということは良いことですね。しかし本当に読ませたい人の何人が読むでしょうか?そういう人ほど読まないのじゃないでしょうか?著者が言っている「しかし良い意味での能力主義がベースになれば」ということすら受け入れられない会社の多い中、こういう考えが受け入れられるのは、まだまだ先のことになるでしょう。ここでも日本は世界に遅れています。前にも言いましたが、ここまで日本を悪くした男性の代わりを女性にやってもらうときではないでしょうか?

199911月5日金曜日  第81話  出産

 今イギリスのブレア―首相が時の人になっている。ご存知のように奥さんの出産で首相が産休を取るかどうかが取り沙汰されているのである。
 結局、首相は産休を取ることにしたそうである。公務があるので完全とは行かないが、一日の何時間かを公務に当てることにすることで乗り切ることにしたそうである。
 過労死の国の、倒れられた総理とこの違いは何でしょう。日本でこんな問題が起きることは総理大臣の年齢からいっても当分ないでしょう。大統領官邸で変なことするアメリカの大統領よりはマシかもしれませんが。
 日本でも、橋本聖子さんが産休を取ることになりました。イギリスとの差は大きいですが、こういう変化はいいことだと思います。
 それにしても、
第75話で取り上げた日本の企業の現状と比べると、その意識の差に愕然としますね。余りにも情けないです。

 その先週とりあげた週刊東洋経済の特集 働く女性と出産・育児にたいする投書が今週号の読者の広場に載っていた。その中の一言を取り上げて見ます。

 「子供の産める国」に本田泰成川崎市・システムエンジニア・三四歳

 現在の経営層が出産を悪とすることによる弊害を認識してもらえれば、と願っている。…以下略

 やはり、こうやって現実に悩んでいる人がいるのである。折角の優秀な人材をこうやって殺してしまっていることに気が付かない、又気付こうともしない為政者や経営者。
 昨日も触れたがこんな人たちに特集を組んでも、見もしないのではないだろうか?今の政治家や経営者よりズット優秀な女性が沢山いるはずである。その素晴らしい素質を活かすことを何としてもしなければ余りにももったいない話である。
 ブレアー首相の話が出たところですが、日本のサッチャーさんを我々の手で育てなければならない。男だけでなんとなる時代ではないはずだ。
 女性特有のやさしさ、細やかさを活かすことは、男性に安らぎをあたえるだろう。男の嫉妬のいやらしさを和らげることもこの殺伐とした世の中の空気を替える事になるはずである。家庭でも女性上位の方が上手く行くのである。

やってみようじゃないですか!!

2000414日金曜日修正

1999118日月曜日  第82話  

 掲示板でも書きましたが、11月5日に永眠した兄のことを少し書きたいと思います。
兄とは九つ違いでした。間に姉がいたそうですが私が産まれたときにはすでに亡くなっていました。ですから私にとっては、たった一人の兄弟でした。歳が離れていたので、私がはっきりと覚えているのは小学校に上がった頃からだろうと思います。
 ある時兄ちゃん(あんちゃん)がもうすぐ居なくなると聞かされました。「なんでいなくなるの」泣きそうな気持ちで聞いたと思います。兄は、立命館大学法学部に行くのだったのです。その頃私は大学なんて物があることも知りませんし、どうしてそんな所へ行くのか悲しかったものです。
 休みに、あんちゃんが帰ってくると、ひっついてばかりいたのだろうと思います。その頃で一番覚えているのは、お菓子を食べるとき何時もあんちゃんは、「俺は嫌いだからおまえにやるよ」と自分の分をくれたことです。「大人って何でこんな美味しい物が嫌いなんだろう」と思いながらよろこんで食べた物です。今考えると自分は我慢して私にくれたのだと思います。あの頃はお菓子なんて貴重品だったときです。そんなやさしい兄貴でした。
 帰ってくると大学での話も良くしてくれました。マージャン、パチンコ、アルバイト。特に、アルバイトは、当時全盛期だった映画のエキストラを良くやった話をしてくれました。中村錦之助の話も良く聞きました。マージャンもパチンコもプロなみだったみたいです。私が大学を受けるときも最初から京都以外は全然眼中に無かったのは、兄貴が行った京都に行きたいのが一番でした。

 卒業して、すぐにNTTに就職し、四国の中を転勤、転勤でやっと最後に香川に帰ってきました。第二の就職のドコモは、すぐに辞めて、少し早めに年金生活にはいりましたが、それも大好きなつりをやる為だったようです。やっと隣同士で住むようになって、色々、現役の時の話も聞くことが出来ましたが、兄弟って面白いですね。二人とも同じようなことをしているんですね。どちらもおよそサラリーマンには向かない性格みたいです。ピターッと合う上司とはツーカーで仕事を任されるが、合わない人のいうことは聞かないのですぐに左遷です。だから良いときは抜擢ですが、悪いときは最悪。
 こんなだから、話は本当に合いました。パソコンは仕事柄もあり兄は早くからやっていました。マクロを組んだり、会社の為にかなり役に立つソフトを作っていたようですが、いかんせんその有り難味のわかる上司に恵まれなかったようです。どこの世界も一緒ですね。

 わたしがパソコンに興味を持ち出して、兄に相談したのが丁度Win95が出る前でした。パソコンの部屋でも書いたように、タッチタイピングの相談をすると、ソフトを持っているので持っていけとNECの98とソフトを出してくれました。それで練習を始めたのが私とパソコンの出会いです。お陰でキーボードアレルギーもなくパソコンに取り組むことが出来たのです。

 インターネットは逆に私が勧めましたが喜んでくれました。ケーブルネットも兄が情報を入れてくれて一緒にはいりました。私がHPを作ったときも本当によろこんでくれました。「俺もやろう」と言って本も買ってきて「つりのHPを作ろうと思っているんだ」何て言っていたのに。ついこの間帰ったときは、「お前のHPに俺のつりの部屋をつくろうか?」とも言っていたんです。

 10年早いよ!!あんちゃん!涙が出てきてこれ以上書けません。

19991113日土曜日  第83話  仲間意識

 販売会社でありながら、営業所のトップがお客さんの所へ訪問したこともないばかりか、どこにあるかも知らない会社があるなんて信じられますか?そんなだから、売上が低下しても原因も掴めるわけも無い。尤も、そんなことは気にしなくても上司の機嫌さえ取っていれば責任を取らされることも無い。それどころかどんどん出世して行く。その責任は部下に負わせていればいいのである。営業所の心有る人間は。白けきっている。
 実績を上げても、上司に媚びない者は虐める。こんな会社があるんですね。多かれ少なかれどこの会社も似たようなもんなんでしょう。民間企業でこれですから、ましてや、税金でやってる企業なんて推して知るべしでしょう。
 そんな会社のことが取り上げられています。

1999年11月10日朝日新聞が神奈川県警のこととして書いてある「天声人語」に日本人の本質に迫る面白い説があった。全文を取り上げてみる。

……略

 和は正義だ。正義を実現するためには、集団に対する忠誠心第一でなければならない。忠誠を尽くすには、全精力がいる。外部のことなど、ますますどうだっていい。だから、集団内部の人間には<「反省することを止め、倫理を忘れ、自制心を失う危険」が常にある

 特にこの部分は同感である。毎日思い知らされている。会社がお客様を忘れて、内部にだけ目を向け出すと、その会社はもう発展することはないのではないでしょうか。確かに高度成長期にはそれでも誤魔化すことが出来たが、今のような不況期にそれは会社の命取りになりかねない。
 しかし、そこには外部に対する目が無いのだからどうしようもない。お客さんが何を求めているかでなく、上司が何を求めているかである。誰も本気になって会社の業績を考えないのである。仲間内の傷のナメあいで誤魔化しているだけだー。
 多分日本の殆どの組織がこれに近い状態なのだろう。何をか言わんや!!

19991114日日曜日  第84話  出世20訓

 その道の権威だが、講義や講演をさせると、小さな声でボソボソと何を言ってるのか分からない人がいる。学者の世界はそれでも通るが、企業ではそんな人は踏みつけられてしまうかもしれない。

 何といっても、声のでかいのが勝つのである。中身なんかなくても、大きな声で自信たっぷりに私の手柄ですと言った者勝ちです。学者の世界と違って、それを本当に評価できる人間がいないのですから。
 声が大きく、見た目が良くて、平気で嘘をつき、部下の手柄は横取りし、失敗の責任は部下に押し付け、上司にはおべんちゃらを言い、会社の金で飲食し、業者からは賄賂を取り、顧客には何の関心も無く、社内接待に終始する、挙げればまだまだあるがもう止めます。こんな典型的な奴が、私の勤めている会社にもいますが、ご多分に漏れず出世頭です。世の中、どうなっているんでしょう。本当に情けない。

 そんな私が、久し振りに大笑いしてしまいました。皆さんにもこの笑いを、お分けしたくて取り上げることにしました。昨日の神奈川県警にもこういうのが有るかもしれませんよ。

 やっと、佐高信さんの「日本に異議あり」講談社文庫を読んでいたときです。10年も前の証券会社の損失補填騒ぎで証券会社が社会の批判の的になっていた頃の話です。

 ……略
 野村證券は91年10月10日に「私たちの決意」と題する大きな新聞広告をだした。そこで「経営姿勢」や「営業姿勢」の再検討を誓っているのだが、……中略
 いま、野村では、戯言として、こんな「出世するための20訓」がささやかれているという。

  1. 声が大きいこと
  1. 厚顔無恥でコウカツに立ち回る
  1. 上司にへつらい、部下にきびしい
  1. 公私混同が日常的で節操が皆無
  1. 人の痛みが解らず、顧客を潰しても罪の意識がない
  1. 引き継ぎがよく、転勤の都度、顧客の補充が受けられる
  1. 外交せず内交に専念できる
  1. 数字しか興味がない
  1. 立身出世が人生のすべてと考えている
  1. 悪事を働いても我と会社のためだと信じて気づかないほど馬鹿
  1. 部下の実績を横取りできる
  1. 上司の言動には無批判で部下の意見に耳を傾けない
  1. 嘘を平気でつける
  1. 部下の冠婚葬祭や有休等に文句をつける
  1. 自分は偉くなるべくして偉くなったと思っている
  1. 酒席等で同僚や部下から敬遠される
  1. 定見や歴史観など何もなく朝令暮改の無責任
  1. 組合執行部の出身であること
  1. 上司以外、怖いものはないと世の中をナメている
  1. 勝ち目がなく立場が弱いときは逃げまくる

 どうです傑作でしょう。該当する項目の少ない人は出世を諦めてくださいと注釈がついていたそうです。鬼の10訓よりズット面白いですね。
 あなたはいくつ当てはまりますか?身近にこんな人いませんか?

 よくもここまで書き出したものですね。野村証券の心有る人の涙が見えるようです。
 これは余りにも真実を捉えたています。私が勤める会社でも、これに殆ど当てはまるグループがあります。もしかしたら全部当てはまるのではないでしょうか。そうか!これをいち早く自分達のものにしていたのか!!
 勿論、野村証券と同じで見事に出世しています。やはり、サラリーマンたるものこうでなくちゃいけないのです。サラリーマンの鏡、プロです。
 サラリーマンである限りはこの20訓を紙に書いて覚え、暗証し、そして朝晩神棚に向かって唱えなければならなかったのです。そうでなければ出世は覚束ないです。さあ今日からでもすぐに始めましょう。一日の遅れが命取りになるのです。


 こんなものが出まわっているということは、余程、内情は酷いのでしょう、何万人の恨みがこもってるような気がします。そんな出世頭達が会社をあんな方向に持っていったのはまちがいないでしょう。

 業種こそ違え、何処の会社にも当てはまるものですね。こういう風潮の蔓延している会社ほど危ないと思いますが、一番悪いのはその本人達が、全くそうは思ってないことです。こういう人間が会社を牛耳り危うくしていくのですが、それが本流となるから始末に負えない。過去に良識ある人が踏みにじられてきたであろう。
 これを許すか許さないかは、やはりトップの責任ではないだろうか。本当にトップは大変である。それだけの覚悟を持ってやって欲しいものである。

 10年も前の事ですが、昨日の「天声人語」と今でも何も変わってないのが情けないですね。

2000414日金曜日修正

19991115日月曜日  85  行政

 私が鉄道など公共交通機関が必要だと考えるようになったのは、神戸のあの大地震のときからである。あの時私は、帰省するのに大変な思いをしました。(もちろん当事者の神戸の人達からすれば小さなことですが)。というのはJRの不通でバスでのピストン輸送による帰省を余儀なくされたことです。そのとき列車とバスの違いに気が付かされたのです。それは何かと言うと、駅での乗り降りの時間です。列車の乗り降りは多くのドアから殆ど一瞬ですが、バスは一つのドアから一人ずつ乗り降りするので、大変な時間がかかるのです。走ってる時間より乗り降りの時間が多いくらい(これは極端ですが)です。自分勝手な人は後ろの方につめて乗らずにドア近くの前の方に乗っていました。
 このとき、JRのありがたさを思い知らされましたが、時すでに遅しです。中曽根内閣によりJRは民営化された後でした。そして、効率の悪い路線が廃止されていったのです。当時は効率化が錦の御旗でしたので、反対論はおさえられたのですが、国営であっても効率化は進められたはずであり、又そうすべきであったはずです。効率化を全面に押し出したその裏では日本を食い物にしたやつらがいるはずです。それは今回は置いとくとしますが。
 それと同じく市電などの必要性も思うようになりました。たった一人しか乗っていない乗用車が我が物顔に道路を占領し渋滞で排気ガスを撒き散らす。私も学生時代京都で住んでいたので(かなり古い)、あの便利さには散々お世話になっていました。もう一度見直されるべきときかもしれない。ヨーロッパではすでに見直しが始まっているらしい。
 

 そんな行政にも関係することで、またまた、第75話で取り上げた週刊東洋経済の特集 働く女性と出産・育児にたいする投書が今週号の「読者広場  1999年11.13 週刊東洋経済 意識改革より 自由化 山本純子京都市伏見区・主婦・35歳」に再び載っていた。少し視線が違うのが面白いので取り上げてみる。

 …略
 行政に保証を求めて高い税金を払い、将来に不安を持つより、規制緩和、自由化の方向で、高い私立保育園も高く感じない豊かさを求める方が意識革命も早く進むのでは.…中略
 

 そうですね。枝葉末葉にこだわって、対症療法を打つより、根本的なこの国の形を考えることが必要ですね。今の政治家よりこの方の方がよっぽど国のことを考えている。今の日本に欠けているのはこの視線かもしれない。
 最近山陰への出張が多いのですが、そのときによく思うのですが、高速道路、鉄道などの未整備と産業の少なさが人口減少に大きな影を落としている。効率効率で過疎地の切り捨てが進み、ますます都会への人口集中が進んでいく。にわとりと卵のいたちごっこである。田舎はどんどん田舎になっていく。確かに田中角栄の日本列島改造は利権に群がったからああなったが、本来の意味では、必要なことであると思う。そこに、税金を食い物にする政治家、官僚、企業でなく、本当に将来の日本を憂える人が立ちあがる必要がある。無駄と利権に食い物にされている税金で十分できるはずである。要は何に重点を置くかである。まあ今の日本では殆ど無理だろうが。
  今になるとこの方が言われるように大きな視線で過疎化を防げばもっともっと住み易い国になったかもしれません。
 利権に群がる人達をのさばらせるこの国に将来はない。

19991116日火曜日  第86話  行政改革

 日曜日のサンデープロジェクト見ましたか?如何に官僚が税金を食い物にしているか?今回は厚生省関連のグリーンピアなんかをやっていましたが、以前の労働省でもおなじでした。兎に角にんげんというのはここまで人の金(税金)となると無責任に食い物に出来る物である。自分達の天下り先として、特殊団体をつくり、そこに無駄な建物を作り、赤字をたれながし、挙句の果てに、莫大な退職金を取っている。そこには何時もながら自分達さえよければいいという視線しかない。
 その税金で建てる無駄な建物をゼネコンや、政治家や官僚が寄ってたかって食い物にしている。二重、三重に食い尽くす。そのくせ税金が足らないといって、赤字国債の垂れ流し、ツケを後世の人に回す。それでもこの国の人達は暴動を起こすこともなく、諦めきって、しらけているのである。あの無駄使いが無ければそれこそ先日来の少子化問題も解決できているかもしれない。
 尤も、何も知らない、知らされていないということによる無知が大きいのかもしれない。よらしむべし、知らしむべからずの昔からの為政に飼いならされているのである。しかし、こんなTV報道を見せられると、誰もが怒りを感じるはずである。ということはマスコミがそれなりの責任感を持って、国民に知らせれば本気になって怒るのではないだろうか?もしかしたら日本の国を救えるのはそれしか方法が無いのかもしれない。しかし、それには余りにも今のマスコミに自覚が無い。視聴率に追われて程度の低い、中身の無いものにうつつをぬかしている。
 サンデープロジエクトのような番組がもっともっと増えるべきである。しかしながら、それだけの骨を持って製作されている番組がいかに少ないか?それもやはり見る方の責任もある。やはり無理かも……。

 余談だが、この番組の中である評論家が話していたエピソードがムチャクチヤ面白かったので紹介したい。

 それはイギリスの元首相サッチャーさんが日本を訪問したときのことである。(多分、首相を辞めた後のことだったと思います)。

 日本の首相経験者を集めた対談の中で、「あなた方には、リーダシップのある人は一人も居ない。単なる調整役でしかない」と言い放ったそうである。

 此れほど痛快な話は滅多に無い。日本人の弱点をここまでズバリと指摘したのが、外国の元女性首相ということが全てを象徴しているような気がする。

 そうです私が以前触れたようにやはり女性の時代なのです。女性にまかしてみませんか。

19991117日水曜日  第87話  同属経営

 同属経営の良し悪しが良く取り上げられますが、実際に自分で企業を起こした人にとっては「かまどの灰」まで自分のものだと良く言われるほど愛着のあるものでしょう。
 まして、企業を創業するような人は、人一倍、肉親愛も強いといいます。そんな人が、その大事な会社を他人に継がせるなんてことはまず考えられないことでしょうし、頭の隅にも無いのが本当なのではないでしょうか。
 そして、回りもそれを当たり前として捉えているのが普通だと思います。
 私も、今の会社と前の会社が、創業者社長の会社でした。前の会社は、私の友達の父親が創業者でした。そして今は当然、私の友人の長男が後を継いでいます。そして誰もそれに異議を唱えるものはいません。弟も専務として勤めています。
 今の会社は、創業者社長に三人の息子がおり全員が常務です。そんなものでしょう。確かに良い面と悪い面はあるようです。仲良く協力してやればそれはそれで上手く行くのではないでしょうか。最悪の場合は兄弟喧嘩でしょうね。それでも会社を潰すほどの喧嘩はあまりしないのじゃないでしょうか。
 しかしながら、もう一段の発展を願うのであればやはり優秀な人に継がせるのが正解かもしれません。
 そのいい例が昔の豪商らしいですね。男の後継ぎには店を継がせずにお金を与えてあそばしておき、後継ぎは娘婿に優秀なのを探してきて継がせたそうです。何とも合理的な考えをしていたものです。

 この同属経営についてはご存知のように有名な話があります。

 何時かは触れたいと思っていた本田宗一郎さんの素晴らしさであるが、丁度「日本に異議あり」の中で佐高信さんが書いてくれていたので、本田さんを好きな誰もが知っているエピソードであるが、敢えて取り上げた。

 

゛同属経営"を拒否した本田

 ……略
 「よそさまのことを言っちゃ申し訳ないけど、息子や親戚でないと社長にしないとか、東大出でないといかんとか、企業に関係のない条件で選んでるところがありますね。みんなが見てるというのに、それでいいと思ってるんですかね。会社は大勢がメシを食うところ、大勢の生命の源泉です。そこを忘れたら、会社はつぶれますよ」

 何時読んでもすごいですね。こんな経営者が日本にもいたんです。あの経営の神様と言われた松下幸之助さんでもできなかったことをやってのけたのである。
 創業者にとって会社は命でしょう。ゴミひとつとっても自分のものという経営者が多い中でこの考えはすごすぎますね。
 寡聞にして知らないのですが日本にこんな会社あるのでしょうか?サラリーマン社長でも自分の子供をいれる人がいるのに、途中までいっしょにやってきた弟さんもある時点で辞めさせているそうである。
 これはチョット真似のできることではないですね。

19991119日金曜日  第88話  弁護士

 先日取り上げた天声人語と同じ日に同じ朝日新聞に中坊公平さんの言葉が載っていた。それは、弁護士というものは、金儲けを目的としてはならないという趣旨のものであった。今の日本の風潮を嘆く言葉である。身を持ってそれに対抗してきた人の言葉だからこそ真実味がある。
 そして、それの行過ぎた形として、東芝がアメリカでフロッピーディスクの不具合(その現象は起きていない)で1000億円以上(正確な金額は忘れました)を支払う和解を飲んだという衝撃的なニュースが広がった後だから尚更考えさせられた。

 この中坊公平さんが我が佐高信さんと一緒に書いた『突破力』という本が出ている。まだ手に入れてないが早く読みたい本である。今の日本で本当に総理大臣にしたい一番の人である。

19991121日日曜日  第89話  美川社長

 今、サンデープロジェクト見ました。終身雇用で横河電機を取り上げたものです。美川社長のことを以前ここにも書きましが、あらためてその詳細に触れて、納得させられるところがありました。
 単なる終身雇用ではなく、その裏には大変な努力があることが解りました。例えば、一般の企業では単なるコスト要因である、経理部や総務部を別会社として独立させ外部から利益をあげさせるのである。そういう発想で他にも多くの子会社を作ってそちらへ出向させる。ここまではどこの会社も最近ではやるところが出て来ているが、ここからが他社と違う。それは、出向社員の給料が全く今までと同じであることである。だから出向しても腐ることなく働く。子会社48社。ちなみに、そのうちの一つ、横河ファインテックというところの社員は22歳から76歳。
 横河電機創立以来84年間人員整理なし。本体6,300人関連15,000人そのうち60歳以上500人、最年長81歳。すさまじいですね。

 そしてコストダウンには当然取り組むが、そこにも又、他社と違った発想がある。前にも触れているが、GEのジャック・ウエルチ会長も絶賛した、「新幹線発想方式」で大幅なコストダウンを成功させている。

 要するに、雇用を確保するために、皆でそれだけのものを自分で稼ぐということである。一方、人材は材でなく財の人財であるという発想で社員を考えているとの事である。「社員は教育とやる気で付加価値が増える」とも言っていました。そして年功序列でなく、徹底した実力主義。しかし、「雇用が守られるから、厳しい事にもついて行ける」との社員の声がもあった。
 こう見てくると、人間それなりに扱ってもらうと、それに応えた仕事をするということである。
簡単に人員整理しかしない経営者に見せたいものだ。

19991122日月曜日  第90話  公共交通

 先日公共交通について第85話でふれましたが、今朝のNHKのニュースで路線バスについて興味ぶかい話題をとりあげていました。博多での取り組みですが、ここも全国のバスと同じく乗客の減少に悩まされていました。その上来年から(時期は?)規制緩和によりどこでも自由に参入できる様になるとの事で、ドル箱路線への他社参入があると採算がますます悪化するとの危機感から何か打開策が必要ということでした。そこで考えだされたのが、一律100円という料金体系です。100円で博多の主なところは殆どカバーできるようにし、その上利用し易いように、運行回数を増やしたそうです。それには今殆どバスを利用しない若者を取り込む事が念頭にあったとの事。 
 そして、それは見事に当たったそうである。利用率は70%アップし、今まで利用の無かった若者の利用が増えたとの事です。若者いわく、「今までは乗用車で動いていたが、駐車場が無かったり、不便だったが、バスを利用しようとは思わなかった。ところが、100円となるとバスを利用した方が得である」ということである。この成功を見て、他の地方でも、取り入れるところが出てきたそうです。東京でも一部取り入れたところを紹介していました。ここも60%の利用率アップに成功したそうです。

 こう見てくると、あれだけ斜陽といわれたバス路線でさえ顧客のニーズを捉えることが出来れば復活できるのです。今までは、採算が取れないから、値上げする。それでお客が逃げるの悪循環に陥っていたわけです。発想の転換でまず料金を下げることにより逃げていたお客を取り戻す事が出来た。それによって、無駄な乗用車の利用が減り、渋滞や排気ガス汚染も減るという二重、三重の相乗効果が得られる。

 やはり、人間頭を使わなければならないという良いお手本である。同じように悪循環に陥っている業界は今の日本には沢山ありそうである。タクシー業界などもそのうちに入るのではないだろうか。
 何を隠そう業種こそ違え、私の属している会社もそうである。
値上げばかりをして市場をどんどん狭めている。机上の計算ばかりをして、市場を見ていないからどんどんジリ貧になっていく。お客は良いものをリーズナブルな値段で提供すればまだまだあるはずである。

19991123日火曜日  第91話  社畜

 佐高信さんの社畜論は有名である。私もあの言葉を目にしたときには、身につまされてしまった。自分だけは、こうはなりたくないものだと思ったのがウンのツキだったのかもしれない。生来の気持ちとビッタリ当てはまり、会社なんかの気持ちが出すぎて、サラリーマン失格になってしまいました。
 というのはウソです。佐高さんゴメンなさい。元々その気が無かっただけです。

 その佐高信さんとの対談で知った、「はみ出し銀行マンの勤番日記」 横田濱夫 角川文庫を見つけたので買ってみた。
 優秀な成績
(主席)で大学を卒業し、横浜銀行(確か?)に就職して将来を嘱望された筆者が銀行に失望していく裏話や、この本を出すに至った過程などを書いて面白い。日本の企業に共通する問題点があり面白く読ませてもらいました。
 その中でも特に気に入った所を紹介しましよう。

 家畜論

 オレの友人・Tの卓説を紹介しよう。その説によると、滅私奉公のオヤジどもは真性家畜、新人類なんていわれている若い連中だってなんてことはない、仮性家畜さ。

……略

 佐高さんと同じですけど、なかなか痛烈でしょう。全く同感ですね。やはりこういう人は今の日本の企業では受け入れられないのですね。しかし何時までもこんなことをしていると、日本の企業は世界の企業に打ち勝つどころか叩き潰されるでしょう。
 今までのようなぬるま湯に浸かった状態でも生きて行けた時代は終わった。もう世界は待ってくれない。優秀な人間が活かされる組織にならなければ世界から取り残される、そんな時代がもう来ていると思いませんか。 

来てそうも無いですね!

200044日火曜日修正

19991124日水曜日  第92話  税金

 日本人ほど税金に無頓着な国民は無いのではないでしょうか。一番の原因は良く言われるように、源泉徴収でしょう。知らないまに取られているからそれ程気にならないのである。是が、アメリカのように自分で申告しなければならないのなら、真剣にならざるを得ないであろう。何たって、自分でしなくていいのは楽である。万事、金が解決の世界である。
 そこにつけ込むのが、政治家、官僚、ゼネコン等税金を自分のもののようにたかる奴らである。自分の金の意識が無いから使い放題。予算が余れば飲み食いでも何でも使いきる。余ったお金を、来年に回そう何て発想は無い。自分の腹が痛まないから何をしても気にならない。
 自分達が使ってる税金とは何のためにあるお金かという事を考えたこともないし、又、考えようともしないのが現実でしょう。
 

 税金についての面白い記事が、例によって「週刊東洋経済 資本主義の゛次"を問う 国、企業の新たな役割1999.11.20 宇沢弘文東京大学名誉教授と三好俊夫松下電工会長の対談」に、あった。

 ……略

 税金とは「社会的共通資本」の使用料金

  

 なかなか良いでしょう。税金とは「社会的共通資本」の使用料金とは良い考えですね。そのうえこの中で、「政府にとっていちばん大事なことは、総需要を増やすことではなく、子供の将来、子供の世代を絶えず念頭に置いて政策を考えることだ、」とふれている。
 こういう考えで税金を使えば無駄な使い方が少しは無くなるかもしれない。まぁそれ程甘くは無いかもしれないが、個人個人がこういった考えの元で行動すれば、それ程悪いことはできないのではないだろうか。
 兎に角、税金は人の金、予算は使わなきゃ損と行う今の風潮を少しでも無くすることになるかもしれない。イヤそうあって欲しい。すくなくとも、選挙のための人気取りで、後世に借金を残すような政策はとれないはずである。
 「
子供の将来、子供の世代を絶えず念頭に置いて政策を考える」というのは何時も言っている女性が政治をするのに一番あっているのではないでしょうか。子供のことを考えるに母親ほど強いものは無い。

2000414日金曜日修正

19991125日木曜日  第93話  石橋湛山

 今、佐高信さんの「孤高を恐れず石橋湛山の志」 講談社文庫 を読んでいます。なんと石橋湛山(元総理大臣)は私が何時も取り上げている週刊東洋経済を出している東洋経済新報社の社長だったそうです。お恥ずかしいことに知りませんでした。佐高さんが認める石橋湛山が身近になったような気がします。
 その中で女性に対する考えに非常に共感を覚えましたので、取り上げます。

良妻賢母主義批判

   「今日の男子が、もし平均して女子に勝った修養を有するとせば、そは学校教育のためでも、あるいは天賦でもなくして、早くから社会に活動し、いわゆる世の荒波にもまれた結果である」
 

 どうです戦前からこれだけの考えを持った人がいたのです。今これだけの考えを持った人がどれだけいるだろうか?戦前から何も変わってないのが現状なのではないだろうか?
 確かに教育の場あたりまでは男女同権の大義名分のもと同じ教育が行われている。そして、大学進学率や成績において女性の進出は素晴らしい物が或る。ところが、いざ就職という段になると、戦前のそれと殆ど変わってないのではないだろうか。
 そこには男性社会を保持しようとする男のエゴがあるように思う。要するに女性に取って代わられるのが怖いのではないだろうか。折角、男性と同等以上に勉強してきた者を生かさない手はない。所詮人類の半分は女性である。その力を発揮する社会が必要である。

19991126日金曜日  第94話  個性重視教育

 日本では、小学校の時から、親や学校の先生にの言うことを素直に聞く子が良い子であり、チョット変な行動をしたりする子は問題児として扱われる。そこには個性を尊重しようとか、伸ばしてやろうという発想はない。
 要するに、親や教師にとって都合の良いように型にはめようとするので、それは単に、自分達の価値観でしかない。その価値観が又、古いのだからどうにもならない。そうやって育てた子供で、点数を取ることが上手い子供が良い子であり、それこそキャリア官僚になったりするのであるから個性なんか生まれるはずもない。
 そうでなくて、何か一つでも良いから他人より優れた所を持ったり、興味を持つように導いてやった方が、子供にとって人生はズットすばらしいものになるような気がする。
 何たって、人間、好きなことをすることが一番幸せであり、力も発揮するのだから。よしんば子供の時にそういったものが見つからなくてもそういう考え方を身につけるだけでも将来は明るいと思います。

 そんな彼我の差に『日経産業新聞1999年(平成11年)11月22日(月曜日)電脳ウオッチ シリコンバレーから求む「変化を起こす人」』が触れている。

 

……略
 子供の通ってる小・中学校を見ていると、こちらでは人と変わったところを尊重する、個性重視の教育が行われているのが分かる。各自の考えが求められ、小さいときからそれを人前で話す訓練が行われる。……以下略 (パピヨン)

 この記事はシリコンバレー在住の日系情報通信関連企業の幹部が寄稿したものです。

 日本の教育と全く考えが逆である。型にはめた、企業に都合に良い人間を作り出そうとする日本と、一人一人の個性を尊重して、多種多様な人間を育てようとするあちら。

 先日触れた家畜論を参考にして見てください。どちらが、これからの時代を乗り切っていくか自ずから見えてくるように思います。今のままで行くと益々、日本と、あちらの差は大きくなって取り返しのつかないことになるでしょう。もう遅すぎますが「子供の将来、子供の世代を絶えず念頭に置いて政策を考えること」が本当に必要です。

2000415日土曜日修正

19991127日土曜日 第95話  流動性

  第44話第49話第50話第51話でも触れました人材の流動性についてですが、まだまだ、日本では途中採用の不利はなくならない。それは即ち、流動性がないことの一つの理由でもある。
 勤務年数もそれなりに大事なこともあるだろうが、それだけがすべてというのはどうだろうか、やはりその中に実力主義を取り入れることにより企業の活性化が計られるのではないでしょうか。そういう発想がない限り、流動性が生まれてくることは何時までたっても難しいのではないでしょうか。
 戦後すぐの、人員の確保の難しい時代に、一度確保した人員を逃がさない為の考えが生んだ制度だろうが、今や、新しい人材の発想を活かすことこそが企業の発展に繋がるはずである。そのためには、優秀な人材を確保できる体制を取っていないと、ジリ貧になるだけではないでしょうか。

 

  読売新聞1999年(平成11年)11月24日(水曜日)論点 ベンチャー育てる「リスク人材」 小宮 一慶 小宮コンサルタンツ代表

 ……略
 万人単位の二十代、三十代の億万長者が高級車を乗り回し、豪邸を建てている。それがバブルかどうかは分からないが、なによりも成功を求めチャレンジした「リスク人材」がこの活況をもたらしたことは間違いないだろう。

 

 人材の流動性がないことが社畜につながっている。散々縛り付けておいて、今度はリストラじゃサラリーマンは立つ瀬がない。
 退職金は本当に転職には不利になっている。途中で辞めると半額になる。これなんかは法律でもあるのだろうか?たださえ中小企業の退職金なんて、大企業や官公庁と比べると少ないのにその半額じゃ辞めるに辞められないのが現実である。
 しかたなく会社の言う通りになるということもあるはずである。企業は社員を縛り付けることで思い通りに操れると考えているのかもしれないが、心が離れた社員は企業にとっても、社員にとっても不幸であるし、本来の力が発揮されることはないだろう。
 転職が当たり前になれば、もっともっと仕事のために力を集中できるようになるはずである。仕事のためでなく、社内接待に力を注ぐ有利さもすくなくなるだろう。
 本来の仕事で勝負することが当たり前になれば、今のような内部に向かっている力を本来の仕事に向かって注ぐことが出来るようになるために、自分達の組織を守る為だけの無責任な企業も少なくなるはずだ。

 2000415日土曜日修正

19991128日日曜日  第96話  リストラ

 今や、リストラばやりで我々団塊の世代は企業のはなつまみものですが、企業は10年先を考えているのでしょうか。少子化による人材不足の時代はそこまで来ています。その時、一体どうするつもりなんでしょう。
 海外から労働力を導入するということも必要になってくるでしょう。しかしながら、そうすぐに戦力になるのでしょうか?それよりも、我々団塊の世代を有効に使うことを考えた方が良いのではないでしょうか。
 今、リストラでクビにするより再雇用のような方法を考えて将来の為に備えた方がモラルの上からも良策ではないでしょうか。今、クビにされても殆ど次の職を探すことは不可能なのですから、少々収入が減ってもその方が良い人も沢山いるでしょう。
 本来は、リストラされる覚えはないですが、そうも言ってられない以上、次善の策として我々も受け入れざるを得ないかもしれません。

 そんな方法に触れた面白い論文が、昨日発表されていました。何と新入社員のコンクールの第一席作品です。『日刊工業新聞 1999年(平成11年)11月26日 金曜日「あすの企業を考える」’99(第22回)フレッシュマン産業論文コンクール第一席通商産業大臣賞50歳定年再就職制度のすすめ就職の゛二毛作"を業種・企業の壁越えて東京電力 窪島 一倫(くぼしま かずのり)

 ……略

<50歳からの再びの新入社員>
 
 それは、「50歳定年制に基づく2回就職システム」である。つまり企業は50歳をもって一律定年とし、同時に、定年退職者を改めて募集し、採用するのである。 ……以下略

 どうですこれが今年の新入社員の考えですよ。こういう人を殺さないようにして欲しいですね。新入社員にしてすでに定年後のことをこれだけ考えているのですから、素晴らしい。今までの経営者や政治家はこんなこと考えたことがあるのだろうか?自分のことしか考えない彼らにこんなことが考えられるはずがないと思います。特に、本文中にあった、「改革に必要なものは、公助・互助・自助の3助である」なんて、自分さえ良ければの今の日本人に一番欠けている言葉じゃないですか。こたえますね。

2000415日土曜日修正

19991129日月曜日  第97話  流動性

 人材減らしについてですが、最近私の勤めている会社では、単純に数字合わせの為に人減らしをするということがあります。バカな管理職がトップにおもねって自分の成績を上げるために、現場で営業マンを虐めることにより辞めさせるように持っていくのです。それを、表面上の数字合わせをやるのです。
 一人営業マンが減れば、ノルマが減るという発想なんです。それで一人当りの成績が上がったと報告するのです。当然全体の成績は伸びません。こんな本末転倒のやり方がまかり通っているのです。
 そのためお客さんに対するサービス低下に陥り会社の評価を落としてしまっているのです。ところが会社は、現場を見ないから何が現場で起こっているかを認識できず、業績をどんどん落としているのに気がつかないのです。
 末端の現場の人間に解っている危機が上に全く伝わらない。日本の組織の悪癖を代表するような状態になっているのです。そのくせ、自分達の身を守るためにトンチンカンな目標を立てて、トップにたいするパフォーマンスだけで現場を混乱させている。
 確かに人員を減らせば、一人当りの数字は取り敢えずはあがります。しかしその裏で、先ほどのように企業の競争力が無くなってしまい、最後には企業自体が市場から退場させられるでしょう。
 これこそ机上の空論の最たるものです。現場を知らない者が数字だけで考えるとこうなる見本です。多分もう遅いでしょうが、少しでも早く気が付いて欲しい物です。
 こんな会社のやり方で止めて行ったった者こそ言い迷惑です。ただでさえ流動性のないところへ放り出されるのですから。

 そんな人材の流動性について、『財界12月7日号(1999)トヨタ自動車会長奥田碩さんの対談「雇用を自ら創り出す努力を」人員削減一辺倒のリストラは問題が噴出する。』から

 ……略

 奥田 ポイントは雇用に焦点を当てることです。日本はまだ労働移動の市場や、そのための対策などができていない国ですからね。これを早く整備する必要がある。…中略
 ……以下略 
(聞き手 本誌主幹・村田 博文)

 立て続けにこれだけ人材の流動性に関する記事が出るということは、ある程度今のままではダメだというムードができてきているのだろう。しかしながら、これが何時までたっても本流にならないのが日本である。
 昨日の
第96話に、「改革に必要なものは、公助・互助・自助の3助である」という言葉があったが、これは自分の利益しか考えず、変化を嫌う今の政治家や官僚、経営者達によって、なんの手も打たれずに、うやむやにされていくだろう。どうやればこの国を未来の子供達に健全な形で渡すことができるのだろうか?
 やはり、サイレントマジョリティーであるサラリーマンと女性の自覚が絶対に必要である。この数をまとめることができれば、今の政治も変わらざるを得ないだろう。ところが、無関心、諦めで沈黙をまもったり、企業の言いなりになっているようでは何も変わらないだろう。やはり我々一人一人が怒りを忘れず、声をあげなければならない。自分達で自分達の国を変えていきませんか。 

 2000415日土曜日修正

19991130日火曜日  第98話  日産

 トヨタの次は日産。ちょっと日産には気の毒ですが。

 週刊東洋経済より久し振りに石井氏登場。

経済人の言葉ウオッチ

石井信平
映像&出版プロデュサー
日産再建を困難にする
トンチンカンな「責任感」

 変革に邪魔なのは、トップのトンチンカンな「責任感」である。変革に必要なのは、トップの退場である。
 巨大な赤字とリストラに苦しむ日産自動車の塙義一社長が、こう言った。「再建の見通しが立つまでは、非難は覚悟の上で社長を続ける方が正しい選択だと思う」(『日経』
11/2)。
 この責任感あふれるかのごとき発言は、内外に好意的に迎えられたのだろうか?この発言の背景には二つの動機が考えられる。第一は、彼自身が会社に損害を与え、その修復終了までは社長でいなければならないという「責任感」である。第二は、氏の利己的なメンタリティーだ。「再建にはオレが最適であり、オレしかいない」。
 氏は自分の過ちは認めていないから、第一はあえて無視したい。私が第二のエゴを感じるのは、氏が基本的な責任を果たしていないからだ。社長として氏が果たすべき責任は、たった一つだ。今日の事態を招いた経営方針と、その責任の所在を明らかにすることだ。それをしないで、どうして「再建」などできるだろう?
 トップの゛責任感あふるる
"コメントは幾らでも転がっている。例えば石津進也旭硝子社長。「就任当初は三年あれば風土は変えられると思っていたが、認識不足だった。今では五年ぐらいかかると分析している」(『日経産業新聞』11/2
 ここに私が感じるのは、やっぱり「オレが変えてみせる、ただし五年かかる」という社長の独善とエクスキューズだ、自分の力だけで何かをしようとするトップは、必然的にチームワークの編成が下手で、部下に耳を傾けるコミュニケーション・スキルを欠く。それは企業から国家レベルまで、日本全体を停滞させている構造的問題だ。
 発言の真意はこうではないか?日産「私が社長でいるのは再建の見通しが立っていない証拠です」。旭硝子「私だと社内改革に五年以上かかります」。

 相変らず石井氏のきつい視線である。確かにアレだけの人員整理を発表した日産の社長がそのまま居座っているというのは社員にとっても釈然としないのではないか。あのゴーン氏の発表のあと塙社長のインタビューがあったが、何か人事のような感じを持ったのは私一人ではなかったのではないだろうか。自分が一番に辞めると何故言えないのか?要するに日本の企業のサラリーマン社長って奴は殆どが、仕事でなく社内遊泳で上がってきた人間がだからそれだけの責任感はすでに捨ててきているのであろう。今まで、人の足を引っ張ることで生きてのだから、今更他人の痛みなんか感じる心は残ってないのだろう。
 ちょっと言い過ぎかな。
マァいいか!!

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