団塊の世代の部屋13

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 200081日火曜日  第331話  先送り

 30日のサンデープロジェクト、各政党から代表を一人づつ集めて、経済問題の討論をやっていました。
 「そごう」問題の後、株価の低下など景気の悪化を心配して、今回の解決法が良かったかどうかという事を問題にしていました。要するに国が税金を使ったほうが良かったかどうかということですが、それは結局、例の瑕疵担保特約問題に集約してました。
 その議論は瑕疵担保特約を付けたのが良いとか、悪いとかに集中して、それ以前の銀行に公的資金の導入や長銀や日債銀等を倒産させなかったことが大本の問題であることを避けているように思えました。
 すべては、問題の起きた時にその場で解決せずに先送りにしてきた事に原因があると思うのですが、それには踏みこみたくないように見えました。
 大銀行を倒産させると大変な事になるとの前提がおかしいという事が分かっているのにそれに触れたくないように見えたのは私だけでしょうか?

 問題の本質を避けて幾ら瑕疵担保が良いの悪いのと言っても所詮は問題解決にはならないと思います。瑕疵担保の問題は、最初に解決すべき問題を先送りしたから出てきた苦肉の策に過ぎないのですから。
 最初に銀行問題を今回の「そごう」のように会社更生法などの法律に任していれば血は流されたでしょうが、今のような閉塞感が続いていなかったのではないでしょうか。
 何度もこの部屋で触れていますが、
第227話の韓国のように一度すべての膿を出してしまわない限り何の解決にもならないでしょう。今まで銀行に注ぎ込んだ莫大な税金があれば、倒産した企業の従業員を食べさせるくらいは十分に足りたと思います。
 そのくらい、国民すべてが将来の日本の為に一度は辛抱する覚悟が必要と思いますがどうでしょう。
 いずれにしても、そこまで国民を納得させて引っ張って行くようなリーダーが求められていると思います。

まず無理でしょうが!

200082日水曜日  第332話  マスコミ

 日本におけるマスコミの影響力、特にTVのそれは誰もが認めるものだろうと思います。かって、大宅壮一さんが「一億総白痴化」と嘆いた事は有名です。
 それほどの力を持っているマスコミがその力の自覚があるのか無いのか、大衆迎合に走り反対の為の反対を声高にすることによって日本の国の進路を誤らせてきたことは総てでないにしろ、何がしかの責任があったことは間違いないと思います。
 以前にも取り上げましたが、構造改革に取り組んでいた橋本元総理の時に、経済回復優先を先頭だって叫んだのもマスコミだったと思います。
 それにより、たださえ急がれる構造改革が頓挫した事は間違いないと思います。あの時に、国民に辛抱を説くくらいの気概をマスコミに見せて欲しかったと思っているのは私だけかもしれませんが、そんなに的をはずしているとは思いません。
 確かに、あの時点で構造改革を進めれば大不況に陥ったかもしれませんが、今頃は、あの時は苦しかったが今になれば早く取り組んで良かったなと言っているかもしれません。
 素人が何を言うかと言われそうですが、何時かやらなくてはならない事を先送りしてきたことの結果が今の閉塞感なのではないでしょうか。
 実際問題として、私はこのまま先送りをしていっても日本の崩壊を見ることは無いかもしれません。自分さえ良ければの考えなら今のままで良いのですがそれでは余りにも無責任ではないでしょうか。

 ところが、2000年(平成12年)8月1日(火曜日)の日本経済新聞のコラム「大機小機」に『財政の支えが必要』との題で私の考えとまったく反対の記事がありました。

 …略

 現在の公共投資のレベルというのは、このように低いものであり、これでは景気回復に水をさすことになり兼ねない。…以下略

 景気の回復は本当に必要なのでしょうか。何度も言いますが、国民皆でどん底を味わう時が来ているのではないでしょうか?
 今景気回復を望むことは一番楽な方法であって、一時景気が回復しても、何の構造改革を先送りした景気が長続きするとは思えません。
 景気が回復すれば税収が増えるというのが景気回復論の主張ですが、本当にそれで上手く行くのでしょうか。戦後同じことをやってきた結果が今なのではないでしょうか、それでも同じことをやって現状を誤魔化しで糊塗しようとするのでしょうか。
 誰だって、苦しいことは嫌です。しかしながら、今それをやらないと我々の子供達はどうなるでしょう。自分が生きている間が良ければ後はどうでもいいで良いのでしょうか。

 このあたりのことを、マスコミに真剣に考えて欲しいのです。多分、昨日も取り上げた金大中大統領のような指導者が出てきて政府が真剣に構造改革の取り組み不景気になってくると一番に邪魔しそうな気がするのです。私の考え過ぎなら良いのですが…。
 是非とも、国民を正しい方向に導くには何が必要かを真剣に考えて取り組んで欲しいものです。何度も言いますが、それだけの影響力を持っているのですから。

お願いします!

200083日木曜日  第333話  リストラ

 この部屋の最初の頃はリストラのテーマがメインでした。というのも私の勤めている会社でも年寄りをいじめることによって辞めさせる事が盛んに行われていて、それに対する怒りがあったのです。
 そちらの方は、いじめの首謀者のような管理職が他の事で降格になったので少しは変わるかもしれません。
 しかしながら、そのいじめによるモラルダウンはひどいものがありました。若手もいずれは自分達もあんな目に会うのに違いないと思っているのが見て取れたものです。
 それが会社の方針であったのか、個人の考えだったのか良く分からないところもありますが、いずれにしても50歳前後以上の社員を整理したい雰囲気はあります。

 こんな陰湿ないじめによる人員整理でのモラルダウンを経験しているので、形は違いますが第2話でも取り上げていまように安易なリストラはその企業のモラルをダウンさせるだけで、本当の意味のリストラにはならないのではないかという疑問が常にありました。
 その後、警察や銀行問題、最近は「そごう」問題などこの一年、事件の多発で暫くリストラ問題に付いて触れる事が少なくなっていました。しかしながらそれらの事件にも裏にはリストラが潜んでいることも確かです。

 久し振りにそんなリストラに対する考えをズバリと現してくれた記事が、日刊工業新聞2000年8月2日水曜日「産業春秋」にありました。

 …略

 需要が伸びないから固定費を削る。リストラは極めて単純な経営手法だ。実務を知らないエリート・トップが飛びつきやすい点に流行の主因がある。…中略

 90歳になるドラッカー教授が「リストラが避けられない場合、企業は今よりもっとよい職場を紹介することに全力をあげるべきである。企業にはそれだけの力がある」…以下略

 このコラムでは、安易にリストラに走った企業が、今、元気が無く、人員整理をせずに皆で頑張った企業の方がかえって元気であるという事例をあげて上記のような主張をしています。

 これこそ、日頃から疑問に思っていた気持ちを代弁してくれています。成る程、実務を知らないトップが陥った安易な手法だったのですね。
 この実務を知らないエリート・トップというのは、キャリア官僚にも通じる事でしょう。現場を知らないで経営を行う事の怖さがここにあると思います。
 心有る経営者はそんな流行には乗っていないのは
第3話の出光佐三さん、第6話の美川社長の例でも確かです。

 数字の上では、人員整理による人権費の削減で経費が少なくなり、利益が上がることになりますが、そこには働く人間の心が抜けているのです。これこそが机上の計算なのです。
 人員を整理したのに何故利益が上がらないのだろうと今になって悩んでいるのでしょう。しかしながら、一度落ちたモラルはそう簡単に元に戻るものではありません。もしかすれば、そのままジリ貧になって市場から退場という事になるかもしれません。
 それ程に、モラルというのは企業経営にとって机上の計算には現れない重要なものであるという事だと思います。
 ドラッカー教授が言うような心遣いがあって初めてモラルが保たれるのかもしれません。人間扱われたように反応しまっせ。

従業員をなめたらあかんで〜!

200084日金曜日  第334話  千葉すず選手

 千葉すず選手の裁定が遂に出ましたね。今日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)主催の聴聞会が東京で両者の千葉選手他、関係者の出席のもと開かれ、裁定が下されたものです。

 何と、訴えは退けられました。但し協会が選考理由を前もってハッキリしていれば混乱は避けられたという事で、協会が一万スイスフラン(日本円にして、約65万円)を千葉選手に支払うよう命じました。
 千葉選手は仲裁は公平であったと納得したということです。大勢の人の応援を頂いた事と、協会が裁定に出てくれた事をありがたく思っているとコメントしていました。
 しかし、チョット意外な裁定だったですね。何だかガッカリです。世界も変な考えが通るんですね。
 退けるくらいなら、罰金なんか何で払わせるんでしょう!そこに何か胡散臭さをかんじてしまいました。どちらにしても千葉選手自体が納得したそうなんでこれでこの問題は終わったと言えるでしょう。残念です。

 それにしても、昨日からTVニュースでもやってましたが、街頭インタービューでもおかしいという人が殆どだったようです。
 まさか情報操作があるとは思えないので多分それが大多数の本当の意見だろうと素直に取りましよう。
 アメリカやドイツの選考基準にも触れていましたが、基準はあくまでも記録であり、その基準に付いては前もって発表されています。
 日本の場合は、前もって発表されていなかったのです。選考会の後で、記録だけでなく、言動などが参考にされたというのです。
 こんな事をやっているから、世界から変な国と思われるのでしょう。尤も今回は世界も変でしたが…。
 今回の問題は日本の国の企業で行われている事と全く同じである。実力ではなく好き嫌いが基準なのである。そんな事を何時までもやっていると、益々世界に通用しなくなってくるでしょう。
 しかしながら、古橋会長は表に出てこないですね!何だか「そごう」の水島元会長を思い浮かべてしまうのは私だけでしょうか。
 日本中で、老人の跋扈とリーダー不在ですね。

本当に、この国は大丈夫なんでしょうか?

200085日土曜日  第335話  経営屋

 今日の新聞は、千葉選手一色と言って良いくらい取り上げていましたね。それだけ感心があったと言うことです。
 古橋会長苦虫を噛み潰していました。

 昨日も言いましたが、ああいう協会にしろ産業界にしろそして、政界・官界総てにおいて日本には兎に角リーダー不在がはなはだしい。
 特に、
第333話でも触れたように現場を知らないリーダーが机上の空論を振り回しているのが近頃の日本のように思えます。
 それは、右肩上がりの時代に内向きに動いたもの、即ち組織の都合で選ばれたトップが多いという事だと思います。
 だから、外に対する気配りが無い、即ちお客さんをないがしろにするのです。だから外に対する情報開示が無いと言う事になる訳です。
 今回の千葉選手の問題にしても水練の内部だけの都合で、外、即ち選手や国民にきちんとした情報を開示していなかったという事でしょう。

 そんなリーダー不在の気持ちを代弁するような発言をあのトヨタの奥田会長がしてくれた記事が2000年(平成12年)8月4日(金曜日)の日経産業新聞に『責務忘れた経営者「経営屋にすぎない」』という表題でありました。

 例年の日経連経営トップセミナーでの講演からです。と最近の企業の不祥事を指しての話です。

 …略

 「現場の管理の問題であるとはいえ、経営者の責任は重い。特に経営者が現場を知らない、あるいは現場を軽視しているという印象をうけることはまことに嘆かわしく思う」と述べた。
 さらに「バブルの後遺症というと過剰債務、過剰設備、過剰雇用と言われるが、最も重大な後遺症は経営者にあるのかもしれない」と指摘した。

 丁度一年前のセミナーでの奥田会長の発言も第9話で取り上げましたが、何時もながら胸がすく発言ですね。同じ経営者として、現場を知ろうともしない経営者に腹が立つのだろうと思います。
 結局、バブル時やその後に内向きの都合で出世したトップが率いる企業が今、化けの皮がはがれているという事でしょう。
 お客さんや従業員の立場に立って、本業を一生懸命にやっている企業が報われる時代がきたのかもしれません。それは、右肩上がりが終わり、地に足が着いた本当の努力をコツコツとやってきたところしか残れないという事だと思います。
 景気に踊らされ、驕りによって、自分達の内部の都合でしかものを考える事がきずに、お客さんをないがしろにしてきた付けが回ってきたという事でしょう。
 こんな停滞の時代にそんなお客を無視した経営は成り立たなくなってきているのです。「そごう」や「雪印」のように市場にそっぽを向かれるという事です。

 本当の地道な経営をしているところが生き残れるという事です。それには、本物のリーダーが必要とされるのです。

ゴマで通用する時代じゃないですよ!

200086日日曜日  第336話  経営者

 第333話、そして昨日の第335話とリーダーについて取り上げてきましたが、リーダーがいないというよりも、本当のリーダーが排除される体質が問題なのかもしれません。
 日本は、いざというときに本物のリーダーが現れると言われているそうです。それは、言いかえればとことん追い詰められないと真のリーダーを求め無いと言う事だろうと思います。
 つまり、通常の時には真のリーダーの足を引っ張って突出を認めないという事ではないでしょうか。
 所謂、出る杭は打たれるという事でしょう。横並びを求める、ムラ社会の相互監視の世界です。
 右肩上がりの成長の時代には、それでも大きな失敗も無く通用してきた面があると思いますが、これだけの閉塞感に覆われた時代には、そんなリーダーの選び方では市場から退場しなければならなくなる恐れがあるはずです。

 今回の「雪印」のように、あわや退場かということになります。そんな「雪印」のトップ選びについて、2000.8.5週間東洋経済が「雪印事件の教訓トップ選びの失敗」という題で特別レポートをしていました。 

 …略

 一般にいえることは、会社や社会が成熟すると、その組織を揺るがすような路線変更をともなう経営者の世代交代を避け、前任者路線を穏便に維持するタイプの調整型トップが多い。…中略

 ところがCS(顧客志向)を唱えつつ、実態は社内の上役の顔色をうかがう体質がまかり通っている。ここで選ばれた経営者は村社会(社内派閥)に忠誠を尽くすことによって上り詰める。…以下略

 その通りですね。完全に、お客さんに目が向いていなかったということです。だから、一人「雪印」の社長が悪いと言うより、組織がそういう人を選んでいたという事でしょう。
 現場も知らないトップに今回のような危機に対処する能力を求める方がおかしいのであって、そういう能力のある人を選んでおけば良かったのである。そんな人材がいなかったのでなく、排除されていたという事だと思います。
 そしてこれは、「雪印」だけの問題でなく、日本の殆どの企業に当てはまる問題だろうと思います。
 そんな経営者が多いから、自分で責任を取らずにお上の責任にしようとするのです。その代表が、銀行のトップであり、債務超過に陥って尚且つ銀行に債権放棄を求める経営者という事だと思います。

自分で責任を取ってくださいよ!

200087日月曜日  第337話  族議員(ガイアックス)

 サンデープロジェクト、今回は自民党と民主党の若手の討論をやっていました。結構いい人間がいるようなのですが、未だ、力が無いのですかね?
 自民党は
第311話で取り上げた「自民党の明日を創る会」からの3人でした。 やはり人数がもっと増えないと何も出来ないのが本当の所でしょう。もっと、若い人を国会に送り出す必要があります。ところが若手というと世襲議員ばかりになってしまう所も大きな問題である。
 これは、本当に政治に参加したい若者を国会に送り出せるようにならないと駄目という事でしょう。
 この討論の中で、だれかが、どうして「自民党の明日を創る会」じゃなくて、「日本の明日を創る会」にしないのかといっていたのが印象に残りました。
 その通りですね、党派を越えて若手が手を繋いで日本を変えて欲しい物ですね。

 さて、今日は、ガイアックスというガソリンの代替商品について取り上げていましたが、これは面白かったです。
 一時、ネットでも話題になっていましたが余り良く分かってなかったのですが今日の取材で少し分かりました。
 「ガイアエナジー」という日本の会社が開発発売している「低価格」「低公害」のアルコール主体の燃料ということです。
 何故、「低価格」かというと、ガソリンに53.8%も掛かっているガソリン税という「国税」が成分によって全く掛からないのが理由だそうです。
 「低公害」については、排気に含まれる一酸化炭素や炭化水素(HC)の量がガソリンの何十分の一という素晴らしさです。
 そしてその主成分はアルコールであって、将来は植物性のアルコールに変えて行く事もできるということで益々「低公害」といえるでしょう。
 そして、本当に良いのはこの燃料は、今使っているガソリンに継ぎ足しても問題無く使えるということです。

 旧来のガソリンスタンドの中にはガイアックスを取り扱う所も出てきましたが、なかなか急激には広まらないようです。
 これほど良いものがどうして急激に広がらないのでしょうか。そうです、石油元売会社などの既存の業界からの圧力が働いているのです。そしてその裏にはもっと大きな力が働いているようです。

 まず、最初の圧力は、このガイアックスを日本で製造できなくしていることなのです。日本では原料を売らない、そして備蓄の為の施設を使わせない。
 こうして、このガイアックスは現在、韓国などの海外で製造して、わざわざ輸入しているのです。
 そして、税金については、国税が掛けられないので、「軽油引き取り税」という地方税を掛けるように国税局に働きかけているのです。それに関連して、輸入してきたガイアックスを積んだ船を港で検査の為に止めるようないやがらせもしていました。

 この当りは、「キチンと税金を払って公平な競争をすれば良いのにな!」と思わないでもなかったですが、ここからが本題だったのです。
 日本のガソリンが高いのは今まで述べてきたように「税金」が殆どであることは皆知っていることですが、その使い道は道路だけというのは知らない人もいると思います。
 これは、「道路特定財源」といって、あの田中角栄元首相が作った税金で、他のことには使えないことになっているのです。当時は道路も未整備な時代だったので、必要な所もあったのですが、それが未だに残っているのです。
 そして、問題はここからなのです。この余って、他に使えない税金に群がる政・官・財の癒着があるのです。金にあかせて、要らない道路を日本中に作り、その税金にたかっているのです。
 政府自民党の中にも、こんな税金は廃止して一般財源から予算を付けようと主張している人もいるそうですが、所謂「族議員」に阻まれているのだそうです。

 こんなところに大きな問題があったのですね。族議員・建設省・建設業界が日本を食い物にしているのです。
 その上、ガイアックスのような画期的なものの普及まで妨げているのです。二重に、国民の利益を掠め取っているのです。これほど腹立たしいことがあって良いのでしょうか?

 田原総一郎さんも番組の中で、これからも継続してこの問題を取り上げ、族議員の名前の公表をしていきたいと言ってましたが、本当にそうして欲しい物です。
 そして又、そんな族議員を追及できるのは最初に出てきた若手議員だと言っていましたが、これもその通りでしょう。

いずれにしても、何とも腹立たしいです!

200088日火曜日  第338話  キャノン

 キャノンという会社が何となく好きなのは、昭和30年代、私がまだ小学生の頃だったと思いますが、父がカメラを買ってきたのです。
 それこそ産まれて初めて触ったカメラのはずです。それが、確かキャノネットとかいったと思います。
 シャッターのあのカシャッという感触と音が堪らなかったのを覚えています。その子供の時の興奮が未だにキャノンという会社が好きな理由なんですから、人間なんて単純なものです。
 そして、その想いはたった一人の甥っこがキャノンの販売会社に入社したときに、いっそう強くなったものです。
 パソコンのプリンターは当然キャノンです。

 ところが、この甥が仕事柄(コピー機のメインテナンス)、体を壊し入退院を繰り返した後、職場復帰したのですが病気の前のように働けないからか上司からイジメにあったりして、最近退職してしまいました。肉親の私が言うのもなんですが、今時の青年に珍しいくらい純真で仕事にも真剣に取り組む良い男なんですがね…。
 父親の仕事の関係で転校が多かったのですが、何処へ行っても友達が多く、頼もしく育ってくれました。どうも男の嫉妬にやられたようです。
 仕事も、趣味も目一杯頑張って充実した生活を謳歌していたときの病気だっただけに、その仕打ちに、何とも、情けない会社という事がわかって百年の恋も冷めた気分です。心なしか、プリンターの調子も悪くなったような気がします。おまけに、会社の2台も故障中。

 そんな気分でいた時に、2000年(平成12年)8月7日(月曜日)の日経新聞のコラム「20世紀 日本の経済人」にキャノンの創業者の御手洗毅さんが取り上げられていました。
 その中の囲み記事に、「社員の健康を第一に」と題して面白いのがありました。

 …略

 「ゴー・ホーム・クイックリー」。接待や、社内での飲食は減らして、早く家に帰って一家団欒(らん)の時間をつくろう、と訴えて、自らも率先した。

 御手洗さんは医師だったそうで、家庭中心主義のうえに、社員の健康を第一に考える医者の視点があったそうです。
 素晴らしいですね。この運動を始めたのが1959年(昭和34年)だと言うのですから、恐れ入ります。未だにこれだけの考えを持った経営者がどれだけいるかを考えると、その凄さがわかります。

 週休二日制を導入したのも昭和37年で、日本で初めてだそうです。昭和41年(関係無いですが、ちなみに私の高校卒業の年)には完全週休二日制に移行したと言うことです。
 これによって、日本に週休二日制が広まったのですね。今や、その恩恵をこうむっている人が殆どではないでしょうか?未だに、実行できない企業も沢山ありますが…。
 今更、週休二日制のない会社勤める気はないほど、私にとってもこれほどあり難い制度は無いですね!残念ながら、未だ完全ではないのですが…。
 願わくば、週休三日でも良いんですがね!!

 冗談はさておいて、こんな立派な創業者がいる会社にも、末端までその理想が受け継がれるのは難しいのですね。下司な奴は何処にでもいるもんですね。

残念なことです!

200089日水曜日  第339話  高校野球

 又、夏の甲子園が始まった。どうして日本人は高校野球があんなに好きなんだろう。
 私は、マスコミに乗せられていると思っている。何時も言ってる、マスコミに影響されやすい日本人の特性がモロに出ているように思える。
 高校のスポーツは沢山あります。そして、インターハイ、国体と全国大会もあります。野球と同じように、いや、それ以上に練習して大会の出場を勝ち取ったものも入るはずです。
 そして、全国優勝を果たしたものも入るでしょう。しかし、その扱いは同じ高校生のスポーツでありながら、天と地の差です。
 何故でしょう、そこにはマスコミの都合が隠れているような気がします。ご存知のように春は、毎日、夏は、朝日と冠がついています。そして、その裏には部数争いがあるようです。読売もそれに便乗しているような状態です。 そして、ことさら、さわやかなスポーツマンシップを強調し、地域の代表を表に出して、人気を煽っている。TVは各局が連日全試合放送。NHKまでが当然のようにやっています。
 他にも、高校生のスポーツはありますよ、せめてNHKくらい放送してあげたらどうですか。要するに、儲かるから取り上げるということでしょう。他のマイナーなスポーツを取り上げたって誰も見向きもしないですからね。
 しかし、教育というものを前面に出して利用するのならマイナーなスポーツ、いや!クラブ活動をこそ取り上げるべきです。それをしないのは結局は人気におもねっているだけで、マスコミとしての矜持は無いといえるのではないでしょうか?

 地元の代表と言いながら、選手は全て野球留学という代表校の何と多いことか!校名を上げるために全国から選手を集めているのは周知の事実なんですから。
 これは、ジプシー選手を集めて天皇杯・皇后杯を開催地が獲得するのと全く同じで、スポーツとは何の関係もないことである。特に、この国体の開催地優勝ほど無駄なものはないでしょう。まだ、私立高校が宣伝の為に野球をやっている方が可愛いかも…。純然たる経営努力なのですから。

 プロ野球予備軍となった高校野球がそんなきれいごとの世界ではない事は、皆、薄々気が付いているが、タブーになっているかのようにあえて見ようとはしないのである。
 その中身は、レギュラーをとる為の足の引っ張り合い、監督に取り入る為にあらゆる手を使うというような世界なのである。それが、親がらみであるのは間違いないでしょう。言わば、実社会以上に汚い世界があると言えるかもしれない。それも、マスコミが必要以上に煽っている所為ではないでしょうか?
 もはや、弱小チームの中にしか本当のスポーツとしての野球はないのかもしれません。
 私も、江川選手の作新学園の頃までは結構高校野球も見ていましたが、彼が、大人の都合に振りまわされるのを見せられた頃から余り興味がなくなったような気がします。
 どうして、折角の才能を回りの大人の都合で摘み取るようなことをするのでしょう。それも表面は奇麗事ばかりで…。
 それなら最初から、高校野球は将来プロになって銭を稼ぐ為の踏み台であるという事をもっと全面に押し出してセミプロとして扱ったほうがズットきれいだとは思いませんか。
 そうすれば、丸坊主だとか、品行方正とかそんなものは必要ないことが分かるでしょう。そんな表向きだけのことで高校生を縛る事もなくすれば良いのです。
 なまじ、奇麗事にするから、裏で不祥事をもみ消したり、逆に相手の不祥事を告発したりする泥沼の争いが起きるのです。そして、その犠牲者は、当の高校生なのです。

 

 そんな気持ちを表すような記事が、2000年(平成12年)8月1日(火曜日)の日経新聞のコラム「春秋」にありました。

 …略

 夏の甲子園大会が近づくといつも気になるのが、白球を追う少年達の髪型と軍体調の開会式の行進である。岡山の県立高校で起きた十七歳の野球部員によるバット殴打事件の背景に「丸刈り」を巡るトラブルがあったらしいという。少年の夢をかき立てる舞台のすそ野に広がる不毛な精神主義が、若者の心をゆがめたのなら暗たんとする。…以下略

 大人のエゴ、マスコミのエゴなど自分達の欲望を隠して、高校生達を利用しているのでなければ良いが…。
 どうせ、皆プロの予備軍の試合として見ているのなら、もっと自由にさせてやれば良いじゃないですか。
 茶髪も、長髪も、モヒカンも、パーマも、そして坊主も、何だって良いじゃないですか、どうせ自分達の利益の為に利用しているだけなのですから、野球の上手さには何の関係もないでしょう。
 何故か、言動にうるさい日本水泳連盟を思い出してしまいます。

いい加減、大人の都合を振りまわすのは止めませんか!

2000810日木曜日  第340話  雪印問題

 「雪印」の波紋が、食品業界に広まっています。あれ以来、森永が異臭騒ぎ。キリンの缶、地場の牛乳製造会社の製品回収と過剰反応とも思える事件が頻繁に起っています。
 ローソンの弁当の回収もありました。勿論、本当に問題ありのものもありましたが、多くは過剰反応によるものではないかと思われるものもあるようです。
 今回起きた、キリンのトマトジュースのハエ混入事件も、あっては行けないことですが、まず完全に防ぐということはありえないと思います。何時もだったら、「ゴメンナサイ」で表面には出なかっでしょう。
 それだけ、消費者が敏感になっているという事は食品であるだけに良いことかもしれないですが、あまりに完璧を求めると今度はコストアップの問題が出てくる事になるかもしれません。
 しかしながら、消費者は求めた要求だけのコストを払おうとしないのもありがちです。特に、日本の場合要求はきつく、責任は少なくという性向があるのは承知の事実でしょう。お上頼みなどはその典型のような気がします。
 結局は、それが回りまわってコストを上げていることに気が付かないのでしょう。所詮、ただのものはないのです。そのときは儲かったと思っても何処かでしっぺ返しを食らっていると思います。
 今回の「雪印」問題にも裏には牛乳の価格があると思います。スーパー等での安売りの目玉品などになったり、生産者の苦労からすると適正価格での販売が出来ていなかったことがあるようです。必然的にコストダウンを計ろうとする中での原因もあると思います。トップ企業でそうであれば、地場の中小企業はもっと大変なはずです。

 そんなとき、大阪の地場企業である、京阪牛乳(本社・大阪府寝屋川市)が製造から撤退するとのニュースがTVで放送されました。この会社はご存知の方もあるように、今回の「雪印」問題の後、消費者から「酸っぱい味がする」とのクレームで牛乳5000本を回収するという被害を受けています。その後の検査で製品には何の問題もなかったそうです。森永の小型番というところでしょうか? 

 その後、売上も回復せず、製造量が約二十分の一に落ち込んだということで廃業を決めたようです。今月19日に工場を閉鎖して、月末に従業員31人を解雇するそうです。今後、こうした会社が地方で増えてくるかもしれません。
 会社によれば、余り儲けのない業種だけに、この際辞めてしまおうという所も出てくる恐れもありそうです。
 そうやって、廃業する所が出てくると、いずれは、大手による寡占になって値上がりというときがくるかもしれません。
 確かに、少しでも安い方が良いのが我々消費者ですが、コスト割れするほどの過当競争を煽るのも考え物かもしれないですね。特に、スーパーの目玉商品になった製品は悲惨でしょう。

 それでは、何が適正価格かと言われると、難しいところですが、本当の値段と言うものもあるような気がします。

 一方では、政官財の癒着によって、べらぼうなコストを掠め取っている業界もあることを考えると、庶民の毎日の生活にかかわる商品だけに割りきれないものがあるのも確かです。

弱いものイジメは嫌ですね!

2000811日金曜日  第341話  ノーネクタイ

 第308話第309話で取り上げた夏の背広とネクタイ。お恥ずかしながら、未だに背広のまま出勤しています。
 どうやら、私の社畜も本物かもしれないです。つい先日、四国へ出張して地元のものと一緒に営業したのですが、彼は、ズット半袖で上着を着たことがないと言っていました。
 私が、四国にいたときと同じです。何であの時のまま半袖で通さなかったのだろうかと考えてみましたが、やはり、流れに流されたのは間違いないですね。
 転勤したところで、何処か回りの目を気にしたのです。要するに、楽な方を選んだと言うことです。転勤で気持ちが弱っていたのでしょうか。自分の弱さが情けないです。
 と言って、今すぐ半袖というのも、まだ、ふん切れないところがあるのも確かなのです。サラリーマン根性って嫌ですね。

 話は前後しますが、半袖にすると腕が汗でべとべとして上着が腕にまとわりついて気持ち悪いのはご存知だと思います。そのために上着を着るとなると、どうしても長袖のシャツになります。そんな生活を8年間やってしまったので、体が慣れてしまったということもあるのです。
 だから嫌だ、いやだといいながら、体に染み付いてしまったのも確かなことです。
 そんなこんなで、何だか言い訳じみていますが、今更どっちでも良いやってのも半分あります。人間、習慣を変えるのも結構大変ですね。
 同じような人もいます。

 日刊工業新聞2000年(平成12年)8月8日火曜日コラム「ポートフォリオ」に「ノーネクタイは楽?」の題で面白い記事がありました。

 「ネクタイをしなくていいのは実に楽」と涼しげに言うのは、環境への取り組みから、真夏の間、全行挙げノーネクタイ運動を始めた百五銀行頭取の川喜田貞久さん。

 「亜熱帯ともいえる日本の夏に、背広を着てネクタイをし、冷え過ぎるほど冷房をかけることが果たして正しいのか。問題提起をしたい」と率先してノーネクタイスタイルに。 

 とはいえ、8月初旬に行ったIR活動には、背広、ネクタイで臨んだ。
 「招待したお客さんたちがネクタイで来られると悪いので…。当行の姿勢を示すには良いチャンスなので、本当はノーネクタイでやりたかったが…」とジレンマも。ノーネクタイが理解されるにはまだ時間ががかる?
()

 銀行の頭取にもこんな方がいるんですね。こんな人が当たり前になってくれたら、私のような情けない社畜も右へならへでいけるんですがね…。
 現実は、これほどの人でも、お客さんの前に出るのはなかなか難しいのですね。私も、営業でお客さんを訪問する時にはまだノーネクタイは無理です。
 社内だけなら別に抵抗はないのですが、流石にお客さんは、注文が取れないと困りますので気を使います。
 多分、殆どの人が思ってることが出来ないなんて、ヤッパリ日本の国はおかしいですね。相互監視の村社会の典型です。
 こんなこと一つ変えられないのですから、私もあんまり文句ばかり言えた義理でもないですね。

何だか、へこんじゃいます!

2000812日土曜日  第342話  半袖

 昨日、ちょっとへこんじゃいましたので、寝る前にもう一度半袖シャツを探してみました。一生懸命PCのダンボールの下を探してみましたがヤッパリありませんでした。
 ふと思いついて、押し入れの中を見てみると、ありました。相変わらずの思い込みで、違う所ばかり探していたのです。PCでのどつぼと同じパターンです、所詮やる事は同じなんですね。
 さて、休み前の金曜日だし、今日はお客さんの所へ行く予定もないので、半袖で出勤してみました。
 良いですね!上着を手に持たなくていいし、ヤッパリ涼しいです。流石にネクタイはして行きましたけどね。
 しかし、上着を持たないと一つ問題があります。常に上着の内ポケットに入れていたので
手帳や名詞を入れる所が無いのです。
 長年の習慣と言うのは恐ろしいですね。こんな盲点があったとは。そういやぁ、香川で半袖のポケットに名詞を入れて汗で名刺入れがいたんでいたり、よく落としたりしていた事を思い出しました。
 その点、上着の内ポケットはそんな事もなく、夏も冬も便利でした。

 「う〜ん!いまさらバッグなんか持ちたくないしどうしたもんだろう!」

 妙な所にネックがありました。

 マアいいか!何とかなるだろう!!

 さて、今週は、今日から一週間盆休みを取るので、このまま坂出へ帰ります。取り敢えずは、上着がいらないので、荷物が減って楽です。何でこんな簡単な事に気が付かなかったのでしょう。思考回路の単純さに、情けなくなります。
 しかしながら、問題は盆明けです、このまま半袖でお客さんを訪問したものか悩みます。
 それにしても、社内では誰も私の半袖にも気付かないようでした。自分が考えているほど他人は気にしていないのが良くわかります。何事も自意識過剰なんでしょうね。それだけ思ってる以上に半袖が違和感なく受け入れられる土壌が出来てきているのかもしれないです。
 何とか続けてみたいものです。

思い切ってやってみればなんでもないのかもしれません。

2000813日日曜日  第343話  金利

 日本銀行が11日、99年2月から続けてきたゼロ金利政策を解除したそうです。その中身は詳しくないので良く分かりませんが、我々に直接関係のあるものとして、100万円の普通預金の年間の利子が500円から1000円にアップする程度だそうです。

 その中身は、日銀が面子を保つために政府の意向をけって決定したという事らしいです。いずれにしても異常な状態が少しでも変わった事は間違いないようです。
 しかしながら、政府と日銀の話を聞くと、全く子供の喧嘩です。基本的な異常を修正しようというような意欲は全く見られません。
 兎に角全てが、小手先の事にしか触れていません。マスコミも景気の足を引っ張るとか騒いでいますが、いまさら景気がどうのこうのと言っているようでは本当の意味の日本の再生は無いでしょう。
 産業界も金利がアップする事で業績に影響すると騒いでいるようですが、この程度でつぶれる所はつぶした方がいいと思います。

 どちらにしても、こんな事で騒いでいるのは余りにも目先の事と言えるのではないでしょうか?私には、何の意味の無い事のようにしか思えません。

 何時も言ってますが、そんな小手先の事をやって、今の景気が良くなるなんて事をやっている場合で無いという認識がないのでしょうか?
 その発想は、相変わらずの「先送り」でしかないと思います。今更、債務超過の、銀行や企業を延命させる事でなく、全ての膿を出して、日本の国を根本から修復するしか方法は無いと思うのですが、過激すぎて受け入れられないのでしょうね。

所詮、何も変わりそうも無いです!

2000815日火曜日  第344話  先送り

 日銀の件を先送りだと言いましたが、それ以上に先送りの兆候が現れてきたのが又しても債権放棄です。

 と言うのは新生銀行に圧力がかかったのか、柔軟路線への転換に向かい出したことである。賛否はあるにしろ、折角自己責任を取らせる雰囲気が出てきていたのにまたもや後戻りの様相です。
 「そごう」の問題で顧客離れを心配してとのことらしいが、徹底的に突き放してどんどん倒産させることこそが日本の経済を根本から立て直すにはこれしかないと期待していたのに残念です。さすがの外資も顧客離れは怖いと言うことのようです。
 ハザマや熊谷組が債権放棄を要求して、新生銀行も折れてしまったので折角「そごう」のようなハードランディングの定着が又遠ざかってしまいました。
 これで、日本の再生はもう無理かもしれません。

 丁度、そんな状況を説明してくれるような記事が日本経済新聞2000年(平成12年)8月7日(月曜日)コラム「春秋」に。ありました

 「銀行から一万ドル借金すれば銀行があなたを所有する。しかし百万ドル借りればあなたが銀行を所有する」。十年前、経営学者ピーター・ドラッカー氏は米国の古いことわざを紹介しながら、日本の巨額の貿易黒字のはかなさを語った。この理屈だと借金国の米は日本を簡単に支配できるというわけだ。 

 日本の銀行は、建設・不動産、流通など巨額の債務を抱える業種に支配されてしまった。

 まさしくこれは日本の現状をあらわしています。尤も、その元凶は銀行が何も考えずに、いたずらに貸し込んでいった為なのですから自業自得です。
 しかしながら、許せないのはその付けを国民が取らされていることです。何度も言いますが、銀行以下今回のバブルの責任者に自分で責任を取らせることこそが日本の再生にとって尤も必要なことである。
 ところが、政・官・財皆が。自分が悪者になりたくないのでその責任を取ろうとせずにすべてを先送りしているのである。

益々、日本の未来はなくなっている!

2000816日水曜日  第345話  総理大臣

  13日(日曜日)のサンデープロジェクトに中曽根康弘元総理が出ていた。何で今更、中曽根さんなんだろうと、見るともなくもなく見ていました。
 いやに、田原総一郎さんが持ち上げているのでどうしてだろうかと思いながら見ていたのですが、結構最近の総理大臣の気構えなんかを批判したりしているので思わず見入ってしまいました。
 その中で、自分は35年前から首相公選制を訴えてきたと言っているのを聞いて、チョット見直しました。田原さんがなぜ出来ないのですかと聞くと、自民党内や、学識経験者など頭の古い人がたくさんいると言ってました。
 田原さんも、中曽根さんまでの総理はポリシーが会ったが、それ以後の総理にはそれが無いと持ち上げていました。
 何だか、「本当かいな
?」と言う気持ちが先に立ってしまいます。そんな考えがあるのなら総理大臣の時のやればよかったじゃないかと思うのは私だけでしょうか?
尤も、田原さんも言ってましたが、その後の総理で総理になろうと思ってなったのは宮沢さん位で後は突然総理の椅子が転がり込んできたのでポリシーを持つ暇も無かったということらしいです。確かに、竹下元総理大臣を筆頭に禄なのがいないのも確かですね。それだけ小粒になったと言うことでしょう。

 現実問題として、総理大臣になっても、その地位を守ろうとすることや、派閥の思惑やマスコミなどの揚げ足取りもあったりで、自分の考えを押し通すことは難しいのでしょうが、そこで身を捨ててもやり通す総理大臣がほしいのです。

 たまたま同じ、2000年(平成12年)8月13日(日曜日)の読売新聞のコラム「読書」に
「二十一世紀日本の国家戦略」 中曽根 康弘著の紹介が載っていました。その中に面白いところがありました。

 「政治は何で動くか。総理大臣の能力、見識、迫力です。国家の為に身を捧げる。自分の生涯を懸け、政治生命を懸けて身を捧げる。そういうような総理大臣の信念と迫力がまずあって、それが各大臣に移り、官僚や党の役員にうつっていくのです」

 これこそ日頃、私が求めているものなのですが、中曽根さんてそんな総理大臣だったのでしょうか?もしそうだとしたら、私の今までの印象を覆すものです。
 息子を、議員にしたり、疑獄事件のうわさの絶えない最も自民党の議員らしい古い体質の政治家と思っていた私の考えを変えなければなりません。
 こんな素晴らしい信念を持っていた人が、日本の国を変えることが出来なかったとしたら、それは任せきることが出来なかった国民が悪かったのでしょうか?
 それとも、世論に迎合するマスコミにやられたのでしょうか?又は、本人に言うだけの覚悟が無かったのか?
 本当に分からなくなってきました。マア!後からは何でも書けますけどね!兎に角、政治家の発言を聞いていると皆国を思っている良い人ばかりなんですけどね。
 何で、あんなに国を思う人が一杯いて、国が良くならないのでしょうね、不思議でしょうがない!

しかし、政治家なんて口が上手いから騙されそう!

2000817日木曜日  第346話  先送り

 第343話第344話、と続けて「先送り」について取り上げてきました。何だか、何時も文句ばかりを言っているようで情けないのですが、実際問題として、庶民の立場じゃこの位のことでストレス発散するしか方法は無いのかなと自分を慰めています。
 毎回、こんな話題ばかりで、「もう良いよ!」と言われそうですが、諦めて付き合ってやってください。

 さて第345話で総理大臣が小粒になったと言いましたが、どうしてそうなったのかを考えてみると、やはり国民自体が変化を求めていないのかもしれません。
 いったい何時から日本人はこんなに自信を無くしたのでしょう。バブルの頃の日本人は顰蹙を買う面もありましたが、世界に向かっても自信にあふれていたように思います。確かに、勘違いと言うことも否めませんでしたが・・・。
 バブルがはじけた途端自信を失って、おろおろと何をしたら良いのか分からなくなってしまったようです。
 その頃から、政治の世界も小粒になり、すべての問題を先送りするようになったような気がします。本当の意味で、中曽根氏曰くの「国家の為に身を捧げる」と言う政治家がいなくなったのかもしれません。
 今更言っても、それこそ「後からだったらなんでも言える」ということですが、やはりあのバブルがはじけた時点で抜本的な対策を打っていればこんな状態にはならなかったのではないでしょうか。全てが、先送りによりもたらされた状態だと思います。
 要するに、変化を求めることを怖がり誰も責任を取らなかったと言うことでしょう。

 そんな現状を表した記事が、2000年(平成12年)8月13日(日曜日)読売新聞の社説 『「世紀を超えて」 「共有できる国家像を求めて」 「世界の中の日本」』にありました。

 ・・・略

 生活の豊かさを実感した時、国民は得たものを守ろうとしがちだ。各種の意識調査では、70年代以降、日本人は自己中心的で、未来よりも現在を中心に考える現状維持志向を強めている。

 変化に挑む「大きな政治」を

政治は、こうした国民の意識に迎合し、既得権益擁護、課題先送りの「小さな政治」に堕してはいないだろうか。
 変革の波を免れないと知りながら、波の大きさと、変化の先が見えない不安にたじろいでいては、道は開けない。
 国の目標は戦略を定めるのは、第一義的には政治の責務だ。今こそ、未来の構想を提示し、国民と共に変化に挑む勇気を持った「大きな政治」が求められる。
 日本には、近代以降、既に明治近代国家建設と戦後の高度成長という二つの歴史的な目標達成の経験がある。国民の能力と資質からすれば、新生日本への道は切り開けるはずだ。新たなる世紀を、あえて楽観主義に立って展望したい。

 これは今の日本の現状をズバリと現してくれていますね。やはり、戦後からの努力によりもたらされた繁栄に安住してしまったことが今の閉塞感の原因のようですね。
 人間、満足すると現状維持を求めるものなのですね。それは、停滞であり、その後の衰退をもたらすことになるということです。
 何だか、常に走りつづけなければならない自転車操業のようでチョット哀れですね。本当は、そんなに発展ばかり求める必要も無いのでしょうが、ここまで問題が山積みしてしまっては放っておくわけには行かないと思います。それは、子供たちに負の遺産を残すことになります。
 どうしても、今、将来の為のきちんとしたレールを敷くことが、今までの世代の責任ではないでしょうか。
 その気になれば、この社説にもあるように、二つの歴史的な変革を成し遂げた日本人に出来ないことではないと思います。
 そのためには、やはり本物のリーダーが求められます。

真のリーダーは、出てくるのだろうか!

2000819日土曜日  第347話  符丁

 突然ですが、やっと「ホンダ神話」佐藤正明 文芸文庫を読み終わりました。文庫にしては結構ページ数(680)があったこともありもって歩けなかった事がおおきいとおもいます。
 盆休みのPCとの格闘の合間に残っていた所を読み終えました。今までに読んだ本田関連の本の中ではチョッと毛色が違っていて楽しめました。
 というのは、殆どの本田物は宗一郎さんのいいことばかりを書いているのが多いのですが、これには
第124話でも取り上げた藤沢さんが本田宗一郎さんの神話をつくり、本田の広告塔にしたかなどの裏話もあった。
 私など単純ですからそんな数々の神話を信じて感動したものです。しかしこうやって物事には裏もある事を知っても本田宗一郎さんの魅力は輝きこそすれ色あせたりはしないです。
 そこにはやはり、日本の経営者に無い考えや魅力があるからだと思います。代表的なものとして自分の会社に子供や親族を入れなかったと言う事があるでしょう。
これだけでも、幾ら賞賛されてもされ足りない素晴らしさがあると思います。そんな本田さんの言葉が、この「本田神話」の各章の最初に藤沢さんの言葉と並べて書かれています。
 その中でも、一番最初に書かれていた言葉で、また本田さんが好きになりました。

 

 「課長、部長、社長も包丁、盲腸、脱腸も同じだ、ようするに皆符丁なんだ。命令系統をはっきりさせるために符丁があるんで、人間の価値とはまったく関係が無い。オレなんか、社長として一度も社長印を押さなかったんだから完全にクビだよ」

 どうです素晴らしいと思いませんか?どれだけの日本の企業の管理職がこんな言葉を吐けるでしょうか?
 それが、あれだけの企業を作り上げた本田さんが言ったのですから、他の管理職なんて当然符丁の一つです。
 これこそ日ごろから私が言いたかった言葉です。管理職になるとまるで自分が偉くなったように勘違いする人のなんと多い事か。態度は変わるは、部下はいじめるは、全くの勘違いと言う事が分かっていないのです。
 全ての管理職が、この本田さんのように単なる符丁という意識を持っていれば、組織というものがどんなにか生き生きした住みよいものになることでしょう。
 仕事におけるストレスの大半はなくなるような気がします。何故、こんな簡単な事が分からないのでしょうか?
 尤も、後にも先にもこんな考えを聞いた事が無いと言う事は、日本では受け入れられないのでしょうね。
 しかし、私は、管理職たるものすべからくこういう考えが必要だと思います。この歳になってもこんな事に感動しているから変わり者なんでしょうが、この考え方だけは変えたくないです。

それにしても、実家で本を探していると本田宗一郎さん関係の本が何冊もありました。私も結構若い時から考えの変わらない男みたいです。
 殆どの本は中身も忘れているので何時かまた読んでみたいと思います。

しかし、それにつけても進歩が無いなぁ!

2000820日日曜日  第348話  自殺

 ロシアの原潜沈没事故どうなるんでしょう。優秀な若者の命が失われる事になりそうですね。チェルノブイルのような大きな影響が出なければいいのですが・・・。
 三宅島も地震予知連絡会の思惑と違ってとうとう噴火したようです。相変わらず騒然とした世の中です。

 さて、2000年(平成12年)8月18日金曜日の読売新聞に「自殺者最悪3万3048人」との見出しで気になる記事がありました。

 過去最高だった一昨年より多く二年連続で過去最高を記録したそうです。このうち「生活苦・経済苦」の人が突出した伸びを示している、そのうちの多くが40〜50歳代で、長引く不況が中高年層を追い込んでいるためと見られているそうである。
 何とも、身につまされる話で他人事とは思えないものがあります。あくる日の新聞には平均寿命が縮んだとありました。そのうち男性は二年連続だそうです。去年はインフルエンザの影響らしいですが、自殺もその一因ではないでしょうか。

 日本の人口あたりの自殺率は先進国で際立って高い(8月19日読売新聞社説より)と言う事らしいです。
 欧米のキリスト教の自殺は罪との教義もあるとは思いますが、日本の自殺特に中高年の自殺を考えると、そこには村社会の監視の目とか恥の文化と言われる個人の自由を許さない独特の社会が影響していると思います。
 ベンチャー企業が育たないのも一度失敗で立ち上がるのが難しい社会と言うのが大きいといいます。アメリカでは失敗した人が何度も挑戦できる土壌があり、又そうした人が尊敬されるとも言います。
 そんな土壌の違いによって追い詰められた中高年が自殺に至ることを考えると、銀行の貸し渋りや大企業の安易なリストラに改めて腹が立ちます。
 経営者はこんな数字を見て何とも思わないのでしょうね。本田宗一郎さんだったら何ていうでしょう?

何時になったら変わるのでしょうか!

2000821日月曜日  第349話  リーダー

 20日のサンデープロジェクト中々面白かったです。

 今回の衆議院議員選挙で当選した35名の女性議員の中から注目される新人3名が出演していました。

 上川陽子  無所属 東大卒 ハーバード大学大学院卒 アメリカで上院政策立案スタッフ

 松島みどり 自民党森派 東大卒 朝日新聞記者

 水島弘子  民主党 慶応卒 精神科医 船田一を破って当選 父は自民党参議院議員

 中々、錚々たる経歴ですが、経歴よりもそのやる気を買いたいと思います。特に、水島さんなどは若さあふれて、理想に燃えているのが良く見て取れました。こういう女性がどんどん議員になれば日本の国も変わっていくかもしれないと希望が持てそうでした。

 さて、もう1人興味深い人が出演していました。中西輝政さん 京大教授で日本衰退論というのを主張している人だそうです。
 その主張は、この部屋で主張していることに近いものがあり共感できるものでした。特に、今の日本の閉塞感を打ち破るのは、政治の世界にリーダーが必要であり、それは、イギリスにおけるサッチャーさん、アメリカにおけるレーガンさんを見れば分かると言う考えでした。
 サッチャーさんの凄いのは、日本で言う霞ヶ関の官僚の人事を一日で掌握してしまったということです。これによって、官僚を自分の自由にすることが出来たわけです。
 流石は
第86話で取り上げたように、日本の歴代の首相に対して「あなた方には、リーダシップのある人は一人も居ない。単なる調整役でしかない」と言い放った逸話の持ち主です。
 要するにそれだけの事を言われても尚、未だにリーダーシップを持った首相が現れないところに日本の根本的な問題があるように思います。
 
 イギリス、アメリカの両国に言えることは、先進国は衰退するものであり、その時に「国民に嫌われても自信を持って信じる政策を実行することが国を良くする事だ」と信じてそれを実行するリーダーシップを持った指導者が出てきて立ち直したと言う事である。
 日本の国だって、明治維新のように国を憂えるリーダが出たときもあるのですから希望がないことはないと思います。

 日本も、サッチャーさんのような女性に任せた方が良いかもしれません。上記のような、女性議員も出て来ているのですから。それには世の女性がもっと自分達の代表をもっと国会に送りこむように応援することが必要ではないでしょうか。
 何時までも、亭主の意向にしたがっている場合じゃないと思います。日本の半分以上は女性なんですから国会議員の半分以上が女性でもおかしくない筈です。 

出でよ、本物のリーダー!

2000822日火曜日  第350話  ワークシェアリング

 今や日本の女性は大学進学率でも男性を上回っているそうです。その上、学校の成績は真面目に勉強するので女性の方が上です。
 ある医学部の教授に聞いたことがありますが、医学部も女性が増えて、却って外科医のなり手が少なくなっているそうです。流石に女性は切った貼ったの手術が苦手と言うことらしいです。
 それ程、優秀な女性が増えたと言うより、本来の能力を発揮していると言うことだと思います。
 そればかりでなく、小学校から男女共学で常に最近のひ弱な男子より優秀で、リーダーシップも発揮しています。
 それが、社会に出ると男優先の制度に邪魔されて本来の力を削がれています。是では、余りにも社会として大きな損失だと思います。
 いっしょに仕事をしていても優秀だなあと思える人でも女性と言うだけで重要なポストが無いと言う所もあります。
 それなりの地位と仕事を得れば、そこいらの男性よりずっと優秀な成績を上げそうなひともいます。
 ところが日本では、そんな優秀な人も補助的な事務専門とかパートで安く使っている状態です。

 第121話でも取り上げたように仕事を分けると言う考えの中に女性も当然入れるべきである。そして、その能力に合った報酬を支払うべきである。パートや事務員さんの中に正社員や男性社員よりよっぽど優秀な人がいるのであるから。
 男であると言うだけで、仕事も出来ないのに給料だけが良いというのはどうしても納得がいかない。確かに、日本では男が家族を養うという事が前提になっている為にそのシステムを変えるのは難しい面はあります。
 しかしそんなことを言っていたのでは、日本はどんどん衰退して行くことになるように思います。

 それではどうしたら良いのかという問題を上手く解決している国があります。2000年(平成12年)8月21日(月曜日)の読売新聞のコラムVitaminWに、「パート積極登用 オランダ方式に学べ」として紹介されています。

 …略

 それがオランダでは、パートも正社員も、賃金を基本的に勤務時間に正比例させた。休暇、昇進、社会保証の面でも、両者を均等にした。…中略

 このようにして、男女とも自分のしたい時間だけ仕事をすることにより仕事を分け合うことガで着るようになったということである。

 …中略

 「男性一人の稼ぎで妻子を支えるのではなく夫婦共働き、しかも二人で2.0人分でなく、1.5人分働けばいい」…以下略

 どうです、素晴らしい考えと思いませんか?力の無い男が無理して働くこと無いんです。優秀な女性にどんどん働いてもらいましょう。

 このシステムにしてオランダ経済は絶好調だそうです。80年代初めまで2桁だった失業率が、3%台に下がったそうです。
 日本も、女性のパートを安くこき使うようないびつなシステムを一刻も速く捨て去るべきです。そして、男女を問わず能力に合った報酬を支払うべきです。そうすることにより本来の女性の能力が発揮されることになるでしょう。

 そうすれば、必然的に政治の世界のも女性の進出がもっと進み、昨日も触れたように半分は女性議員になるときが来るでしょう。
 その時こそ、日本が根本から変わっているときでしょう。

オランダ方式、いいですね!

2000823日水曜日  第351話  タイガー・ウッズ

 第327話で取り上げたタイガー・ウッズがまたやりましたね。全米プロをプレイオフで制し、今年のメジャー三連勝です。来年のマスターズに勝てば、年はまたがりますが年間グランドスラムと言えるかもしれません。
 年間メジャー三勝は、ベンホーガン以来だそうです。あのニクラウスでも出来なかったことです。しかし、何処まで勝つのでしょうか?
 人間、どうしてここまで強くなれるのでしょう。身体能力もあるでしょうが、やはり精神力が凄いのでしょうね。
 運動神経や体格などの素質ならタイガー・ウッズ以上の者も大勢いるような気がします。それでは何処で差がつくのかと言うと、練習に耐えられる精神力にあるような気がします。

 何の業界でも、伸びる者とそうでない者の違いは精神力に尽きるように思います。素質の差と言われますが、頭脳とか身体能力以上にどれだけ苦しみを乗り越える精神力があるかの方が大きいと思います。
 天才は
1パーセントの素質と99パーセントの努力と言ったのはエジソンだったかアインシュタインだったか、誰だったか忘れましたが、努力を出来ることこそが素質だと言えるのではないでしょうか?
 さしずめ、何時も、「
マアいいか!」で諦めてしまう私なんかは、何をやらしても最も素質がないと言えると思います。

 週間東洋経済に三田村昌鳳さんというゴルフジャーナリストの方が書かれている「ゴルフざんまい」というコラムがあるのですが、その8月26日号に丁度、面白い話がありました。
 プロゴルファーの鈴木規夫さんをご存知でしょうか?彼は、1977年20代で日本人としてはじめて全英オープンに単身乗り込み10位タイになって一躍有名になりました。
 その後も、太平洋マスターズで二年連続優勝したりと活躍していたのですが、何時の間にか体を壊してトーナメントから姿を消してしまったのです。

 これは、その彼の言葉です。

 「プロゴルファーがコロンの匂いをさせちゃダメだよ。土臭い匂いがなけりゃ……でも俺、当時はコロンの匂いさせちゃったもんなぁ」

 考えさせられる言葉ですね。実は、鈴木規夫さんは坂出の出身なんです。坂出高校の後輩でもあるのですが、定時制に通いながら地元の高松カントリーで増田プロの下で修行をしてプロになったのです。
 ですから、地元びいきで活躍をよろこんでいたものです。もしかしたら坂出出身の一番の有名人かもしれません。
 ところが、上記のように何時の間にか姿を消してしまったので残念な思いをしていたものです。
 その彼のこんな言葉を聞くと、つくづく折角の努力も一瞬の油断で駄目になってしまうものだなぁと考えさせられます。有名になるとあらゆる誘惑があると言います。しかし、その誘惑に負けて地位を失う事も多いようです。
 頂点に立つのも大変な努力と精神力が要りますが、誘惑を遠ざけてそれを持続させるのにはもっと精神力が必要なんでしょう。

 それだけに、世界の頂点にあの若さで立ち、なおかつ持続させているタイガー・ウッズの凄さが光ります。一体どうやって、あの精神力を身につけたのでしょう。身に付けられるものなら付けたいですが、そこが出来る人間と出来ない人間の差だとおもいます。

それだけに、本当の素質とは精神力だと思います!

2000824日木曜日  第352話  NTT

 三菱自動車のリコール隠し、雪印の脱脂粉乳の黄色ブドウ球菌問題と相変らず大手企業の不祥事が目白押しです。
 食品業界に至っては、毎日何処かで異物混入問題が起きています。相変らずのマスコミの煽りの為の集中報道もあるとは思います。異物の混入は、マスプロにおいてはまず無くなる事はないだろうと思います。表に出るか出ないかの問題であって、いずれマスコミが飽きれば収まるでしょう。
 極論を言えば100%防ぐことは難しいのが現実だろうと思います。所詮、食品なんてそんなものだと思って用心していればいいことだと思います。
 そして、民間企業であればそう言う問題を起す企業はいずれ淘汰されるのではないでしょうか。
 淘汰されないのが、政治と癒着している銀行、ゼネコンや認可事業で寡占を謳歌している企業など公平な競争のない業界に属する企業でしょう。
 銀行、ゼネコンはハザマや熊谷組等、相変らず自分達の失敗を税金で尻拭いしてもらおうとしています。

 もう1つ、何時も言っていますように日本の発展の足を引っ張っているNTTがあります。


 日刊工業新聞2000年
(平成12年)8月23日(水曜日)のコラム「クリック」に「大きな負担に」と題して、そんなNTTに要望するニフティ常務の山川隆さんの記事がありました。

 ▽テレホーダイは夜11時から朝までの時間帯に限って一定の料金で電話が使い放題になる制度。電話代を気にせずインターネット接続ができることから、利用者が多い。しかし、「11時を過ぎると利用者が増えるので、それに合わせた回線を用意しなければならず、負担がばかにならない」というのだ。
 ▽…「例えば
NTT回線を使わないCATV接続だと、ピークは午後9時ごろ。利用者はテレホタイムのために夜更かししているんです。どうかピークを平準化するような取り組みをNTTにも考えてもらいたい」と訴えている。

 これは、皆さん切実な問題だと思います。私も、ご多分にもれずテレホーダイを利用しているのですが、正直言って体はきついです。
 多分、NTTは「金のないものは体を使へ」と思っているのでしょうが、NTTの経営者はテレーホーダイなんかやったことも無いのでしょう。
 今、盛んに宣伝しているIP接続もテレホーダイの延長のようなもので、これも宣伝ほどは安くないのはご承知の通りです。
プロバイダーがテレホの為に回線を用意しなければならないというのもよくわかります。最近私が解約した「ぷらら」は夜11時から朝2時の間は契約した後に従量制に変えた程でした。これは、これで騙されたような気がしましたが、その変更以前の夜11時以降は殆ど繋がらないほどでした。尤も、従量制になっても繋がりは悪かったですが…。
 兎に角、プロバイダーもそうですが、利用者が一番の被害者だと思います。NTTは、いい加減自分達の都合だけを主張するのじゃなく日本の将来を憂えるべきです。
 儲かってないなら兎も角、寡占にあぐらを掻いて、大した経営努力もしていないくせにたっぷり儲けているじゃないですか…。
 IT革命の足を引っ張っているのは間違いの無いことなんですから。将来、日本の国が衰退した時、責任を取れるのですか?

 是ほどハッキリしたネックを改めようとしないNTTと政府にIT革命なんて言って欲しくないです。森首相もインドまで行ってITなんて言ってて良いんですか?

まず足元からでしょう!

2000825日金曜日  第353話  ソーラー

  TVニュースで知ったのですが、通産省は2002年で太陽光発電の補助金を打ちきるそうです。特定の産業に補助金を出すのは甘やかすことになって発展を遅らせるとか言っていましたが、何を考えているんだか…。
 そんなことを言うくらいなら銀行に公的資金を使うなと言いたいです。

 投稿の部屋で、「すなお」さんも触れていましたが、太陽光発電について、私は何時も、もっと政府の補助金を増やすべきだと考えていました。
 あの銀行に注ぎ込んだ公的資金や公共事業の見直しにより浮かせた予算があれば、日本中の家庭の屋根に太陽光発電装置の無料設置が可能じゃないでしょうか?金額の計算はしていませんが…。

 無料まで行かなくても、戦後の予算の傾斜配分のように、太陽光パネルに補助金をつぎ込むことにより、当然パネル工場の増設が必要になり雇用も増えるでしょう。
 電機会社や関連企業は空前の好景気に沸き、景気の浮揚にも貢献するはずである。設置工事で建設業界も潤うでしょう。
 当然、パネルのコストダウンも大幅に計れることになり、それによって発電コストも下がり採算も十分取れるようになると思われます。

 そして、国内が完備されれば次は世界です。コストダウンされた太陽光発電パネルを世界に安く輸出するのです。そして、世界中に太陽光発電を広めるのです。今までの、自動車や家電などのように世界との摩擦を起すことなく、世界中から感謝されるでしょう。
 そして資金のない発展途上国には、人気の悪いODAを提供すれば良いのです。使い道のわからない、感謝されない今までのODAより余程感謝されるはずです。そして、無公害のインフラ整備にもなり、途上国の経済発展にも貢献できるでしょう。

 そうなると、逆に電力会社の発電所建設も産業用くらいになりこれ以上は要らなくなるでしょう。もしかしたら、原子力発電や火力発電も削減できるかもしれません。そうすれば、公害問題もなくなります。

 こんな、誰でも思いつくが実行するには大変なアイデアですが、やるべき値打ちはあると思います。なんて言ったって一挙両得どころか何得もの値打ちはあります。
 どんな公共事業でも、是ほど全てにおいて良いことだらけのことはないと思うのですが、どうでしょう。

 日本の技術でこれほど役に立ち、世界に向かっても胸を張れるものは他には無いかもしれません。日本が始めて世界から感謝されるのです。どうです、森さんやってみませんか!歴史に名を残せるかもしれませんよ!!

 偶然ですが、23日の電力消費量が31億5500万Kwhで史上最高だったそうです。何時もの年なら、高校野球の期間中(特にベスト8が出揃った頃だったな?)が最高なのですが、やはり今年の残暑は異常みたいですね。
 これも地球温暖化現象の所為かもしれません。もう地球の汚染を指をくわえて見ているときではないでしょう。
 一日も早くこの太陽光発電のプロジェクトをはじめるべきです。コストダウンを技術の発達に任せている場合じゃないと思います。こちらから仕掛けるのです。
 太陽光発電の良い所は、使用量の多い夏に発電量が最大になることでしょう。それだけピークを抑えられるということなので一番理想的な発電方法だと言えるでしょう。

ヤッパリ、私って変ですかね?

2000826日土曜日  第354話  チェック機能

 第352話でも触れた、三菱自動車、雪印、そして毎日の異物混入事件、一体この国はどうなったのでしょう。
 今日も、カゴメの野菜ジュースの缶にカビが混入ということで製品の回収を発表していた。子の所の製品回収で一体どれほどの商品が廃棄されることになるのだろうか?余りにも過剰反応になってしまっているように思われる。
 かといって、回収しなければ、マスコミに叩かれ、消費者にそっぽを向かれてしまうので、どうしようもないと言う所だろう。雪印問題さえなければここまで表面に現れることは無かったでしょう。
 それが良かったのか、悪かったのか?それにしても、ここまで問題が出てくるということは、コストにばかり目が行きすぎ、お客さんに目が向いていなかったということでしょう。要するに、組織の都合ばかりが前面に出すぎた結果なのです。

 日本経済新聞2 000年(平成12年)8月24日(木曜日)のコラム「春秋」にそんな現状に対する嘆きがありました。

 人間には「してはならぬこと」がある。それと同じで企業にも「してはならぬこと」があるはずだ。「良い会社」として名前の通っていた企業のあまりにもお粗末な実態が明るみに出るたびに、ついに「日本株式会社」も行き着くところへきてしまったかと慨嘆せざるを得ない。

 ▼社長が取締役や監査役をだれにするか決め、取締役会が社長を決める。自分を選んでくれた社長に監査役がもの申すことはない。チェック機能のないに等しい日本独特のシステムが問題だという指摘もある。…以下略

 上でも言ったように、目が中にしか向いていないということでしょう。今までも何度も触れたように、日本の組織の特徴である内向き志向が、リストラばやりにあってより強まっているのかもしれないですね。上ばかりを気にして、お客さんはまったく無視というところでしょう。

 経済万能で進んできた日本の歪みが、ここに来て経済の停滞に伴って噴出してきたと言えるような気がします。

 私の勤める会社も、人員を減らすことにより一人当りの仕事が増え、サービスがおろそかになっています。お客さんからの信頼は急激に無くなっています。知らないのはトップだけという所です。気がついたときはお客さんが離れてしまっているということになるでしょう。
 現場を知らない経営陣が数字の上だけから無理なリストラを行い、その付けが現場にきているということです。
 今噴出しているあらゆる問題も、その当りに原因があるような気がします。経営者は、数字だけで、良くなったと思っている。ところが実際の現場は手を抜くことによってつじつまを合わせるしかないのである。所詮、人間の出来ることには限界があるのです。限界を過ぎれば手を抜くしかないのです。

 現場を知らない、ゴマスリで上がって行った似非経営者にその当りの機微は分からないでしょう。

いよいよ本物の出番ですよ!

2000827日日曜日  第355話  情報開示

  原子力潜水艦「クルスク」沈没問題が世界を震撼させています。旧ソ連の体質がまだまだ残っていることを露呈してしまった。
 今の時代で、アレだけの情報の操作が未だに行われていることの怖さを思い知らされました。
 その上に、あの抗議する乗組員の母親に注射器で睡眠薬か何かを打って黙らせる衝撃の映像を見せられては、真実が何であるのか疑わざるを得ない。
 ロシア政府は、原子力による汚染の心配は無いと発表したが信じられないのが本当のところだろう。あの映像が出てくるだけ以前のソ連よりはましと言うところがあるのは確かですが、それにしても何が行われているかの不安は無くなりません。

 東西冷戦を終わらさせた原因の1つと言われている情報がまだまだ開示されていないことが良く分かりました。
 しかしながら、アレがロシアだけの問題かというとそうでないのが現実のようです。日本政府にしても、都合の悪い事を隠そうとします。今、私が何時も見ているサイトでも日航機墜落の時の真相が話題になっています。御巣鷹山に落ちたところに米軍ヘリコプターがいち早く到達したときに既に自衛隊のヘリコプターが来ていたとか、墜落の原因は自衛隊の新鋭艦が実験で発射したミサイルが尾翼に当った物であるなどの噂があるそうです。
 その事実を隠すために、自衛隊が証拠を引き上げていたというのです。私みたいな、マスコミの報道を素直に信じてしまう人間にとっては、そう言う噂があるというだけで衝撃です。

 真相は、あくまでもわかりませんが、情報の開示がきちんとされていないからこそ噂が立つのは間違い無いでしょう。100%開示されても、想像力たくましい人がいる限り噂はなくならないでしょうが、隠された情報に対する噂ほどはたちが悪くならないように思います。隠されるからこそ、疑心暗鬼になってそれが噂を産むのでしょう。
 今、問題になっている「三菱自動車」や「雪印」など企業の不祥事も、もとは隠そうというところから起こっているのですから…。

 それにしても、ロシアの軍隊を見ていると経済がアレほど停滞しているのに国というのは軍隊を持たなくてはならないのだろうかと思ってしまいます。あの軍備費があればもっと国民も楽な暮らしが出来そうに思います。
 確かに自衛の為の武装が当たり前と言うのが世界の常識ですし、私も基本的にはそう思っていますが、果たしてそうなんでしょうか?それは、情報が操作されていた時代の常識とは言えないでしょうか?

 東西冷戦を終わらせた情報はTVとかラジオの時代でしたが、今我々には、インターネットというものすごい武器があります。隠そうという意図が無ければ、全ての情報は世界に対して平等に発信され、誰もが受け取れるのです。現に私でさえこうして情報を発信しているのです。確かに玉石混交というのはありますが、隠されているよりは良いのではないでしょうか。
 

 これは、人類が始めて持った情報を得る為の武器です。世界の事件は一瞬にしてインターネットで世界に発信されます。つまりは世界中が監視しているということです。これに共通言語があれば言う事無しです。全ての国で英語と母国語のバイリンガル教育も1つの方法でしょう。日本人が一番不利かも…。
 悪事は、世界の批判があればかなりの所まで抑制できるのではないでしょうか。

 非武装中立は夢と言われているが本当に出来ないのでしょうか?完全に武器を無くするとなるとバカな奴らが良からぬ考えを起こすこともあるでしょうから、国連のような世界で1つの組織を作り、そこに世界の警察としての機能を持たせるのはどうでしょう。
 きっと甘いと言われるでしょうが、出来ないと諦める必要も無いでしょう。何しろ、我々にはインターネットという有史以来の強い武器があるのですから、これを何とか活かす方法を考えたらどうでしょう。

 今世界が使っている軍備費を他に使うことが出きれば世界の貧困も環境問題も解決できるのではないでしょうか?
 
第353話で書いた太陽光発電とインターネットの設備があれば世界中どこでもインターネットが出来るのですから情報格差もなくすることが出来るでしょう。

 軍隊と公害が無くなったらこの地球はどれほど住みやすくなるでしょう。第349話の水島弘子さんの非武装中立発言を、「へーえ!、こんな事を純粋に言える人がまだいるんだなぁ!」と半ば飽きれて見ていたのを思い出します。若くて元気が良い人が理想を持って発言するのは見ていても気持ちが良いですね。信じることは良いことでしょう。何でも反対の「おたかさん」じゃこんなことも思いませんが…。

全ての問題解決は情報開示にある!

2000828日月曜日  第356話  オリンピック

 オーストラリアで少年が聖火を消そうと消火器を持って聖火リレーに飛び込んで行った映像がTVで流れました。
 金まみれのオリンピックに抗議しての行動だったそうです。幸かどうか聖火は消されずに守られました。

 最近のオリンピックに胡散臭い物を感じる私としては、「あぁ!世界には真面目に怒りを表している子供がいるんだなぁ!」と感心してしまいました。

 日本では、代表選考で物議をかもし、そのときは騒いだマスコミも皆忘れて、今では儲けるために一生懸命コマーシャルを入れて煽っています。要するに儲かればいいのです。
 誰も、クーベルタン男爵のアマチュアスポーツなんて思ってもいないのです。参加する事には意味が無いのです、金メダルを取れないと何の価値もないのです。
 何処の国が金メダルをいくつ取ったと表にたり、日本が何番目なんてどうでも良いじゃないですか。そんなことで騒いで、選手に要らないプレッシャーを与えて何が嬉しいのでしょうか?純粋にスポーツを楽しめば良いじゃないですか。
 誰が取ったかが値打ちであって、何処の国の選手が取ったなんて統計は全く本末顛倒じゃないでしょうか。ましてや、そのプレッシャーで自殺者まで出してしまっては…。
 開催県が天皇皇后杯を取らなければならないことになってしまっている日本の国民体育大会(国体と間違われると行けないので)と同じで、存在価値を失っているのではないでしょうか。国体も戦後暫くは意義があったでしょうが、2度目の開催にはもう意義は無くなっていると思います。

 野球や、テニスのように無理やりプロの参加まで認めてやるほどの事は無い。プロはプロとして賞金や、契約金があるのだから、名誉まで求めるのはおかしい。名誉が欲しいのなら、アマで通せばよいのである。要するに開催国のエゴで種目が増えているだけである。

 陸連や水連などで長老が跋扈するのを批判しましたが、彼等もアマチユアスポーツの犠牲者かもしれません。
 日本では、名誉だけで奉られて、生活の保証もされてないので何時までも出身母体にしがみついていなければなら無いのではないでしょうか。
 諸外国のように、金メダルに年金と賞金をつけてあげれば良いのです。その代わりに早く引退してもらうのです。そうすれば、老醜を晒すことも無いでしょう。

 どちらにしても、オリンピックを復活させた時代の純粋さ(と言っても、国の名誉争いはあったでしょう)は無くなり、金儲けに群がる人達に利用されているだけになっているように思います。その先頭に立っているのが、日本のマスコミではないでしょうか。
 今回の選考会のごたごたも裏では話題作りになったと喜んでいるような気がします。

 東京オリンピックのように発展途上国がそれを機会に大きく発展したということもあるでしょう。しかし、今でも、大阪が開催地として立候補している。もう日本でやるのは金儲けが見え見えで見苦しいです。中国などまだやったことの無い国にやらせてあげれば良いじゃないですか。
 それなら、かっての東京オリンピックのように少しは意義も残っているように思います。

 昨日の、武装解除じゃないですが、何事も時代によって変わって行くべきではないでしょうか?

時代に合わせて変われば良いじゃないですか!

2000829日火曜日  第357話  政党(自由、共産)

 27日のサンデープロジェクトも中々興味深かった。水と油のような、自由党の小沢氏と共産党の不破氏という異色の対決でした。
 日本の将来を考えるとのテーマだったようですが、忘れました。と言うのは、さぞや、意見が食い違うのだろうと見ていたら、何だか言ってることは二人とも殆ど同じで、違ってたのは憲法9条を守るかどうかくらいでした。

 不破さんの方が、憲法9条にこだわる余り、自家撞着を起して自衛権はあるが自衛隊は駄目と言い。小沢さんがそれなら憲法改正すれば良いじゃないかと言っていました。根本では二人とも自衛は必要と言う腹のようでした。共産党は憲法9条が出来たときは自衛権の放棄に反対したそうです。やはり、反対の為の反対になってしまっているような気がします。

 日本の外交に関しては、二人の意見が全く同じでした。特に、小沢さんは、日本は意見が無いから世界から無視されており、全く信頼されていない。だから、相談もされない。せいぜい金をださせるくらいであると言っていた。それに関しては不破さんも同感である。

 もう1つ印象に残ったのは、小沢さんが今の時代は軍事力では交渉力にならないと言っていたことである。
 そして、軍事力が交渉力になるのはアメリカだけだろうとのことである。そして世界の紛争に対して国連で合意されれば参加すると言っていた。

 この考え方は、第355話で私が書いた世界で1つの国連軍に通ずる物があるような気がしました。
 アメリカしか軍事力による交渉力が無いのであれば、他の国はどちらにしても中途半端な軍備しかもてないという事である。
 それであれば、皆軍備を辞めて、国連だけに軍備を持たせれば良いのではないでしょうか?

 話は、ずれましたが、この対談で、「両党に考えの相違は無いのだから一緒になればどうですか」と司会の田原さんも言っていましたが、冗談でなく本当にそう思えるところがありました。
 二人とも、国を思う心は同じように見えました。そして、基本的な考えは皆同じのようです。
 共産党も、いい加減理念に縛られずに現実に即した政策を唱えてくれればもう少し支持も増えると思いますがどうでしょう。思いきって古い名前を捨てたらどうでしょう。例えば、庶民党とか、そうすれば、机上の空論に縛られなくても済むのじゃないでしょうか。まさか今時、本当に共産主義を望んでる人がそんなに沢山いるとは思えません…。

 自民党の若手から共産党まで皆が、この国はどうにかしなければならないと思っているのにどうにもならない。それじゃ〜、何故これほどまでに停滞しているかと言えば、それはやはり、誰も本気になって責任を取る覚悟が無いからでしょう。

本当におかしな国ですね!

2000830日水曜日  第358話  三共

 第317話で取り上げた「三共」、最近の大企業の不祥事の中でも毛色は違いますが一番気になっています。
 上場企業でありながら、会長が個人企業のような世襲をしようとして入社させたその息子の余りにもお粗末な事件で世間の笑い者になりました。
 その後どうなるか非常に興味がありました。

 そんなとき日刊工業新聞 2000年(平成12年)8月25日(金曜日)に「三共 河村親子色を排除?来月人事"取り巻き"ら担当替え」との記事が出ました。

 三共が24日に発表した916日付の人事異動について業界関係者の中で話題を呼んでいる。顧問への無言電話で書類送検されるという不祥事を引き起こし、7月に非常勤取締役に退いた河村喜典前会長の長男である河村喜則前取締役の『取り巻き』と目されていた役員や部長の担当替えが発表されたからだ。

 今回発表された人事では、昨年6月に取締役に昇格したばかりの近藤直樹取締役人事部長が人事部長を解かれ、榎戸誠医薬営業企画部長が医薬営業本部長付部長となるなど『更迭人事』と見られている。

  しかし、『取り巻き』という役員や部長が実名で報道されるのは極めて稀なことじゃないでしょうか?

 何故、そんなに気になるかといいますと、私の勤めている会社(A社)でも最近これに近いことがあり、他所ごとと思えない所があるのです。A社の方は、「三共」と違って本当のオーナー会社なのですが、後継ぎの兄弟争いがあり、長男が失脚しました。
 そして、その『取り巻き』に対する粛清が行われているのです。最初は長男に取り入っていた取締役クラスが役職を奪われ、今は部長クラスがヒラに降格になっています。
 元々、問題のあった人達なのでそれは会社としては良い方に動いている面もあると私は思っているのですが、それにしてもサラリーマンの哀れが感じられます。
 オーナー会社は、日本ではその程度のレベルなのでしょうが、「三共」のような上場会社で同じようなことがあるというのが余りにも哀れですね。

 それは第354話でも取り上げたように「社長が取締役や監査役をだれにするか決め、取締役会が社長を決める。自分を選んでくれた社長に監査役がもの申すことはない。チェック機能のないに等しい日本独特のシステムが問題だという指摘もある。」ということが大きな要因になっているのだろう。

 いずれにしても、経営者にしろ、従業員にしろ何処を向いて仕事をしているのかと言う事でしょう。
 そこには、お客さんに対する視線が感じられないと言っても過言ではないと思います。
 そんな日本の企業における体質が最近の不祥事の後ろにあることは間違いないと思います。
 それは、
第357話でも取り上げたように、発言しない為に世界から信用されないという政治の世界にもある日本独特の体質だと思います。

 何時までも、こんな事をやっていたら、益々日本は世界の鼻つまみものですよ!

2000831日木曜日  第359話  韓国

 第357話でも取り上げたように、どの政党も、誰もがこれではいけないと言いながら、誰も立ち上がらない。日本独特のリーダーシップの無さ、そしてそれは一億総無責任にも通じると言える体質が、日本をどんどん世界の鼻つまみものにしている。
 このままでは、どうしようもないと皆が分かっているのになにも出来ない。それと全く正反対なのが
第227話等で、何度も取り上げた韓国である。
 日本とは問題になら無い程の経済危機から立ちあがったそのやり方を何故日本で出来ないのだろうか?それは誰も責任を取ろうとしないからであると思います。

 そんな韓国の最近を日本経済新聞2000年(平成12年)8月27日(日曜日)のコラム「春秋」が取り上げていた。

 韓国では今年春の総選挙で世代交代が加速、一九六〇年代生まれの若手国会議員が多数登場した。産業界の世代交代も急ピッチだ。経済危機から三.年足らずの間に日本と似ていた年功序列型の組織が崩れてきた。いま四十歳前後の世代が要職に就き、企業経営を刷新しつつある。…中略

▼情報基盤が急速に整備された韓国では、インターネットの利用料金は月額二千円程度ですむという。ネット社会の進展は企業内の人間関係を変えていく。そして「経済システムが変わり、規制が次々に撤廃されたのも既存の上下関係を変えた.一因」らしい。…以下略

 日本の抱える問題を解決してきている韓国の今を見て、日本の現状を考えさせられてしまって、つい引用が長くなりました。どう見ても、将来は韓国のほうが上みたいですね。
 何故、隣りの国に出来て、日本では出来ないのでしょう。何度も言いますが、金大中大統領のようなリーダーがいない事が一番大きな原因なのは間違い無いでしょう。
 しかしながら、それをさせないのは日本の国民の体質が大きいのも間違い無いように思います。
 出る杭は打つ、足は引っ張る、そのくせ面と向かって発言はしない。何だか人間の嫌な面ばかり持っているのが日本人のようですね。
 そして、視聴率稼ぎの為に、それに便乗するのがマスコミときては救いようが無いとしか言えません。
 しかし、日本人がそんなはずは無いと思うし、思いたいです。長年育ってきた「ムラ社会」から抜け出すのは大変かもしれないが、今やらなければやるときは無いんじゃないでしょうか?

先送りは、もうやめましょう!

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