団塊の世代の部屋(194)

ホーム

2015 9 月 1 (火)   第 5812回  レー ザーバ リア
   核武装も良いですが、その核を無力化する防御システムとして、第 5006回の「クモの糸のバリアー」や第 5149回の「電磁バリアーは既に実 現?」のようなもので世界の核開発を笑いものにできらた面白いだろうなと想像の翼を広げていました。

  ところが、何だか、そのシステムの家庭用のようなものが開発されているそうです。そのターゲットは核ミサイルじゃな くて、もっと小さな蚊だそうです。 およそ対象としては、全く結びつきませんが、方式は同じようなものじゃないでしょうか。そこで使われるレーザーを強力な ものにすれば良いのです。  

   GIGAZINE(ギガジン)より     2015年07月26日

  建 物周りにレーザー網を敷いて「蚊」をことごとく撃ち落とす驚愕のシステムが登場

   マラリアなど「蚊」が媒介する感染症によって年間数十万人の命が失われており、実は蚊は人間を最も多く殺す生き物として知られています。そんな蚊をレー ザーで撃ち落とすという装置が近年、開発されてきましたが、なんと、レーザー網を建物の周りに張り巡らすことで、蚊が近 寄るなり撃退するという驚愕のシス テム「Photonic Fence」が開発されています。

    Photonic Fence | Intellectual Ventures

    Malaria Projects FAQ | Intellectual Ventures Laboratory

   「蚊」撃墜レーザーの威力は以下のムービーを見れば一発で理解できます。


  …中略

  そしてこの蚊撃退レーザーを使い、病院などの建物周辺を蚊が飛行可能な高さまでぐるっとフェンスのように囲んで、蚊 の進入を完全に防ぐという 「Photonic Fence」が目下、開発中だとのことアフリカなど衛生状態が悪く蚊が媒介する感染症が蔓延する地域では、Photonic Fenceによる蚊防衛網は高い効果が期待されています。

   もちろん家庭用に応用することも視野に入れられており、Photonic Fenceがあれば蚊に刺されるのを気にせず庭でガーデニングやバーベキューを楽しめるようになるはずです。

   Intellectual Ventures Laboratoryが開発するこのレーザー装置は、すでに蚊、チョウ、マルハナバチを区別することができ、さらには蚊のオス・メスさえ区別できる精度に 到達しているとのこと。Photonic Fenceはソフトウェア・センサーを変更することで蚊以外の害虫にも対応できるので、農場での活用も期待できそうです。

  要は、このシステムの強力なもので日本全体を防御するのです。それさえできれば、日本が核武装がどうだのと悩む必要 もなくなるし、核ミサイルそのものが無力化するのですから、世界も開発を諦めるのじゃないでしょうか。
  こういう技術こそ日本の得意分野だと思うので、是非、開発してもらいたいものです。

  何て、夢のようなことを考えていたら、レーザー砲が既に実用化に近づいているようです。これは、いよいよ、レーザー バリアも可能性がありそうです。

  GIGAZINE(ギガジン)    2015年07月31日

  6 秒に1発撃てるレールガンと現状の3倍出力のレーザー砲を米軍が2020年までに開発予定

   アメリカ海軍はレーザー砲やレールガンを開発しており、実戦配備が近いと見られていますが、なんと2020年には「6秒ごとに1発撃てるレールガン」と 「現行の3倍強力なレーザー砲」を完成させる計画であることが分かりました。

  Navy Pursuing Upgraded Railgun, Higher-Power Laser Gun By 2020 - USNI News

   アメリカ海軍は現在、開発を進めている次世代兵器のレールガン&レーザー砲について、2020年までに 大幅な性 能アップを実現することを明らかにしています。

  アメリカ海軍の海軍海洋システム指令部のブライアント・フラー少将は、Direct Energyサミットのパネルディスカッションで、速射能力(連射能力)に難があるとされるレールガンに関しては、1分間に10発以上を発射できるように 改良し、レーザー砲に関しては、出力30キロワットの現行モデル「LaWS」に対して3倍以上の高出力を誇る100キロ ワットモ デルを開発する計画であることを明らかにしました。

   威力を高めた高出力レーザー砲は2018年度には海上デモンストレーションを行う予定で、性能向上のために戦闘機開発で得た技術が投入される模様。さら に、近い将来は150キロワットのレーザー砲が開発される見込みであると、フラー少将は述べています。

   また、バレル内の熱処理問題のため連射ができないレールガンは、2019年にも毎分10発砲撃できる速 射モデル を海上試験する予定とのこと。なお、速射モデルのレールガンは、アメリカ海軍だけでなくアメリカ陸軍にも提供される予定で、アメ リカ陸軍のニール・サーグリッド准将は短距離弾道ミサイルの迎撃システムにレールガンを活用することを期待していると述 べていま す。

   強大な破壊力を誇る高出力タイプのレールガン以外にも、従来の5インチ砲による超高速発射にも対応する レールガ ンの開発も進行中とのことです。
 
  これは、冗談抜きで何とかなるのじゃないでしょうか。このレーザー砲で日本全体を覆うことができれば、専守防衛の日 本としては、軍隊も最小限の規模に押さえることが出来そうです。
  おまけに、左翼陣営が反対している安保法案なんて、最初から関係なくなります。自衛隊員が犠牲になる心配まで無くな ると言うものです。
  世界も、軍拡争いの予算を国民の生活向上に廻せると言うものです。

こんな時代は来ないのでしょう か!
2015 9 月 2 (水)   第 5813回  中 国失速で ドイツの退潮鮮明
  メルケルさんの中国重視が余りに酷いので、ド イツは余程中国に頼っているのだとは思ってましたが、それが、どの程度なのかが分からなかったのですが、面白い記事があ りました。

  どうやら、想像以上にのめり込んでいるようです。これは、トヨタさんチャンスですよ。今の内に撤退しておけば、中国 と一蓮托生のVWは、放って於いても大打撃を受けて、とてもじゃないがトヨタに対抗できるような力は無くなるのじゃない でしょうか。
  尤も、トヨタが比率が少ないので、巻き添えを食っても想定内で、VWの没落は織り込み済みというのなら脱帽です。

   ロイターより   2015年 08月 27日

  ア ングル:中国失速でドイツの退潮鮮明、対中輸出の強さ裏目に
 
  [ベルリン 26日 ロイター] - 中国への輸出は長年、ドイツ経済の力強さの源となってきた。ところが最近では、中国経済の急激な鈍化を受けて、対中輸出への依存度の高さが逆にドイツのリ スクとなっている。

  投資家の間では、対中輸出以外にドイツ国内に有望な成長源があるのか、懐疑的な見方も広がっている。

  有力な自動車メーカーやエンジニアリング会社を抱えるドイツの対中輸出は、欧州連合(EU)加盟国の中で首位を独走 してきた。

  それが今では、ドイツ企業の積極的な中国進出が裏目に出て、これまで利益の源だったのが、逆にコストにつながりつつ あるという。

  ジャーマン・マーシャル・ファンドのハンス・クンナニ氏は「ドイツの中国との『特別な関係』が弱まっていることは、 ますます明白になっている」と指摘。「ドイツ企業の間では、中国へのエクスポージャーを拡大し過ぎたとの認識が広がりつ つある」との見方を示した。

  ドイツの中国との経済的な結びつきは、他の欧州諸国よりもはるかに強固なものだ。自動車メーカーを中心に、ドイツ企 業はライバル諸国に先駆けて中国に進出し、より積極的な事業拡大を続けてきた。その結果、中国は今や、ドイツの輸出企業 にとって主な成長の源になった。

  ドイツ連邦統計局のデータによると、ドイツの輸出に占める中国の比率は、2007年には3.1%だったが、それが 14年には6.6%に上昇して4位につけた。なお、14年のシェア1位は9.0%のフランスで、2位は8.5%の米国、 3位は7.4%の英国となっている。

  しかし、ドイツの対中輸出は今年、鈍化傾向が鮮明だ。ドイツ商工会議所のデータによると、ドイツの対中輸出は今年上 半期は0.8%増と、債務危機に苦しむギリシャへの輸出と同じ伸びにとどまっている。

  <エンジニアリング輸出の失速鮮明>

  なかでも、ドイツの対中輸出品目で自動車に次ぐ2位のエンジニアリングは、上期の対中輸出が4.9%減と、失速が鮮 明になっている。

  ティッセンクルップ(TKAG.DE) などのドイツの産業グループにとって、中国市場の重要性は計り知れないほどだ。中国は昨年、ティッセンクルップ・エレ ベーターの売上高の16%を占めたという。

  ドイツの有力ブランドはすでに、中国失速の影響を肌で感じ始めている。自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW) (VOWG_p.DE) は先月、世界の販売台数予想を下方修正。その際、これまで2桁成長が続いていた中国市場での販売について、停滞を予想し ていると明言した。

  ドイツ政府は、中国経済鈍化のドイツへの影響は「限定的」と強調しており、1.8%としている今年の成長率予想をな お堅持している。

  <低投資がドイツ経済のアキレス腱>

  輸出はなお、ドイツ経済の成長の主なけん引役だ。第2・四半期のドイツの輸出は前期比2.2%増と、2011年第 1・四半期以来の高い伸びを記録。国内総生産(GDP)の前期比0.4%増に寄与した。

  ただ、中国を筆頭に世界経済が不透明感を増すなかで、ドイツは輸出偏重を改め、国内への投資に目を向けるべきときな のかもしれない。

  メルカトル中国研究センターの経済政策専門家、サンドラ・ヒープ氏は「ドイツは輸出への比重を下げ、投資により重き を置くべきだ」と指摘。「中国が減速するなか、これは急務になっている」と話す。

  第2・四半期の独GDPの内訳を見ると、投資の弱さが分かる。総設備投資は前期比で減少し、成長率を0.1%ポイン ト押し下げた。

  有力シンクタンク、ドイツ経済研究所(DIW)のマルセル・フラッシャー所長は「低調な投資がドイツ経済のアキレス 腱」と述べた。 *見出しを修正しました。  (Paul Carrel記者 翻訳:吉川彩 編集:吉瀬邦彦)

  それにしても、日本の産業界も何でそんなに中国を評価するのかと不思議でしたが、ドイツがそれ以上にのめり込んでい たんですね。
  やはり、欧米は頭が良さそうでも、アジアを見誤っていたと言うことでしょうか。アメリカの戦前からの中国への見誤り からの戦略間違いと同じことをやっているようです。今度こそ、欧米揃って痛い目に会えば、目が覚めるのかもしれません。

やっと、戦前の日本を理解する のかも!
2015 9 月 3 (木)   第 5814回  い よいよパレード
  いよいよ、今日がパレードですが、何か起こら ないものでしょうか。期待しているのですが、何も起こらないのでしょうね。
  尤も、終わった後は、世界陸上から続いていた統制が終わって元の汚染した大気に戻る事だけは確かなようです。

  統制しているのは空気だけかと思っていたら、株の操作も、このパレードに関係していたようです。まさか、そこまで やっているとは思ってませんでしたが、考えれば、やらない方がおかしいですね。

  ブルームバーグより    2015/08/28

  習 主席の晴れ舞台、中国株の上昇理由か-メンツ守りたいの観測

   28日の中国株は続伸し、人民元は4月以来の大幅上昇。習近平国家主席が9月3日の抗日戦勝記念軍事パ レードに臨むのを前に、中国当局が相場の下支えを図っているとの観測が広がっている。

    事情に詳しい複数の関係者によると、当局は株式相場を支えるための介入を27日に再開した。中国人民銀行(中央銀 行)は28日、人民元の中心 レートを約5カ月ぶりの大きさで引き上げた。ブリリアント・アンド・ブライト・インベストメント・コンサルタンシーは、 来月3日の軍事パレードを控えて中 国当局が「メンツを保とうとしている」との見方を示した。

    ブリリアントのアナリスト、ダニエル・チャン氏(香港在勤)は「パレードが近づく中で中国はメンツを守りたい。この 日の元の中心レート設定は相場を落ち着かせ、元下落見通しを抑制したいとの当局の考えを示している」と分析した。

   首相もこの期に及んでも、まだこんな見え透いたことを言っているようです。

  中 国首相:元続落の理由なし−合理的な均衡水準で安定可能  2015/08/31

   (ブルームバーグ):中国の李克強首相は中国人民銀行(中央銀行)が人民元を今月2.8%下落すること を容認した後で、元相場が引き続き下落する根拠はないと指摘した。

    中国国務院が29日に掲載した声明によると、同首相は人民元が「合理的で均衡した水準」で基本的に安定し続けること が可能だと述べた。首相は28日の会合で発言した。

  まだ7%の成長も大丈夫のようです。どんな計算をするのでしょうか。 

  中 国は依然、7%の成長目標に向かっている−人民銀の元委員   2015/08/29

   (ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)貨幣政策委員会の元委員である李稲葵氏は、最近の中国株 急落は「健全」な調整との見方を示 した。また、特に中国当局が対象を絞った改革と刺激策を講じれば、中国経済はなお力強く成長する潜在力を備えていると述 べた。

    現在、清華大学教授である李氏はカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムが開かれているジャクソンホール(ワイ オミング州)で28日に講演し、7%前後という中国の今年の成長率目標は「政策当局が目指す、また目指すべき目標だと私 は今でも考えている」と述べた。

    李氏は中国当局には政策金利と預金準備率を追加で引き下げる余地があると指摘。さらに上海総合指数の株価収益率 (PER)はなお高水準だとして、今月の中国株急落を懸念する理由はほとんどないとの見方を示した。同氏は 2010−12年に貨幣政策委員を務めた。

  と、中国は数字を誤魔化して必死で崩壊を隠そうとしていますが、宮崎さんがちゃんとバラシてくれています。やっぱ り、中国は宮崎さんの情報が一番信頼できますね。

  
  「宮崎正弘の国際 ニュース・早読み」  平成27年(2015)8月31日(月曜日)通算第4642号    

  中 央政府が景気減速を認めたので、地方政府が正直(?)な「数字」を発表
  遼寧省GDPは0・1%、山西省は2・7%。それでも「高い」けれども。。。


   中国政府はGDP成長を目標7%においているが、本年度の達成は不可能。
  電力消費が横ばい、鉄道貨物輸送量がマイナス10%。どうして7%成長が可能なのか? おそらく実質成長はマイナス へ転落している筈である。

  地方政府の方針転換をみて、地方政府は安心して「真相に近い」数字を発表した。
  最悪は遼寧省の0・1%成長だ。
  主因は鉄鋼と石炭の壊滅的後退である。大連はハイテク企業が揃い、電話のバックアップセンターから老人介護ビジネス は盛んだが、盛り場は青息吐息、大連森ビルの裏通り(通称日本人街)も火が消えているという。

  スマホの頭打ち、通信機器の部品不振などによるもので、中国最大の富豪「万達集団」の本社は、この大連にあるが、主 力の不動産ビジネスの比率を早くから下げ、映画、エンターティンメント世界へ進出した。
  それでも、この中国一の財閥、万達集団は8月25日の上海株式暴落で時価総額が10億ドル減じた。CEOの王健林は 36億ドルを減らしたが、それでも彼の財産は320億ドルある。
同日、世界連鎖株安で、ちなみにビル・ゲーツも32億ドルを減らしたというが、これは余談。

  遼寧省は、大連市長、遼寧省長を歴任した薄煕来の失脚から、経済の失速は始まっていた。
失脚前に薄は重慶書記に転じていたが、周囲の補佐官、ボディガードなどに遼寧省時代からの側近を引き連れ、遼寧省から 去った。

  また夫人の谷開来の法律事務所を経営していたのも大連である。
  その時の利権の黒幕が大連実徳集団を率いた徐明で、かれらの連座失脚により、薄利権、薄コネクションが壊滅。

  遼寧省はそれでなくとも、撫順炭鉱など多くの石炭ビジネスと、鉄嶺など、鉄鋼都市を抱えており、付近の地盤の弱いと ころに三十万都市を造ったりしてゴーストタウン化した。
  通化では全国に先駆けて鉄鋼メーカーが倒産し、給料不払いの社長が従業員に殴り殺される事件が起きたのは数年も前の ことだった。


  ▲不景気の山西省の省長は李鵬の息子

  ついで景気悪化のサンプルとなったのは山西省だ。
  仏教の聖地=五台山があるが、経済活動とは無縁の存在、この地も石炭が主力ビジネスだが、誘拐してきた夥しい少年を 奴隷労働させるなど、悪魔のような企業体系があり、石炭不況に落盤事故、地下水噴出など最悪の炭鉱事故が山西省では続出 し、閉鉱となった企業が続出した。

  拠点の大同は一時の繁栄が終焉し、冷戦時代には五十万の兵隊が駐屯したこともあったが、いまや廃墟、廃屋が目立ち、 企業工場は閉鎖、繁華街はシャッター通り。
十数年前、筆者は石炭黄金時代の大同へ行ったことがあるが、ホテルの宴会場は朝からドンチャン騒ぎ、卑猥なパーティ、大 通りを疾駆するのはBMW、ベンツ。
「中国で高級車の人口比は一番高い」「如何に石炭成金が多いか」と言われた場所である。

  この深刻な事態に山西省首脳が連続的に打開策を討議する会議を開催し、中央政府に窮状を訴え、国有企業各社に山西省 子会社へのテコ入れ、再投資を訴えるという挙に出た。
  山西省の書記は王儒林、省庁が李鵬の息子の李小鵬である。
  8月28日、ふたりは中央政府が派遣した「国務院資産監査委員会」のメンバーと省内の有力企業60社の幹部との会合 にも出席し、中央に窮状を訴えた。

  放って於いても、崩壊は近いのでしょうが、寿命の短い私として、一日も早い結末を見たいので、何とか、今日のパレー ドで想像を絶するようなことが起きてもらいたいものです。
  天安門広場にミサイルでも打ち込む根性のある国は無いのでしょうか。なんて、夢みたいなことを考えてますが、やは り、何も起こらないのでしょうね。 

世の中、思い通りになりません ね!
2015 9 月 4 (金)   第 5815回  日 本が目指すべき経済政策
  少し古いですが、第 5792回の「いよいよロボットの時代か」に関連した興味深い記事がありました。

  シャープを代表とするお人好し家電業界など日本の産業界が、中・韓に何の警戒心も抱かずに、技術を惜しみなく教え、 挙句の果てには、その技術を盗ま れ、世界で競争に負け、衰退へと追い込まれた教訓を、ロボット技術でも同じ轍を踏まないように心してかかれと言うことで す。

  何となく、まだやりそうな気がします。もういい加減目を覚まして欲しいものですが、根っからのお人好しなんでしょう ね。  
  ダイヤモンド・オンラインより  2015年8月11日
  キ ヤノン「完全自動化工場」で見えた日本経済の明るい未来 真壁昭夫 [信州大学教授]


  IoT関連では他国が先行
  技術流出への警戒も必要

 伝統的に細かい調整などを得意とするわが国企業にとって、ロボットなど機械による生産システムの構築も得意であるはず だ。そう した国民の資質を使った優位性は、これからも大いに役立てるべきだ。

 しかし、そうした分野の研究はわが国企業だけが行っているわけではない。あらゆるものを通信で結びつけるIoT=イン ターネッ ト・オブ・シングズ(モノのインターネット)などの分野では、わが国よりも、ドイツや米国、さらには中国などの諸国が進んだ研究 を行っていると言われている。

 今後、大規模な生産プロセスの自動化を考えると、どうしてもIoT関連の技術が必要になるかもしれない。その場合、わ が国企業 の技術が優位性を保てるか否かは定かではない。

 企業としても、これからも技術先進国と伍して研究・開発を進める覚悟が必要になる。その機能を担うべきは企業経営者 で、継続的 に新しい技術、新しい製品を生み出し続けることを頭に入れておかなければならない。

 そうした意識改革のために、社外取締役の導入が活発化している。しかし、未だ、その意図は十分に実現の域に達していな い。今 後、経営者自身も、社外の意見に虚心坦懐に耳を傾ける姿勢が求められる。

 もう一つ気になる点がある。それは、今まで企業が開発した技術や製品を、気前よく海外企業に教えすぎたことだ。どうし ても、わ が国企業は“お人よし”のところがある。

 それは、わが国の社会が伝統的に「人を見たら泥棒と思え」との意識が低いことが原因の一つになっているからかもしれな い。しか し、国際社会を見回すと、一度気前よく教えてしまうと、それがブーメラン効果となって、自分たちの首を絞めることがよくある。

 それは液晶やICチップの例を見ても明らかだ。これから、われわれ日本人は、ビジネスの国際社会でもっと“悪人”にな る必要が ある。

  企業の“縮み志向”からようやく脱却
  生産自動化で見えた変化の胎動

 90年代初頭にバブルが弾け、2000年代中盤にはリーマンショックによって世界経済が不安定化した。その間、わが国 は人口減 少や少子高齢化が進むなど経済環境は厳しさを増した。

 そうした環境下、ハイブリッド技術などの一部例外を除くと、企業はとかく“安全第一主義”の運営になっていた。その結 果、大手 企業の多くは多額の流動性を抱える状況が続いてきた。

 しかし最近、そうした“縮み志向”に少しずつ変化が見られるようになってきた。その一つに、大型M&A案件の組成があ る。ソフ トバンクの米国スプリントネクスト、サントリーのジムビーム買収など多額の案件が成立した。

 もう一つは、最近の生産手法のイノベーション=完全自動化の潮流かもしれない。元々、わが国の産業界はロボットやオ フィスオー トメーションの分野で、相対的な優位性を持っていた。

 その技術をさらに進め、精密機械などの分野で、人の手を一切使わず、完全に機械による生産技術を構築しようという潮流 が顕在化 している。実際に、工学系の専門家にヒアリングしても、「製造業だけではなく、食品、サービスなどの分野でもそうした流れが定着 しつつある」という。

 それは単純にコストを下げるだけではなく、より安定した品質を維持することにも寄与している。作業の自動化の潮流は、 少子高齢 化によって生産年齢人口が減少するわが国にとって、どうしても避けて通れない必然のプロセスと言える。

 そうした“変化の胎動”が拡大すれば、経済にイノベーションの新風を送り込むことに期待できるはずだ。

  
  海外工場が戻ってくるわけではない
  だが企業活性化で雇用機会は増える

 ロボットによる完全自動生産システムの潮流と聞くと、「これで海外に移転した工場が国内に戻って来る」とか、「雇用機 会を機械 に奪われる」と思いがちだが、それはやや短絡的だ。

 完全自動生産システムが稼働しても、経済の理屈で考えると、消費地になるべく近いところで生産を行う方が有利だ。運送 コストが 節約できるし、地産地消によって為替の変動リスクなどを負う必要がないからだ。

 自動生産システムのメリットは、どこで生産活動を行ったとしても、人手が少ないため人件費負担が少なくて済むこと、そ れに加え て均一の製品を作りだすことができる点だ。それは、企業にとって大きな武器=競争力の源泉になるはずだ。

 また、企業が競争力を回復すると、当該企業の業務活動が活発化して収益状況が改善することが期待できる。そうなると、 収益の改 善をてこに、さらに新製品の研究・開発が盛り上がり、新規事業への参入などの可能性が高まる。

 そうした動きが経済に定着すると、必然的に雇用機会は増えることになる。分かりやすい例を挙げると、アップルはハブレ ス経営で 生産設備をほとんど持っていない。しかし、同社が考え出したiPodやiPhoneのヒットによって、システムや企画分野のマン パワーが必要になり、結果的に雇用機会は増えた。

 そうした状況を考えると、生産自動化の動きは、わが国経済にとって最も好ましいイノベーションの一つと言える。問題 は、こうし た潮流が本格化して、経済の空気まで変えることができるか否かだ。

 
 伝統的に細かい調整などを得意とするわが国企業にとって、ロボットなど機械による生産システムの構築も得意であるはず だ。そう した国民の資質を使った優位性は、これからも大いに役立てるべきだ。

 しかし、そうした分野の研究はわが国企業だけが行っているわけではない。あらゆるものを通信で結びつけるIoT=イン ターネッ ト・オブ・シングズ(モノのインターネット)などの分野では、わが国よりも、ドイツや米国、さらには中国などの諸国が進んだ研究 を行っていると言われている。

 今後、大規模な生産プロセスの自動化を考えると、どうしてもIoT関連の技術が必要になるかもしれない。その場合、わ が国企業 の技術が優位性を保てるか否かは定かではない。

 企業としても、これからも技術先進国と伍して研究・開発を進める覚悟が必要になる。その機能を担うべきは企業経営者 で、継続的 に新しい技術、新しい製品を生み出し続けることを頭に入れておかなければならない。

 そうした意識改革のために、社外取締役の導入が活発化している。しかし、未だ、その意図は十分に実現の域に達していな い。今 後、経営者自身も、社外の意見に虚心坦懐に耳を傾ける姿勢が求められる。

 もう一つ気になる点がある。それは、今まで企業が開発した技術や製品を、気前よく海外企業に教えすぎたことだ。どうし ても、わ が国企業は“お人よし”のところがある。

 それは、わが国の社会が伝統的に「人を見たら泥棒と思え」との意識が低いことが原因の一つになっているからかもしれな い。しか し、国際社会を見回すと、一度気前よく教えてしまうと、それがブーメラン効果となって、自分たちの首を絞めることがよくある。

 それは液晶やICチップの例を見ても明らかだ。これから、われわれ日本人は、ビジネスの国際社会でもっと“悪人”にな る必要が ある。  

  何度も書いていますが、日本の進むべき道は、外国人や女性の労働力に頼るのじゃなく、この日本得意のロボットを有効 に使って、人口減で減った労働力を補い、一人当たりの生産性と、可処分所得の向上を目指すことです。
  そうすれば、最小限の外国人と外で本当に仕事をしたい女性と大部分の家庭で子育てや家事で世帯主を支える女性という 日本本来の雇用体系を確立できるはずです。それこそが、この日本を再生し、守る道のはずです。
  
  こちらも、日本再生に有意義な考え方です。つまりは、昔の日本人の心を取り戻せと言うことでしょう。 
    日刊SPA!より   2015年8月15日(土)
  環境を劣化させながらの経済成長は もはや持 続不可能

  景観・歴史・文化・環境・生態系などの破壊に目をつぶり、ひっそりと進行している開発計画は数多い。それは本当に必 要な事業 なのか? 地元住民はどれだけ情報を与えられているのか? 全国各地で進められている開発計画の現状に京都大学特任教授・谷口正次氏は警鐘鳴らす

  ◆「価格のつかないもの」の再認識が「持続可能な経済」への転換のカギ

  資源を搾取し続け、環境を劣化させながらの経済成長、消費拡大を前提とする発展は、もはや持続不可能になったといえ ます。

  世界はもうそのことに気づき始めていて、一部の先進的な金融機関は資源や環境に対してプラスの影響を与える企業に積 極的に投 資を始めています。そんな時代に、工事による目先の“経済効果”ばかりにとらわれ、環境を破壊し、借金は後の世代に先送り……を 続けていれば、将来必ず大きなマイナスとなって返ってくるでしょう。

  18世紀、江戸時代の石田梅岩が提唱した「心学」に象徴されるように、日本人はもともと先進的な理念・哲学を持って いまし た。目先の利益ばかりを考えず、何代も先の子孫のことを考える。自分だけが儲けようとせず、周りにお金を循環させる。こうした 「持続可能な経営」が自然に行われていたのです。その理念や哲学が、グローバル経済のもと薄れてしまいました。

  経済成長のマイナス要因といわれる「人口減少」は、日本の強みを発揮して「持続可能な経済」に転換するチャンスでも ありま す。

  そのカギは、我々の祖先が残してくれた景観・歴史・文化・環境・生態系、あるいは人の繋がりといった、これまで「価 格のつか ないもの」とされてきたものの価値を再認識することにあるのです。

【谷口正次氏】

’38年生まれ。京都大学経済学研究科特任教授。自然を消耗する経済から、自然を経営する経済への転換を説く。著書に 『自然資本 経営のすすめ』(東洋経済新報社)など 

  良いですね。こういう考え方が出てきだしたと言うことは、やはり、戦後に狂ってしまった日本人の儲け主義の考え方を もう一度見直せと言う風潮も現われてきていると言うことじゃないでしょうか。

  新しい技術と昔からの日本の心を取り戻すことこそ、日本がこれから目指すべき方向でしょう。安倍さんが、竹中平蔵な どのアメリカかぶれのブレーンを退け、こうした方向に気が付いてくれることを願いたいものです。

 それこそが、日本の目指すべ き経済政策!
2015 9 月 5 (土)   第 5816回  上 海株はま だまだ下がります
  これは、中国のパレードの前に書いているの で、何が起こったかは分かりません。もしかしたら、列席者に大きな犠牲者が出て、世界の情勢が一変しているなんてことは きっとないでしょうね。淡い期待はしているのですが、世の中、そうは台本通りには動いてくれません。

  それよりは、やはり、確実なはずの崩壊が一日でも早くなることを願った方が実現性がありそうです。

  宮崎さんが、そんな私を喜ばしてくれるような話題を書いてくれています。やはり、中国情報は、ここが一番元気づけら れます。

  「宮崎正弘の国際 ニュース・早読み」 平成27年(2015)9月2日(水曜日)通算第4644号    

  宮 崎正弘の国際ニュース・早読み(上海株はまだまだ下がります)

  中国当局、株買い支えに70兆円前後を使い果たした
   また12兆円をあらたに投入の構え、それでも下落は避けられないだろう

  中国から資本流失がとまらない。
  外貨準備高は1014年上半期に3兆9930億ドルと発表されたが、その後、保有する米国債をつぎつぎと売却し、 15年2月時点でトップの座から滑り落ち、ふたたび日本が一位に返り咲いた。

  六月から始まった上海株暴落が直接のきっかけとなって外貨が流失し始め、公式発表がないが、外貨準備が激減している と推測される。
  このため、中国は人民元売りに規制をかけて、自由化に逆行。こうなるとIMFのSDRメンバー入りは向こう数年考え にくいこととなった。

  人民元売り規制とは為替予約を抑制させ、予約する場合は20%を「危険準備金」として預託するという、信じられない 措置を講じるのだ。
  為替予約をするな、と言っているようなものである。

  他方、株式市場への当局の介入は凄まじい。
1400銘柄の取引停止、空売りの実質的禁止措置、加えて企業CEOには自社株の売却禁止。そしておよそ70兆円を投入 して、株価維持作戦、つまり売りが出たら「官」が買うという、聞いたこともない荒っぽい方法を選択して、暴落を防ぐ。

  しかし、向こう一年くらいで、株式は大幅な下落を繰り返し、ピーク5100台だった株価の半値を軽々と破り、 1600ポイントくらいまで下がり続けるだろう。実際に2009年に上海株式は71%下落したことがある。

  それを見越しているからこそ、中国より欧米、そして日本で株が下がるのである。

  日本株は、米国、マレーシアなどと比較すると相対的に対中輸出依存度が低い日本企業の投資リスク分散があって、せい ぜい4%程度の悪影響しかないはずなのに、中国関連株は20%前後もの下落をみている。

  これは東京市場を主導するのが、もはや野村證券ではなく、ウォール街だからである。かれらは日本経済の先行きなんぞ どうでもよく、目先10秒先、1分先の 勝負をかけて、先物予約を高く売り、欧米市場の反応を見て、また安く買うという、コンピュータによる巧妙な手法を用いて いるため、理論値以上の株安を、上 海ではなく、東京市場が演じている。

  成程、やっぱりあの暴落はアメリカのマネーゲームの所為なんですね。やはり、世界は、マネーゲームの禁止をしない と、何時まで経ってもまともな経済にはならないと言うことでしょう。
  何か、良い方法は無いのでしょうか。既にどの国もウォール街の金融機関に牛耳られている状態では、これを禁止させる ことは出来ないのでしょうが、諦めてしまっては、未来永劫搾取されることになるでしょう。
  
  中国がどんなに足掻いて、パレードまでに株価を安定させようとしても、もう制御は効かないのでしょう。何とか、上 がっていた株価もパレード前にはやはり、落ちて来たようです。当日はどうなるのでしょう。
  
   ブルームバーグより   2015/08/31 

   中 国株:3日ぶり反落−当局の株式市場支援や景気への懸念で
 
     31日の中国株式市場で上海総合指数は3営業日ぶりに反落。同指数は7、8月  累計の下 落率が2カ月間として2008年以来の大きさとなった。当局の相場下支え策が失敗に終わるとの懸念が強まったことが背景にある。

  上海総合指数は前週末比0.8%安の3205.99で終了。一時は3.8%安まで下げる場面もあった。8月の同指数 は月間で12%下落。7月は同14%下げていた。

  この日は中信証券(CITIC証券、600030 CH)が5%安。同社幹部がインサイダー取引の疑いで拘束されたと、国営の新華社通信が伝えた。また、事情に詳しい関係者によると、中国証券監督管理委員 会(証監会)は証券会社に市場救済のための追加拠出を求めた。

  申万宏源集団のセールストレーダー、ジェリー・アルフォンソ氏(上海在勤)は「当局関連の資金による株式購入をめ ぐって多くの不明瞭さがある。情報開示が非常に限定されているため、当局の動きを正確に知るのは不可能だ」と述べた。

  CSI300指数は前週末比0.7%高で終了。一時4.1%下落するなどマイナス圏で推移していたが、最後の5分間 で上昇に転じた。香港市場ではハンセン中国企業株(H株)指数が0.1%安。ハンセン指数は0.3%上昇で取引を終え た。

  上海昭熠資産管理の証券投資部門ゼネラルマネジャー、李静遠氏は「当局は31日、株式を買っていたようだ。当局は引 き続き、この水準で相場を安定させたいと考えている」と述べた。

  と思ったら、やはり、前日に手を打ってきたようです。本当に必死ですね。

  残念ながら、思い通りにはならなかったようです。

  ブルームバーグより   2015/09/02 

   中 国株:下落、引け際に下げ幅縮小−パレード控え当局が買いとの観測
 
     (ブルームバーグ):2日の中国株式市場で上海総合指数は下落。取引終了前に下げ幅を縮小した。抗 日戦争勝 利70年の軍事パレードを3日に控え、相場安定のために当局の買いが入ったとの観測がある。

   上海総合指数は前日比0.2%安の3160.17で終了。一時は4.7%安まで下げた。中国工商銀行(ICBC、 601398 CH)は10%高。

   CMBインターナショナル・セキュリティーズのストラテジスト、ダニエル・ソー氏(香港在勤)は「株は依然として割 高だ。下落リスクの方が上昇の可能性より大きい」と述べた。

   CSI300指数は前日比0.1%高。一時は4.4%下げたが、金融株や公益株が上昇し、プラス圏で引けた。香港市 場ではハンセン中国企業株(H株)指数が前日比1.6%下げ、2014年3月以来の安値で引けた。ハンセン指数は同1.2%安。

   3、4両日は抗日戦勝70年の休日で本土市場が休場となるため、週内は2日が最終取引日となる。

  やはり、3・4日は休みですね。株式市場まで休ませることが出来るのですね。それでも、上昇までは導けなかったよう です。やはり、限界が来ているのでしょうか。

    さて、大異変が起きているか、それとも、株価の暴落からの崩壊の早まりを期待するか。どっちでしょう。   
いずれにしても、先は無い!
2015 9 月 6 (日)   第 5817回  中 国外貨準 備高のからくり
  宮崎さんが、又しても、私を喜ばせる素晴らし い話を書いてくれました。やはり、中国は宮崎さんのものですね。お蔭で、中国の崩壊を確信できて希望が湧いてきます。
  日本の企業家達も宮崎さんのメルマガを読んで、撤退を決断すべきだと思うのですが、読んでないはずはないとは思うの ですが、やはり、一度出て行くと簡単には撤退させてくれないと言うことでしょうか。それとも、まだ、中国の成長を夢見て いるのでしょうか。
  いずれにしても、決着は早そうです。その時になって、後悔してももう遅いですね。それとも、やはり、織り込み済みな のでしょうか。そうであれば、脱帽します。

  「宮崎正弘の国際 ニュース・早読み」より 平成27年(2015)9月3日(木曜日)通算第4645号

  宮 崎正弘の国際ニュース・早読み(中国外貨準備高のからくり)

   嘘に嘘を重ねて膨らませてきた結果、何が本当なのか中国自身わからない
   「世界一の外貨準備高」、じつは空っぽなのだ
 
  小誌が屡々指摘してきたことだが、「世界一」の外貨準備高を誇る中国の化けの皮が剥がれた。
 「ある、ある」と豪語してきた世界一のドル資産が、一夜にしてバラックホールに吸い込まれたかのように消える。おこり うるシナリオである。

  なんでもあり、の中国だから、史上空前の詐欺行為が行われているとすれば、至極可能性の高いことになる。

  かねてより、CIA筋の調査で中国から流れ出した外貨が3兆800億ドルとされ、2015年6月末の中国の外貨準備 が3兆6500億ドルだから、差し引きすると、中国の外貨準備の中味は、5700億ドルでしかない。
 これは単純な引き算で、もっと複雑な要素がからむが、要するに中国は嘘に嘘を重ねて膨らませてきた結果、何が本当なの か中国自身、わからない状態、これを「新常態」と言い換えているかのようである。

  第一にもっとも重要な外貨準備指標は「経常収支」であり、この数字をみると、中国の2015年三月まで一年間の統計 は2148億ドル。ところが外貨準備 は同期間に2632億ドル減少している。膨大な外貨が流失しているから、こういう数字の齟齬がおこると考えられるだろ う。

  そこで嘘の上塗り、つまり架空の数字をつくりかえ、粉飾のうえに粉飾をおこなう。
そもそも「GDP世界第二位」というのは真っ赤な嘘である。GDPのなかで、「投資」が締める割合が48%、こういうこ とはどう考えてもあり得ない。

  シルクロード構想は財源が450億ドルである。ベネズエラに投資した額は450億ドル前後、アンゴラへの海底油田へ の投資は焦げ付いたという情報があり、リビアでは100本のプロジェクトが灰燼に帰した。以下、スリランカ、ジンバブ エ、スーダン、ブラジル等々。
  世界中で中国が展開した世紀のプロジェクトの惨状である。

  豪、カナダ、ニュージーランドなどには鉄鉱石鉱区を買収し、開発していたが、鉄鋼不況に遭遇し、開発を中断した。こ おあおりで豪ドル、カナダドル、NZドルが下落した。

  にもかかわらず、たとえば中国の2013年末の海外直接投資残高は6605億ドルだったが、15年3月には9858 億ドルと急激な増加が見られる。
 2015年3月末の対外債務残高は直接投資が2兆7515億ドル、証券が9676億ドル。合計3兆7191億ドル。

  さて冒頭に述べたように中国の外貨準備が3兆6500億ドルとすれば、差し引きは、マイナス691億ドルである。マ イナスである。

  この実態がごまかせたのは中国へ外国からの直接投資と証券投資だった。
  それが、上海株式暴落と、人民元切り下げ、不動産バブル壊滅を目撃して、一斉に海外へ引き揚げを始めたわけだ。

  「外貨準備高」というのは貿易ならびに貿易外収支を合算しての対外経常収支の黒字の累積である。
だから日本の外貨準備は2015年七月末で1兆2700億ドル、この殆どが米国債で保有しているため、金利収入で着実に 増え続ける。

  ところが中国の「外貨準備」と称するものの統計は外貨資産と海外からの借り入れを「短期外貨資産」に参入しているフ シが濃厚なのである。お得意の誤魔化し、要するに借入金を「収入」蘭に記載しているのである。

  日本の対外純資産に対しての外貨準備高比率は16%だが、中国のそれは59%(数字はいずれも武者陵司氏(JBプレ ス、9月2日)。つまり史上空前のネズミ講のからくりが、数字から推測できる。
  どう考えても次は人民元の大暴落だろう。

   GDP世界二位が真っ赤な嘘と言うのは、本当に嬉しいですね。となると、あの軍事増大もかなり無理しているので しょう。完全な張り子のトラですね。
  そのただでさえ少ない嘘のGDPから、幹部連中が着服して海外に持ち出すのですから、国民が幸せになれるはずはない ですね。
  為政者がどうして、そんなことが出来るのか、日本人にとっては、本当に不思議ですが、やはり、それは、日本人が凄す ぎるのでしょうね。
  戦後堕落したとは言いながら、まだまだ、世界に比べたら本当に素晴らしい国としか言いようがないですね。こんな素晴 らしい国を貶めようとする反日左翼の人達は本当にかわいそうな人達です。

  幾らなんでも、もう目を覚ました方が良いと思いますが、やはり、一度洗脳されると余程のことがないと難しいのでしょ うね。

お気の毒なことです!
2015 9 月 7 (月)   第 5818回  残 念、何も起こらなかった
  期待していたパレードも、やはり、何も起こら なかったようです。しかし、裏では長老との戦いがあったようです。
  ネットでは、誰が出ないかとの推測が沢山ありましたが、どうやら、その思惑は全て外れて、全員出席となったようで す。これが何を意味するのでしょうか。

  産経ニュースより   2015.9.3

  【抗日70年行事】 習 政権と対立の長老そろって式典参加 江沢民、胡錦濤両氏ら健在誇示 習氏と長老の“戦い”激化も

     「抗 日戦争と世界反ファシズム戦争勝利70周年」の記念行事に出席した(左から)韓国の朴槿恵大統領、ロシアのプーチン 大統領、習近平国家主席、江沢民元国家主席、胡錦濤前国家主席=3日、北京の天安門(共同)

  【北京=矢板明夫】3日に中国北京で行われた抗日戦勝70年を記念する行事で、習近平国家主席とともに、江沢民元主 席、胡錦濤前主席ら党長老たちも参列 し、健在ぶりをアピールした。ここ数年の習近平氏による強引な政権運営の手法に対し、党長老たちが不満を募らせており、 党内の対立は激化したといわれてい る。この日、天安門楼上で習氏は江氏、胡氏と言葉を交わしたが、三人とも神妙な表情で、「呉越同舟」の感は否めない。

  中国で10年ごとに行われる建国記念日を祝う軍事パレードに、党長老を招待する慣習はあったが、今回は抗日戦争を テーマに行われた初の式典。約30人もの外国首脳招待の前例もなかったため、長老が登場するかどうかは国内外から注目さ れていた。

  習主席は自身への権力集中をアピールしたいところだけに、共産党関係者は「自分の晴れ舞台に長老たちに出てきてほし くないのは本音だが、止めるほどの力はまだ習氏にないということだろう」と説明した。

  式典の約2週間前の8月中旬、米国を拠点とする中国語ニュースサイトには、「江沢民氏が天津市の爆発に関与したとし て拘束された」との情報が流れた。北京の当局関係者はすぐに否定したが、習派が江氏の影響力を低下させようとして流した 偽情報の可能性が指摘された。

  この日の軍事パレードで、江氏は強い日差しの中を約2時間立ち続ける壮健ぶり。親族の不正蓄財で調査を受けていると 香港メディアに伝えられた曽慶紅元国家副主席や、李鵬元首相、温家宝前首相らも楼上から笑顔で手を振った。 

  党長老たちは、習近平氏が最近、メディアを総動員して自身への個人崇拝を進めていることや、反腐敗の名目で政 敵を次々と倒していくやり方に不満を募らせている。今夏に開かれた、共産党内の現、元最高幹部による北戴河会議で も、習氏らに長老の批判が集まったとされる。

  共産党関係者は「習氏と長老たちの戦いはまだ勝負ついておらず、これからは激しくなっていくであろう」と話し ている。

  長老達はまだまだ粛清されていなかったということのようです。習近平の力もまだそこまでは及んでないということで しょうか。
  私の頭では、どう捉えれば良いのか理解できません。と言うことで、宮崎さんがどう捉えているのか興味深いものがあり ました。
  早速、取り上げてくれていました。 

  「宮崎正弘の国際 ニュース・早読み」 平成27年(2015)9月4日(金曜日)通算第4647号  

  宮 崎正弘の国際ニュース・早読み(北京軍事パレードは成功したと言えるか?)

  習近平の北京軍事パレードは「成功」したのか?
  AIIB参加57ヶ国のうち、30ヶ国しか参加しなかった

  九月三日、世界が注目した中国の「抗日戦争勝利70周年軍事パレードに」は晴天、猛暑のもと、大量の兵器陳列パレー ドと兵隊の示威行進などで盛り上が り、プーチン(露西亜)大統領、蕃基文(国連事務総長)、朴権惠(韓国)大統領らが参加した。ほかに南アとモンゴル、カ ザフスタン大統領がめだつ程度だっ た。

  予測された国賓より、もっとも注目されたのは江沢民がよたよたと現れ、習近平の隣に並んだことだった。これには驚い た人が多い。
  対立しているとされた胡錦涛も雛壇に登場し、病気欠席が予測された李鵬もでてきた。この長老たちの勢揃いこそ、中国 共産党が一番みせたかった演出ではないのか。
  すなわち血みどろの権力闘争は、いったん休戦状態にある、という宣伝効果が得られるからだ。

  習近平は演説で「中国は覇を唱えず、軍を30万人削減し、永遠に拡張もしない」などと大嘘を平然と嘯いた。
  もし覇権をとなえないのなら、南シナ海の軍事拠点構築をどう説明するのか、軍を削減しても武装警察が増えるだけの目 くらまし戦術にも一切の言及が無く、しかも9月3日の軍事パレードは今後毎年続けると言いはなった。

  「強い中国」の演出は習政権がスローガンとする「中国夢」の実現であり、軍事パレードをともかく挙行できたことは、 習近平が軍を掌握したということを内外に示したかったわけで、しかし実態はと言えば反対の様相が強い。
  軍を掌握したと誇張できる背景は稀薄である。


  第一に西側が総スカンを示した。日本ばかりか欧米英にくわえてスリランカ、ケニアなどが欠席し、またAIIBに参加 を表明した57ケ国のうち、30ヶ国の代表しか出席しなかったことが挙げられる。外交的には失敗といえるかも知れない。

  第二に「抗日戦争勝利」というスローガンのインチキが世界に知れ渡ったことだ。抗日戦争を戦った主体は国民党であ り、中国共産党には、「勝利」をいう合 法性がないと米国のニューヨークタイムズまでもが厳しく批判し、台湾でも一部政治家や老兵の参加に激しい非難の声が巻き 起こった。
 したがって習近平の演説では、この部分を曖昧にぼかして表現した。

  第三に初公開の兵器が85%、その全てが国産と自慢する中国の武器システムだが、米国東海岸へ届くという DF31,DF5のパレードが行われても、おそら く展示用の囮ミサイルか、サンプル(中味は空砲)であり、「張り子の虎」ぶりはかわらない。北京五輪のときの口パク少女 を思い出せばよい。

  第四に習近平の「強い中国」の自己演出は、かえって周辺諸国に驚異をあたえ、これからの中国の進出プロジェクトへの 不信感はますます増大すると予想されることだ。
上海株式暴落、人民元切り下げ、天津大爆発など一連の不祥事が折り重なって中国のイメージ悪化が避けられないという皮肉 な結果となった。

  蛇足ながら日本から駆けつけた村山元首相は猛暑にダウンして北京の病院に緊急入院、式典に参加できなかったそうな。

  成程、休戦を見せたかったのですか。これは、考えなかったですね。と言うことは、習近平にとっては痛し痒しと言うと ころです。何んだかんだと言っても、本当は、全員粛清したかったのが本音じゃないでしょうか。

  もう一つ驚いたのは、スローガンのインチキが世界に知れ渡ったという解釈です。世界はそこまで解っているのでしょう か。本当にそうであれば日本にとっては有難いことですが、そのまま受け取っている情弱の国もありそうな気がします。
  と言うか、一番怪しいのが、日本の自虐史観に洗脳された左翼達じゃないでしょうか。この人達は何があっても、日本を 悪者にしておきたいので、目覚めることはなさそうな気がします。

  いずれにしても、何も起こらなかったので、仕方なく、これまで通り辛抱強く崩壊してくれるのを待つしかなさそうで す。

ちょっと残念!
2015 9 月 8 (火)   第 5819回  ファ シズムブルーだ
  あのパレードの抜けるような青空がたった一日 で元の大気汚染状態に戻ったそうです。規制を何時まで続けるのかなと思っていたのですが、まさか明くる日に解除とは思い ませんでした。もう笑うしかないですね。

  しかし、あの青空が戻るのに、規制はどのくらいつづけたのでしょうか。まさか、一日であの青空になるのでしょうか。 それは無いと思うのですが、これは、世界にそのやり方を発表すべきじゃないでしょうか。これは、汚染対策の絶好の参考に なりそうです。
  あれが、そんなに短期間で可能ならば、中国が崩壊すれば、他の汚染は無理としても、青空だけは直に取り戻せそうです ね。これは、どうあっても、中国を崩壊に持ち込むことが世界がやるべき一番重要なことじゃないでしょうか。

  これで、土地や川・海などの汚染はともかく、偏西風による日本のこのところのすっきりとしない青空は取り戻せそうで す。
  日本の企業は、その点からも、早急に撤退すべきでしょう。それが、日本国民、ひいては世界への早急に取り組むべきこ とでしょう。これぞ、世界に対する貢献と言うものです。

   産経ニュースより   2015.9.4

  【抗日70年行事】 北 京、再び大気汚染状態「全体主義がつくり出したファシズムブルーだ」

  微 小粒子状物質「PM2・5」を含む大気汚染に見舞われた北京市内=4日(共同)

  3日に「抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利70周年記念」の軍事パレードが行われた北京市は翌4日午前、再び普段 の大気汚染状態に戻り、中国政府が威信をかけて確保した青空「閲兵ブルー」は早くも終わった。

  在中国米大使館のウェブサイトによると、市内の微小粒子状物質「PM2・5」を含む汚染指数は「不健康」レベルを示 す155を記録した。

  中国政府は「抗日戦勝」を青空で祝おうと、北京市を含めた2市5省で、車のナンバー規制や工場生産の停止などさまざ まな強制措置を実施し、普段は見られないようなきれいな青空が連日のように続いていた。

  一方で、北京市中心部では「治安対策」を理由に損失補償金なども支給されないまま多くの店舗が営業停止を命じられ、 多数の武装警察が街に配備され市民 の日常生活に目を光らせた。一部の市民からは「中国共産党独裁体制という全体主義がつくり出したファシズムブルーだ」 (20代女性)とやゆする声も聞かれ た。(共同)

  宮崎さんが今度のパレードを語ってくれている動画がアップされていました。


  やはり、どうあっても、中国を一日も早く崩壊させる必要があります。世界の迷惑です。当然、韓国も一緒です。この 際、ロシアも一緒でも良いですね。
2015 9 月 9 (水)   第 5820回  こ の国に “経済学の処方箋”は通用しない
  今週も又、株が上がった下がったの騒ぎは続く のでしょうが、いい加減マネーゲームなんてやめて欲しいものですが、やはり、金の魅力は捨てられないのでしょう。
  このマネーゲームを禁止しない限り、世界は何時まで経っても平和になることはないでしょう。金に縁が無いので、最低 限の生活が出来れば、それ以上金があったって余計な無駄使いをするだけだと思うのは単なる負け惜しみかもしれません。

  とは言いながらも、人間が欲を捨てるのは難しいのでしょうね。それでも、限度はあるのじゃないでしょうか。その限度 をわきまえていたのが、江戸時代までの日本人だったような気がします。
  今更、あの時代に帰れと言っても、これだけ、便利な生活を知ってしまった今、それは、やはり、かなり無理があるで しょうが、あの精神だけは取り戻したいものです。
  尤も、これが出来たのは日本だけですから、これが、世界に広まるなんてことは到底不可能でしょうね。と言うか、今の 日本人がその精神を取り戻すことさえ不可能かもしれません。

  と言うことで、その日本に比べて、比較できない程金が全ての中国に国を何とかしようなんて気持ちはさらさらないよう です。やはり、もう崩壊して、せめて、世界に迷惑を掛けない国に分裂してもらいたいものです。

  産経新聞の田村さんが相変わらず中国の経済について、その望みの無さを指摘してくれています。

   ZAKZAKより    2015.09.04

   【お金は知っている】 こ とごとく裏目に出る中国のテコ入れ この国に“経済学の処方箋”は通用しない

   米 中の中央銀行資金供給と中国の外貨準備(2008年9月比)【拡大】

  上海株は下落基調が収まらない。以前から指摘しているように、党主導で図体だけを膨張させた異形の市場経済を党が制 御できなく なったのだ。

  ところが、日本のメディアでは、中国を西側の市場経済国家同然に見立て、やれ金利を下げれば景気が上向くとか、元安 で輸出が増 えるなどという楽観論がまかり通る。中国では経済学の教科書に書かれているような処方箋は通用しないのだ。

  金融政策を例にとろう。利下げは一般的に「金融緩和策」と呼ばれる。ところが、中国は金利を下げると量的側面で金融 引き締めが 進む。

  グラフは中国人民銀行が発行する資金量(マネタリーベース)をドルに換算し、米連邦準備制度理事会(FRB)のそれ と対比させ ている。2008年9月のリーマン・ショック後、どれだけ増えてきたかを、中国の外貨準備と合わせて追っている。

  FRBは3度にわたる量的緩和策でドル資金発行量をリーマン前に比べて4倍増やしたが、人民銀行はドル増加量にぴっ たり合わせ て元資金を増量してきたことが読み取れる。

  人民銀行はやみくもに元資金を発行するわけではない。流入する外貨を買い上げては元を市場に流し込む。元発行残高の 約8割はド ルを中心とする外貨の裏付けがある。2000年代初めはその比率が40%弱だったのだが、リーマン後に急上昇した。言い換える と、中国はドルの大増刷のおかげで元を米国並みの規模で刷り、不動産開発部門などに流し込んで投資主導型の高度成長を実 現した。

  ところが、12年から13年にかけて中国の不動産市場はバブル崩壊して不振に陥り、14年初めからは国内資金や流入 していた 外貨が流出し始めた。貿易黒字は続いていても、外貨準備は増えなくなった。そうなると、人民銀行は元資金を増発しにくくなる。

  そこで、習近平政権は党、政府総ぐるみで株価押し上げ政策を打ち出し、株式市場に国内や海外の資金を引きつけようと した。14 年10月に米国が量的緩和政策を打ち切ると、中国を含む新興国市場から資金が米国に逆流する傾向が強まるので、習政権は上海株価 引き上げにますます躍起となったが、6月中旬、暴落が始まった。

  株価下落とともに、資金流出に加速がかかる。景気悪化も止まらない。そこで人民銀行はそれまでの利下げに加えて8月 11日に元 を切り下げ、輸出のてこ入れを図ったが、米国は9月にも利上げする動きを見せたので、元資金の流出がますます激しくなった。

  人民銀行は外貨準備を取り崩して元を買い上げるしかない。その結果、元の資金量は急減するという具合である。8月 25日には追 加利下げに踏み切ったが、資金流出を助長し、株安も止まらない。金融の量的縮小圧力がますます高まる。中国の通貨・金融政策はこ とごとく裏目に出るのだ。党が株式や外国為替など金融市場を支配する体制のもとでは、中国経済は悪循環から抜け出られな いだろ う。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

  こんな崩壊しかない中国に未だにしがみついている世界の企業も欲まみれですから、やはり、最後まで行くしかないので しょうね。せめて、進出企業が一斉に撤退して、引導を渡すくらいの決断をしてもらえれば、早く決着が着くのですが、無理 でしょうね。

  一日も早い崩壊をお待ちし ています!
2015 lang="en-US">年 9 月 10 (木)   第 5821回   日 本は中国 批判で孤立−G20
  このところ中国株の情報で早くて正確そうなの で、積極的に取り上げた来たブルームバーグでしたが、ここに来て、風向きが変わったようです。中国から恫喝でもされたの でしょうか。朝日新聞と同じような情けない状態のようです。

  何と、G20で日本が孤立なんてとんでもない記事を書きました。

   ブルームバーグより    2015/09/06

  日 本は中国批判で孤立−G20、人民銀総裁の説明歓迎
 
   (ブルームバーグ):麻生太郎財務相は中国の金融市場の安定化策を批判し、20カ国・地域(G20)で 日本が孤立した格好となった。

   アンカラで4、5両日開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議で、大半の当局者は中国が経済の移行に伴 う混乱を最小化する計画の説明を歓迎したが、麻生財務相は説明が十分ではないと語った。

   同会議に出席した2人の当局者が匿名で語ったところによると、中国の計画に不満を表明したのは麻生財務 相だけだった。

   サウジアラビア通貨庁(SAMA、中央銀行に相当)のファハド・ムバラク総裁はアンカラでのブルーム バーグテレビジョンとのインタビューで、中国の問題が誇張されていると指摘。「われわれは中国が改革の道を歩んでいると 確信している」と語った。

   中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は会議で、中国当局が金融システムの安定化のために行動を取って いると述べるとともに、長期的に人民元が一段と下落する理由はないと指摘した。

   中国人民銀の朱隽氏は5日のインタビューで、「会議の雰囲気は非常に良好だった」と指摘。「参加者の大 半が非常に率直で建設的な議論をわれわれと交わしたと思う」と述べた。

  ブルームバーグだけかと思ったら、ロイターまで同じようなことを書いています。どうも、怪しい。

   ロイターより    2015年 09月 6日

  G20、 中国経済への懸念は不要との見解で一致=独財務相
 
  9月5日、ドイツのショイブレ財務相は、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見 で、中国の経済成長鈍化について神 経質になる必要はないとの見解でG20が一致したことを明らかにした。写真は7月撮影(2015年 ロイター/Axel Schmidt )

  [アンカラ 5日 ロイター] - ドイツのショイブレ財務相は5日、当地で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、中国の経済成長鈍化について神経質に なる必要はないとの見解でG20が一致したことを明らかにした。

  財務相は「中国は野心的な改革を決定し、さらなる改革を恒久的に追求していく方針を明確に示した」とも述べ、中国が 金融市場改革の続行を約束したことも明らかにした。

  さらに、世界的に流動性の不足は見られず、資産価格バブルの可能性を高めているとも指摘した。


   ブルームバーグより    2015/09/07

  中 国:国内金融市場の混乱は収束に向かう−株急落は終わり間近

     (ブルームバーグ):中国当局者は同国の株式・為替相場が安定に向かうとの見通しを示し、経済の基 調的な底堅さへの自信を表明した。

   中国経済の減速懸念などを背景に8月の世界の株価はこの3年余りで最大の下落となった。こうした中、先週末4、5両日にトルコのアンカラで開かれた20カ 国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では中国政府の景気てこ入れ策が焦点となった。中国人民銀行(中央銀行)の 周小川総裁は人民銀のウェブサイト に5日掲載された声明で、中国株の大幅下落が終わりに近づいており、政府の介入が市場のフリーフォールやシステミックリ スクを防いだとの見解を示した。

   人民銀国際司の朱隽・司長は5日、「われわれは終わりがかなり近いとみている」とし、「市場のレバレッ ジは大幅に縮小し、システミックリスクは存在 しないとわれわれは考える」と説明。また先月の人民元切り下げは他の輸出国との競争で優位に立つのが目的ではなかったと 述べた。

   G20財務相・中央銀行総裁会議は通貨の競争的な切り下げを回避するとの共同声明を採択して閉幕。また米財務省声明によれば、ルー財務長官は中国が継続的 な為替レートの不均衡を回避すべきだと発言した。

  これは、もしかしたら、日本以外は中国の崩壊による打撃が大きすぎるので、何とか、沈静させようと、こんな出鱈目な 情報を流しているのかもしれません。

  それとも、世界は、まだ、中国の本質を見破ることが出来ずに、成長を期待しているのでしょうか。そうであれば、遠慮 なく中国にのめり込んで、大きな傷を負ってもらいましょう。

  日本は、その間に、逸早く中国から撤退して、出来るだけ傷を小さく抑えるべきです。尤も、産業界がまだ未練があるの じゃどうにもなりません。

 
世界は、想像以上に頭が悪いのか!
2015 9 月 11 (金)   第 5822回  「中 国よ、 さようなら」と李嘉誠
  中国の株の動きは相変わらず、国の介入で、何 とかとどまっているようですが、所詮、結果は見えているのじゃないでしょうか。国として、操作の為に、金を使えば使うほ ど、自分の首を絞めていると言うことでしょう。

  その崩壊を一番知っている、中国の有数の富豪が、既に、その対策を終えつつあるようです。

  宮崎さんが、それについて書いてくれています。以前から、これには触れていましたが、いよいよ、本格的なものになっ てきたようです。
  
  「宮崎正弘の国際 ニュース・早読み」より   平成27年(2015)9月9日(水曜日) 通算第4651号 

  宮 崎正弘の国際ニュース・早読み(「中国よ、さようなら」と李嘉誠)

  「中国と香港よ、さようなら」を不言実行の李嘉誠(華僑最大財閥)
   傘下企業をさらに合併させ、香港の株式市場からも訣別

  前から噂されていたが香港最大財閥の李嘉誠は、本格的に香港から去る。
  2011年以来、李嘉誠は中国大陸に保有していためぼしい不動産をほぼ売却した。
  上海の金融街に開発していた40階建てのビルも処分し、およそ二兆円の財産を処分した(多維新聞網、2015年9月 7日)。

  翌2012年以後は、拠点の香港でさえ、土地購入を止めた。
  そして傘下の二大企業だった「長江実業」と「ハッチソンワンポア(和記)」を合併し、「長江和記実業」(CKハチソ ン・ホールディング)として、本社登記をカリブ海のタックスヘブンへ移した。

  他方、カナダ、豪などでは資源、エネルギー、インフラ建設などの企業を次々と買収し、香港でも電力、ガス事業を統合 し、また本業でもある不動産部門も海外展開を拡大してきた。

  そして以前から倫敦の高級住宅地開発などに投資をしてきたが、華僑世界より西側世界への投資比率が急増し、ウォール ストリードジャーナルなどによれば、過去18ヶ月で2兆4000億円を投じて西側での事業展開に比重を移していたことが 分かった。

  つまり、公言はしていないが「中国よ、さようなら」「香港もいずれ、さようなら」を地でいっていることになる。

  凄いですね、香港まで見放しているのですから、中国など既に眼中にないのでしょう。さて、これ程の財閥が見離した中 国に未だにしがみついている、世界 の企業はどうするのでしょう。と言うか、日本の企業はそれでも撤退しないのでしょうか。それとも、やはり、もう、撤退で きないのでしょうか。
  それでも、最後まで、しがみついて一緒に崩壊するよりは、下手な回収など考えずに諦めるべきじゃないのでしょうか。 結局は、その方が傷は浅くて済むは ずです。尤も、撤退は倒産ということであればもうその時点で終わっていると言うことですから、一縷の望みを持って、しが みつくしかないのかも。お気の毒な ことです。

  いよいよ、輸出にも影響が出てきているようです。 

   ブルームバーグより    2015/09/08
    
  中 国の8月輸出は6.1%減、米国以外の需要不振で成長への圧力強まる

     (ブルームバーグ):中国の輸出が8月に減少し、同国の成長への圧力が強まった。

   税関総署の8日の発表によると、8月の輸出は人民元建てベースで前年同月比6.1%減。7月は8.9% 減少だった。輸入は同14.3%減少し、7月の8.6%減より大幅な落ち込みとなった。貿易収支は3680億元(約6兆 9000億円)の黒字。

   今回の貿易統計では、米国以外の世界的な需要不振が浮き彫りになった。中国当局は景気刺激策として、中 国人民銀行(中央銀行)が昨年11月以降で5回目となる利下げを8月に決定し、予想外の人民元の実質切り下げも実施し た。

   ゴールドマン・サックス・グループの宋宇氏らアナリストは統計発表前のリポートで、「外需が弱まった可 能性が高い」と指摘。天津の爆発事故でさらに悪影響が高まったとしながら、この影響は一時的なものにとどまるとの見通し を示した。

  それでも、まだ、こんなことを言っているところを見ると、何か企んでいるのでしょうか。マネーゲームがお仕事の人達 の言うことなんか聞いても仕方ないでしょうに、

 それにしても、まだかな!
2015 9 月 12 (土)   第 5823回  貨 幣経済、コメ経済
  マネーゲームによる富の極端な偏在こそが世界 を不幸にしている元凶である、これを世界が止めない限り、世界平和も単なる理想でしかないのは明らかでしょう。

  しかし、ここまで欲にまみれてしまった人類がそんなことができるのかと考えれば、どう考えても不可能でしょう。しか し、そのヒントのようなものはあるのじゃないかと思ってます。

  そんな時に、知ったのが、第 5729回の「地域通貨の現在」などで取り上げて来た地域通貨でした。ところが、やはり、中々、根付かない ようで、どこも苦戦しているようです。

  私が、地域通貨の考えて一番素晴らしいと思っているのが、エンデが説いている、利子が付かないどころかマイナスの利 子で持っているだけではお金の価値がどんどん下がるので、貯めずに使うことが必要ということです。
  これなら、お金は貯めれば損するということになります。そうなると、誰でも、むやみに貯めずに少しでも有効に早く使 おうとするでしょう。つまりは、お金が循環するのです。これなら、富の極端な偏在は無くなるでしょう。
  ところが、やはり、この考えは、今、莫大な財産を持っている人達が受け入れる訳はありません。と言うことで、行き 詰ってしまうのです。

  ところが、何と、我が日本で、それに近いシステムが出来上がっていたようです。これは、驚きました。

  何時もの、ねずさんが教えてくれました。これは、本当に目から鱗です。何時ものように、長いので、是非、リンク元で 読んでください。

   日本って、本当に凄い国だったことに感動します。もう一度取り戻せないものでしょうか。

  小名木善行 ねずさんの ひとりごとより  2015年09月08日

  貨 幣経済、コメ経済

  …略

  ところがこうなると不思議なことがあります。
お金、つまり通貨が現にあったにも関わらず、どうして日本では年貢、つまり税の支払いが米であり、あるいはまた江戸時代 の武士の給料も「俸禄」と呼ばれるくらいで米で支払われていたのか、ということです。…中略

  飛鳥、奈良、平安の昔も同じです。
鎌倉時代も、室町時代も同じです。
我が国では、ずっと一貫して、税はお米で支払われ、官庁の給料もすべてお米での支払いです。
剣術道場に納める月謝も、寺子屋の月謝も、支払いは多くの場合、米でした。
すべてが全部、貨幣で支払われるようになるのは、明治以降のことです。
どうしてでしょうか。

  理由があるのです。
通貨は「貯め込める」けれど、米は「貯め込めない」からです。
富を社会資本と考えたとき、通貨なら一握りの大金持ちが独占して貯めこむことができますが、米は貯めこんだら腐ってしま うのです。
だから、どんどん世の中に還元していかなければなりません。
しかも、お米は食べればなくなってしまいますから、次々に生産していかなければならないのです。
そしてお米が経済の中心である場合、お米は人々が生産しなければならないものだけに、働くことや、つくること、共同する ことを大切にする社会が自然と熟成されていくのです。

  もちろんコメ経済には弊害もあります。
お米は財布にはいらないし、支払いもたいへんです。
支払いのためには、一時的に保管しなければなりませんが、古くなれば痛んでしまうし、虫害も起きます。

  これに対し、貨幣は便利です。
なんたってお財布に入ります。
いまどきは電子化までされていて、ネット上で、決済することもできます。

  ところが、貨幣を経済の中心にすると、実は思わぬ弊害が生まれるのです。
何かというと、通貨は「貯めこむことができる」ということです。
ひとりが何十両、何百両と貯めこむことができる。
信じられないことに、いまでは、ひとりで兆単位の年収がある人までいるくらいです。

  つまり、貨幣経済のもとでは、誰かが何兆円も貯めこむことができてしまうのです。
これは電子マネー経済になると実はもっと顕著になります。
そしてこのことは、富の偏在を生みます。
富が偏在すれば、一部の大金持ちは贅沢三昧の暮らしをし、大多数を占める民衆は、残りの富をめぐって貨幣を奪い合うこと になります。
  もっと貨幣を得ようとすることが社会活動の中心となるわけです。
そしてこれは人々の欲望となり、その欲望と欲望が(富を得るために)常時衝突し、世の中が喧騒状態となります。
そしてその富を最も多く独占する者、つまりもっとも強欲で欲の深い者による富の独占が始まり、そうなるとますます富の偏 在が進んでいきます。
  中共でも、米国でも、南米でも、中東でも、いわゆるお金持ちは権力者であり、そこに多くの人がぶら下がり、誰もが富 を得るために、騙し合い、奪い合い、叩き合う、そんな社会が育成されていきます。

  人が一生を生きるには、1.5億円程度の費用がかかるといわれていますが、ひとりの人が数兆円の資産を持ったりもす るわけです。
そして、何回人生を生きるのだ?と思うほど巨額のお金を持っていると、今度は、自分のお金を奪われるのではないかと神経 過敏になり、カネを得るために人を殺し、カネを守るためにまた人を殺すようになります。
まさ守銭奴になるわけです。
言いかえれば、貨幣経済下における最高の人生の過ごし方は、守銭奴になること、お金の奴隷になること、になるわけです。

  「金は天下のまわりもの」という言葉がありますが、実はこれは江戸時代の言葉です。
貨幣経済下では、カネは天下をまわりません。
どこかで吸い上げられ、奪い合って、誰かが独占していきます。
独占する者は、それを放出しませんから、人々の価値観が貨幣経済中心になると、カネは天下をまわらず、誰かの金庫に入っ て鍵をかけて保管され、そこに屈強なボディーガードが付くようになるわけです。

  実は、古代の日本人には、そのことの良し悪しがはっきりと認識されていました。
だからこそ、コメ本位制が敷かれていました。
通貨は便利だから、日常用には使うけれど、経済の柱はあくまで「コメ」という体制を崩さなかったのです。

  お米は重たいから、通貨とくらべたら、不便なものです。
それでもお米を経済、財政の中心に置いたのは、そこに意図があるからです。
銭は貯め込めるけれど、お米は貯め込めないからです。
お米は、貯めこんだら腐ります。
つまり、天下に流通させなければなりません。

  天下人であろうが、そこいらのおっさんだろうが、一日に食べれる量は決まっています。
そして経済の中心が貨幣ではなく、お米なら、お米は貯めこんだら腐ってしまいますから、もしたくさんのお米を入手できた なら、それを世のため人のために還元していかなければなりません。
そういうことが普通に起きるのが、お米経済です。
つまり富が偏在しないのです。

  ところが貨幣経済だと違います。
ひとりで何兆円も貯めこむ奴が出たかと思えば、明日の食い扶持さえない貧しい人がたくさんできてしまいます。
世界一の大金持ちというのは、実は世界一自分のカネが出て行くことにアレルギーを持った人達でもあります。

  時代は進化しているといいますが、そういう点では、いまの日本よりも、昔の日本人の方がはるかに頭も良くて優れてい たといえそうです。

  何とも、日本の凄さを思い知らされます。この日本の凄さを世界に解らせるのは大変でしょうし、ましてや、欲にまみれ てしまった今の日本人にだって難しそうです。
  とは言いながら、我が先人が、富の極端な偏在を防ぐ方法を確立していたことに感動するとともに、日本と言う国が本当 に凄い国だったことに涙が出そうです。
  この考えを、何とか、もう一度取り戻したいものです。

日本人なら出来るかも!
2015 9 月 13 (日)   第 5824回  中 国外貨準 備高が急減している
  宮崎さんの中国情報がどんどん出てきます。誰 も、中国の崩壊を予測していないころからずっと書き続けてくれているだけに、その情報量と納得させられる記事に、やは り、中国に関する記事が宮崎さんのものだと思わざるを得ません。ありがたいことです。

  中国からの資本の流出は止まることを知らないようです。中国人の資本だけでなく、世界の金融資本もどんどん減ってい るようです。流石、マネーゲーム会社は抜け目ないですね。それに比べて、未だに、しがみつく企業は情けないとしか言いよ うがないですね。

  「宮崎正弘の国際 ニュース・早読み」 平成27年(2015)9月9日(水曜日) 通算第4652号 

  宮 崎正弘の国際ニュース・早読み(中国外貨準備高が急減している)

  いつまでもあると思うな、親とカネ
  3兆3000億ドルとされる中国の外貨準備は、本当にあるのか?

  中国の外貨準備高に「からくり」があることは屡々指摘してきたが、直近の統計数字から判断する限り、それは限りなく 空っぽに近いようだ。

  8日発表の中国輸出入統計8月速報では、輸出が5・5%の急減、とくに天津港からの輸出は17・3%も減っていた。 輸入もじつに13・8%の急減、10ヶ月連続で前月比を割り込んでいた。
上海株がかろうじて3000台を維持できているのは、依然として「売るな」という当局の指令。それでも売りが絶えないた め、すでに70兆円以上の資金を投入している。

  中国からの資本流失が急増している。
  15年上半期だけで5000億ドルが海外へ流れた(シティグループの調査)という。
  アフリカの農地買収、スリランカとパキスタンの港湾整備事業、ニュージーランドとカナダのエネルギー企業買収などが 最近目立つ投資だが、加えてAIIB、BRICS銀行ならびに「シルクロード構想」への資金拠出が予定されている。

  このため保有する米国債や海外資産を取り崩し、さらに当局が目の敵とし始めたのが、海外旅行ブームによる外貨流失の 列に加わり、とりわけ敵対する日本への爆買いツアーがやまないことに敵意さえ抱いているかのような論調が華字紙に散見さ れる。

  中国一の資産家とされる万達集団(CEO=王健林)は米国の私募債に6億5000万ドルを投じた。王健林ははやくか ら不動産ビジネスに見切りを付け、米国の映画館チェーンなどを買収してきた。

  中国生保ナンバースリーの「安邦保険」はポルトガル企業買収に資金投入直前、ポルトガル当局から待ったをかけられて いるが、ことほど左様に「海外企業買収」に名を借りて、外国への資本逃避が起きている。


  ▲中国の対外債務は1兆5000億ドルと見積もられている

  2014年末、中国の外貨準備高は3兆9900億ドルとされた。
2015年8月末の速報値で、それは3兆300億ドルに激減した。中国当局の発表でも「外貨準備高は3557億ドルに 減った」とされた。

 「原因は上海株暴落、人民元切り下げに嫌気しただけの逃避ではない」とするドイチェ銀行のジョージ・サラベロスは 「もっとも重要なことは中国の外貨準備の性格の変化であり、世界の金融の流動性と連動している」

  また中国の対外債務はすでに1兆5000億ドルに達しており、保有する米国債よりも多く、GDPの15%である。こ の先、さらに2兆ドルの外貨が必要である。

  したがってある日突然、中国の外貨準備はブラックホールに吸い込まれるように消失する危険性が増している。

  マスコミも最近はやっと宮崎さんに追いつけとばかりに中国の異常を取り上げるようになってきました。
  
  ロイターより  2015年 09月 9日

  ア ングル:中国株価対策は代償も、「市場の死」招く危険
 
  [上海/香港 9日 ロイター] - 中国の株価対策は今のところ効を奏しているが、代償も大きくなっている。株式や先物の商いは薄くなっており、「市場の死」を招く危険もある。

  中国の取引所が指数の変動を抑える「サーキットブレーカー」の導入を提案し、当局が長期投資に有利な配当課税を打ち 出してから、主要な国内株式市場の日中出来高は減少し、株式先物の売買高もほぼ消滅している。

  一部で当局の措置を歓迎する声があるものの、取引の急減は投資家の信頼低下を反映しているともいえる。

  アルファ・スクエアード・キャピタルのファンドマネジャー兼最高経営責任者(CEO)であるワン・フェン氏は、中国 株からの撤退を検討。株価指数先物の代わりに商品先物への投資を考えているところだ。

  同氏は当局の投機抑制措置を市場の死をもたらすものだと非難。「今はやっているジョークは、市場は『植物状態の患 者』になったというものだ」と話す。

  華泰証券のストラテジスト、チウ・ジー氏は、香港の指数先物を取引するための口座開設に関する問い合わせが中国の投 資家から増えていると指摘。「ゲームのルールは香港のほうが一貫している」と述べた。

  <残るは「国家チーム」取引>

  市場の動揺に対するここ数週間における当局の取り締まりや、サーキットブレーカーといった新たな措置の発動が検討さ れていることは、一部で売りを食い止める一方、買いも食い止めたかもしれない。

  上海総合指数.SSECの出来高は、7日にサーキットブレーカーの導入が浮上してから4割強も減少し、8日には春節 (旧正月)のあった2月以来の低水準にまで沈んだ。

  市場では、こうして残った取引も大半は「国家チーム」と呼ばれる政府系投資家が手掛けているのではないかと見られて いる。

  また、CSI300指数先物も、4日に約60万枚だった取引高が8日には2万3000枚を下回った。ピークの8月下 旬には243万枚に達したが、一部の株式指数先物取引を対象に証拠金率が引き上げられたため、大幅に減少した。

  中国にとってのリスクは、安定しているものの非流動的な株式市場だ。証券監督当局は新規株式公開(IPO)の再開が 難しくなり、間接金融から直接金融への流れも阻害されることになる。

  <何もしないのが安全戦略>

  出来高の減少は、中国株式市場で大きな存在感を示す個人投資家が市場から手を引いていることを示している。個人投資 家は一貫して、最小の損失で撤退できるなら撤退したいと話している。

  機関投資家にとっては、バイ・アンド・ホールド戦略を取れとの当局の圧力にさらされ、戦略について聞かれることが常 態化するなか、全く何も取引をしないほうが安全な戦略となっている。

  中国の消費関連株に特化した香港のヘッジファンドのあるマネジャーは「今のところ株からは手を引いている」と話す。

  フィデリティ・ワールドワイド・マネジメントの株式部門グローバル最高投資責任者(CIO)、ドミニク・ロッシ氏は 「株価下支え措置を導入しようとす る国を何カ国もみてきたが、長期的にみて効果がある唯一の方法は市場にまかせることだ」と指摘。「中国も同じことをすべ きだ」と述べた。

  中国は、何時まで、この対策を続けるつもりなのでしょうか。それこそ、外貨準備が無くなるまでやるつもりでしょう か。もう何をやっても、どうにもなら ないことは解っているはずなのですが、それでも、止められないのは、止めれば、もう崩壊しかないのが分かっているからで しょうか。

可哀想に!
2015 9 月 14 (月)   第 5825回  ピー ク時に 原発12基分
  太陽光発電が一番威力を発揮するのは、夏の一 番暑い時に発電量が一番増えることであり、それは、電力会社がその時に備えて発電所の設備投資をする必要があるのに対し て、最も、効果的な発電方法であるからと、第 5150回の「ピーク電力の威力」などで何度も書いてきました。

  その、威力が今年の夏に発揮されたようです。  

  東京新聞より  2015年 8月30日

    太 陽光発電 今夏シェア6%台に ピーク時に原発12基分

   今夏に電力需要がピークを迎えた時間帯にどう電力が確保されたか電力各社に取材したところ、太陽光発電が原発十二基分に当たる計一千万キロ ワット超の電力を生み出し、供給を支えていたことが分かった。二年前は供給力の1%にすぎなかった太陽光は、6%台に急 伸。九州電力川内(せんだい)原発 (鹿児島県)が今月再稼働するまで約一年十一カ月にわたり国内の「原発ゼロ」が続いた間に、太陽光が欠かせない電源に成 長したことが明確になった。 (山 川剛史、荒井六貴、小倉貞俊)

   本紙は、原発のない沖縄電力を除く全国の九電力会社に、今年七〜八月の電力需要ピークの時間帯に、電源構成がどうなっ ていたのかデータ提供を求めた。四国電力は提供を拒否したが、八社が回答した。

   地域によってピークの日や時間帯は若干異なるが、八社が需要を見越して準備した供給力の合計は約一億六千六百万キロ ワット。首位は火力発電で、約一億二 千六百万キロワット(75・4%)と圧倒的に多い。二位は、くみ上げておいた水を需要に応じて放水する揚水発電で約千八 百万キロワット(10・9%)、三 位は水力発電の約千二百万キロワット(6・9%)。

   太陽光発電は僅差で続き、千百万キロワット弱(6・5%)。川内原発の出力は一基八十九万キロワット。約十二倍の電力 を生み出していたことになる。政府 の事前予測は五百万キロワット前後だったが、大きく外れた。再生エネルギーの固定価格買い取り制度がスタートしてからの 三年で、中心的な存在になった。

   需要が高まる日中、軌を一にするように発電するのが太陽光の特質で、割高な石油火力の稼働を最小限にできる効果もあっ た。

   地域別では、太陽光の発電量は東京電力管内が四百万キロワットと最も多かったが、発電割合では九州電力管内が9・5% と最も高かった。九州では今夏、 ピークが通常とは異なり、日射量が減り始める午後四時だった。もしピークが一般的な昼前後であれば、発電量は二〜三倍 だった可能性が高い。

   九電は八月十一日に川内原発1号機を再稼働させたが、その前から電力の需給バランスは余裕のある状態が続いていた。中 部電力などから電力融通を受けていたこともあるが、九州では太陽光の導入量が非常に多く、そのサポートで安定が保たれて いたともいえる。

     参考:グ ラフ

  まさか、水力発電に匹敵するところまで来ているとは思ってませんした。とうとう、ピーク電力と太陽光発電の最高の相 性を証明してくれましたね。

  今年の夏に、節電が騒がれなかったのはもしかしたら太陽光発電による余剰電力が大きく貢献したのじゃないでしょう か。
  これでもまだ、産業用の許可を受けながら着工していないものが大半と言うことを考えると、全てが動き出すと、これま で、汚い電力と嫌ってきた太陽光発電がいよいよ、電力会社にとっては大きな戦力となりそうです。

  これに、いよいよ動き出した原発が本格的に稼働すれば電力に関しては非常に余裕が出てきそうです。そうなれば、今 は、コストアップの原因となっている太陽光発電も原発との相乗効果で少しは見直されるのじゃないでしょうか。
  本来なら、これが、正当なコストダウンで成し遂げられたものであって欲しかったですが、これも、これからの目標とし 易くなることにより進むかもしれません。


いよいよ、太陽光発電の時代も 近づいたかも!
2015 9 月 15 (火)   第 5826回  植 物工場でレタス
  もしかしたら、これは面白いものになるかもし れないと期待した途端、第 5758回の「植物工場破綻」というニュースがあって、驚くとともに、やはり、まだ無理なのだろうかと思っ たものです。

  ところが、又しても新しく始めるとの記事がありました。と言うことは、やはり、経営かコストダウン以前の設備などの 問題があったのでしょうか。
  中国の株下落の問題で取り上げるのが遅くなってしまいました。  

  日本経済新聞より  2015/8 /2

  レ タス収穫1日3万株 スプレッドが能力世界最大級新工場

  農業ベンチャーのス プレッド(京都市)は、京都府木津川市に生産能力が世界最大級のレタス工場を建設する。延べ床面積が約 5400平方メートル、投資額は最大20億円で2017年夏の稼働を目指す。 1日3万株を収穫でき年商は10億円を見込む。苗の育成から収穫までを全自動化して従来よりも生産コストを3割下げ、価 格競争力を高める。

  搬送用のベルトコンベヤーなどを導入し、従来型工場の半分の30人で運営する。レタス栽培に適した専用の発光ダイ オード(LED)照明を採用するなどして 消費電力も減らす。同社が生産するレタスはこれまで1玉約200円だったが、2割前後価格を下げ露地栽培レタスと同程度 にする。野菜工場では無農薬で栽培 できるうえ、味や食感なども安定する。食の安心や安全を求める消費者に需要が広がっているという。レタスへの光の当て方 や温湿度のバランスといった栽培ノ ウハウに強みを持つ同社は、他社に技術提供し生産委託も始める。現在の生産量は1日約2万株だが、委託分を含め17年度 には8万株に引き上げる。

  今から、これだけの規模で始めるのは勝算があってのことでしょうから、やはり、コストの問題は克服できているのかも しれませんね。

  と、驚いていたら、何と、香川でも始まるそうです。これは、いよいよ本物でしょうか。

   四国新聞社 | 香川のニュースより     2015/09/01 

  レ タス生産事業に参入/四国計測工業

  四国計測工業(香川県多度津町) は植物工場でのレタス栽培事業に参入する。主に腎臓病患者向けに需要が高まる低カリウムレタスを水耕栽培で生産する。 10月から出荷を開始、日量4500株の供給体制を整える。

  主力の計測制御技術や半導体事業で培ったクリーンルーム管理技術を活用できる分野として、完全閉鎖型の植 物工場でのレタス栽培に着目。低カリウムレタスの栽培技術を持つドクターベジタブルジャパン(東 京)とフランチャイズ契約を結んだ。

  完全閉鎖型の植物工場では水耕栽培で人工光を使ってレタスを生産する。低カリウムレタスは通常のレタスに 比べてカリウムの含有量を20%以 下に低減。カリウムの摂取が制限される腎臓病患者も生食が可能なほか、苦みやえぐみが少なく、一般向けの需要も見込め る。

  栽培したレタスは「ドクターベジタブル」ブランドで百貨店やスーパーなどで販売。閉鎖型工場で栽培するた め、付着菌数が少なく、長期保存も可能という。

  レタスを栽培する植物工場「さぬき野菜工房」は約1300平方メートルで約4億円をかけて本社の敷地内に 整備。すでに本格的な生産に向けて試験栽培に入っており、10月初めには初出荷を迎え、1年後にはフル生産に移行する予 定。

  同社は「植物工場の運営を通して農産物栽培の生産性向上につながる機器の開発にもつなげたい」としてい る。

  この会社は、私も前の会社の時にお世話になったことのある懐かしい会社です。香川には珍しい近代的な感じの工場だっ たので印象深いものがありました。関連技術を持っているだけに進出を考えたようですね。

  いずれにしても、香川にとっても、新しい試みですし、是非成功して欲しいですね。

  ネットでは、少々コストが高くついても、中・韓のものを食べさせられるよりはぜったにこちらが良いと言う書き込みも ありました。確かに、その通りですね。
  あんな恐ろしい食品より、日本の企業が作るものを高くても消費するという心意気を持ちたいものです。

日本企業頑張れ!
20159 月 16 (水)   第 5827回   我 が家の太 陽光発電
  例 月我 が家の太陽光発電、9月分、8月11日から9月10日までのデータです。30日分で前月より1日少な く、前年と同じ稼動日数です。

  去年と同じ稼働日数で、発電量が69kWhも少くなっています。今年は冷夏がなかったとおもったら、残暑がな かったという、驚くべき結果でした。油断禁物ですね。
  とは言いながら、夏の暑さは、梅雨明けから、盆前という短期間だったので、私にとっては、今年も比較的過ごし易 い年でした。それにしても、やはり、このところの天候はおかしいですね。

   さて、買電です。去年  8月、 買電、 636(359、 277)kWhで  15,294円 1kWhの単 価、約24.05円
 
今年  8月、買電、  659(364,295)kWh で 15,234円 1kWh の 単 価、約23.12円

去年  9月、 買電、  501(266,235)kWh で 11,936円 1kWh の 単 価、約23.82円

今年  9月、買電、 529
(263,266)kWh で 11,891円 1kWh の 単 価、約22.48円

   さて、売電は

去年  8月、売電、296kWhで12,768円  1kWh単価、約 48.00 円
 
今年  8月、売電、328kWhで18,080円  1kWh単価、約48.00 円



去年  9月、売電、276kWhで13,248円  1kWh単価、約 48.00円
  
今年  9月、売電、240kWhで11,520円  1kWh単価、約48.00円


   去年9月、▲1,312円の支払。今年の支払371円と1,683円の浪費となりました。これは去 年の8,9月と逆のけっかになりました。8月の冷夏が無かったと油断していたのを9月で払わされました。
  売電量は、去年より69kWh少いにかかわらず、使用量は28kWh多いという結果です。と言うことは、残暑が 無くなった割には使用量が多かったということです。これも、油断かな。 
  
  
早明浦ダムは、 台風の影響と100%をきっていますが、それでも90%台を確保しています。これからの天気次第ですね。油断はでき ません。

   設置前年年間電気代   207,928円
    1年目の年間電気代    31,518円

   2年目               7,012円

  3年目              ▲2,689円

  4年目              ▲5,499円

  5年目             ▲74,717円

  6年目            ▲116,383円

  7年目             ▲90,784円

  8年目             ▲83,581円

   9年目             ▲37,314円

  10年目             ▲47,607円

  10年目7〜9         ▲ 7,671円
 

  11年目7〜9          ▲ 5,776円

  参考:使 用料金表

  
やはり、盆前に鳴かなくなったクマゼミと早すぎるツクツクボウシ(第 3999回の「トッポジージョ」と)はちゃんとこの天候不順を知っていたということのようです。何とも、セ ミがこれ程に天候を予測するとは驚きです。

  当然のごとく早明浦ダムは、 満水です。


  やはり、日照不足だそうです。9日までは台風の影響で長雨でしたから気象台の予測も大当たりです。今年は、セミと気 象台の予測が大当たりの年だったようです。
  

   四国新聞社 | 香川のニュースより   2015/09/04

  県 内の低温、日照不足/12日ごろまで続く恐れ

  高松地方気象台は3日、香川県内で気温が低く、日照時間が少ない状態が12日ごろまで続く恐れがあるとして「低温と 日照不足に関する香川県気象情報」を発表した。農作物の管理などに注意を呼び掛けている

   同気象台によると、香川県内は8月中旬から、低気圧や前線の影響を受け、曇りや雨の日が多くなってい る。同12日以降の平均気温は、高松 が平年より1・1度低い26・6度。ほかの6観測所でも1・2〜1・8度下回っている。日照時間も平年の6割前後にとど まっている。

   低温と日照不足は東北から中四国にかけて広い範囲で懸念されており、気象庁が注意喚起。平均気温が平年 より2度前後低い地点や、日照時間が平年の半分以下になる地点も出ている。

さて来月は!
20159 月 17 (木)  第 5828回  ド イツ大丈 夫か
  中国失速でドイツの退潮鮮明と、第 5813回で取り上げましたが、メルケルさんが焦っているようです。何時もの、宮崎さんが書いてくれていま す。

  移民受け入れ問題といい、ドイツはいよいよ危ないかもしれませんね。長い間、ナチスに罪を被せ、世界を騙して日本だ けが悪者のように振舞って、戦後の復興と繁栄を謳歌してきましたが、ここに来て、とうとう付けが来たと言えば、顰蹙を買 うでしょうか。

   「宮崎正弘の国 際ニュース・早読み」より   平成27年(2015)9月15日(火曜日)  通算第4656号 

  メ ルケル独首相、年内に急遽、訪中か

   人民元切り下げ、上海株暴落に慌てふためいたドイツ

  メルケル独首相は年内にまたしても北京訪問の予定を立てている(多維新聞網、9月13日)。
上海株式暴落に慌てふためいたドイツは、フォルクスワーゲンが中国において、二倍の設備投資を決めたばかり。自動車販売 は直後から10%減となり、設備投資過剰の現状に新工場がはたして必要かどうかの選択に迫られたからか。

  メルケルは5月のロシアの軍事パレードには臨席しなかったが、プーチンのメンツを立てるため、翌日に訪ロした。
北京の軍事パレードには、もちろん欠席したが、その「埋め合わせ」を緊急訪中でバランスをとる腹づもりなのかもしれな い。

  中国の外交予定はたて込み始め、9月23日に習近平は訪米の途につき、25日にオバマ大統領との首脳会談。28日に 国連で演説する。ワシントン連邦議会での演説は、拒否されたが、いちおう、米国は国賓待遇で迎える。習はその後、英国訪 問を予定している。

  日時未定だが日中間三ヶ国の首脳会談もようやく開かれる運びとなり、また11月初旬にはフランスのオランド大統領が 北京を訪問する。

  ことし六月に李克強首相が訪独した折、陸のシルクロードはドイツを経由する計画であるとし、EU諸国には合計 3150億ユーロ(邦貨換算42兆円強)の投資が行われるだろうと大風呂敷を広げたが、その巨額にも目がくらんだのか。

  独中関係は2014年3月に習近平が訪独、同年7月にメルケルが答礼訪問し、同年10月に李克強首相がまたまたドイ ツを訪問した。
 日本より頻度激しく、首脳が往復しあうのは、それだけドイツが中国にのめり込んでいるからだ。

  難民問題に頭をかかえるドイツ、中国からの不法移民もあとを絶たないというこの時期をわざわざ選んで、訪中を繰り返 す必要があるのは、経済問題のほかに何か喫緊の問題をかかえたのかも知れない。

   G20で、第 5821回の「日本は中国批判で孤立−G20」でも取り上げたように、中国を擁護して中国の崩壊を防ごうと 姑息な態度でしたが、やはり、無理があったのでしょう。

 今まで、順調に長期政権を維持して来たメルケルさんも、今度のピンチをどう切り抜けるつもりでしょうか。それとも、い よいよ、中国と、移民問題で今までの評価を台無しにして終わるのでしょうか。

  ドイツだけでなく、一緒に中国ののめり込んできたEUも移民問題という最大の危機を迎えて、もう打つ手は無いのじゃ ないでしょうか。所詮、違った国が一緒にやることには無理があったのでしょうか。

  日本も、同じ轍を踏まないように、まずは、中・韓との国交断絶から始めるべきでしょう。  

いよいよ日本の時代かも!
20159 月 18 (金)   第 5829回  国 民が知ら ない太陽光発電の実態
  私の大好きな、太陽光発電が一気に冷え込むこ とになるのじゃないかと、第 72回の「住民反対押し切りソーラーパネル設置」で取り上げた鬼怒川の堤防決壊事件は、どうやら本当になり そうになってきました。

  と言うのも、何時も、その活躍を応援していた小坪しんやさんが、太陽光発電の恐ろしい欠陥を取り上げたからです。お 恥ずかしいですが、私も、これを読んで、言われてみれば、確かにその弱点はあるなと、気が付きました。 
    小坪しんやのHP〜行橋市議会議員より  2015年9月14日
   国民が知らない太陽 光発電の実態@〜消防官の危険と出火リスク

  消防官の消火活動の障害となる、一人の地方議員として断言する。
今回は、消防庁発行の「太陽光発電システム火災と消防活動における安全対策」を紹介し、国民の間に蔓延する「なんとなく 安全」という理解できない風潮を変えたいと思う。

  原子力発言を礼賛する立場にもないが、
  原発を貶める目的であろう、むやみやたらに太陽光を持ち上げすぎた風潮が許せない。

  クリーンエネルギーなどという横文字を持って、どことなく安全とされる風潮が嫌で仕方ない。
どうして、みんなこんなにころっと騙されてしまうのか。
太陽光発電は、決して安全なものではない。

  「太陽光発電システム火災と消防活動における安全対策」(pdf)について抜粋し、解説してまいります。
以下は、消防庁発行(平成26年3月発行)の資料であり、全文だと158頁ほどございます。

  消 防研究技術資料83号 太陽光発電システム火災と消防活動における安全対策

  …以下略

  何時ものように、かなり長いので、全文はリンク元で読んでください。

  それにしても、この問題は確かにあります。とは言いながら、折角の弱点を見つけたのですから、これを何とか克服する 方法を見つけて、太陽光発電自体の普及を諦めることの無いようにしてもらいたいものです。
  と言うのも、私は、やはり、まだ、太陽光発電自体は素晴らしいものだと信じています。何と言っても、太陽がある限 り、エネルギーが枯渇することは無いのですから、これ程、地球にとってぴったりのエネルギーは無いと思えるからです。

  最悪の場合は、売電方式を止めて、バッテリーと共に、独立して使う方式として考えればどうでしょう。最低でも、各家 庭の電力は太陽光発電で賄うようになれば、それだけでもエネルギー問題の大部分は解決するのじゃないでしょうか。
  ここは、今回弱点とされた、太陽が出ている限り、発電を止めることは出来ないのをどう止めるかの問題解決にかかって 来そうです。

きっと方法はあるはず!
20159 月 19 (土)  第 5830回  ド イツが何 故中国にのめり込むのか
  宮崎さんがドイツの中国への異常な傾斜振り を、第 5828回の 「ドイツ大丈夫か」で取り上げさせてもらいましたが、そのドイツが中国によって裏切られようと しているようです。
  これまた、宮崎さんが書いてくれています。ドイツも日本のように恩を仇で返されることを思い知らされる時が来るので しょう。気が付いたときにはもう遅いのかもしれません。何とも、お気の毒です。

  ここで、宮崎さんが取り上げてくれている書評がに驚かされます。何で、ドイツが日本じゃなく中国ののめり込むのかが 良く分かります。

  やはり、世界は腹黒いですね。世界には日本のような民度の高い国は無いようです。日本人も堕落したとはいえ、まだま だ、世界に比べると素直で正直な国です。その弱点に気が付いて手を打つべき時がきているのも間違いないでしょう。

  「宮崎正弘の国際 ニュース・早読み」より   平成27年(2015)9月17日(木曜日) 通算第4660号 
  
  宮 崎正弘の国際ニュース・早読み(中国は武器輸出大国でもある)

  武器商人=チャイナの横合いからの売り込みの凄まじさ
  質はともかく、値段がやすくて支払い条件が破格ならば。。


  米国、ロシアについで中国が武器輸出で世界三位。英独仏をぬいて、いまも「躍進中」である。
  インドネシアの新幹線入札の土壇場で、不意に横合いからこのプロジェクトを日本から強奪しようとしたように(結局、 ジャカルタは白紙に戻した)、その商行為における行儀の悪さも天下一品である。

  今度はエジプトが舞台である。シシ大統領は9月3日の北京軍事パレードに参列した。この話は、そのとき煮詰まったの かも知れない。

  エジプト海軍は2011年にドイツのティンセンクルップ社に潜水艦弐隻を発注し、17年に引き渡される。
くわえてエジプトはあと二隻の潜水艦を同社へ打診した。この情報を得た中国は、質はともかくとして破格の安さと融資条件 を提示し、商談をぶんどろうと躍起になっているという(『サウスチャイナ・モーニングポスト』、9月16日)。

  エジプト国防省は正式なコメントをだしていないが、中国の国有造船企業の「武昌造船所」で造られる潜水艦は「宋」級 といわれ、エジプトの軍事予算に見合うほど魅力的な価格であるそうな。中国は80年代にエジプトに「明」級の潜水艦を四 隻売却した「実績」がある。

  中国はすでに潜水艦八隻をパキスタンに、二隻をバングラデシュに売却しているが、その性能の評判を聞いたことがな い。中国の武器輸出の70%はパキスタン、バングラデシュ、そしてミャンマーの三ケ国で占められる(ストックホルム国債 平和研究所)。

  ドイツのティンセンクルップ社と言えば、従業員16万余の大企業集団であり、わが三菱重工の二倍の規模である。
 またシーメンスはエジプトにガスタービンや風力発電施設をまとめる大型商談を成約させている。

  武器輸出で、仲の良いはずのドイツと中国が火花を散らすことになる。


  ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆ 

  ドイツがなぜ中国と同じ見地から日本を徹底的に批判するのか?
  ナチズから逃れる深層心理に日本を貶めて道徳的優位に立つ贖罪イデオロギー

  
  三好範英『ドイツリスク』(光文社新書)
 
  副題に「『夢見る政治』が引き起こす混乱」となって、ドイツ政界と報道の偏向ぶりを目撃すれば、いきなり納得であ る。
福島原発事故のとき、ドイツのマスコミはヒステリー症状に陥っていた。花粉症でマスクをかけて駅で待つサラリーマンの写 真を「原発事故におびえ、東京から逃げ指す人々」と、信じられないキャプションをつけていた。
  それでなくとも歴史認識では、中国、韓国とほぼ同一線上の批判の目をドイツマスコミは日本に向ける。高級紙といわれ るシュピーゲルまで、そうなのである。
  げんにいま現在、永田町で展開されている安保法制反対のデモは、完全に左翼プロの演技であり、「プロパガンダ」をマ スコミが煽っている。本気で反対な ら、誰も切腹しないのはおかしい。自民党の支持率が反比例して上がっているのも、真相との乖離を如実にあらわしているで はないか。

  ひとつ三好さんの解説で分かったことがある。ドイツの主要マスコミは「緑の党」の支持者が多いという知られざる事実 だ。
  日本にあてはめると、朝日新聞をよんでいると安保法制は日本が戦争に巻き込まれるそうな。朝日新聞をまじめに読む と、日本は中国、韓国への謝罪が足りない。これが外国へ、そのまま翻訳され、転電されると世界中に日本への誤解が立ちこ める。
  しかし現実の日本は、朝日の期待をいつも裏切って保守党が政権を担い、かれら報じた安保法制反対集会には3万 3000人しか集まらない。日本の人口は1億2300万。反対する人たちは全国民の0・00026%でしかないことを NHKも朝日新聞は報じない。
  ドイツにも、「夢見る人」ばかりではなく、日本をちゃんと理解している少数の知識人がいる。
著者の三好さんは読売新聞ドイツ特派員として十四年の経験があり、こうした人々にも積極的にインタビューしている。
その取材対象の層の厚みが本書の魅力でもある。

  さて三好氏はまず「夢見る人」を定義してこう言う。
  「現実を醒めた謙虚な目で見ようとするよりも、自分の抱いている先入観や尺度を対象に読み込み、目的や夢を先行さ せ、さらには自然や非合理なものに過度の憧憬を抱くドイツ的思考の一つのあり方、である」と。
  だからドイツの左翼は論理的飛躍を好むうえに時折パニックに陥る。なんだ、朝日新聞と同じじゃないか。
  だから論理的に者を考えることができるドイツ人はシュピーゲルや「南ドイツ新聞」を読まない。ペギータ運動(『西欧 のイスラム化に反対する欧州愛国主義者』)を担う人々の多くも理性的である。
かれらはシュピーゲルなど左翼マスコミを『嘘つき』「プロパガンダ」であると見抜いている。これも日本の知識人と同じ状 況である。

  さはさりながら、近年のドイツの中国への急激な傾斜はいかに捉えるべきか。

  第一にドイツからみれば日本は極東の島国であり、あまりに遠くてよく分からないが、中国はユーラシア大陸で繋がって いる。
  「ユーラシア大陸のほぼ西の端に属する国家として、ドイツ人は東に対する憧憬、その逆に繰り返し侵略者が押し寄せて きた異郷への畏怖を身を以て感じる」のである。そしてドイツの地理をみれば、「東への到達点は中国である」と著者はい う。

  第二は地政学の経済学的延長にある。近年、ドイツの貿易相手国は日本をぬいて中国となった。
  フォルクスワーゲンは世界販売970万台。このうち327万台(34%弱)を中国市場で売った。だから中国ののめり 込むのは無理もない。

  第三に、このドイツの反日を中国が便乗して利用していることである。
「歴史問題に関して中国の主張に共鳴する要素がドイツにあり、(中略)それがドイツーー中国関係の持つ、日本にとっての 危うさの核心」だと三好氏は警鐘を乱打する。

  第四にもっとも重要なことは次の指摘である。
「ドイツ人は過去の歴史を克服するために」、日本を攻撃することによって、「倫理的な高みを獲得したと信じこむように なった。いわば、『贖罪のイデオロギーか』が起こったのである」
だからドイツは謝罪して過去に訣別しようとしているが、日本は謝罪していないなどと中国のプロパガンダを鵜呑みにして、 いやそれを信じ込むことによって「主観的な優越感」にひたるというわけだ。
「道徳的に自分より劣った日本人を発見して、バランスを回復する精神のメカニズムがあるのではないか」と三好氏は分析す る。

  結論はこうである。
「現代のドイツの正統的な歴史認識は『贖罪イデオロギー』に強く規定された、歴史の醍醐味とは異質な知の営み」でしかな い、と。
  新書版ながら中味は重厚、じつに思想的にも充実した力作といえる。

  成程、ドイツはこんなことを考えていたんですね。最近のメルケルさんの日本に対する何となく冷たい態度に、どうもお かしなものを感じていたはずですがこんな裏があったんですね。こんなことは夢にも思っていませんでした。

  これは、やはり、世界は日本とは違うことをきちんと認識して、国内とは違った付き合い方をする必要がありますね。そ れにしても、VWの中国への傾斜は 異常ですね。これは、致命傷になるでしょう。こうなると、撤退しないながらも、のめり込まないように付き合っているトヨ タの戦略は的を射ているのかもしれ ません。願わくば、完全撤退してもらいたいものですが。
 
  それにしても、日本を貶める工作の中国を利用して、自分の立場を良くしようとして騙されたドイツは、やはり、中国と 一緒に崩壊の道をまっしぐらに進んでいるようです。これも、自業自得ですね。
  
いよいよ、日本の時代で す!
2015 9 月 20 (日)  第 5831回  日 本の対中 投資28・8%減
  昨日のドイツの中国へののめり込みに比べて、 日本は撤退が進まないと言えども、少しはましのようです。ちゃんと、中国への投資を減らしているようです。こ の調子で、どんどん減らして、究極はゼロへ持ち込んでもらいたいものです。もちろん、撤退も出来るだけ急いで欲しいです ね。それが、上手く行けば、いよい よ、日本の時代の到来は間違いないでしょう。 

   SankeiBizより   2015.9.16

  日 本の対中投資28・8%減 1〜8月、賃金上昇響く

  中国商務省は16日、1〜8月の日本から中国への直接投資実行額が前年同期比28・8%減の22億5000万ドル (約2700億円)だったと発表した。減少率は1〜7月の24・2%から拡大した。

  工場労働者の賃金の上昇や、大都市の店舗や事務所の賃料の高騰により企業収益が圧迫され、投資意欲が減退していると みられる。

  米国からの投資は19・6%減となり、東南アジア諸国連合(ASEAN)からも5・2%減だった。欧州連合(EU) からは14・4%増となり、世界全体から中国への投資は9・2%増だった。(共同)

  米国やASEANも順調に減らしているんですね。心強い限りです。それに比べて、EUやアメリカの一部では妙な動き の企業もあるようです。一体、何があるのでしょう。

  JBpress(日本ビジネスプレ ス)より   2015.9.15(火)

  日 本だけではない脱中国、しかし米大企業は進出加速 デルは15兆円投資、IBM、インテル、シスコ、アップ ルも   堀田 佳男

  中国市場でこのところ、不可思議とも思える動きが見られる。

  数年前から日本企業だけでなく、米企業も中国市場に見切りをつけて撤退するところがある一方、新たに1兆円を超す資 金を中国に投資する企業が相次いでいるのだ。

  中国はいまでも世界最大の市場だが、利益が見込めないと見限った企業と、市場の可能性を今後も信じる企業の違いがあ る。差違は何なのか。
シアトルの米中会談に企業トップも

  9月下旬、中国の習近平国家主席が米国を公式訪問する。23日には西海岸シアトルで、米中両国の大手企業トップが顔 を合わせる円卓会議が開かれる。

  そこに招かれるのは、複数のメディアを総合すると米アップルのティム・クック経営最高責任者(CEO)、IBMの バージニア・ロメッティCEOなど大手15企業のトップ。中国側も大手15 企業のCEOが顔を揃える。

  両国企業は互いの市場へのアクセス問題やサイバーセキュリティー問題などについて話し合う予定だ。

  ただ中国市場から撤退を決めた企業を眺めると、中小だけでなく大手企業も含まれる。例えば、今年だけでもシチズン・ ホールディングズの合併会社「西鉄城 精密(シチズンセイミツ)」が広東省の工場を閉鎖したし、パナソニック、ダイキン、TDKなども工場閉鎖や生産の一部を 移転すると発表した。それだけ撤退 の波は大きいのだ。

  企業幹部たちは努力不足というより、中国市場のビジネス環境の変化が大きいと口を揃える。しかも、理由は1つや2つ ではない。大きく5点にまとめてみた。

  1つは中国市場での人件費の高騰だ。工場で働く作業員の平均月給は、日本では福利厚生を含めて約25万円だが、中国 では約8万円である。

  単純比較すると、中国の方がまだ3分の1に収まっているが、10年前までは10分の1だったので約3倍も人件費が上 がったことになる。特にリーマンショック後の高騰が目立つ。

  2つ目は人民元高による生産コストの上昇だ。中国は8月に人民元の切り下げを実施したが、それでも人民元高は続いて いる。2011年秋には1人民元が約12円だったが、今春には約20円まで元高が進んでいた。

  切り下げ後は18円前後だが、依然として元高は変わらず、日系企業の利益を圧迫することになる。
外国企業狙い撃ちの法人税アップ

  3つ目は中国の法人税率の上昇である。実は中国の法人税は2007年末まで、外資系企業に対しては15%だった。一 方、同時期の中国系企業の税率は33%で、外資系企業に優遇税制がとられていた。

  ところが2008年から中国系も外資系も一律に25%となったのだ。低率の法人税を期待して中国市場に進出した企業 は、計算が違ったと落胆したに違いない。

  しかも突如として15%から25%に上げるとの通達を出したのだ。大規模な事業を見込んでいた企業にとっては大きな 痛手になった。

  4つ目は中国国内の製造業の生産過剰が深刻化していることだ。つまり供給過多に陥って製品が売れにくくなっているの だ。例えば2014年の中国国内の粗鋼生産量は8.2億トンで、世界市場(16.3億トン)のほぼ半分を占めていた。

  8.2億トンの約3割は生産過剰と言われている。さらに平板ガラスやセメントなども生産過剰の状態にあり、採算が取 れなくなっている企業もある。

  5つ目は中国政府による環境規制の強化である。企業によっては環境規制を守るため、コストを割いてかなりの企業努力 を強いられている。負担だけ増して採算が合わなくなる企業が出てきた。外国企業が狙い打ちにされているとの声もある。

  中国市場から撤退しているのは日米企業だけでない。韓国企業も精算・売却をする動きを加速させている。韓国輸出入銀 行によると昨年、撤退する韓国企業は新しく中国市場に参入する企業の3倍に達したという。

  しかし冒頭で記したように、撤退の波と相反するように、いくつかの米大手企業、特にハイテク企業は中国市場への大規 模な投資を加速させている。

  例えばパソコンメーカーのデルは9月10日、今後5年間で中国市場に1250億ドル(約15兆円)もの巨費を投資す ると発表した。単年度ベースでは約3兆円である。
米国でリストラ、中国へは投資

  パソコンメーカーとして世界シェア第3位の企業であっても、年間3兆円を中国に投資するという決断は勇断と言って差 し支えないし、他の企業とあまりにも戦略が違うように見える。

  マイケル・デルCEOは10日、会見で「中国国内で、中国のために」という同社の格言を持ち出しながら、中国への思 い入れが強いことを強調した。さらに 「ハイテク企業として、中国の技術革新と経済発展、さらには産業界の技術変革を後押していくことを約束する」とはっきり と述べたのだ。

  デルは単に中国で事業を拡大するだけでなく、人口知能(AI)の研究施設を作るため、中国科学院と連携していくこと も公表。さらには中国国内で100万の雇用を創設するとも述べた。

  しかも米テキサス州の工場に勤務する作業員1万4000人のうちの1700人を解雇し、中国で研究開発に携わる上級 エンジニアを2000人雇用するという。

  多くの外国企業が中国から撤退するなかで、中国への忠誠とも思える巨額投資を発表したのはデルだけではない。

  コンピューター・ネットワーク機器の世界最大の開発企業シスコシステムズ(シスコ)も7月、中国のハイテク産業に 100億ドル(約1兆2000億円)の投資を公表した。また世界最大の半導体メーカー、インテルも巨大投資を発表してい る。

  これは何を意味するのか。ハイテク産業の中でも巨額の利益を上げている大企業だからこそ、中国で冒険ができるという ことなのか――。

  前向きな見方をすれば、一党独裁体制をとる共産党と積極的に折り合うことで、ビジネスの成功をつかもうとしているか に見える。大企業だからと言って兆円単位の冒険がやすやすとできるわけではない。
共産党と手を結んだ?

  むしろ流れは逆で、多額の調査・研究費をかけて徹底した市場分析を行うと同時に、政治的な「手綱」を巧みに使って、 これから進む企業の針路を定めたということだろう。

  そのあたりの詳細はメディアに出てきていないが、語弊を怖れずに記すならば、共産党とタッグを組んだと捉えられる。

  しかし中国が国外からの投資を快く受け入れるのは、すべて自国企業と政府のためになることが前提であるはずだ。

  米ハイテク企業は本当にそれを見越して巨額の投資を決めたのだろうか。中国経済が陰りを見せるなか、いくつもの巨大 企業が爆音を立てて倒れないことだけを祈りたい。

   EUはドイツに引きづられているのでしょうか。移民問題といい、やはり、EUも崩壊に向かっているのかもしれませ ん。それにしても、不思議なのはアメリカのどちらかと言えば情報に強そうなところが逆の動きをしていることです。何を勘 違いしているのでしょうか。
  こうした企業が中国と一緒に崩壊すれば、日本に、益々、有利に働きそうです。それにしても、不思議ですね。やはり、 世界は、日本が導くべく動き出したのでしょうか。
 
  中国の株は相変わらず上がったり下がったりが続いているようです。どんなに足掻いても、先は見えているのだから、早 く諦めれば良いようなものですが、政府も生き残りをかけて必死なのでしょう。所詮は、無駄な足掻きでしょう。

   ブルームバーグより    2015/09/15

  中 国株:上海総合指数、続落−景気と株価対策は失敗との懸念で

    (ブルームバーグ):15日の中国株式市場で、上海総合指数が続落。薄商いの中、株式相場と景気支援に向けた政 府の対策がうまくいっていないとの懸念が広がった。
  上海総合指数は前日比3.5%安の3005.17で終了。下げの中心は資源株とテクノロジー銘柄。上昇銘柄1に対し て下落銘柄が約14の割合。売買高 は30日平均を36%下回った。2営業日の下落率は計6.1%で、3週間ぶりの大幅安となった。CSI300指数は前日 比3.9%安で引けた。
  上海金曠投資の張海東チーフストラテジストは、「一連の利下げと預金準備率引き下げでも中国経済に持ち直しの兆しが 見えず、人民元の先安観も根強い」と分析。「元建て資産は下落圧力に直面している。市場は依然低迷している」とコメント した。
  CSI300指数の業種別で下げが目立ったのはテクノロジーと素材株指数で、それぞれ6%を超える値下がり。海虹企 業(000503 CH)と雲南銅業(000878 CH)が共に値幅制限いっぱいの10%安。
  香港市場では中国本土株で構成されるハンセン中国企業株(H株)指数が前日比0.3%下落。ハンセン指数は同 0.5%安で引けた。

  日本も無傷ではいられないでしょうが、それでも、ヨーロッパに比べれば傷は小さくて収まりそうです。トヨタも、VW の崩壊で首位の座は安泰になりそうですし、やはり、日本には追い風が吹いてきているのじゃないでしょうか。

そうあって欲しい!
2015年 9 月 21 (月)   第 5832回  水 なしパネ ル掃除ロボ
  香川県には珍しい話題として、第 4944回の「水なしパネル掃除ロボ」を取り上げましたが、あの技術に第 5012回の「バイオ燃料の時代か」などで何度か取り上げたユーグレナが資本参加するのだそうです。やは り、自然エネルギーに関心が深いのでしょうか。 

  ベンチャータイムスより   2015/9/1

   スマートジャ パンより  2015年09月02日

  “ミ ドリムシ”が、ソーラーパネル上を走る清掃ロボットに出資

  ユー グレナSMBC日興リバネスキャピタルは研究開発型ベンチャー企業を支援するベンチャーキャピタルファンド 「次世代日本先端技術教育ファンド(通称:リアルテック育成ファンド)」の第1号投資先としてソーラーパネル清掃などを 開発する未来機械に出資することを決めた。[長町基]
 
  未来機械は香川大学発のベン チャー企業で、水を使わずに自動でソーラーパネルを清掃する軽量なロボットなどの開発を行っている(関連記事)(図 1)。
 
  図 1 未来機械のソーラーパネル清掃ロボット 出典:未来機械

  中東諸国では再生可能エネルギーへのシフトとして大規模なソーラーパネルの設置プロジェクトが計画されている。だ が、砂漠地域特有の砂塵がソーラーパ ネルに付着することによる発電効率の低下やソーラーパネル清掃のための水資源の確保が大きな課題となっている。その課題 の解決を実現するロボットとして未 来機械の開発した水を使わないソーラーパネル清掃ロボットは期待されており、乾燥地域での需要拡大が想定される状況だ。 既に中東でのテストは実施されてお り、今後、量産化へ向けた開発段階となっている。

  こうした中で、リアルテック育成ファンドでは未来機械が第三者割当増資により発行する株式を引き受け、同ロボットの 量産化開発資金の資金提供、ファンドの出資企業と連携した中東諸国などでのマーケティング・販売の支援を行う。

  未来機械は2004年に設立。移動ロボット、メカトロニクス機器やレーザ三次元測定機の研究開発と製造、販売、技術 および知的財産のコンサルティングなどを行う。同社のソーラーパネル生産ロボットを使えば、清掃コストが5分の1に低減 できるという(図2)。
 
  図 2 ソーラーパネル清掃ロボットの外観 出典:未来機械

  リアルテック育成ファンドはミドリムシ(学名:ユーグレナ)を中心とした微細藻類に関する研究開発、生産、な販売な どを行うユーグレナの100%子会 社であるユーグレナインベストメントとSMBC日興証券、リバネスの3社が設立したユーグレナSMBC日興リバネスキャ ピタルが管理運営するべンチャー キャピタルファンド。リアルテックベンチャーの投資育成を主目的としている。リアルテックとはWeb上のみで完結しな い、物理的な技術開発を伴う技術のこ とで、ロボティクス、バイオ、アグリエネルギー、IoTなどが含まれる。ファンドへの参加企業は計12社、ファンド規模 は36億円。2015年には50億 円以上のファンドにすることを目指している。

  あの掃除ロボットの記事を見てからもうかなり経っていたので、やはり、需要がなかったのかなと思っていたら、どっこ い、しぶとく生き残っていたんですね。
  市場自体が特殊な場所だけにこれからも苦戦しそうな気がしますが、珍しく、香川で生まれた技術だけに、何とか成功し てもらいたいものです。
  砂漠以外の場所の需要も目指せないのでしょうか。たとえば、あの桜島の側に出来たメガソーラーが火山灰に覆われた ニュースがあったように、ああいうところも狙えそうです。とはいっても、これは、砂漠以上に市場が限定されそうです。
  尤も、水のある場所だって別に問題は無いでしょうね。まあ。私のような素人が考えずとも、もっと考えているのでしょ う。

  頑張れ香川生まれのベン チャー
2015年 9 月 22 日(火)第 5833回  透 明な太陽 電池
  窓ガラスや京都などの重要文化財の神社仏閣な どの屋根にも取り付けられる「透明な太陽電池」が出来ないものかと、第 5618回などで何度も取り上げてきましたが、やはり、難しいのか、なかなか実用的なものは出てこないよう です。

  と思っていたら、三菱化学が実用化に成功したようです。少し、古い記事ですが取り上げておきます。 

  スマートジャパ ンより   2015年08月10日

  “窓 に貼る太陽電池”実用化へ、透明の有機薄膜太陽電池フィルムで

  三菱化学は、有機薄膜太陽電池を用いた「シースルー発電フィルム」を開発・実用化し、市場開拓を開始する。 [三島 一孝,ITmedia]

  三菱化学が今回実用化に向けて市場開拓を開始する有機薄膜太陽電池による「シースルー発電フィルム」は、新エネル ギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)の助成事業「有機系太陽電池実用化先導技術開発」に採択され、これまで窓や建物外装などへの使用について実 証実験を進めてきた。実証実験につ いてはスリーエムジャパンと共同で実施しており、これまで仙台国際センター渡り廊下の窓への設置やスリーエム仙台市科学 館エントランス付近の窓などに設置 し実用化への課題解決などに取り組んでいる(図1)。
 
  図 1 三菱化学とスリーエムジャパンと協力して窓用フィルムとして実証実験を行う仙台国際センター 出典:三 菱化学

  太陽光発電は、パネルの設置場所が限られる都市部においては、より多くの発電量を確保するために、建物の屋根や屋上 面に加え、窓や壁面などを有効活用す ることが期待されている。しかし、窓、壁面、トップライト(採光や通風のため屋根に設置される窓)部へ設置するために は、透明性(シースルー性)、色、重 量などの課題が存在した。しかし、今回開発した「シースルー発電フィルム」は、透明性(シースルー)、軽量、フレキシブ ルという特徴を有しており、窓への 設置が可能となる。
 
  図 2 透明性、軽量、フレキシブルという特徴を持つ有機薄膜太陽電池フィルムのイメージ 出典:NEDO

  窓用フィルム分野については、この分野で約50年の実績を持つスリーエム ジャパンと製品開発及び市場開拓を協力して進めていく方針だ。また、その他の従来の太陽電池が取付けられなかったさまざまな場所への活用方法などを探って いく。

  三菱化学では今後、市場の状況を見ながら、太陽電池のエネルギー変換効率、耐久性をさらに向上させ、シースルー発電 フィルムの市場拡大を進めるとしている。

  三菱さんやる気あるようですね。是非、成功してもらいたいですね。あらゆる場所に取り付けられる透明な太陽電池には 需要はあると思います。

  アメリカでも開発されているようですが、こちらは、実用化にはまだまだ遠いようです。それでも、世界の研究者がこつ こつと研究しているのですから、何時かは実用化にも成功するでしょうね。

  TABI LABOより

  米 大学が開発した太陽光パネル、キーワードは「透明」

  ミシガン大学(MSU)の研究チームが、太陽エネルギーを捕捉することができる透明な太陽電池パネルの開発に成功し ました。サイエンス・テクノロジー分野で大きな注目を集めた、このトピックスを「TomoNews US」が動画で紹介しています。

  Richard Lunt教授率いる研究チームは、従来のパネルにない、多様な用途の可能性に自信をのぞかせています。氏曰く、キーワードは「透明」であること。

  従来の太陽光パネルは、私たちも知っている通り黒く着色されたものがほとんど。これは、特定の波長の光を捉えるため のもの。ですが、Lunt教授の新パネルは、向こうが透けて見える透明なもの。
「例えば、高層ビルの窓ガラスに設置したり、スマホやタブレットなどのデバイスに使うことで、このパネルの美しさが生き ます」


  専門的な話になりますが、ほとんどの太陽光パネルは、小さな電磁波スペクトラムに代表されるプリズムで太陽光を分解 する7色の「可視スペクトル」を捉 えるメカニズム。ですが、この透明の太陽電池の発光型集光器(TLSC)は、可視光をキャプチャーするのではなく、目に 見えない不可視波長(紫外線)を取 り込む仕様だそう。
 平たく言えば、太陽光が当たったパネルから紫外線と近赤外線をだけを取り出すと赤外とは別の波長で白熱(電 力を生み出す)する原理。こうして集まったエネルギーを集光装置にかけて、色のない赤外線長波に変換、ようやく電力が出 来あがるという流れ。

  「赤外光はパネルの端に誘導され、そこで電気に変換されます。可視光スペクトラムは光を吸収も放出もしない性質。そ れで人間の目には透明に映るのです」

   MSU 公式サイトに Lunt教授は、開発のゴールを「生活や環境に馴染んだソーラーパネルの設計」に置いていることを明かしています。現在 のところ、TLSCの生産効率は約 1%と、まだ試験段階レベル。ですが、最適化していくことで、この数字を「約5%にまで引き上げられる」と自信満々。最 終的には約7%の規模拡大を目指し ているんだそう。

  従来のように屋外の巨大な敷地にパネルを並べたり、家屋の屋根にパネルを設置しなくても、すべての窓をこの新パネル に変えるだけで、太陽光エネルギーが電力になる。そんな夢の自給自足時代の到来を感じさせる発明ですね。


  コストの問題さえ克服できれば、透明な太陽電池にはあらゆる場所に設置できると言う可能性があるだけに面白いものに なると思います。まずは、三菱さんに成功してもらいたいものです。
  今や、逆風に晒されつつある太陽電池の名誉挽回の為にも、頑張ってもらいたいものです。

太陽電池頑張れ!
2015 年 9 月 23 日(水)第 5834回  独 VW、米 排気ガス検査での不正認める
  ドイツの中国へののめり込みを第 5813回の 「中 国失速でドイツの退潮鮮明」な どで取り上げてきましたが、そ の筆頭のVWが今度はアメリカ でピンチのようです。
  これは、下手したらVWは 終わるかもしれませんよ。完全 にトヨタの時代の到来かも。そ れにしても、ディーゼルの優秀 さを誇ってきたドイツがこんな ことをやっているとは想像もし ませんでした。やはり、世界の 国は日本とは違うようですね。

  ブルームバーグより     2015/09/19 

  独 VW、米排気ガス検査での不正認める−制裁金は2.1兆円超か

   (ブルームバーグ):ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW )は、米国の排気ガス規制に関する検査での不正行為を認めた。巨額の制裁金に加え、刑事訴追を受ける可能性も出てきた。
  VWとアウディ部門のディーゼルエンジン車は、当局による検査の時だけ排気ガスをコントロールする機能がフル稼働す るソフトウエアを搭載して販売されていた。米環境保護局(EPA)によると、通常走行時の排気ガスは基準の10−40倍 に達する。

  EPAは、米国の大気浄化法への違反に対して司法省による刑事訴追につながり得ると説明。EPAのシンシア・ジャイ ルズ氏によると、同局は1台当たり 3万7500ドルの制裁金を科す可能性がある。対象車は48万2000台で、その場合、最大180億ドル(約2兆 1600億円)となる。2009−15年 型が対象。
  ジャイルズ氏は「こうした仕掛けを車に搭載し大気浄化規制を逃れることは違法であり、国民の健康を脅かすものだ」と 指摘した。

  VWは発表文で調査に協力しているとした上で、それ以上コメントはできないとした。
  EPAはVWへの18日の書簡で、VWが規制逃れに向けたソフトウエアの搭載について認めたと指摘していた。

  これがトヨタなど日本メーカーだったら、遠慮なく制裁金が取られそうですが、果たしてドイツのメーカーにアメリカが 強く出るのでしょうか。興味深いものがあります。是非、きちんと罰して欲しいものです。

  こうなると、VWとの提携を解消したスズキの株が上がりそうです。スズキはこのあたり、VWの体質に気が付いていた のかもしれませんね。
  中身を知らない私などは、どんな理由があって提携解消するのだろうかと不思議に思ってましたが、スズキ会長の決断は 称賛されそうですね。

  中日新聞よ り   2015年9月18日
 
  ス ズキ 提携解消のVWから全株を買い戻し

  スズキは十七日、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の保有するスズキ株を全て、市場を通じて買い戻したと 発表した。取得額は四千六百二億円。六年近くにわたった両社の資本・業務提携は正式に解消された。

  東京証券取引所の通常取引開始前に、前日終値で買い付けを実施。VWが保有するスズキ株19・9%分となる一億一千 百六十一万株を含め、一億一千九百七十八万株を取得した。

  両社が二〇〇九年十二月に資本・業務提携を結び、VWがスズキ株を保有した際の取得額は二千二百八十九億円。その後 株価が上昇し、買い戻し額は大きく 上回ることとなった。一六年三月期の業績予想について、スズキ広報は「現時点で修正する必要を見込んでいない」と説明し ている。

  両社は提携後間もなく経営戦略の違いが表面化し、スズキはVWから環境技術の提供がないことなどを理由に提携解消を 決めた。一一年十一月、スズキ株の返還を求めて国際仲裁機関へ仲裁を申し立て、八月末に提携解消を認める判断が出た。

  ◆環境・安全技術“両輪”カギ

  スズキとドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の資本・業務提携が解消されたことで、スズキが今後、VWから 買い戻した株式をどうするかに注目 が集まる。厳しくなる環境規制や安全技術の開発競争をめぐって、合従連衡が進む自動車業界。スズキが新たなパートナー探 しに踏み出す可能性もある。

  「今後は決めていない」。十七日午後、浜松市内で本紙の取材に応じたスズキの鈴木修会長は慎重な姿勢を崩さなかっ た。

  VWとの提携解消をめぐる係争は四年近くに及んだ。国際仲裁機関から解消を認める判断が下ったのは八月末。鈴木会長 は数日後「もう懲りたよ」と漏ら し、〇八年に資本関係を解消した米大手ゼネラル・モーターズ(GM)に続くパートナーを性急に決めたことへの反省の色を にじませた。

  VWとの提携失敗で自社開発を強めた結果、ハイブリッド技術などは市販化にこぎつけた。鈴木会長は「(技術的な)問 題はほぼ解決できた。自立して生きていくことを前提に考えていきたい」と話す。

  自動車業界に詳しいナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表兼アナリストは「スズキの主力市場は新興国。当面、技 術で困る可能性は低く、提携先選びを焦る必要はない」と分析する。

  ただ、長期的には他社との提携が不可欠との見方が強い。最大の理由は、環境技術や安全技術への対応に巨額の資金が必 要となるためだ。

  世界の主要市場では二〇二〇年以降、燃費や二酸化炭素(CO2)排出の規制が厳しくなる。自動運転など安全技術の競 争も激しい。開発コストを減らすためライバルと共同開発したり、相手の技術を生かしたりする動きが活発化している。

  トヨタ自動車は五月、環境や安全技術の分野でマツダと業務提携を強化したほか、独BMWと燃料電池車(FCV)を共 同開発している。株式の16%を出資する富士重工業にはハイブリッド技術で協力した。ホンダや日産自動車も海外メーカー とFCV開発で協力関係を築く。

  クレディ・スイス証券の秋田昌洋アナリストは「FCVや自動運転など高度な技術開発は、スズキ単独では限界がある」 と指摘。

  新たな提携相手の候補として、資金や技術で強みを持つトヨタがささやかれる。しかし、そのトヨタの傘下には、スズキ が軽自動車市場でし烈な販売競争を 繰り広げてきたダイハツ工業がある。トヨタ幹部の一人はスズキとの提携について「スズキが考えること。こちらからどうこ う言う話ではない」と静観の構え だ。

  自動車メーカー各社にとって、人口約十三億人のインド市場で四割超のトップシェアを握るスズキの存在は魅力だ。スズ キが得意の小型車で切り開いたインド市場の取り込みを狙い、各社が提携を持ち掛ける可能性は十分にありそうだ。
 (矢野修平、平井良信)

  それにしても、VWにとっては、中国・アメリカで大きな打撃を受ければ、現実問題として立ち直るのは大変でしょう。 下手をすれば、倒産もあり得るのじゃないでしょうか。
  こうなると、ドイツ自体もただでは済まないでしょうね。陰で日本を貶めて来た報いなどと言えば言い過ぎでしょうか。

 又しても、日本に追い風です ね!
2015年 9 月 24 日(木)第 5835回   VW の株価 が急落
  昨日書いた排ガス不正のVWへの風当たりは早 速株価に来たようです。それも、本国のフランクフルト市場だそうです。マネーゲームの世界は反応が早いです ね。ドイツの人達にも見離されたと言うことでしょうか。尤も、マネーゲームの世界には自国のメーカーの危機を助けてやろ うなんて気はないのでしょうね。

  それにしても、この問題は、やはりVWにとっては致命傷になる可能性もあるのじゃないでしょうか。意外だったのは、 不正をあっさりと認めたことです。それ程、逃げようのない証拠を掴まれていたのでしょうか。

  ブルームバーグより    2015/09/21

  独 VWの株価が17%急落、米排ガス規制検査で不正−CEOは謝罪

     (ブルームバーグ):ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)の株価が、21日午前の フランク フルト市場で約7年ぶりの大幅安となった。米国の排ガス規制検査で長年にわたって不正を行ってきたことを認めたことが背景。

   VW株は一時、前週末比17%安の134.5ユーロまで売り込まれた。これは2008年11月3日以来 の急落。 年初来下落率は25%に達し、同社の時価総額は653億ユーロ(約8兆8900億円)となった。フランクフルト時間午前9時34 分(日本時間午後4時34分)現在は137.8ユーロでの取引。

   マルティン・ウィンターコルン最高経営責任者(CEO)は20日、規制当局の調査に協力していることを 明らかに するとともに、社外による調査も命じたと説明。社会の信頼を裏切って「大変に申し訳ない」と謝罪した。

   VWは対象モデルの米国での販売を中止。対象車は約50万台で、最大180億ドル(約2兆1600億円)の制裁金が科される可能性があるほか、刑事訴追の 公算もある。

   米環境保護局(EPA)の18日発表によると、当局による検査時のみ排気ガスをコントロールする機能が フル稼働 するソフトウエアがVWのディーゼルエンジン車に搭載されていた。通常走行時の排気ガスは基準の10−40倍に達するという。

   ブルームバーグより    2015/09/22

  独 フォルクスワーゲン、排ガス規制不正で米司法省が刑事捜査

   (ブルームバーグ):ドイツの自動車大手、フォルクスワーゲン が米連邦環境規制に基づく排気ガス検査での不正を認めたことを受け、米司法省は同社に対する刑事捜査に乗り出した。事情に詳しい米当局者2人が明らかにし た。

   フォルクスワーゲンは先週、一部のディーゼルエンジン車の排ガス検査で研究所の数値と走行時の数値に差 があることについて、規制当局の調査に協力していると明らかにした。米当局者らは捜査が継続中であるとして、匿名を条件 に話した。

   フォルクスワーゲンの株価は21日のフランクフルト市場で一時23%急落。時価総額にして約156億 ユーロが消失した。終値は約3年ぶり安値の132.20ユーロ。

   米司法省のウィン・ホーンバックル報道官はコメントを控えた。

  対象車が50万台と言うのは少なそうに感じるのですが、アメリカではディーゼルの人気があまりないのでしょうか。日 本のトヨタやシートベルト問題と比 べると段違いに台数が少ないですね。その割に、制裁金は大きいようです。最大ですから、そこまでは行かないのでしょう。 果たして、どの程度で収まるのか興 味深いものがあります。

  と少なすぎると思った台数はやはり違っていたようです。何と、1100万台に上る可能性があるのだそうです。こんな 数字が掴めないはずはないと思うのですが、意図的に隠していたのでしょうか。
  何だか、VWへの信頼感がどんどん落ちてきます。何処まで信じられるのか、これは、もしかしたら、本当に、大変なこ とになるかもしれませんね。喜ぶのはどこでしょう。  
  
  産経ニュースより    2015.9.22

  VW、 排ガス規制逃れで8700億円の引当金を計上 米下院は公聴会開催へ

  【アテネ=宮下日出男、ワシントン=小雲規生】独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は22日、米国で排ガス規制 逃れのため一部のディーゼルエンジ ン車に違法ソフトウエアを搭載していた問題で、対象車両は世界で1100万台に上る可能性があり、対策のため7〜9月期 に65億ユーロ程度(約8700億 円)の引当金を計上すると発表した。

  排ガス規制逃れの問題は22日の欧州株式市場に波及。主要株価指数は軒並み大幅安、VWの株価は大幅続落の展開と なった。

  VWの排ガス規制逃れの問題を受けて、米下院エネルギー商業委員会は21日、数週間以内に小委員会で公聴会を開くと 発表した。ホワイトハウスのアーネスト報道官は21日の記者会見で「非常に懸念している」と述べた。

  米通信社ブルームバーグは21日、政府関係者の話として、米司法省が刑事責任を問う可能性を含めて調査に乗り出した と報じた。今後、大気浄化の法令違反で最大約180億ドル(約2兆1600億円)の罰金が科される可能性がある。

  米環境保護局(EPA)によると、この違法ソフトを使えば、研究施設での試験中には排ガス浄化機能をフル稼働させ、 実際の走行時には浄化機能を大幅に低下させることができる。

  それにしても、中国の崩壊・移民問題とドイツにいよいよ逆風が吹きだしたようです。やはり、裏で、日本を貶めようと 策謀して来た付けなのでしょうか。
  
さて、どうなるでしょう!
2015年 9 月 25 日(金)第 5836回   利 益を減ら す商売
  地域通貨を思い出させてくれた、ねずさんの、 第 5823回の「貨幣経済、コメ経済」でしたが、そのコメント欄にベーシックインカムという地域通貨と同じ考 えの方式を推進しているHPを紹介してくれていました。

  早速、行ってみましたが、これが、結構面白そうです。やはり、頭の良い人はいますね。理解するには、是非、リンク元 で読んでください。 

  ベーシックインカ ム・実現を探る会より


  入門 / Q&A

  Q1.  ベーシック・インカムって何ですか?
A1. すべての個人に、無条件で、毎月渡される最低生活費です。 政府が渡します。

  …以下略

  この最低生活費は使わないと毎月1%減ると言うことのようです。

    私が地域通貨に関心があるのは、今の、マネーゲームなどでの余りに酷い格差社会をもっと、公平な社会にするにはどうす れば良いのだろうと、政治家でもないのに要らぬ心配をしているからです。

  ねずさんが、その参考にもなる、この部屋でも、第 3828回の「日本的経営」や第 4553回の「鎖国」などで取り上げた石田梅岩さんを取り上げてくれています。
  何と梅岩さんの考えが、国際標準化機構(ISO)に影響を与えているのだそうです。やはり、我が先人にはとんでもな く凄い人達がいるようです。

  小名木善行 ねずさんの ひとりごとより  2015年09月09日

  江 戸石門心学とISO26000

  石田梅岩(いしだばいがん)は、江戸中期の人で、日本の「商人道」を打ち立てた人です。
後々にはたいへんな影響力を持ち、この石田梅岩の思想の影響を受けた人に、松下幸之助があることは有名ですが、実はそれ だけではありません。

  最近「企業の社会的責任」という言葉がよく用いられるようになり、またこのことは国際標準化機構(ISO)の規格番 号26000にまで発展しています。
このシステムの元になっているのが、キリスト教のカルバン主義による「商業倫理」です。
そのカルバン主義商業理論をさらに発展させたのが、昭和中期の米国の宗教社会学者のロバート・ニーリー・ベラー (Robert Neelly Bellah)です。
そしてロバート・ニーリー・ベラーの研究成果のもとになったのが、実は石田梅岩の石門心学です。

  石田梅岩は、もともとは京都府亀岡市の農家の次男坊です。
家が貧しくて、11歳で呉服屋に丁稚奉公に出ています。
一生懸命に働いて番頭さんにまで出世するのですが、43歳のときに在家の思想家の小栗了雲に出会い、覚醒を得て2年後に お店を辞めて、借家の自宅で私塾を開いています。
そこで教えたのが、「商人道」でした。
享保14(1729)年のことです。…中略

  商人に俸禄を下さるのは、買い手であるお得意様です。
ですから商人はお得意先のために真実を尽くします。
真実を尽くすためには、「倹約を守って、これまで一貫目かかった生活費を七百目で賄い、これまで一貫目あった利益を九百 目に減らすよう努めることが肝要です。
贅沢をやめ、普請好みや遊興好みを止めれば、一貫目の利益を九百目に減らしても、家は立派に立っていくのです。…以下略

  この自分の利益を減らしてお得意様の為に少しでも安く提供すると言う精神を、世界中の人が実践できれば、本当に理想 の社会が到来しそうです。
  とは言いながら、今の日本人でも、この精神を持って商売をしている人がどれ程いることでしょう。もしかしたら、殆ど いないかもしれませんね。
  まずは、日本人がこの心を取り戻し、日本では当たり前として定着させ、金が全ての今の欲にまみれた状態から抜け出 し、世界に日本の凄さを見せ、納得させることから啓蒙して行く必要があります。
  
できるかな!
2015年 9 月 26 日(土) 第5837回  「ド イツ帝 国」が世界を破滅させる
  宮崎さんの書いてくれた、第 5830回の「ドイツ が何故中国にのめり込むのか」 などで、ドイツの反日を教えて もらいましたが、西村幸佑さん もフェイスブックに面白いこと を書いています。

  米ロが接近しているなんて 全く知りませんでしたので、 びっくりです。世界は、やはり 腹黒そうですね。何処までが本 当かは判断できませんが、どう もありそうに思えます。
  フェイスブック西 村 幸祐より  9月21日

  米露接近は、安倍外交の正しさを証明する。

  と、同時に、安保法案が日本にとって火急に必要だったことも示唆している。この報道がドイツから出たことに注目する べきだ。
  今回の米露接近は、ISILが米露両国のターゲットになるというコペルニクス的転回を見せているが、それは当面の課 題に過ぎない。では、隠された戦略目標は、一体、何か? 米露それぞれ思惑があるが、日本はこの機会を大いに利用するべ きだ。
  つまり、日本にとって中露分断は喫緊の課題であり、米国にとっては中独分断がテーマになる。また、我が国には米独分 断が望ましいのです。

  ※なお、このテーマは、エマニュエル・トッドの『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』に関係があり、先日書評 http://www.sankei.com/life/news/150913/lif1509130024-n1.html を書いたのでご参照下さい。

  と言うことで、早速リンクに飛んでみました。

   産経ニュースより     2015.9.13

  【書評】 批 評家・西村幸祐が読む『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』 日本人の関心を呼ぶ理由は…

  『「ド イツ帝国」が世界を破滅させる』エマニュエル・トッド著、堀茂樹訳(文春新書・800円+税)

  フランス人によるドイツ批判の本書が、なぜ日本人の大きな関心を呼んでいるのであろうか。恐らく3つの理由がある。 第1は、世界がいま大きな歴史的転 換期にあると自覚するか、薄々そう感じている人が増えているからだ。これまでの世界の枠組みが大きく変化することへの知 的好奇心と不安に応えてくれるので はないかという期待である。第2は、旧態依然とした日本のジャーナリズムの閉塞(へいそく)状況に飽きた人々にとって、 何か新しい切り口が見えたからだろ う。例えば冒頭の、ロシアが元CIA職員の《スノーデンを迎え入れることができて、逆説的なことに、結果的には西欧にお ける市民の自由の擁護に貢献してい る》というくだりは新鮮だ。これはフランス人特有のただのレトリックではない。

  そんなロシア擁護が単純な反米論の文脈で語られるわけはない。そこがエマニュエル・トッドの真骨頂である。〈親米左 翼〉を自任するトッドは、建国の精 神を尊重するという意味で、米国はデモクラシーの擁護者である、という立場を堅持する。そのデモクラシーはフランス革命 から始まる、つまり近代の西欧型 〈民主主義〉に他ならない。かといって、彼は古臭い教条主義者でもない。米国外交を牽引(けんいん)してきた政治学者の ブレジンスキーを評価するリアリズ ムに根ざしている。

  本書では論じられておらず〈サヨク〉には理解不能かもしれないが、トッドは対米自立のために日本は核武装すべきだと いう。そんなリアリズムを基本とす る地政学的アプローチの面白さが第3の理由である。彼は《エネルギー的、軍事的観点から見て、日本にとってロシアとの接 近はまったく論理的》だと安倍首相 の外交戦略を評価する。

  ドイツがEUの覇権国家としてどのようにその支配力を確立してきたかが分かりやすく説明され、米独の対立が次の危機 になると予測する。欧州に流入する 難民は、確かに彼が批判するユーロ圏の崩壊を促すだろう。だが、同じく彼が批判するグローバリズムが近代主義の鬼子であ ることへの言及がないのが残念だ。

  こんな本が出版されているんですね。何とか、読んでみたいものですが、これは、又しても、坂出図書館に購入依頼する しかなさそうです。とは言いながら、最近はネットだけで時間が足らずに、読書に時間を取られるのは正直苦痛になっていま す。
  依頼しようと思った本も数冊あるのですが、今のところまだ依頼していません。軟弱になってしまいました。

  それにしても、ドイツの日本に対する考えをもっと知りたくなりました。

 どうしたものか!
2015年 月 27 日(日)第 5838回  フォ ルクス ワーゲンCEO辞任
  VWの不正事件は、どうやら私が思ってた以上 に大きくなりそうな気配です。もしかしたら、倒産まで行くかなと思ったものの、あれだけの名門企業だけに、それは無いだ ろうと考えました。
  しかし、世界の反応はどんどん大きくなってきているようです。あまり騒いでないのは、日本のマスコミだけじゃないで しょうか。何を遠慮しているのでしょうか。と言うか、やはり、日本のマスコミは政治だけでなく経済でも狂っているのかも しれません。

  ロイターより  2015年 09月 22日

  VW 排ガス試験不正、EUが各国に法の厳格適用要求

  [ブリュッセル 22日 ロイター] - ドイツ自動車大手、フォルクスワーゲン(VW) が、排ガス試験で不正を働いたと認めたことを受け、欧州連合(EU)規制当局は22日、同社や米当局と連絡を取り合っていると説明、加盟各国に関連法の厳 格適用を求めた。

  EUは過去数年間、域内の新車試験手続きの厳格化にむけた取り組みを進めてきた。

  ただ、ドイツなど加盟国は、厳しさを増す規制内容を緩めようと ロビー活動を展開。監督体制の不備を黙認したとの指摘も当局者らから出ている。加盟国の多くが、窒素酸化物(NOX)のEU安全基準に違反した。

  今回の事態を受け、EU執行機関の欧州委員会は、各国当局との会合開催を呼び掛けている。EUが排出規制を設定し、 試験手順を定めるが、加盟各国がそれらを実施するほか、必要なら承認を取り消し、罰金を科すことになっている。

  とうとう、EUからも見放されるかもしれませんね。ジーゼル車が一番受け入れられているEUでの打撃はVWに引導を 渡すことになるかもしれません。

  事の大きさに、とうとうCEOも辞任のようです。早々に、不正を認めたことと、この早急な辞任がどう影響するのか、 これも見ものです。果たして、その責任の取り方が、良いように解釈されるのか、それとも。

   ロイターよ り        2015年 09月 24日

  フォ ルクスワーゲンCEO辞任、米排ガス規制逃れで引責
 
  [フランクフルト/ベルリン 23日 ロイター] - ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)のウィンターコーン最高経営責任者(CEO)は、米排ガス規制逃れが発覚したことを 受けて、辞任すると発表した。

  ウィンターコーン氏は声明で「VWには心機一転で再出発が必要」とし、そのために自ら退くと述べた。

  同氏は、過去数日の出来事、とりわけこれほど大規模な不正がVWで起こり得るということに衝撃を受けていると述べ た。

  VW本社では、今朝から執行委員会による同氏への厳しい追及が続いていた。VW株価はスキャンダル発覚から急落して おり、同社に対しては断固とした対応を取るよう圧力が高まっている。

  監査役会幹部は別の声明で、内部調査が進むにつれ、今後数日中に解雇処分となる社員が出てくると指摘した。

  欧州株式市場で、VW株価は5%超上昇している。

  プラチナ相場にも影響しているそうです。触媒の使用量が需要の半分を占めているそうです。  

  ロイターより     2015年 09月 23日

  VW 問題に貴金属市場が動揺、「ディーゼル車離れ」を懸念

  9月22日、独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス試験不正問題が、貴金属市場、とりわけプラチナ相場に影を落とし ている。6月撮影(2015年 ロイター/Anindito Mukherjee)
  9月22日、独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス試験不正問題が、貴金属市場、とりわけプラチナ相場に影を落とし ている。6月撮影(2015年 ロイター/Anindito Mukherjee)
  [ニューヨーク 22日 ロイター] - 独フォルクスワーゲン(VW)(VOWG.DE)の排ガス試験不正問題が、貴金属市場、とりわけプラチナ相場に影を落としている。今回の問題に関係してい るディーゼルエンジンは、プラチナの世界需要の約半分を占める。消費者の「ディーゼル車離れ」の懸念が台頭している。

  ディーゼル車向けの触媒に利用されるプラチナの価格は22日に3.6%下落。下落率はここ2年余りで最大となった。 一方、ガソリン車向けの利用が多いパラジウムは0.6%の下落にとどまった。

  懸念されているのは、ディーゼル業界が受ける打撃だけでない。一部アナリストは、VWの不祥事を契機に関連規制が強 化され、欧州での長きにわたるディーゼル車人気に幕が下りる可能性もある、と指摘する。

  トムソン・ロイターの金属リサーチ・予測チームのGFMSによると、欧州で昨年販売されたディーゼル車は900万台 で、全体の約45%を占めた。

  GFMSのシニアアナリスト、エリカ・ランネスタッド氏は、規制当局が業界全体に広がる規則違反を公表し、環境への 配慮から欧州でガソリン車へのシフトが起これば、プラチナの「状況が変わる」可能性があると指摘した。

  ただ、米国市場への影響は限られるとみられている。GFMSによると、米乗用車市場のディーゼル車のシェアは 2013年が4.5%、14年は5.6%程度にとどまっている。

  これで、どちらかと言えば日本が苦手としていたディーゼル車からガソリン車へのシフトが本物になると、これは、トヨ タにとっては、益々有利に働きそうですね。EUでのシェアアップも可能性が出てきそうです。

  そうなると、いよいよ、中国からの撤退も考えても良さそうです。中国は、VWと一緒に崩壊への道をまっしぐらとなれ ば最高ですね。
  
本当に、日本の時代かも!
2015年 9 月 28 日(月)  第 5839回  BMW とダ イムラーも?
  VW問題は何処 まで広がるのか、今のところ予想もつかないですが、VWだけでなくドイツ自体にも大きなダメージを与えるのじゃないかと 思います。と言うか、顰蹙を買いそうですが、密かに期待しています。
  と言うのも、このところ、ドイツの日本に対する悪意が感じられるからでもあります。本当かどうかは分かりませんが、 中国への傾斜を見ていると、ありそうに思えるのは確かです。

  ギリシャ危機以上に打撃になるとロイターが書いています。それにしても、ギリシャ・難民・中国の難問の上に、今回の 問題ですから、弱り目に祟り目とはこういうことを言うのでしょうね。
  どう考えても、この危機は、そう簡単に克服できるような問題じゃないでしょう。ネットでは早くも、これも、アメリカ あたりが仕掛けたのじゃないかとの噂も飛んでいるようです。やはり、世界は恐ろしいですね。

  ロイターより   2015年 09月 24日

  ア ングル:VW問題、ドイツ経済にギリシャ危機以上の打撃

  [ベルリン 23日 ロイター] - 独フォルク スワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)の米排ガス規制逃れはドイツの産業界や政界を揺るがしており、ア ナリストの間からは欧州随一のドイツ経済にとって最大の脅威になりかねないと危惧する声も出ている。

  VWはドイツ最大の自動車メーカー。雇用も最大級で国内の雇用者数は27万人を超え、部品納入業者も加えればさらに 膨らむ。しかし米当局の排ガス規制 試験での不正が明らかになって23日にはウィンターコーン最高経営責任者(CEO)が辞任に追い込まれたことから、アナ リストはドイツ経済への影響を推し 量り始めた。

  関連記事:フォ ルクスワーゲンCEOが辞任、米排ガス規制逃れで引責

  INGのチーフエコノミストのカルステン・ブルゼスキ氏は「突如としてVWはドイツ経済にとってギリシャ債務危機を 凌ぐ下振れリスクになった」と指 摘。「VWの北米での売上高が今後数カ月で落ち込めば、その影響はVWだけにとどまらずドイツ経済全体に及ぶだろう」と した。

  VWの昨年の米国での販売台数は約60万台で、全世界の販売台数(950万台)の約6%に相当する。

  VW の世界販売台数推移

  米環境保護局(EPA)はVWに最大180億ドルの罰金を科すとしている。これは同社の昨年の営業利益を上回る。

  VWの手持ちのキャッシュは210億ユーロ(240億ドル)に上り、罰金を支払って余りあるが、それでも今回のス キャンダルで大量人員削減の不安が高まっている。

  ドイツ政府にとって大きな懸念はダイムラー(DAIGn.DE)やBMW (BMWG.DE)など他の国内大手への影響の波及。ただ今のところ両社の不正を示す材料は出ていない。

  ドイツ経済省の報道官は自動車業界について「ドイツにとって極めて革新的で成功を収めた産業だ」と述べた。しかしア ナリストは、こうした自動車産業への依存体質こそがドイツの経済見通しを脅かしかねないと指摘する。

  ドイツ経済研究所(DIW)のマルティン・ゴルニク氏は「自動車の販売が落ち込めば部品納入業者も打撃を受け、その 影響は経済全体に及ぶだろう」とした。

  昨年のドイツの自動車産業全体の労働者数は77万5000人で、全労働者数の2%に近い。

  さらに自動車・自動車部品セクターはドイツにとって最も優良な輸出産業だ。昨年の輸出は2000億ユーロ(2250 億ドル)と、全輸出の約5分の1を占める。

  IW経済研究所のミヒャエル・ホイサー所長は「今回のスキャンダルを軽視できないのはこのためだ。ドイツ経済の核を 直撃した」という。

  <「メード・イン・ジャーマニー」に傷>

  一方で今回の問題の経済全体への影響を過度に見積るべきではないとの見方もある。

  コメルツ銀行のチーフエコノミストのイェルク・クレメル氏は「ドイツの自動車産業全体が道連れになることはない。企 業1社のせいで景気後退に陥ることはありえない」と話す。

  ドイツ卸売り・貿易業界連合会(BGA)も「メード・イン・ジャーマニーの表示に全般的な疑念が生じているわけでは ない」(マネジングディレクターのアンドレ・シュワルツ氏)と事態の鎮静化に躍起だ。

  しかしそのシュワルツ氏もドイツ企業の間に今回のスキャンダルが連鎖反応を起こし、メード・イン・ジャーマニーの表 示が傷つくのではないかとの懸念がある程度あることは認めている。

  INGのブルゼスキ氏はユーロ債務危機や中国経済の減速など外部からの危機をものともしなかったドイツ経済が国内要 因に脅かされるとは「皮肉なことだ」と述べた。

   いよいよ、他のメーカーにも飛び火しそうです。もし、本当にやっていたら、これは大変なことになりそうです。ダイ ムラーにまで飛び火すると、これは、完全にドイツの致命傷になりそうです。いよいよ、目が離せない状況になってきました ね。 

  時事ドットコムより  2015/09 /24

  「独 BMWも11倍超過」=欧州排ガス基準−米NPO調査

  【フランクフルト時事】ドイツ自動車専門誌アウト・ビルト(電子版)は24日、米NPOが行った実走検査の結果、独 BMWのディーゼル車「X3」の排ガスから、欧州の基準値の11倍超の窒素酸化物(NOx)が検出されたと報じた。

  このNPOは、独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正操作が発覚するきっかけの調査を実施した「ICCT」。同 誌に「VWは単独の事例でない」と主張している。
  これに対しBMWは、VWのような不正は行っていないと強く否定したという。
  米環境保護局(EPA)によると、一部のVW車の排ガス浄化機能は検査時に十分に働く一方、実走時は効果が弱まるよ う制御されており、有害物質は最大で米基準の40倍に達していた。


   ブルームバーグより   2015/09/24

  VW の排ガス不正問題、BMWにも波及する恐れ−調査拡大
 
     (ブルームバーグ):ディーゼル排ガス検査で不正を働いたフォルクスワーゲン(VW)の問題が、同 業のBMWに波及する恐れがある。ドイツ政府は調査を拡大する方針を示している。

   24日の株式市場でBMW株は一時9.7%下落。BMWのスポーツ型多目的車(SUV)「X3」の ディーゼル車の排ガス量が、路上走行試 験で欧州の規制による制限の11倍に達したとの独誌アウトビルトの報道に反応した。ドブリント独運輸相は排出量に関する 無作為抽出検査の実施について、 VW車だけが対象ではないと述べた。

   VWの「クリーンディーゼル」車に排ガス検査の結果をごまかすためのソフトウエアが搭載されていたこと が発覚し、自動車業界全体と検査方 法が疑惑と監視の目にさらされることになった。欧州自動車工業会(ACEA)は23日、「これが業界全体の問題だという ことを示す根拠はない」との声明を 出した。

   アウトビルト誌によると、国際クリーン交通委員会(ICCT)がBMWのSUVの路上走行試験を実施し た。VW車の排ガス検査の試験場と 路上での違いについての米調査は、ICCTからの情報提供がきっかけだった。BMWは同社の自動車には試験場と路上で異 なる反応を見せるシステムは組み込 まれていないと説明した。

   バンクハウス・メツラーのアナリスト、ユルゲン・パイパー氏は「BMWに違法行為があったと示唆されて いるわけではない。しかしどのメーカーもこうしたエンジンを搭載するため、ディーゼル自動車事業全般への長期的なダメー ジへの懸念はある」と話している。


   ロイターより   2015年 09月 25日

  排 ガスデータ操作せず、BMWとダイムラー表明
 
   [ベルリン/シュツットガルト 24日 ロイター] - 独フォルクスワーゲン(VW)(VOWG.DE)によるディーゼル車の排ガス不正操作問題発覚を受け、独BMW(BMWG.DE)と独ダイムラー (DAIGn.DE)は24日、排ガスデータを操作していないとの見解をそれぞれ表明した。

  BMWは「試験時と実際の走行時の排ガスの扱いに差はない」とし、一部BWM車の道路走行時の排ガス量が欧州規制の 11倍だったとする独オートビルト誌の報道を否定。

  ダイムラーの広報担当者は、ダイムラーはVWのようにディフィートデバイス(無効化機能)は使用していないとし、世 界中で窒素酸化物(NOx)の排出基準は満たしていると述べた。

  日本のメディアも、やっと大きく取り上げだしたように思うのは私だけでしょうか。とは言いながら、テレビも新聞も無 い環境なので、情報はネットだけの 為、他のメディアが報道しているかどうかはネットの情報だけなので、真実は判断しかねますが、日本のメディアの腐敗振り から見ると、きっと日本人に真実を 知らせたくないのじゃないかと思ってしまいます。

 ちょっと、メディア不審に染 まりすぎたかな!
2015年 9 月 29 日(火)第 5840回  日 独離間工 作が裏にある
  このところ、ドイツについて、どうもおかし い、日本を裏で貶めようとしているのじゃないかと書いてきましたが、ドイツ在住の何時もサイト巡回でお世話になっているク ライン孝子さんが良く書いている友人の永谷ベックマン啓子さんが、それを心配して、頂門の一針に投稿されて いました。
  実際に生活されている中で、日本人に悪意を持っている人はいないと書かれています。日独離間工作に嵌っているのじゃ ないかと警告されています。どっちでしょうね。
  

  頂 門の一針より  3782号  2015・9・22(火)

  最近ドイツが嫌いだとか、ドイツ人は最近反日感情が強いとかそんな言葉を時々目にしますが、オヤオヤ これは日独離間工作が裏にあることに気が付かないで、メディアのプロバガンダを理解できないで、あるいは見抜けないで、表面的に感情的に把握しているので はないでしょうか?

  政治家の言動の後ろに何があり誰がいるか、ドイツでは普通の市民達が情報を持ち、けっこう見抜いてあれこれ論議して います。

  例えば、中国の歴史より日本の歴史の方が古い事などの私の説明「えっ、本当に知らなかった」というドイツ人も多く居 ますから、正しい事はなかなか時間を掛けて努力しないと伝わらないものだとも思います。

  様々な記事がありますが、簡単に皆鵜呑みにしなく、まずどこかで疑い、自分で情報をとり確認しています。少なくとも 私の周りは皆そうです。

  最近日本では、コピーライターがもてはやされ、いかに商品をあっといわせるキャッチコピーで人の心を掴み買わせる か、の勉強が進んでいます。
  書籍にしかり、商品となり、中身が伴わないことが しばしばありますね。

  私は40年間ほど、英国とドイツと合わせて住んでいますが、仕事で様々な専門分野のドイツ人達ともよく話をします が、日本を知るドイツ人は皆日本を褒めます。どこか深く話していますと、教育を受けている人達ほど同志的な物をお互い感 じます。

  日本人は民度が高く、優しくて、綺麗で、食事も美味しく、文化歴史があり尚且つハイテクの国で国は公園のように美し い、こんな国はないと、日本人がそれに気が付いていないのではと何回も聞きます。

  南ドイツには日本企業が400社出ていまして、経済省との良い関係もあり、仕事で来られる日本の方も皆ドイツ人を評 価しています。

  私は日本や日本人が嫌いという人には、ドイツで会った事がないのですが、今回の国会でのバナナ共和国的なプリミティ ブな暴力沙汰を日本人と見られて失望されれば、(恥ずかしい限りで、あれはね、、、と何人にも説明しましたが) これは日本の選挙民の責任ですね。

  「どうしてあそこまでアメリカに追従するのか」「どうして日本人はアメリカの野球帽を平気で被るのか」こういう 疑問は良く聞きます。

  地理的にも、歴史的にも揉まれて鍛えられ、狡猾でありながら尚且つ心ありプライドの高いドイツ人からみますと、日本 の外交に対して感じるもどかしさと同じような痛みをドイツ人が持つのは事実です。

  個人的には、遺伝子操作食品がドイツでは禁止され、ヨーロッパ最大の有機食品のスーパーマケットがミュンヘンにある こと、(シリアも禁止)マフィア組 織のような石油組織、ガス組織から早く手を切ろうと、(この観点からドイツはシリアに理解を示していると私は見ます」 エネルギーの自立を目指し再生可能なエネルギー獲得を目指して真剣に取り組
んでいる所、ドイツに住む移民や外国人を反ドイツにさせないところ、人間力を育てる教育や物つくり教育など、良い方向 に、多面的にドイツ人の物事を根本的に考え進める力が動いているのが、素晴らしいと感心しています。

  住めば住むほど、知れば知るほど、ドイツ人魂を、特に南ドイツの、フランケン人、バイエルン人、シュワーベン人に仕 事を通して感じています。       

    永冶ベックマン啓子 (ミュンヘン在住)

  経験に基づいた貴重な話ですね。やはり、日本は世界に対しての広報が必要ですね。日本人の感性としては、自分の宣伝 はしないと言うのがありますが、や はり、世界に対しては日本人とは違うんだと言うことを肝に命じて対応するべきですね。これが、外国に通じているはずの外 務省に解らないのは何故なんでしょ う。
  きっと、実際に現地の人達と真剣に付き合っていないのでしょうね。外に向かってより、日本からのビップの招待にばか り力を入れていると言うのが本当のようです。何とも、情けないですね。

  そのベックマンさんの動画がありました。今、盛んに反日が騒いでいるドイツの徴兵制や放射線治療についても語られて います。反日左翼が発狂しそうな動画です。
  

  とは言いながら、ドイツの政治家や産業界は腹に一物持っているような気がします。いずれにしても、日本は世界は日本 人とは違うんだと言うことを自覚して付き合う必要があるのは間違いないでしょう。

  世界は、日本ほど民度が高 くない!
2015年 9 月 30 日(水)第 5841回  当 局と繰り 広げた長期攻防の舞台裏
  VWが、第 5834回の「独VW、米排気ガ ス検査での不正認める」 で取り上げたときに意外とあっ さりと不正を認めたことに驚い て、早く認めて、早期解決を 計ったのかなと、半ば、その対 応の早さに感心したものです が、どうやら、甘かったようで す。

  何と、裏で、一年以上も前 から争っていたようです。やは り、西欧人は一筋縄では行かな いようです。日本だったら、徹 底的に叩かれていたのじゃない でしょうか。
  とはいえ、これが、表に出 たからには、流石のVWも世界 の顰蹙からは逃れられないで しょうね。いよいよ、崩壊もあ りそうですよ。

    ロイターより   2015年 09月 25日

  焦 点:独VWの不正告白、当局と繰り広げた長期攻防の舞台裏
 
  [ワシントン/デトロイト 24日 ロイター] - 自動車業界史上、最大のスキャンダルの1つに身を置くことになった独フォルクスワーゲン(VW)(VOWG.DE)。 世界最大の販売台数を誇る自動車メーカーが排ガス規制を不正に回避したと告白したのは、奇しくも米カリフォルニア州での 低公害輸送に関する会議の直前だった。

  1年以上も調査官をかわした末、VWは米環境保護局(EPA)とカリフォルニア州当局の幹部2人に不正を認めた。

  それは、経緯に詳しい人物2人によれば8月21日の出来事で、VWは事件が公になるほぼ1カ月前に規制当局の圧力に 屈していたことになる。それまでの 約1年間、VWは自社のディーゼル車が一般道路での走行時に排気ガス中の有害物質の水準が急上昇するのはエラーだと主張 し続けた。

  米当局は9月18日に問題を公表。試験走行時に排ガス規制に適合するようにモードを切り替えるソフトウエアが、世界 中で販売された自社製ディーゼル車 の約1100万台に搭載されていたことをVWは認めた。実際に問題が発覚してから米規制当局がそれを公にするまでに1カ 月程度かかったのは、当局が対応の 準備に時間を要したからだ。

  EPAはVWに対し、最大180億ドル(約2.17兆円)の罰金を科すとしている。同社はまた、集団訴訟などでさら に何十億ドルもの費用がかかる可能 性もある上、刑事捜査にも直面。ウィンターコルン最高経営責任者(CEO)が引責辞任し、経営陣は混乱した状態にある。 関係筋によると、米国法人の社長を 含む複数の幹部も処分される。

  一貫して否定し続けるというVWの姿勢に直面しながら、調査官は同社の体系的な不正をどのように暴いていったのか ──。今後同社に科されるであろう制裁や、より厳しい調査を受けることになる自動車業界に とって、現在に至るまでの経緯はさまざまな意味合いを持つかもしれない。非協力的な同社の態度は、米政府による罰則措置 に影響を与える可能性もある。

  規制当局者たちは当初、VWが不正行為について冒頭の会議場で認めたことに驚いたという。EPA交通・大気汚染管理 局のクリストファー・グランドラー 局長は会議でスピーチをする数分前、VWの代表者から不正について聞かされた。事情に詳しい複数の関係筋によれば、カリ フォルニア州大気資源局 (CARB)の参加者らも口頭で伝えられたという。

  この経緯について、VWはロイターに対しコメントを差し控えた。

  2009年までVW米国法人で環境対策の責任者を務め、2011年に退職したノルベルト・クラウス氏は、米国法人で ディーゼル車の開発に関わった人は1人もいないとし、「ソフトウエアの変更について何も知らない」とロイターの電話取材 に答えた。

  <1年以上の疑惑に終止符>

  正式にVWが不正を認めたのは9月3日、同社幹部とEPA、カリフォルニア州当局者らとの電話会議でのことだった。

  それ以前に、VWとアウディが来年発売予定のディーゼル車の承認を保留するとEPAが警告していたことが、同社米国 法人のエンジニアリングと環境対策 の責任者であるスチュワート・ジョンソン氏と同社の弁護士に送った書簡で明らかになった。書簡にはEPAの行動スケ ジュールの一部が詳細に記述されてい た。

  このようにしてVWと米当局側との15カ月間に及ぶやり取りは終止符が打たれたと、複数の関係筋は明かす。EPAな ど米規制当局側は、VWのディーゼル車が通常走行中に基準を超える有害物質の窒素酸化物(NOX)を排出していると疑う ようになっていた。

  VWは2008年、いわゆる「クリーンディーゼル」エンジン搭載の「ジェッタTDI」(2009年モデル)を大々的 に宣伝した。2008年に開催され たロサンゼルス自動車ショーでは「グリーンカー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたそのエンジンは、ディーゼル乗用車が全体 の半数を占める欧州と比べ、僅かな シェアしかない米国販売を拡大する突破口と見られた。

  <祖父のディーゼル車>

  クラウス氏は2008年当時、米規制当局へのプレゼンテーションで「これは祖父のディーゼル車とは違う」と語ってい た。同氏らVW側はカリフォルニア州を含むすべての州の汚染基準に適合すると主張していた。

  その約10年前から、VWやマツダ(7261.T)など他の自動車メーカーは業界団体「ディーゼル・テクノロジー・ フォーラム」を設立し、ディーゼル 車に対する規制緩和を求めロビー活動を行っていた。2005年にはディーゼル車に対する税控除も実施された。2009年 にVWのジェッタが発売されると、 米国の販売代理店では完売が相次いだ。

  一方ほぼ同時期に、欧州の規制当局は各社が主張するディーゼル車の排ガス水準に懐疑的になっていた。2013年に発 表された欧州委員会(EC)の調査 は、欧州の自動車メーカーが試験の抜け穴を利用していると結論付けた。ECの別の調査結果でも、欧州メーカーが販売する ディーゼル車は試験走行と一般走行 で結果に相違があることが示された。

  CARBのスタンリー・ヤング氏によると、EC規制当局が米国での路上走行時のデータを求めているのを受け、カリ フォルニア州は調査を開始したという。

  データ作成は2013年2月、輸送車両の環境適合性などを調査する非営利団体の国際クリーン交通委員会(ICCT) に委託され、ウエストバージニア大学(WVU)の研究者たちが行った。

  WVUの研究チームによると、2013年春に7週間にわたってVWのジェッタ(2012年モデル)と同パサート (2013年モデル)を、ディーゼルエ ンジン搭載のBMWのX5と一般道で比較走行した。その結果、BMW車の排ガス水準は試験走行時の範囲内に収まっていた が、ジェッタは法定基準の 15─35倍、パサートは10─20倍も上回っていた。

  その後間もなくしてWVUがテストした同じ2台を、CARBの施設で試験走行したところ、排ガス基準内に収まる結果 となった。

  それから1年間かけてWVUの研究チームはデータを分析。その結果をカリフォルニア州サンディエゴで昨年3月31日 に開催された会議で発表した。

  <警戒強めた米当局>

  この調査結果について「米国とカリフォルニア州にとって明らかに問題だと、幹部たちは警戒を強めた」とCARBのヤ ング氏は話す。

  ヤング氏によると、昨夏に始まったカリフォルニア州当局者らとVWとの話し合いで、VWのエンジニアは調査データと その手法に異議を唱え、結果の信ぴょう性を損なおうとしたという。「断固反対する態度だった」と同氏は振り返る。

  EPAによると、VWは昨年12月2日に独自の調査結果を持ち出し、基準を超えていたのは「さまざまな技術的問題と 予期せぬ走行中のコンディション」のせいだと主張した。その後、VWはエンジン制御ソフトを修正するためのリコール(回 収・無償修理)に同意した。

  CARBのエンジニアたちはテストを続け、VWによるソフト修正でも排ガスが大きく減少しないことを明らかにした。 事態の打開につながったのは、車のコンピューターシステムに保存されていた診断データを調べたときだった。

  ヤング氏は「いくつか非常に不思議な異常を発見した」と言う。

  「例えば、通常とは逆に、車は温まった状態よりも冷えた状態での方がクリーンに作動していた。普通は温まったときに 汚染制御システムも最善に働く。だ が、この車は違った。明らかに何か違うことが起きていた。われわれは時間をかけて、彼らが合理的な説明ができないほどに 十分な証拠と疑問を集めた」と同氏 は説明する。

  CARBは今年7月8日、その結果をVWに提示したが、同社の立場に変わりは見られなかった。一部の当局者は、VW が試験走行時に排ガス規制モードに 切り替わる「無効化機能(defeat device)」ソフトを自社の車に搭載して意図的に法を犯しているのではないかとひそかに疑問に思っていたと、関係者の1人は明らかにした。

  同ソフトは通常走行時には排ガス低減装置を無効化し、有害物質を基準値の最大40倍排出する。

  「こんなふうにだまして逃げ切れると思うなんて、想像をはるかに超えている」と、1999年から2004年まで CARBを率いたアラン・ロイド氏は驚きを隠せない様子で語った。

  やはり、私の最初に思ったのと全く反対の対応をしていたのですから、最後の「逃げ切れると思うなんて」が世界が感じ る素直な思いじゃないでしょうか。この思いは大きいですよ。こうなると、そう簡単には逃げ切れないでしょう。
  
  遂に、国内での不正も明らかになったようです。これで、国内で擁護する機運も無くなりそうですね。益々、危機は大き そうです。

  ロイターより   2015年 09月 26日

  VW の排ガス不正操作、独国内で約280万台が影響の見通し=運輸相

  [ベルリン 25日 ロイター] - ドイツのドブリント運輸相は25日、フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼル車の排ガス不正操作問題について、国内で約280万台が影響を受けるとの 見通しを示した。

  同運輸相は議会で、「国内で販売された車両も不正操作の影響を受けていることは明らかになっているが、これまでに入 手した情報に基づくと、排気量 2000cc、および1600ccのディーゼルエンジンが影響を受けている」と語った。排気量1200ccのエンジンも 影響を受けている可能性があるとの 見方が出ているとも述べた。

  ここまでくると、一体どこまで広がるのか、想像も付きませんね。他のメーカーにもどう影響するのか、もしかしたら、 ヨーロッパの自動車メーカー総倒れなんてこともあるかもしれませんよ。
   
当分、目が離せませんね!

ホーム

1999 年

 

 

 

 

 

 

7

8

9

10

11

12

2000 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2001 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2002 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2003 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2004 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2005 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2006 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2007 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2008 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2009 年

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2010 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2011 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2012 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2013 年

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2014 年

1

2

3

4

 5

6

 7

8

9

10

11

 12

2015 年

1

2

3

4

 5

6

 7

8

9

10

11

 12

 

 

inserted by FC2 system