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200831日土曜日  第3086回  日照権

  太陽光発電の営業に伺った時の質問の一つに、「設置した後に太陽電池が陰になるような建物ができたらどうするんだ」と言うものがありました。

 反論として、「日照権があるので阻止できます」と主張していました。しかし、現実にそんな問題に当たったことはありませんでした。

 しかし、とうとうアメリカでそんな問題が起きたようです。

  CNN.co.jp

  隣家の木でソーラーパネルが日照不足に 切り倒しの判決

  米カリフォルニア州サニーベール(AP) 自宅用の太陽光発電のため庭に設置したソーラーパネルが隣家の木の陰になるとして、米カリフォルニア州の男性が隣人を告訴し、裁判所が隣人に一部の木を撤去するよう命じる判決を下した。専門家らによれば、太陽光発電の普及にともない、このようなケースは今後増えることが予想される。

  マーク・バーガス氏は01年、約7万ドル(約757万円)の費用をかけてソーラーパネルを設置した。しかし、隣の庭のスギの木の影のせいで必要な発電量を確保することができず、翌年、隣家の住人を告訴。6年間にわたる審理の末、裁判所が下した判断は、8本のスギの木のうち2本の切り倒しを求める内容だった。

  根拠となったのは、同州で30年ほど前、太陽光発電がまだ普及していない時代に制定された法律。ソーラーパネル設置家庭の周囲の住民は、庭木などでパネルへの日照の1割以上を遮ってはならないと規定されている。パネルの設置前から植わっていた木は対象外だが、設置後に伸びた分には適用される。一般の住宅所有者が同法違反を言い渡されたのは、今回が初めて。違反者には最大で1日当たり1000ドルの罰金を科すことができるとも明記されているが、今回の判決に罰金の支払いは含まれていない。

  隣人側は、スギの木がパネルより前に植えられていたことを理由に、撤去の必要はないと主張していた。裁判費用がかさむため上訴はしないとしているが、同法の改正を求める運動に取り組む構えを示している。

  カリフォルニアは、全米で飛び抜けて太陽光発電の盛んな州。隣人夫妻も日本製のハイブリッド・カーを運転するなど、環境問題には常に関心を持っている。「太陽光発電が悪いと言っているわけではない。ただ、もっと合理的なやり方があるはずだ」と語り、「木には二酸化炭素を吸収するなどのメリットがある」と強調する。これに対し、バーガス氏は「わが家の屋根や庭に設置したパネルの発電能力に見合うだけの二酸化炭素吸収を期待するなら、数千坪の林が必要になる」と反論している。

  日本でもこれからこうした問題は起こってくるのでしょうね。流石訴訟大国アメリカには既にこんな法律が出来ていたんですね。

  日本の場合は、今のところ日照権を楯に交渉するしかなさそうなのでどこかで裁判が起こされてから泥縄式の法律が出来ることになるような気がします。

  それでも、今回のアメリカの判決は参考にはされるのじゃないでしょうか。何と言っても、日陰になることによりどれだけ発電量が減りそれによりのがはっきりとしたコスト計算ができるのが強みじゃないでしょうか。少なくともその減額分の損害賠償は請求できるのじゃないでしょうか。

日本の第一号は何時起きるでしょう!

200832日日曜日  第3087回  シャープ

  第3080回Q-Cellsに世界一の座を奪われたかもしれないシャープ、やはりすんなりとは負ける気はないようです。 

  日経ビジネス オンラインより

  シャープ、太陽電池コスト半減

  堺市の新工場でもくろむ“秘策” 2008226 913分  

  シャープが太陽電池の生産コストを半分にする。既存の太陽電池工場の生産規模を10倍以上に引き上げるとともに、堺市に巨大な太陽電池の新工場を建設。圧倒的な量産効果で一気に低コスト化し、普及を狙う。  18日に開かれたシャープの年頭会見。片山幹雄社長は「2012年・創業100周年に向けて」と題して事業戦略を発表した。それは液晶と太陽電池に明確に絞った内容だった。衆目を集めるのは花形の液晶だ。しかし、同社が今後45年でより急速に事業拡大を目指しているのは、液晶ではなく太陽電池だ。 堺工場で価格革命も? シャープの太陽電池の生産能力は現在、年間71kWで世界トップ。その大半がバルク(塊)タイプの結晶シリコン型で、薄膜シリコン型は同15000kWにすぎない。  現在の太陽電池市場は、変換効率の高い結晶シリコン型が主流だが、シリコン材料の不足が続く中、シリコン使用量が100分の1程度で済む薄膜型が次第にコスト競争力を高め、シェアを伸ばしていくとみられる。  シャープは、今年10月に奈良県の葛城工場にある薄膜型太陽電池の生産能力を年間15000kWから10倍以上の同16kWに増やす。薄膜型の製造方法は半導体と同様、基板にシリコンを化学的手法で蒸着させる。製造装置への初期投資はかさむが、歩留まり良く量産できれば生産効率は高く、一気にコストが下がる。  「2010年に太陽電池の発電コストを現在の半分、1kWh当たり23円に下げるめどがたった」。片山社長は、年頭会見でこう表明した。その裏付けには、葛城工場での薄膜型太陽電池の生産規模の拡大がある。  仮に同23円が達成されれば、一般家庭への普及に弾みが付く。現在は、太陽光発電による電気代削減で、太陽電池の購入費用を取り戻そうとすれば、20年前後かかる。しかし、これが10年前後になれば、経済的メリットによる購入が視野に入る。  だが、シャープの太陽電池戦略の本命はその次の段階にある。20103月までの稼働を目指している大阪府堺市の新工場がその舞台だ。  堺工場は、次世代の液晶工場と思われがちだが、同時に世界屈指の大規模な太陽電池工場ともいえる。  シャープは堺工場で、年間最大で100kWの薄膜型太陽電池を生産する計画を立てている。これは世界トップの生産規模を持つシャープの現在の太陽電池生産能力である年産71kWを大きく上回る規模。量産効果は、同16kWの薄膜型を生産する葛城工場の比ではないだろう。  さらに堺工場は、世界で初めて液晶と薄膜型太陽電池の両方を製造することも、コスト競争力を高める。ガラスに化学的手法でシリコンなどを蒸着する工程は、液晶も同じだ。「工程で使うガスを送る設備など、薄膜型太陽電池と液晶で共有化できるものは多い」と、シャープの太田賢司・専務技術担当は言う。  つまり堺工場が本格稼働すれば、太陽電池の発電コストは、1kWh当たり23円をさらに下回る可能性高い。仮に太陽電池が設置後45年で元が取れれば、もはや必需品になる。液晶テレビ市場を作ったシャープが次に仕掛けるのは、「1家に1台・太陽電池」時代といえる。 (金子 憲治=日経エコロジー編集)

 なかなか夢のある話です。本当にこれが実現されて発電コストが1kWh当たり23円になれば政府の後押しがなくても需要は一気に広がるでしょう。ワクワクしますね。

  蓄電池の方にも手を打っているようです。 

  日経エコロミーより

   (2/26)シャープ・大和ハウス・大日本印刷、住宅用蓄電池で提携

 シャープは大和ハウス工業、大日本印刷と提携し、太陽光発電でおこした電力をためておくことができる住宅用蓄電池を共同開発する。2009年度にも共同でリチウムイオン型の専用電池の量産を始める。家庭での太陽光発電の利用拡大と二酸化炭素(CO2)排出削減につながる。太陽光発電装置で世界大手のシャープと国内住宅業界トップの大和ハウスなど異業種が手を組み、地球温暖化防止に向けた家庭のエネルギー転換に取り組む。 太陽光発電は発電中にCO2を出さない半面、昼間しか発電できず蓄電能力もない。太陽光発電を導入済みの家庭では現在、1日の平均的な電力使用量(約12キロワット時)のうち4分の3程度をまかなっているもよう。

  これが出来れば、太陽光発電だけで電気を賄うことも夢ではなくなりそうです。こうした独立システムが広がれば、東南海地震などの災害の時にも生き残れる可能性が出てきそうです。

 シャープ以下、日本のメーカーさんに頑張って貰って、世界のエネルギー大国の夢を実現して欲しいものです。世界中がエネルギーは太陽光発電でなんてことになれば地球の未来も洋々たる物がありそうです。

  散々、無策の政府をバカにしきましたが、民間の力で達成できるとなればそれにこしたことは無いのかもしれません。

是非、実現して欲しい!

200833日月曜日  第3088回  シャープ

  このところ太陽光発電に関する記事が驚くほど増えています。何があったのでしょうか。その中で、昨日に続いてシャープのものを集めてみました。

    EDリサーチ社より 2008227

  シャープ、太陽電池生産量が1963年の量産開始以来で累計2GW

 シャープは08227日、同社の太陽電池生産量が07年末に、累計2GWを達成した、と発表した。1959年に「テレビの次の新技術」として太陽電池の研究に着手し、1963年から量産化に成功して以来、49年目に実現した。現在、世界の太陽電池累計総生産量は8GWと見られ、世界の約1/4がシャープ製の太陽電池であることになる。現在、同社は宇宙航空研究開発機構(JAXA)認定の太陽電池メーカである。同社製の太陽電池は水や風など条件の厳しい海辺(1900ヵ所以上の灯台)や温度差の激しい宇宙(160機以上の人工衛星)といった過酷な環境下で使用されており、同社製パネルの長期信頼性が実証されている。

 1994年の住宅用補助金制度の開始とともに、住宅用太陽光発電システムの量産を行い、本格的に民生用への展開を始めた。05年にはタンデム型の薄膜太陽電池の量産を開始、07年には太陽電池用Si材料を生産する富山事業所を立ち上げ、082月に薄膜太陽電池製造装置の開発で装置メーカと協業を行うなど、材料から装置に至るバリュー・チェーンを構築している。

 年間1GW規模の生産能力をもつ大阪府堺市の薄膜太陽電池新工場の稼働(09年度中)により、発電コストを10年に現在の半分、すなわち一般家庭用の電力料金とほぼ同じ23/kWhにするというNEDOの目標実現に向け取り組んでいる。09年に同社は太陽電池開発50周年を迎えるが、さらなる技術革新を図るとともにCO2を排出しないクリーン・エネルギ太陽電池の普及拡大に努め、地球温暖化防止に貢献していくという。

  ニュースリリース:1963年の量産開始以来、40年以上の実績と信頼性を蓄積  世界初 太陽電池生産量累計2GW達成

   日経エコロミーより

  (2/28)シャープ、シリコン内部調達拡大――太陽電池原料を確保

 シャープは太陽電池の原料となるシリコンをグループ内から調達する比率を引き上げる。新日本製鉄グループとの共同出資会社からの調達を増やすなどして、2007年度で1割弱のグループ内調達比率を08年度に2割に引き上げる。太陽電池の需要拡大でシリコン争奪戦が激化しているため、安定調達体制を築く考えだ。

 新日鉄マテリアルズ(東京・千代田)が51%、シャープが44%出資するシリコン精製会社「NSソーラーマテリアル」(北九州市)から約500トンのシリコンを購入。シャープの富山市の再生シリコン工場からも約500トンを調達する計画。シリコン約1000トンを加工すると発電容量が約100メガ(メガは100万)ワット分の太陽電池を製造できる。

  日経エコロミーより

  (2/18)シャープと東京エレクトロン、太陽電池で提携――今春に新会社

 シャープと東京エレクトロンは太陽電池事業で提携する。今春をめどに共同出資で新会社を設立し、太陽電池の製造装置を共同開発する。太陽電池は世界市場が急拡大する一方、欧州や中国メーカーとの競争が激化している。シャープは半導体製造装置で世界2位の東京エレクトロンと組むことで効率的な生産体制を築き、海外勢に対抗する。

 新会社の資本金は1億円前後で、東京エレクトロンが約6割、シャープが約4割を出資する。東京エレクトロンの山梨県韮崎市の開発・生産拠点で、シリコン使用量が少ない「薄膜型」と呼ばれる太陽電池向けの製造装置を開発する。

  東京エレクトロン  東京エレクトロン株式会社の太陽電池用製造装置事業についてのお知らせ

  シャープだけでもこれだけの記事があり、この矢継ぎ早の動きをみているとやはり世界一が危なくなったことで危機感を感じているのかなとも思えます。これ以外にも他社の記事が目白押しです。一体何があったのでしょうか。それだけ太陽光発電が注目を浴びてきているということなら歓迎なんですが。
  しかしながら、メーカーの動きは活発ですが、それはどうも世界市場の活性化によるもののように思えます。というのも、どう見ても国内市場が活気を帯びているとは思えないのです。
  今日も、以前の太陽光発電の営業時代の同僚から、香川県でも古くから太陽光発電に携わっていた大手の会社が倒産したとの情報が入りました。その私たちが勤めていた会社も拠点の店を閉めたそうです。
  たまたま、私の周りの会社が不調なのか、それとも日本の市場が冷え切っているのか。どうも日本と世界の差が広がるばかりのような気がします。

どうなんでしょう!

200834日火曜日  第3089回  炭素繊維

  第2898回第2948回で書いたように自動車の軽量化に何故カーボンファイバーを使わないのかと思っていたらやはりコストの差が大きかったようです。

  日経エコロミー

  (2/29)炭素繊維製の自動車部材を量産化へ・帝人と三菱化学も参入

 国内の炭素繊維メーカーが2010年をメドに相次ぎ自動車用部材の量産に乗り出す。帝人と三菱化学が新たに本格参入、東レを含め3社が量産に踏み切る。炭素繊維は鉄鋼に比べ軽く高強度で、燃費規制強化を受け車体軽量化を進める自動車メーカー向けの需要が増えるとみて供給体制を整える。自動車の主要素材の鉄鋼では、新日本製鉄とJFEスチールが強度が一般鋼材の約7倍で、より薄くできる次世代鋼板の開発に着手。自動車の軽量化を巡る素材間競争が本格化してきた。

 日米欧では12年以降、自動車の環境規制が一段と強化される見込み。ガソリン価格高騰もあり、自動車メーカーは車体軽量化など燃費向上が急務。炭素繊維は重さが鉄鋼の4分の1、強度は10倍で、価格は現在1キログラム数千円。自動車用鋼板は1トン8万円程度。東レや帝人などは量産化で価格差を縮める。

  鋼板が1トン8万円ということは1キログラム80円ですからペットボトルの水より安いんですね。炭素繊維が高いということもありますが、鉄鋼が安すぎるともいえるかもしれませんね。知らない間にその恩恵にあずかっているということで感謝しないといけないのかもしれません。

 それにしても、炭素繊維がこの鉄鋼の価格まで下がるのは並大抵じゃなさそうですね。何となく太陽電池を思い出します。やはりコストダウンというのは並大抵の努力では成し遂げられないようです。

 しかし、こうした努力が実を結ぶ時が来るのが楽しみですね。カーボンファイバーのボディの軽くて安い電気自動車が実現して、その充電は太陽光発電でなんて時代が来れば最高なんですけどね。

この目で、そんな時代が見れるでしょうか!

200835日水曜日  第3090回  リチウムイオン電池

  第3008回で取り上げたリチウムイオンバッテリーのクルマへの搭載が実現しそうです。

  時事ドットコム

 2008/03/01-07:50 量産車へ世界初の実用化=09年にも投入−リチウムイオン電池・独ダイムラー

 【フランクフルト29日時事】ドイツの自動車大手ダイムラーは29日、リチウムイオン電池を世界で初めて量産車に使用すると発表した。関連特許を取得するとともに、2009年から市場投入する高級車「メルセデスベンツS400」のハイブリッド車で実用化を予定している。

 リチウムイオン電池は携帯電話やノートパソコンなど家電用では普及しているが、自動車用の実用化に向けては破裂や発火の危険性克服などが大きな課題となっていた。ダイムラーの同電池技術は、独タイヤ・自動車部品大手コンチネンタルと共同で開発した。

 いよいよ、リチウムイオンバッテリの勝ちということになるのでしょうか。何とかもっと安価な良いバッテリーが開発されることを期待するのですが現実は厳しそうですね。

 結局は、お金持ちにこうしたクルマを買ってもらってコストダウンをはかり、それを安価な電気自動車に採用するなんて遠回りしか期待できないものでしょうか。それでも何年かすればコストダウンも進み気が付いたら周りは電気自動車で溢れていたなんて時代が来るのでしょうか。

 尤も、電気自動車も基本的には郊外だけということになって欲しいのですが。

さて、どうなっていることやら!

200836日木曜日  第3091回  ホンダ

 第2981回などでその活躍を期待していたホンダの薄膜太陽電池が日本市場の冷え込みに苦戦しているようです。

  FujiSankei Business i. 2008/3/1  

  ホンダ、産業・業務用に参入 住宅向け低迷 太陽電池フル生産へ

 ホンダは29日、昨年10月に参入した太陽電池事業で、現在の一般住宅向けに加え、今春から企業や官公庁などの大口顧客向け製品の生産・販売を始めることを明らかにした。2005年度に国の補助金制度が打ち切られて以降、国内の住宅向け太陽電池の需要は伸び悩んでいるが、一方で地球温暖化防止のための二酸化炭素(CO2)排出量の削減が課題となっている産業・業務用は堅調に推移している。ホンダは販路拡大により、早期のフル生産を目指す。

 太陽電池事業を手がけるのはホンダの全額出資子会社の「ホンダソルテック」(熊本県大津町)。同社の太陽電池は材料に主流のシリコンを使わず、銅やインジウムなどの金属化合物を使用しているのが特徴。

 太陽光をどれだけ電気エネルギーに変換したかを示す「変換効率」は11%とシリコン系より数%低いが、世界的に品薄のシリコンに比べ安定的に調達でき、生産コストも低減できる。施工費を含む価格は一般住宅向けで200万円弱と安いのが売り物だ。

 現在、同社が販売する住宅向け太陽電池は発電能力が3キロワットの比較的小さいが、「次のターゲット」(数佐明男社長)と位置付ける大口顧客向けに、さらに発電能力の大きなシステムの開発に取り組んでいる。

 すでに10キロワット以上のシステムの商品化にめどをつけており、今春から学校や病院、小規模商店向けの販売に乗り出す。さらに100〜200キロワットのシステムも開発中で、早ければ来年度中に工場など大規模施設向けの販売も始める方針。

 こうした販路拡大により、年2万7500キロワットの生産能力を年内にもフル稼働させたい考え。将来的には欧州など海外での事業展開も検討する。

 06年度の住宅用太陽電池の新規導入は6万2500件と初めて前年度を下回った。補助金打ち切りに加え、改正建築基準法の影響もあり、「当初は10万件程度とみていた07年度の市場規模が5万件くらいに落ち込む」(数佐社長)との誤算に見舞われており、大口への参入で巻き返しを狙う。

  やはり日本の住宅用太陽電池は冷え込んでいるようですね。ここまで具体的な数字は今まで見つけることができませんでしたが、これを見ると想像以上に冷え込んでいると言ってよさそうです。

  第3088回でわが香川の低迷を身近に感じたところですが、やはりその冷え込みは全国的なものだったようです。
  しかし日本の政府の無策はもう取り返しのつかないところまで来ているのかもしれません。折角頑張っている民間企業の足を引っ張ってどうするのでしょう。
  それでも、メーカーは世界で儲けていくのでしょうが、余りにも勿体無いですね。

 ああ、腹が立つ!

200837日金曜日  第3092回  補助金打ち切り

  昨日、日本の太陽光発電の需要が冷え切っているのじゃないかと書きましたが、それに追い討ちをかけるようなニュースをNHKが朝やっていました。

 それによると、香川県が来年度の太陽光発電の補助金をやめるそうです。今までは、県と自治体が半分づつ負担していたのですが、県がやめるということで今まで一緒にやっていた坂出市・丸亀市・直島町がやめ、 高松市・多度津町・観音寺市が独自に続けるようです。  

   高松市・多度津町・観音寺市が独自に続ける事を決定。

  高松・多度津 5万円/KW  4KWまで 20万円

  観音寺 2・5万円/KW  4KWまで 10万円

  国がやめた後も香川県独自で継続してきていたので評価していたのですが、残念です。これで一層市場は冷え込むのじゃないでしょうか。バカな国の真似はして欲しくなかったですね。

 お隣の中国地区も冷え込んでいるようです。

  中国新聞

  太陽光発電新設に急ブレーキ

  中国地方で住宅用太陽光発電システムの新規設置件数が大幅な減少に転じていることが27日、経済産業省の外郭団体・新エネルギー財団(東京)の調べで分かった。2006年度は前年度比2割減となったのに続き、本年度も12月末現在で前年同期に比べ3割以上も減少。国が1994年度に補助制度を始めてから右肩上がりだった太陽光発電に、急ブレーキがかかった格好だ。

 同財団によると、中国地方の新規設置件数は05年度に7110件と過去最高を記録。しかし、06年度は一転して5506件と22.6%減少。本年度も4―12月で3014件と、前年同期より33.5%の大幅減となっている。

 太陽光発電システムは、発電時の二酸化炭素(CO2)排出量がゼロで、地球温暖化防止の効果が高い。国は94年度から家庭での導入促進を図るため補助制度を創設し、世界に先駆けて普及した。設置件数の増加に伴って発電システムの価格も下がり、一般的な発電システムでは200万円台に低下。このため、国は05年度の途中で補助制度を打ち切った。

 設置件数が減少に転じた理由について、同財団は「国が補助制度による後押しをやめた影響が大きい」と指摘。太陽電池の原料となるシリコンの価格が世界的な需給逼迫(ひっぱく)でこの3、4年間に約2倍に上昇。最近は発電システムの価格が上昇に転じたことも響いたという。

  これだけ冷え込んでいては営業力の無い私が実績を上げられなかったのも当然だったのでしょう。

  それにしても、これほど、国の政策の違いがはっきりと結果に現れているのも珍しいのじゃないでしょうか。これだけの証拠を見せられても何の手を打つこともしない日本政府というのは本当に何を考えているのでしょうか。

 太陽電池メーカーは生き残って世界のメーカーに互角に立ち向かっても日本国内には殆んど普及していないなんてことになって世界の笑いのになることは間違いなさそうです。

その時、政府はどんな言い訳をするのでしょう!

200838日土曜日  第3093回  芝焼き

  我が家の芝生は以前は電動芝刈り機で芝刈りをしたり、冬には芝焼きをしたりとそれなりに手入れをしてみようとしてみたこともあるのですが、1,2度挑戦したもののその労力に嫌気がさして、あとは伸び放題が続いています。それでも、この部屋でも何度も書いたように草抜きだけは小まめにやったので雑草は少なくなり以前ほど手間もかからなくなりました。

 それでも、流石に伸びすぎて枯れた芝を見る度、芝焼きの誘惑にかられていました。ダイオキシン騒動以来焚き火も遣り難い時代になったこともありずっと遠慮してきていましたが、遂に今年、その気になりました。

 我が家に毎年来てくれる従兄弟の植木屋さんと一緒に、「今年はやるか」ということで、天気の良い無風の時を見計らってやってみました。とは言いながらも一度にやると家も一緒に焼きそうなので、区画を区切って少しずつやって見たのですが、やはり伸びすぎた芝生は一気に燃え上がり炎が風を呼び煙が立ち上りご近所へ流れて行きました。幸い、苦情などはなかったのですが、これはやはり余程用心してやる必要がありそうです。

 と言うことで、それ以後は本当に少しずつ区画を区切って燃やしています。それでも、家の側や木があるところは燃やすことが出来そうも無いので全部やることは出来そうもありません。

 まぁ、今年焼いたところの生え具合などの様子を見て、良さそうなら、来年は本格的に区割りをしてやってみようと考えています。

さて、旨くいくか!

200839日日曜日  第3094回  レンタサイクル

  最近は少なくなりましたが以前は我が家の近くによく自転車が放置されていました。暫く様子をみていて誰も取りに来ないようだと警察に届けていました。どうやら盗難車で常習者が乗り捨てていたようです。

 我が家は坂出駅から歩くと20分以上かかる距離なので歩くのが嫌で自転車を無断拝借していたようです。子どもさんの大事な自転車でお母さんがお菓子を持ってお礼にこられたこともありました。

 あちこちで乗り捨ての自転車を見るたびに大事にしていた自転車を盗まれて探している人もいるだろうに何であんなことをする人が減らないのだろうと悲しくなります。

  何とか自転車泥棒を減らす方法は無いものだろうかと考えていたらレンタサイクルの記事が目に付き、安価なレンタサイクルが整備されればもしかしたらそんな不心得者も減るかもしれないなんて甘い考えを持ってしまいました。でもそんな奴らはきっとそれでも止めないのでしょうね。

nikkei BPnet 〈日経BPネット〉より

  新たな潮流続々、レンタサイクルの魅力再発見 (前編) - ECO JAPAN〈エコジャパン〉 - nikkei BPnet 環境ポータル 

 盗難の減少は無理かもしれませんが、皆がクルマを捨てて自転車にすることは環境にも資源にとっても素晴らしいことは間違いなさそうです。

  これからは自転車道の整備とこうしたレンタサイクルを整備することが街造りの基本になることを期待したいものです。

 それにしても、こんなに良いことが進まないのもきっとクルマや道路整備などにからむ利権があるのでしょうね。自分の欲を捨てて、本当の国づくりを考える政治家は出てこないのでしょうか。

しっぺ返しが怖い!

2008310日月曜日  第3095回  クリチバ

  公共交通と自転車・歩行を主体とした街づくりこそこれからの目指すべき方向と何度もここで書いていますが、第3002回でも書いたようにどうしてもバスより路面電車の方が有利だと思えるのです。
しかし、やはり世界は広いですね。バスによる街づくりに成功しているところがありました。ブラジルのクリチバというところです。こんなすごい街があることを全く知りませんでした。

クリチバ

  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

  クリチバ市 (Curitiba) はブラジル南部に位置する都市で、パラナ州の州都。「クリチーバ」とも表記する。

標高およそ940mという州内でも有数の高地に位置し、近郊にブラジル有数の港湾都市であるパラナグアを有する。

17世紀にパラナ地方において植民都市として築かれたことを起源とする。現在の人口はおよそ170万人であり、ブラジルの南部地方では最大の都市である。…中略

  都市計画

クリチバは、都市計画の優れた成功例とみなされている。専用レーン、2連結ないし3連結のバス、バリアフリー化も図られたチューブ型のバス停などを用い、大量かつ高速の輸送を実現した極めて効率的な公共交通システムを有している。日常の足として全市民の85%に利用されている。また、緑地政策においても著しい成功を収めており、クリチバ市において、市民1人当たりの緑地面積は51.5平方メートルであり、これはユネスコが都市に求める基準値のおよそ3倍にあたる面積であり、世界の都市ではオスロについで2番目の広さである。区画整理も綿密かつ柔軟に設定されており、自然環境への悪影響を避けるため工業施設については建設区域が制限されている。…以下略

 参照: クリチバに見る都市のユニバーサルデザイン

      クリチバ

  チューブ型のバス停や3連結で乗り降りのドアも多いので一気に乗り降りができるようです。こうなると路面電車の良い所は線路がある安心感だけでしょうか。
  コストも路面電車よりかなり安くなるようなのであまり毛嫌いせずに考えて見ないといけないかもしれません。
  それにしても、こんなところでも同年代の日本人が活躍していることに驚きました。人間やる気になればどこでも活躍できるものなんですね。世界の中心の坂出市で何の行動も起こさず文句ばかり言っている身が恥ずかしくなります。

  しかしながら、こうした街づくりもやはりリーダーの強い意志があれば成功するという良い例ですね。

今こそ強いリーダーが欲しい!

2008311日火曜日  第3096回  深夜放送自粛

  トイレットペーパー買占め騒動の石油ショックの時にはテレビの深夜放送やネオンの自粛もありましたが、のどもと過ぎれば熱さを忘れるの言葉どおりあの頃と比べると比較にならないくらい夜の電気使用料は増えているはずです。

 それには、電力会社の原子力発電の電気を使わそうと言う思惑も絡んでいるはずです。我が家でもオール電化による夜の電気の割引価格を利用しています。

 深夜放送だって当時は今のように夜中中放送しているなんてことはありませんでした。

 これだけ温暖化や省エネが騒がれだしたのに夜の自粛が話題に上らなかったのはきっと電力会社の力が働いていたのじゃないかと勘ぐるのは私だけでしょうか。

 しかしながら、ここまで来ると流石に政府もほうかむりしているわけには行かなくなったのでしょうか。

  時事ドットコム

  2008/03/07-11:19 深夜放送自粛「議論の対象」=地球温暖化対策で−官房長官

 町村信孝官房長官は7日午前の記者会見で、地球温暖化対策として深夜のテレビ放送を自粛することについて「幅広い見直しの一環として、議論の対象になってくることはあり得る」と述べ、前向きな姿勢を示した。深夜放送をめぐっては、4日の自民党総務会で自粛を求める意見が相次いでおり、政府としてもこれに同調した形だ。

 町村長官は「基本的には各マスコミの自主的なご判断による」としつつも、「低炭素社会をつくるために、一人一人の国民が何ができるかを見直していくことが今求められている」と強調。政府の「地球温暖化問題に関する懇談会」で、深夜放送のほか、24時間営業のコンビニエンスストアなどの見直しについて議論していく考えを示した。

 どうせあまった電気を捨てるのだから自粛したって効果は無いという意見もあるようです。確かに今の状態では効果は無いだろうと思います。

 しかし、将来は、第2559回で取り上げた江戸時代のように昼間働いて夜は寝るという太陽にまかせた生活をしなくてはならない時代が来ると考えれば今から準備しておくことは必要なのではないでしょうか。

 そして、そのエネルギーの大半は太陽光発電を主体とした自然エネルギーで賄えば良いのです。

 とは言いながらも、太陽光発電に何の策も持たない政治家にそこまでの考えはなさそうです。そして、それは、危機と言いながら、ネクタイを外さず放送を続けているマスコミも同じでしょう。

  武田邦彦 (中部大学)先生がその胡散臭さををずばりと指摘してくれています。

  混迷の時代にどう生きるか? (10) 近代は人間に何をもたらしたか?

  私の旅は長い。今の私はきっと間違っているだろう。でも、スタジオに煌々と照明をつけ無限のエネルギーを使いながら、「あなたには何ができますか?」と問いかける気持ちの悪い人たちにはなりたくない。

  日頃言いたい事をここまで上手く表現してもらうと快感ですね。

全く、その通りです!

2008312日水曜日  第3097回  ムラサキカタバミ

  このところの余りのぽかぽか陽気に誘われて第3093回で書いた芝焼きの続きを少しずつやっています。
  これをやると今まで長く伸びた芝生で見えなかった雑草が小さく芽を出しているのが見えるようになりました。もしかしたら、雑草を防ぐという意味では長く伸ばしておいた方が太陽が当たらずに芽吹きを防ぐという意味で良かったのかもしれません。ちょっと後悔しています。
  しかし、もうやってしまったのでどうしようもありません。腹をくくって、新たなる雑草との戦いに臨むしかなさそうです。

  ということで、雑草といえば、我が家で最大の敵は第3041回で峠を越したと書いたムラサキカタバミです。
  芝焼きのお陰で小さな芽も見えるようになったのは良いのですが、そのお陰で、峠を越したと思ったのはまだ早いと思い知らされました。
  今までの戦いの後を良く見てみると、何と今まで以上に小さい芽があちこちから出てきています。その芽を掘り起こしているとその周りにも次に地上に芽を出そうとしている予備軍が何本もあるのです。掘っても掘っても次から次へと際限なく出てくるといっても良いのじゃないでしょうか。
  この分では、根治は当分無理そうです。まだまだ敵はやる気です。果たして、勝つ日は来るのでしょうか。
  とは言いながらも、以前よりは確実に減っていることは間違いありません。但し、ここで手を緩めるとあっという間に元通りなんてことになりそうです。何とも恐ろしい敵です。まるで、中国や韓国・北朝鮮のようです。ちょっと手を抜くと知らぬ間に付け入られているという感じでしょうか。

恐ろしい敵を持ったものです!

2008313日木曜日  第3098回  売電価格

  ちょっと信じられないような記事がありました。北海道電力が太陽光発電などの購入価格を引き上げるというのです。本当でしょうか。

  北海道新聞より

  新エネ電力、購入拡大 バイオガスや太陽光 北電が新年度(03/09 07:07

 北海道電力は新年度から、家畜のふん尿などから発生したガスを利用して発電するバイオガス発電や太陽光発電など新エネルギーからの電力購入拡大に乗り出す。バイオガスでは購入の契約条件を緩和し、太陽光では購入単価を引き上げるなど、二酸化炭素排出量の少ない新エネルギーの普及をさらに後押しする。

 北電は、道東の酪農家などから、契約電力を五十キロワット以上の高圧電力に制限してバイオマスプラントで発電した電力を購入しているが、四月からその制限を撤廃。五十キロワット未満でも購入する。

 一般家庭を中心に購入している太陽光では、十月から、割安料金メニュー「ドリーム8」の加入者からの購入単価を引き上げる。これまで夜間時の発電分は、一キロワット時当たり七・一五円で購入していたが、十月からは昼間時の単価である同二七・一六円に引き上げる。

 また、現在は購入の募集をしていない風力発電でも、受け入れ拡大が可能かどうか、三月中をめどに検証する。余力があれば、追加募集する構えだ。

 北電の本年度一月末現在の新エネルギーからの購入実績は、風力発電が五十三件から二十五万六千キロワット、太陽光は三千八百七十五件から一万六千キロワット、バイオガス発電は十七件から千二百キロワットとなっている。

 過去十年間では、風力・太陽光は件数で十三−三十倍、電力で四十−百五十倍に増加。バイオガスも、購入を開始した二〇〇一年から件数で十六件増、電力で千百三十キロワット増と急激に伸びている。

  太陽光発電の記事の部分がおかしいですね。夜の発電分を27.16円に引き上げるとのことです。北海道では太陽光は夜に発電するのでしょうか。
  と間違いの揚げ足をとっても仕方ないのでどこが間違っているかかんがえてみると、どうやらどこの電力会社もやっている7,8,9月の購入単価を高くする
季節別時間帯別電灯の解釈を間違っているようです。つまりは19月以後に23円程度に値下がりするものを夏の購入価格をそのまま27.16円で購入するということだと思います。

  それにしても、こんな大事なところを間違えるなんて新聞社も太陽光発電に興味が無い証拠かもしれません。

  それにしても、北海道電力が本当に年間通じて太陽光発電の購入単価を上げてくれるとすればこんなありがたいことは無いですね。ドイツの3倍には遠く及びませんが、それでも小さな一歩と言えるかもしれません。

  この流れが全国の電力会社に及ぶことを期待したいものです。四国電力さんお願いします、是非後に続いてください。

面白くなりそう!

2008314日木曜日  第3099回  我が家の太陽光発電

 例月の我が家の太陽光発電、3月分2月12日から3月10日までのデータです。実質28日分で先月よりも3日少なくなっています。

  2月の天候不順に比べて見違えるような好天がつづき発電も去年の好調を上回る好成績でした。

  この天候が続いて欲しいという思いと、水不足の心配で相変わらず複雑な思いです。

 去年2月、買電、816(259,557)KWhで10,653円 1KWhの単価、約13.06円

 今年2月、買電、870(259,611)KWhで11,238円 1KWhの単価、約12.93円

  去年3月、買電、643(228,415)KWhで8,959円 1KWhの単価、約13.93円

 今年3月、買電、672(190,482)KWhで8,799円 1KWhの単価、約13.09円

 今月は売電が去年より多くなってしまつたものの。29(▲38,67)KWhと昼間の減少が利いたようでトータルでは160円の減少となりました。
  昼間の電力使用量を如何に減らすかが効果を上げる秘訣のようです。とは言いながら、これも天候のお陰でしょう。    

  去年 2月、売電、299KWhで 7,023円  1KWh単価、約23.49円

  今年 2月、売電、244KWhで5,787円  1KWh単価、約23.72円

  去年 3月、売電、332KWhで7,798円  1KWh単価、約23.49円

  今年 3月、売電、426KWhで 10,104円  1KWh単価、約23.72円

    今年 3月、▲1,305円の支払。去年の支払1,161円比、2,466円の節約。久しぶりの良い成績です。去年495KWh、今年552KWh、うるう年による稼働日数が多かったことにもよると思われる57KWh発電量増加と買電の昼間の節約が利いているようです。

  2月の5,461円の支払いというこの冬一番の支払いという不振から一気にマイナスの支払いという期待もしていなかった好成績はやはり天候のお陰としか言い様が無いようです。太陽は偉大です。

さて来月は!

2008315日土曜日  第3100回  ツバキとサザンカ

  日頃、何の意識も無く当たり前だと思っていることでも、いざそれを説明しようとしたり絵にかいたりすることはまずできません。これは漢字は読めても書けないことにも通じるのかもしれません。つまりは、それだけ注意深くその対象物を観察していないだけのことだと思われます。

  そんな一つに、ツバキと山茶花があります。これがツバキでこれが山茶花だと漠然と区別はつくつもりだったのですが、いざその違いを言葉にしようとすると何にも出てきません。つまりは見た目の雰囲気だけで区別していただけのようです。

  そこで、サーチしてみました。沢山ありました。 

  原体験コラム より

  Q12 ツバキとサザンカの違いは?

 A12  サザンカは秋咲きで、花は平開、花びらは一枚ずつ散り、若い枝葉・子房・実などに一面粗毛があります。ツバキ(ヤブツバキ)は春咲き、花は筒状で一緒に散る、全体に無毛などのの特徴があるので区別できます。

 サザンカ、ツバキ、チャなどはみな近縁種なので交雑品種がつくれるほどです。種とは何か?は難しい問題ですが交雑してその子に生殖能力があったら同種とするといった、マイヤーの考え方もありますのでごく近い仲間だといえます。サザンカとツバキの雑種にハルサザンカがあります。サザンカの野生種の花は白色ですが多くの品種があり、花の形も色もいろいろです。若い枝葉、子房、実に多数の粗毛があるのが特徴です。秋咲きで花は平らに開き花びらは一枚一枚ばらばらに散ります。これに対し、ツバキは春咲きで、花は筒状で花弁の基部が癒着しています。このため、散るときは花冠ごと散るので首が落ちることを連想し、武家の屋敷には敬遠されていました。そこで、チリツバキという品種ができたほどです。日本ではサザンカに山茶花という漢字を与えていますが山茶は中国ではツバキをさします。椿は国字で、サザンカの漢名は茶梅です。

    Yahoo!知恵袋より

  山茶花と椿の簡単な見分け方は?

 サザンカとツバキの簡単な見分け方は、色々言われているのですが、両者の雑種も存在するので、一概に言い切れないのが実情です。

【よく言われている見分け方】

・サザンカは、秋〜冬にかけて花を咲かせる。ツバキは、初春に花を咲かせる。

・サザンカは、花びらがばらばらになって散る。ツバキの花は花ごと落ちる。

・サザンカの葉柄や若枝などには毛が生えているが、ツバキには毛が生えていない。

・サザンカの葉にはぎざぎざが目立つ。ツバキの葉にはぎざぎざがない。

  • 葉の違い:太陽に透かすと、葉脈が白いのがツバキで、黒いのがサザンカだそうです。
  • ・・・上記がよく言われる一般的な見分け方ですが、例外が、結構あるようで

  参考:さざんか  薮椿 (やぶつばき)

  花びらがばらばらに散ると花ごと落ちるのが分かり易そうです。そういえば、坂出の体育館にも山茶花と私が思っている木があるのですが、花びらはばらばらに落ちています。毎日花びらを掃除しているので間違いなさそうです。

  それにしても、物事を如何にいい加減に見ているかを思い知らされます。晩年絵を描いていた本田宗一郎さんが対象物をよく観察するというようなことを言っていたのを思い出しました。
  観察眼を身につけるためには案外絵を描くのも良いかも知れませんね。その対象物を見ないで正確に描けるものなんて私には一つも無いように思えます。漢字も同じでしょうね。

如何にアバウトで生きていることか!

2008316日日曜日  第3101回  太陽電池市場縮小

  第3091回第3092回で06年、07年と2年連続太陽光発電の設置がダウンしたようだと書きましたが、やはり本当だったようです。 

  日刊工業新聞

  07年の太陽電池国内市場、2年連続で縮小−出荷量26%減少

 太陽電池の国内需要が2年連続で縮小している。太陽光発電協会(佐野精一郎代表=三洋電機社長)のまとめによると、07年の出荷量は21万717キロワットで前年比26・6%減と大幅に落ち込んだ。世界需要は拡大しているが、国内では国の住宅用補助制度が終了したことが響いた。さらにシリコンなど原材料が不足し、シリコンなど原材料高や原油高騰で太陽光モジュールの価格が上昇に転じたことも太陽電池メーカーにとっては“逆風”となっている。

 06年に同1・4%減となり初めてマイナス成長に転じた国内需要が、さらに07年も落ち込んだ最大の要因は家庭用の不振。05年度に補助制度が終了してから、市場縮小が止まらない格好だ。

 公共・産業用は同6・3%減と比較的小幅のマイナスにとどまったものの、全体の9割近くを占める家庭用が同29・0%減の18万449キロワットと大きく落ち込んでしまった。(掲載日 20080314日)

  もしかしたら、去年太陽光発電の営業を諦めて坂出体育館の嘱託として勤めたのは正解だったかもしれません。横ばいの6年でさえ後半は営業成績が上がらずに苦労したのですから7年の3割近い下落だと殆んど無給になっていた可能性もあります。

  嘱託の給料が微々たる物とは言えども無給ではないですから助かったと言っても良いようです。

  それにしても、感覚としてはかなり冷え込んでいるとは思っていましたがまさか3割近くも前年割れしていたとは驚きです。その上香川県は普及率が全国的にも高かったので他の近隣県と比べても落ち込みが激しかったようなので、もっと苦戦しているかもしれません。

  しかし、世界の動きとこれほどまでに乖離してしまった日本という国の政治の貧困さはもうどうにもならないのでしょうか。

 ガソリン税や日銀総裁の問題を見ていると、日本の国の未来より今の政局にしか興味が無い政治家を選んだ国民のバカさ加減が良く分かります。

自業自得でしょう!

2008317日月曜日  第3102回  関西電力

  第3074回で取り上げた関西電力の大規模太陽光発電の記事が又ありました。
  前回の
日経エコロミー記事から一か月も経っています。前回余り大きく取り扱われなかったので関電が話をぶち上げたのでしょうか。

   FujiSankei Business i.  2008/3/15  

 堺市に太陽光発電所 国内最大 関電が建設検討

 関西電力の森詳介社長は14日、東京都千代田区の経団連会館で記者会見し、大阪府堺市の産業廃棄物処分場内に、発電容量1万〜2万キロワットの太陽光発電所の建設を検討していることを明らかにした。実現すれば、太陽光発電としてはこれまで国内最大だった三重県亀山市の同5000キロワットの発電所を抜き、国内最大の設備になるとした。

 一方、森社長は会見で、足下の急激な円高と原油高について「輸出企業の業績悪化に加え、内需企業も苦しく、実体経済の影響も看過できない」と指摘。そのうえで「早期に的確な金融政策を施してほしい」と政府や関連機関に要望した。

 森社長は6月に、勝俣恒久・東京電力社長の後任として電気事業連合会の会長に就任することが内定しており、「地球環境問題を含め日々環境が変化する中、大変重要な責務」と述べた。

  実は、関電が少し前にぶち上げた太陽光発電に関する話題がもう一つありました。

  第2812回で取り上げたツバルでの太陽光発電が完成したという記事です。

 毎日jp 

  MOTTAINAI:ツバルに太陽光発電施設が完成−−関電など援助

 <もったいない>

 【フナフティ(ツバル)竹之内満】地球環境保全への貢献を目的に関西電力(本社・大阪市)などがフナフティ空港に建設してきた太陽光発電施設(約40キロワット)が完成し21日、ツバル政府に引き渡された。陽光パネル250枚余りを空港脇のサッカー場観覧席の屋根に設置し、主に近くの政府庁舎などに電気を供給する。

 07年9月に着工。総工費約5000万円は、関電と日本政府の草の根無償援助で賄われる。地球温暖化防止を主課題に、先進国の電力首脳有志でつくる会議(e8)の途上国支援策の一環。

 ツバルでは07年、計1800キロワットのディーゼル発電所が日本の援助で稼働したが、原油高でコスト増が深刻化。環境への配慮もあり、太陽光発電建設を要請していた。この日は発電用パネルの前でイエレミア首相と関電の生駒昌夫常務が握手。ナタノ公共・産業相は「長期に二酸化炭素の排出を削減する上、電力供給の安定化に有効で、日本に心から感謝したい」と述べた。 2008222日   

  関西電力株式会社

  ツバル国における太陽光発電設備の運転開始について

  当社が、ツバル国において、建設を進めてまいりました太陽光発電設備が、この度、完成し運転を開始いたしました。

 ツバル国は、南太平洋に浮かぶ9つの環礁島からなる総面積約26km2の小さな島国で、海抜が平均2mと低く、今後、地球温暖化による海面の上昇により「最初に沈む国」と言われています。

 当社はこれまで、国際貢献の一環として、このツバル国をはじめとする太平洋の島国の電力会社を対象に、新エネルギーに関するセミナーを行ってまいりました。その中で、ツバル国より、先進国にCO2の抑制を求めるだけでなく、自ら環境に優しい新エネルギーを導入し、地球環境保全に直接貢献したいとの強い思いをお聞きしました。

 本プロジェクトにおいて、当社は、そうしたツバル国の思いの実現に少しでもお役に立ち、温暖化による海面上昇の被害に苦しむツバル国自らが新エネルギーを導入するという今回の事例が、地球温暖化に対する問題提起となればと考え、太陽光発電設備の建設を実施するとともに、設備のメンテナンスや運転のノウハウを伝達してまいりました。

 本日、太陽光発電設備が無事完成し、ツバル国の首都フナフチにて、竣工式が執り行われ、その設備をツバル電力公社に移管しました。なお、今後2年間については、当社も当該設備のモニタリングと運転支援を行ってまいります。

 当社はこれからも、新エネルギーの技術支援などを通じて、国際的な視点にたった環境保全に積極的に貢献してまいります。 以  上

  関西電力はもしかして心を入れ替えて太陽光発電に力を入れる気になったのでしょうか。
  電気事業連合会の会長に関電の社長が就任することによりこれまでの東電の会長のような太陽光発電の足を引っ張る考え方を変えてくれるのでしょうか。そうであれば日本にとってはこんなに良い話は無いのですが、期待して良いのでしょうか。

  第3098回の北海道電力の売電価格の引き上げという本当か嘘か分からない話題もありました。

 もしかしたら、電力会社もこれ以上日本の太陽光発電の足を引っ張ることが国民を敵に回すということに気がついて修正を図ってきているのでしょうか。

様子を見てみたい!

2008318日火曜日  第3103回  ムラサキカタバミ

  三月も中旬になると是ほどまでに違うかと言うほど暖かくなりました。ぽかぽか陽気に誘われて、草抜きでもやるかと腰を上げました。

 第3097回でも書いたようにムラサキカタバミが不気味です。とは言いながらも、芝焼きもやったし、多分殆んど雑草も生えていないだろうと高をくくっていました。一歩庭に出て目を凝らすと、もしかしたら殆んど退治できたのじゃないかと淡い期待を抱いていたあのムラサキカタバミの小さな芽があちこちに出ています。

 本当にがっかりしました。自分の甘さを思い知らされました。焼けて短くなった芝生の間にあざ笑うかのように芽を出しているのです。

 ここで負けるわけにはいかないとは言え、正直降参してしまいたい気持ちを奮い立たせて一本ずつ抜くのは本当に嫌でした。

 それでも、やらなければ完全な負けですので始めたものの気は滅入るばかりです。もう一度気力を起こして一からやり直す位の気持ちにならないとくじけそうです。

  それにしても、何度も痛い目に会いながらも、もしかしたら退治できたのじゃないかと甘い考えに陥る私は本当に甘ちゃんですね。

果たして、勝利の日は来るのでしょうか!

2008319日水曜日  第3104回  シリコン不足

  第3101回でも取り上げた日本の太陽光発電の失速は日本政府の無関心が第一の原因であることは間違いありませんが、原料であるシリコン不足も大きな原因でしょう。

  そのシリコン原料の生産地である中国が大きく伸びているのもある意味仕方ないのかもしれません。しかし、中国にはやはり問題があるようです。

  CNET Japanより

  急成長する太陽エネルギー産業に潜む環境破壊

  太陽エネルギー業界の成長が中国の土壌を汚染しているという。Washington Postが報じている。

 ソーラーパネルの製造に使用されるポリシリコンが供給不足に陥っている。ポリシリコンの生産コストを抑えるため、中国企業は有毒廃棄物を土壌に垂れ流しにしており、これにより野生生物は命を奪われ、人体を危険にさらされているという。

 Washington Postの記事では、四塩化ケイ素の粉末廃棄物により、中国の内陸東部にある河南州の田園地帯が真っ白になったと報告している。ポリシリコンが1トン製造されると、4トンの四塩化ケイ素が廃棄物として出ることになる。この廃棄物からは、有毒な塩化水素ガスと酸が分離して空中に漂う。

 この廃棄物は、中国のポリシリコンメーカー、Luoyang Zhonggui High-Technologyが排出しているといわれている。Washington Postによると、同社は太陽エネルギー大手Suntech Powerのサプライヤーだという。…以下略

  第2935回などで何度か取り上げたサンテックが絡んでいるんですね。そういえば第3080回Q-Cellsにトップの座を奪われたシャープはどうもこのサンテックにも抜かれているようです。その背景にはこのシリコン不足があったようです。こんなルール無用の中国とは競争になりませんね。食料ばかりかこんなところでも害毒を流している中国は本当に困りものですね。
  こんな国にシリコンがあって日本に無いのは悔しいし、地球にも不幸ですね。

 そんな中国に何にも言えない日本政府やマスコミも本当に腹が立ちます。日本もいずれチベットのように蹂躙される未来が見えるようです。

まともな政治家はいないのか!

2008320日木曜日  第3105回  たき火

  第1318回第1490回で書いたようにダイオキシン騒動のお陰でたき火ができなくなってしまったと思って芝焼きも遠慮をしていたのですが、どうやら禁止というよりご近所の声を気にしてやり難くなってしまったというのが本当のようです。

  ということもあって今年は第3093回で書いたように芝焼きに挑戦してみました。幸い天候にも恵まれたのと少しずつ焼いたこともありご近所からの苦情もありませんでした。実際のところは遠慮されているのかも分かりませんが。

  そんな私を後押ししてくれることを何時もの武田邦彦 (中部大学)が書いてくれていました。

 明るい未来 (2) たき火を楽しもう

落ち葉を集めてたき火をして、焼き芋を楽しもう。

落ち葉、たき火、焼き芋・・・それは、素晴らしい日本の文化の一つだ。

たき火をしてもなにも有毒なものはでない。でも、もし、たき火を気にする人がいたら、こう言ってあげよう。

「大昔からやっているたき火より、サカナにお塩を振って、ガスコンロで焼く方が危ないですよ」と。

でも、焼き魚も大丈夫だ。人間は昔から焼き魚を食べ、焼き鳥でいっぱいやってきた。山火事にも遭遇し、家の中には暖炉も囲炉裏もあった。全部、たき火より大規模だ。たき火を怖がるのは現代の日本が作り上げた、幻想に過ぎない。

たき火を嫌がる人はダイオキシンを心配しているが、ダイオキシンでは健康障害がでない、一人もでないから日本中がヒステリーになる原因になった。でも、間違っていたのだから、ここら辺で思い直そう。

「ダイオキシンはたいした毒物ではなかった」という研究結果は喜ぶべきものだ。それを無理矢理、「ダイオキシンは、猛毒であって欲しい」とこだわるのは逆方向だ。

そしてたき火と共に失った文化・・・野焼き、イモの蔓を焼くこと、家庭用小型焼却炉も復活しよう。

肩の力を抜き、悪いものは悪い、良いものはよいと割り切って、いがみ合わず、肩の凝らない生活をしたいものだ。

お役所もいつまでもメンツにこだわらずに、また仕事も少し減るかも知れないが、そんなことより、市民の為にダイオキシンの規制を緩めた方が良い。(平成20315日 執筆)

  プラスチックなどを燃やすのは反対ですが、紙や木などどうせ焼却炉で焼かれるものなんかは家庭で焼いても良いのじゃないでしょうか。もちろんご近所の迷惑にならないようにですが。
そうすればごみ収集の量も減り焼却炉の負担も減るのじゃないでしょうか。尤も、ごみ発電なんかがあるところは量が減ると困ることもあるのかもしれませんね。

  いずれにしても、ご近所の迷惑にならない程度のたき火は復活しても良いのじゃないでしょうか。

気楽に行きたいですね!

2008321日金曜日  第3106回  太陽電池の否定

  昨日たき火で喜ばしてくれた武田邦彦 (中部大学)先生がよりによって私が一番期待している太陽光発電を否定しています。ちょっと腹立たしいですが、全文を引用させて貰います。

 混迷の時代をどう生きるか? (12) 太陽電池

 家庭から出るゴミは一括して焼却するのが一番良い。これほど、わかりやすいことでも、自治体と焼却炉メーカーとの癒着や、プラスチックの焼却に対する誤解などの本当に初歩的なことで実施されなかった。

 温暖化では、海の浮いている氷が融けても海水面が変わらないという初歩的な物理学の知識に反することでも10年来、報道され続けるという奇妙なことも起こる。科学技術立国と言いながら、ほとんど魔女狩り時代と同じような世論形成である。

 このような社会では、少し難しい課題になると、余りに多くの見解がでてわけが分からなくなる。その一つが太陽電池だ。

 石油が枯渇した時代は別にして、現在の状態で「太陽電池が石油に変わる電力源になるのか?」という問に対して、包括的に答えれば、

・・・電力会社がやらないものは有望ではない。

とまず答えることができる。

 そして、次に「大量生産すれば、価格も安くなり普及するのではないか?」という問には、

・・・生産技術があれば、大量生産すればどの程度の値段で提供できるかは簡単に計算できる。その計算もできなければもともと、工業をはじめることはできない。

と答えることができる。

 さらに、「補助金で太陽電池の研究を促進すれば実用化できるのではないか?」という問には、

・・・もしも研究して成功しそうだったら、太陽電池は大きな収益になるだろうから、一流企業は補助金が無くても自分のリスクでやる。

と答える。

 日本がこれほどの大工業国になったのは、技術課題について正確に判断し、研究開発し、そして実用化できる力があったからに他ならない。工業の中には製鉄やDRAMのように超大型投資が必要なものがあり、それも日本の工業はこなしてきた。

 太陽電池は「普通の人」までが「有望」と言っているのだから、本当に有望なら日本の企業が競って研究開発をする。そんなことは当たり前だ。

 それではなぜ太陽電池の研究開発に税金を投入するのだろう。

 それは太陽電池が有望ではないからだ。ここで「有望ではない」という内容が問題である。科学だからどれもこれも最初は有望ではない。だから、初期段階では有望でないものにお金を投じるのは意味がある。

 でも、何10年も研究しているものは、すでに技術的には課題が抽出され、その成功確率もある程度、判っている。そしてそれを打破するには何をしなければならないのかもおおよそ判明している。社会はそれほど甘くはない。

 有望な研究開発には、多くの企業が群がり、先陣争いをする。その活力が日本の工業を支えてきた。

 ここまで来ても、さらに次のような意見があるだろう。

「確かに、産業としては魅力が無くても、環境を守るために」

というものだ。

 抽象的ならこの考えもあり得る。でも、このときの「環境を守る」というのはどういう意味だろうか?少なくとも、太陽電池を使うことによって石油の節約にならなければならない。それは可能だろうか?

 かつて、私の研究室に環境に関心のある学生がいて、どうしても太陽電池の研究をしたいと私に希望する。私はその学生の将来も考えて「それでは、助手の先生と二人で太陽電池が環境によいかを計算し、もし、良いようだったらやろう」と言って半年ほど検討させた。

 その学生は社会の判断をそのまま受け入れていたから、太陽電池は産業としてはダメでも環境には良いのではないかと信じていた。

 しばらくして、その学生は結局、別のテーマを研究し、「まっとうな道」に進んだ。学生は自分でジックリと計算して、太陽電池の将来性が無いことを理解したのた。

 その時の主な理由は、

1) 太陽電池で生じる電力で次の太陽電池を製作するまでに30年ほどかかる(保守なども含む)

2) シリコンパネル以外の付属施設の負荷が大きい。つまり光からの変換効率を高めてもダメ。

3) 立地によってかなり発電量が違う。

4) 太陽電池を敷設したところは動植物が絶滅する。

ということだった。

 太陽電池が環境に良いという抽象的なことを言って、補助金をもらうことはできる。でも学生の勉強は一生を左右することもある。先生は自らの意見に固執せず、かといって学生の将来の道を間違わせないようにしなければならない。

 この場合は上手く指導できた。そしていつの日か、新しい技術が誕生して太陽電池の概念が変わり、研究開発に値するテーマになる可能性もある。それは科学というものは現在を覆すのが役割だからだ。

 情報が錯綜する時代。その時代だからこそ、情報を発信する側は簡単に物事を発言したり、発信したりするのではなく、一つ一つをよく考え、そしていったん発信した後も、間違いを修正する勇気も持たなければならない。

 そして研究も日進月歩する。今までダメだったものがある発明で覆るときもある。そんな時でも心を素直にしておいて、新しい技術を歓迎する度量も必要だろう。

(平成20317日 執筆)

  太陽光発電に対する批判は多いですが、ここまで否定しているのも珍しいのじゃないでしょうか。特に、「太陽電池を敷設したところは動植物が絶滅する。」というのは初めてです。どういう意味なのでしょうか。電池の下は太陽が当たらないという意味なのでしょうか。それはどうせ陰になる屋根に取り付けるのですから問題は無いはずなのですが。

  いずれにしても、将来太陽電池がものにならないかそれともコストダウンに成功して爆発的に普及するかは私にも自身はありません。
  しかし、私は、これは絶対成功させるべきエネルギーだと信じています。これをものにできないようでは人類の未来は無いとさえ思っています。
  先生も否定しながら、最後には可能性までもは否定していません。やはり、迷いもあるのでしょうね。

これは私が勝つ!

2008322日土曜日  第3107回  のど自慢

  第3034回で瀬戸大橋開通20周年記念の橋上マラソンを紹介させていただきましたが、もう一つ記念行事として私の勤務先坂出市立体育館で5月11日NHKのど自慢が開催されます。詳しくは高松放送局イベント情報にあります。

  去年の秋ごろから話は進んでいましたが、緘口令がひかれていて書くことができませんでしたが、19日の夜7:00のNHKニュースの後に発表されていましたのでもう書いても良いでしょう。

  坂本冬美さんと吉 幾三さんがゲストだそうです。

  5月7日から体育館は押さえられ他の行事は一切受け入れを断っています。何で使えないのかの発表もできませんでしたので不審に思われた常連さんもおられたことでしょう。
  半年以上も前から情報が漏れないように予定を立てるのですから放送局も大変ですね。

  赤字財政の坂出市としては開通記念行事はこれだけだそうです。まぁ、無駄なカネを使うより橋を有効に使うことを考える方が大事でしょう。

  それにしても、この週は準備で大変そうです。

どうなることやら!

2008323日日曜日  第3108回   情けない

  中国が本性を現しましたね。毒餃子といい今回のチベット問題といい、こんな国にオリンピックをやらせていいんでしょうか。
  それにしても、日本の国はどうなってるんでしょう。人権擁護法案を通そうとするほどの政治家さんたちは中国には一言も言いませんね。マスコミもだんまりを決め込んでいるようです。

  そんな中で、産経のコラムが面白かった。

 【産経抄】3月17日

 …略

 それにしても日ごろ国会の内外で、「人権、ジンケン」と声高に唱えていらっしゃる方々の声がチベット問題では小さいのはどうしたことか。今国会に人権擁護法案の上程を考えておられるセンセイたちは、与野党問わず「チベット人の人権を守れ」と中国大使館に押しかけても不思議ではないのに、そういった話は寡聞にして聞かない。

 そうじゃない、というのなら行動で示してほしいが、ここは一番、親中派の福田康夫首相の出番だ。電話でいいから胡主席に自制を求め、ダライ・ラマ14世とじっくり話し合うよう勧めてはいかがか。これなら日銀総裁のように国会承認も要らないですよ。

   【産経抄】3月19日

  …略

 これでは、チベット騒乱を「ダライ・ラマ集団が扇動した」と強弁し、毒餃子(ギョーザ)事件の真相究明を先送りしようとする中国にとても太刀打ちできない。いや、そんなことはない、というのなら政治家の皆さん、「このままでは北京五輪不参加を検討せざるを得ない」と一言、いってごらんなさい。

  日本って本当におかしな国ですね。政治家もマスコミも誰もオリンピックをボイコットしようと言わない。こんな国は世界でも日本だけじゃないでしょうか。

  それにしても、オリンピック選手の中からも一人も声を上げないというのも情けないですね。一生懸命練習して代表権を掴んだことは大変だったのは分かりますが、自分さえ良ければ他人はどうでもいいのでしょうか。
  スポーツとは単に強ければ良いのでしょうか。人格を磨くためという面は全く無いのでしょうか。そんなスポーツやってて面白いのですかね。
  強くなったが、人間としてはいやらしくなったのじゃ余りうれしくないでしょうに。そんなことも考えないのでしょうか。

  尤も、私も自分がそんな立場になったらきっとしらばっくれているんでしょうね。

我ながら情けないかも!

2008324日月曜日  第3109回  運慶

  第3072回でトヨタさん買ってくれませんかと言っていた運慶作と見られる仏像のオークションが開かれました。

運慶作品:三越が12億5000万円で落札…米国の競売

運慶作と見られる大日如来像

 【ニューヨーク坂東賢治】鎌倉時代に活躍した仏師、運慶(生年不詳、1223年没)が制作したとみられる「木造大日如来坐像」(個人蔵)が、ニューヨークで18日午前(日本時間19日未明)に開かれたクリスティーズのオークションにかけられ、三越百貨店が1280万ドル(約12億5000万円)で落札した。クリスティーズによると、海外の競売で落札された日本の美術品としては過去最高額。

 東京国立博物館の調査で運慶制作の可能性が高いと判断された作品だが、輸出が禁止される国宝や重要文化財の指定を受けていなかった。日本では国宝級の作品の国外流出を懸念する声が強まり、署名運動も起きていた。三越百貨店が落札したことで、国外流失の可能性はひとまずなくなったとみられる。

 ヒノキ材で作られた仏像は金色で高さ66センチ。クリスティーズでは日本、韓国の古美術品を集めた今回のオークションの最大の目玉として紹介。推定落札額を150万ドル(約1億5000万円)から200万ドル(約2億円)と見積もっていた。

 文化庁によると、運慶の作品は推定を含めて12件が国宝か重文指定を受けている。しかし、この仏像は個人が所有し、同意が得られなかったため、文化財指定の対象になっていなかった。毎日新聞 2008319

  三越は顧客に頼まれて落札したそうです。これで取り敢えずは日本から流出することはなくなったようですまさかトヨタさんじゃないでしょうね。それとも個人で買ったのでしょうか。あるところにはあるんですね。

 この競売に出した元の持ち主がインタビューに答えていましたが、金融関係のサラリーマンだったかでつい何年か前業者から真面目に働いていたサラリーマンだったら買える程度の金額で買ったのだそうです。とは言いながら金融関係の人ですからウン百万てことは無いのじゃないでしょうか。

 その方はもしやと思って鑑定してもらったところ「運慶」作ということになり、これは自分が保管するには荷が重過ぎるとして国の機関に売却を持ちかけたが、値段が折り合わず、分割も無理と断られ仕方なくオークションにかけることにしたそうです。

  こうなると、お国も何をしているのかと言いたくなります。予算などで無理なのかもしれませんが、何となくお粗末な話に思えてしまいます。 

  果たして、買った人が本当に日本の方なのかその当たりも何とも言えませんね。買主が公表してどこかの博物館にでも寄贈したなんて話になれば面白いのですが。

表に出てくるでしょうか!

2008325日火曜日  第3110回  町議の心意気

  第3058回で取り上げた町議さんの報酬を日当にするとした矢祭町の町議選が終わったようです。

  YOMIURI ONLINE(読売新聞)

   報酬1日3万円、福島・矢祭町「日当制町議」に11人出馬

 議員報酬の日当制を導入する福島県矢祭町の町議選(定数10)が18日告示され、23日の投開票へ11人が選挙戦に入った。新議員は31日の任期から「日当1期生」となる。

 地方自治体の財政が厳しさを増す中、議員活動のボランティア化という点からも注目される。

 日当制は、「合併しない宣言」で知られる同町が行財政改革を進める中で浮上。条例案は昨年12月に議員提案で可決された。

 月額20万8000円の議員報酬を1日3万円にする。額は、課長職6人の平均収入を平均実働日数で割った約4万4000円に対し、議会が半日ほどで終わることも考慮し、その7割とした。

 支給対象は定例会、臨時会、委員会などや、消防団の出初め式、成人式、敬老会など町主催の行事のほか、議長が認めたもの。年間30日程度とみられ、議員1人当たり年間約90万円となる。期末手当も廃止され、年間約2500万円の経費削減となる見込みだ。

 告示前の今月5日には、立候補予定者が「予定者一同」の名前で、陣中見舞いや当選祝いの「お断り」広告を地域紙に掲載し、議会改革もアピール。現職7人、元議員1人、新人3人が出馬した。

 前鳥取県知事の片山善博・慶大教授は「日当制は議会の多様性につながる取り組みとして評価できる。経済的魅力が減ることで、職業政治家としての議員の代わりに、若者や女性、サラリーマンなどが出やすくなる可能性もある」とする。2008318

参照:矢祭町

  流石に出馬が少なかったようですが、それでも定員を上回っているのですからたいしたものです。それでも出ると言う心意気が嬉しいですね。これを現在の国会議院さんたちに適用すると果たしてどれだけの立候補が出るか見てみたいですね。

  日本の国や国民のことより自分の利益の為に中国や韓国・北朝鮮などにべったりの議員さんたちには早く辞めて頂いて、「町議は生活のためではなく、町民と町のために働く奉仕の精神にたっているからだ」という矢祭町議さんの心意気を継ぐ人たちに議員さんになっていただきたいものです。

 しかし、そうなると今度は利益団体から報酬をもらって立候補する人が出てくるかも分からないですね。是こそ本当の族議員になりそうです。

やはり理想は遠そう!

2008326日水曜日  第3111回  ムラサキカタバミ

  又かとお思いでしょうが、性懲りも無く第3103回続いて再びムラサキカタバミとの戦いです。
  4月下旬のような暖かさに誘われて又してもムラサキカタバミの様子を見に庭に出てみました。
  もしかしたらもう殆ど生えてきていないのじゃないかとの甘い考えはやはり簡単に打ち破られました。
  2日程続いた雨の後だったこともあるのか前回以上にあちこちからこれでもかと芽が出ていました。半ば覚悟していたといえども、やはりがっかりです。本当にこの戦いは終わりの無いものになるのかもしれません。
  それでも気を取り直して午後3時間ほど芝生を掘り起こしながら一本一本抜きましたが全部を抜くことはできませんでした。
  そこで、最初に戦いを始めたときに使った「ラウンドアップ」をもう一度使ってみたらどうだろうと考えました。あの時から殆どを抜いたのでさすがに残りは少ないはずなのでもしかしたら今度は旨く行くかもしれません。

  という訳で、第2507回でやったように急遽「ラウンドアップ」を刷毛で一本一本塗ってみました。第2726回では見事に失敗でしたが、あの時はムラサキカタバミの種がこれほど残っているものだとは想像もしていなかったので驚いて諦めたのですが、今回はどうなるか楽しみです。
  もしかしたら種も少なくなっているので成功するかもしれません。

さてどうなるか!

2008327日木曜日  第3112回  北京五輪提供しない

  第3108回で北京オリンピックのボイコットを口にしない日本の政治家やマスコミ、オリンピック選手などを情けないと書きましたが、オリンピックに関連する人ですばらしい人がいました。

  埼玉新聞 2008313()より

  町工場の砲丸、表彰台独占 五輪メダル支える職人技 富士見市・辻谷工業

 富士見市の商店街の一角にある小さな町工場「辻谷工業」。蛍光灯の明かりの下、辻谷政久さん(75)が鉄球を旋盤で削る甲高い音が響く。アテネまでの三大会連続で五輪男子砲丸投げの表彰台を独占した砲丸を作った世界的な職人だ。

 辻谷さんは家族ら数人で約五十年前からハードルなどの陸上競技用具を製造してきた。辻谷工業の名が世界のひのき舞台に躍り出たのは一九九六年のアトランタ五輪。金、銀、銅の三人のメダリストが手にしたのは、辻谷さんの砲丸だった。

 競技場に用意された数社の砲丸から、メダリストが辻谷さんの砲丸を選んだ理由は、ほかのメーカーにはない持ちやすさと、直径十一―十三センチ、重さ約七・二六キロの鉄球の重心を、寸分たがわず球の中心に合わせる卓越した技術だった。

 辻谷さんは二〇〇〇年のシドニー五輪まで選手の手になじむよう砲丸に細かい溝を施していた。しかし〇一年のルール改正で溝が禁止され、以後、どの社の砲丸も見た目にはほとんど違いがない。唯一ともいえる違いは「重心の正確さ」だ。

 辻谷さんによれば「飛距離は重心によって一―二メートル左右されることがある」。元砲丸投げ選手で日本大陸上部の小山裕三監督(52)は「辻谷さんの砲丸は持ったときに手にしっくりきて、体と一体になる」と評価する。

 砲丸は鋳物を削って作る。材料の銑鉄に含まれる不純物などの影響で密度を均一にするのが難しく、鋳物の重心は必ずしも中心にはない。自動制御の機械で球を削った後、鉛などを注入してバランスを調整するメーカーもあるという。

 辻谷さんは旋盤で砲丸を手作りする。手の感覚や切削音、反射光を頼りに球を削り出し、金属注入をせずに、重心をピタリと中心に合わせる。

 八月の北京五輪には砲丸を供給しない。辻谷さんは「スポーツの世界に政治を持ち込むのが気に入らなくて」と、過去にサッカーなどで反日感情が激化したことを挙げる。目指すのは四年後のロンドン五輪。辻谷さんは「作業は難しいが、生涯、砲丸作りを続けていきたい」と話している。

  この記事は辻谷さんの砲丸のすばらしさがメインですが、もう一つ気持ちをメインにした記事がありました。両方で全容が良く分かると思います。

  J-CASTニュース より

  埼玉の世界一砲丸作り職人 「北京五輪提供しない」 2008/3/25

中国チベット自治区の騒乱の影響で、一部で北京五輪へのボイコットが叫ばれているが、日本の砲丸作り職人が北京五輪への砲丸の提供を断っていたことが分かった。3大会連続で男子砲丸投げのメダルを「独占」、世界一ともいわれる職人だ。きっかけは、2004年に中国で行われたサッカー・アジア杯での中国サポーターのマナーの悪さや反日デモ。「こんな国に大事なものを送るわけには行かない」というのだ。

3大会連続でメダリスト全員が選択

五輪のメダルを独占していた砲丸が北京五輪で投げられることはない

同大会への砲丸の提供をやめたのは、埼玉県富士見市にある「辻谷工業」。世界一とも言われるこの砲丸は、社長の辻谷政久さんが手作りしている。「重心」が安定しているため、飛距離にして12メートルも違うといわれるほど選手からの評価は高い。

五輪では、競技場で用意する何種類かの砲丸の中から投てきする砲丸を選手が選ぶことになっているが、アトランタ・シドニー・アテネの3大会連続でメダリスト全員が辻谷さんの砲丸を選んでいた。

辻谷さんはJ-CASTニュースに対し、2004年に中国重慶で行われた、サッカー・アジア杯での中国サポーターの試合中の罵声・ブーイングや試合後の暴動、その後の反日デモで在中日本大使館に投石行為が行われたことを挙げて、

「この国には大事なものを送ることはできないと思い、去年(07年)の11月に(オファーを)断りました」と砲丸の提供をやめた理由を説明する。

「この国にオリンピックをやる資格はありませんよ」

北京五輪をめぐっては、チベット自治区で発生した騒乱での中国政府の対応に国際的な非難が集まり、ボイコットをめぐる動きが未だにくすぶっている。

2008324日には、五輪の聖地ギリシア・オリンピアで行われた採火式に国際人権団体「国境なき記者団」の活動家が乱入し、五輪ボイコットを訴えた。また、323日付ドイツ大衆紙「ビルト」によれば、欧州議会のペテリング議長は、チベット騒乱が今後も続いた場合、北京五輪を加盟各国がボイコットする可能性を排除しないと語ったという。

こうした中国をめぐる状況については、

「ギョウザの問題やチベットの問題以前に決めていたんですが、最近のニュースを見ても送らなくてよかったなと思います。やっぱりこの国にオリンピックをやる資格はありませんよ。(砲丸を使用する)選手には申し訳ないと思いますが、職人の心意気がありますから、何でも送って有名になればいいというものではないんです。真心かけた大事なものですから」

と話し、北京五輪の「砲丸ボイコット」は良かったと考えているようだ。20088月に開催される北京五輪で「世界最高」の砲丸が投げられることはない。

  良いですね。日本にもまだこんな気骨のある人がいると思うと救われる気がします。
  こんな話を聞いて、大手のスポーツメーカーさんは何とも感じないのでしょうか。ここで、辻谷さんの心意気に感じてオリンピック選手に用具を提供しないなんてアドバルーンを揚げるて貰えないものでしょうか。そうなれば、世界に名前を売ることができますよ。損して得取れの精神でやりませんかね。

  いずれにしても、この辻谷さんの心意気に接して、堕落した政治家やマスコミ、オリンピック選手さん達は何も感じないのでしょうか。それでオリンピックを心から楽しめるのですか。

悲しいですね

2008328日金曜日  第3113回  食えない

  第3101回でも取り上げた太陽光発電市場の縮小について私の知る限り最高の太陽光発電技術者と思える太陽光発電システムのウエブマスターも取り上げてくれています。

  2008.03.25 もっと精密な議論を

 日本の太陽光発電の売れ行きが落ちています。

フィードインタリフや補助金といったインセンティブ不足を理由にユーザー側の事情ばかりが取り沙汰されますが、これはあまりにも浅い見方です。

今、プッシュ型であれプル型であれ、熱心に顧客の元に通い販売し、設置する業者がどんどん減っています。

業者をやっている人には、その理由ははっきりしています。

食えないから事業を続けられない。

引き金は色々とありましょう。

すぐに思い当たるのは、建築基準法改正による新築の停滞。それから特商法改正による訪問販売事業者の撤退。

しかしですね、偉そうにのたまう僕もたった18年しかやってませんが、過去を思い起こすと、その程度で業界が弱体化するとは思えない。

太陽光発電と言うのは、どこか宗教性があって、儲かろうが儲かるまいがやりたいからやる、という人たちによって支えられてきたように見えます。

日本にFITほどの強力な武器が無くともまぁまぁに普及してきたのは、ユーザーの環境意識が高いからといった分かったような分からないような説明が行政や学界関係者によってされてきましたが、業者のほうも似たような感じです。だからか、年収200万だか300万みたいなのしょぼしょぼ収入の、はっきり言ってしまえばビジネス劣等生なんですが、そんな状況でも熱心に取組む業者がたくさんあったのです。

でも国策はなおもプライスばかりに心血を注ぐものですから、あぁ、もっと厳しい生活をしなくちゃならない。とばかりさすがに皆んな、嫌になっちゃうんですね。本当に食えなくなっちゃう。乾いた雑巾絞りにも限度がある。

そんな感じでこの数年、多くの同業者が去ってゆきました。…以下略

   その通りですね。食えなくなって業界を去った一人が私です。かろうじて食っていけるのなら続けていたかもしれませんが、それも難しいという危機感を感じて仕方なくこの仕事から去りました。その未練が未だにここに太陽光発電の話題ばかりを取り上げさせているのでしょう。
  確かに一緒に仕事をしていた人達も太陽光発電に思い入れを持っていた人が多かったように思います。何といっても個人のお客さんに唯一と言っても良い生産財を提供できるのですから、付けたお客さんか殆どと言って良い位喜んでくれるのですから。他にこんなすばらしい商品は滅多に無いでしょうね。

  それにしても、こんな停滞をもたらした政府に憤りを感じずにはいられません。何度も言う様に、世界のエネルギー大国になれるチャンスをみすみす逃した責任はとてつもなく大きなものです。

もう取り返しがつかないのか!

2008329日土曜日  第3114回  大規模太陽光発電

  日本では食えない太陽光発電ですが、世界ではどんどん拡大しているようです。

  これが世界最大の太陽光発電所、ポルトガルで建設中

  ポルトガル南部モウラで、世界最大となる太陽光発電所の建設が、3月末の一部稼働開始を目指して急ピッチで進んでいる。

 強い日差しが照りつける中、オリーブの木などが切り払われた赤茶けた大地の上にテニスコート大のソーラーパネルがずらりと立ち並ぶ様子は、SF映画さながらの壮観だ。

 最終的には、モウラ周辺で2520枚のパネルが建設され、2010年までに本格稼働を目指す。

 同発電所を建設するスペインの大手建設会社「アクシオナ社」によれば、完成後は同国平均家庭3万世帯分の年間電力使用量をまかない、約15万トン近い二酸化炭素排出を抑制できるという。(20083261530 読売新聞)

  写真はこちらが良く分かります。

  Garbagenews.comより 20080327

スペインは太陽エネルギー先進国!? ポルトガルに世界最大規模の太陽光発電所建造中

  上の太陽電池は中国製らしいです。(未確認)

  日本のメーカーも世界で頑張っています。

  京セラ株式会社

  スペインに13.8MWの「超大規模太陽光発電施設」

 

  第2574回で取り上げた日本の大規模発電です。一部が完成したようです。

  毎日jpより

   太陽光発電研究施設:一部で運用始まる パネル4200枚を設置−−北杜 /山梨

 北杜市長坂町夏秋で建設が進められていた敷地面積6ヘクタールに及ぶ大規模太陽光発電研究施設の2割分が完成し、23日に運用が始まった。これまで約4200枚の太陽光パネルが設置され、計画では09年9月ごろまでに2万枚近くのパネルがそろう。この施設で、天候の変動で発電量が不安定になっても、電力を安定的に供給するシステムの実証実験を行う。

 研究施設は、北杜市と「NTTファシリティーズ」(東京都港区)が独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)から研究事業を委託され建設を進めている。一部運用で一般家庭約180世帯分の、2万枚で約570世帯分の電力を発電し、2010年度末までの研究期間中は電力会社に売電される。

 この日に行われた記念式典では、白倉政司・北杜市長のほか、同社の森勇社長やNEDO新エネルギー技術開発本部の福田秀樹部長ら関係者約250人が参加し、国内外のメーカー23社が開発したさまざまな種類の太陽光パネルを見学して回った。【沢田勇】

  世界の規模とは比べ物にならないですが取り合えず日本でも動いてはいるようです。

  確かに、こういう大規模発電も大切ですが、一件一件は規模が小さくても、分散した発電所としてまとまれば大規模な発電と変わらず効力を発揮するのは住宅用発電じゃないでしょうか。それを軽視しては太陽光発電の普及は難しいと思います。
  太陽光発電の優位さは分散発電にあるのじゃないでしょうか。大規模な地震などの災害の時にも分散した発電所は強い力を発揮するはずです。今のところは、バッテリーの問題で独立した発電としては力不足ですが、いずれ解決されるときが来ると期待しています。そのときには住宅用太陽光発電の良さが認められるでしょう。
  尤も、その時までに日本にその準備ができているとは到底思えないのが悔しいですね。

何とかならないものか!

2008330日日曜日  第3115回  グリーン電力証書システム

  日本の太陽光発電がジリ貧という話ばかりで気が滅入りますが、自治体の中にも少しはやる気のあるところがあるようです。

  日刊工業新聞

 愛知県、グリーン証書買い取り−住宅用太陽光発電普及策

 【名古屋】愛知県は「グリーン電力証書システム=用語参照」の仕組みを取り入れ、08年度に住宅用太陽光発電の環境価値を「グリーン電力証書」として買い取る制度を始める。県内で新たに設置される住宅用太陽光発電装置を対象とし、年間の買い上げ総額約600万円を見込む。同県内の住宅用太陽光発電の設置は約2万基と全国1位。同制度で設置をさらに加速すると同時に、同システムの認知度向上を図る。

 通常、一般住宅に設置される太陽光発電装置は、発電量の約半分を自家消費し、残りは余剰電力として電力会社に売る。愛知県は、この自家消費分の環境価値をグリーン電力証書化して買い取ることにした。これにより太陽光発電装置の設置費用を支援して普及を図るのが狙い。太陽光発電普及に活用するグリーン電力証書は二酸化炭素(CO2)を排出しない自然エネルギーによる発電実績を環境価値化したもので、第三者機関「グリーン電力認証機構」が認証する。(掲載日 20080325日)

グリーン証券をKWh当たり幾らで買い取ってくれるのでしょうか。期間は一年かそれとも何年間か継続的に買ってくれるのか。それによってでないとどのくらいのメリットになるのか分かりませんが、補助金無しよりは良いのじゃないでしょうか。

 それにしても、分かり難い記事ですね。やはりお役所のやることは分かり難いですね。それとも書く人が余り良く分かってないのでしょうか。もっと、どのくらいのメリットがあるのかを強調しないと折角のシステムが生きてこないのじゃないでしょうか。

 単純にドイツ式で売電単価を上げてくれれば分かり易いのに何故そうしないのか。

よく分かりません!

2008331日月曜日  第3116回  首位転落

  第3080回で遂にシャープがQ-Cellsに抜かれた衝撃を取り上げましたが、もっと悲惨な記事が出ました。

  四国新聞社

  太陽電池生産トップ転落/07年、欧州に抜かれる

 太陽電池の生産量で長く世界一を保ってきた日本が、2007年にトップの座を欧州に譲り渡したことが29日、米国の専門紙の調査で分かった。世界市場が急拡大する中、原材料の調達が遅れたことに加え、住宅用太陽発電への補助金廃止などにより日本市場が縮小しているのが原因。企業別で7年連続1位だったシャープ(大阪市)もドイツのメーカーに抜かれた。

 太陽電池生産は、地球温暖化対策が急務となる中、国際競争の激化が確実視されている分野。日本は太陽光発電の累積導入量でも05年にドイツに抜かれており、国内市場の拡大対策を求める声が高まりそうだ。

 太陽電池業界の米専門紙「PVニュース」によると、07年の日本の太陽電池生産量は92万キロワットで、前年比11・3%減少。逆に欧州の生産量は43・9%も増え、106万キロワットに達した。米国は27万キロワットで、中国、インド、台湾などでも生産量が急激に増えている。

  最初この記事の見出しを見た時、「今更、何を言ってるんだ、遅すぎるじゃないか」と一瞬思いました。しかし、「待てよ!もしかしたら日本全体の生産量が抜かれたと言うことか」とあわてて本文を読みました。
 危惧した通りでした。しかし、これはシャープの首位転落以上に衝撃的ですね。まさかそこまで悪くなることは無いだろうと多寡を括っていた私が甘かったようです。
  市場の縮小に原材料の不足があいまってこんなことになってしまったんですね。シャープの2位も本当は
第2514回で取り上げた中国のメーカーサンテックに抜かれているのが本当らしいです。

  シャープを始め、京セラや三菱などが増産を決めているようですが、果たして、一度転落した首位の座を奪い返せるのでしょうか。
  メーカーの必死の努力も日本の政府の相変わらずの無策が足を引っ張るのでしょうね。

再浮上なるか!

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